小児血液・腫瘍学 改訂第2版**診断と治療社/日本小児血液・がん学会/9784787824899**
発行 2022年6月
判型:B5判 640頁
ISBN 978-4-7878-2489-9
初版から6年半ぶりの改訂.
今回の改訂では,総論と各論という基本的な構成は踏襲し,AYA世代と移行期医療,がんゲノム,CAR?T療法などの腫瘍免疫療法,新たな分子標的薬などの最新情報を盛り込み,利益相反や医学研究の倫理に関しても現状に即したものとした.
専門医を目指す小児科医のみならず,若手育成を担う中堅の指導医のスキル・メンテナンスにも対応でき,小児領域に特化した血液・腫瘍学ではわが国で唯一の定本.
【目 次】
第Ⅰ部 総論
第1章 血液・造血器総論
1 造血発生
a. 血球の産生・分化と造血幹細胞
b. 造血因子とサイトカイン
c. ES細胞,iPS細胞
d. 造血と栄養:鉄・ビタミンなど
2 血球の形態・機能
a. 赤血球
b. 白血球
c. 血小板
d. 骨髄とリンパ組織
3 止血・血栓に関連する血漿とその成分
4 非腫瘍性疾患の疫学
5 血液・造血器疾患のおもな症候と鑑別
a. 貧血
b. 出血傾向,血栓傾向
c. リンパ節腫大,肝腫大,脾腫大
d. 易感染性
6 血液・造血器疾患におけるおもな検査
a. 血球形態観察
b. 凝固・線溶系検査
c. 血小板機能検査
d. 免疫学的検査
e. 骨髄検査(骨髄穿刺,骨髄生検)
f. 染色体検査・遺伝子検査の基礎知識
g. 造血不全に関する特殊検査
7 非腫瘍性血液疾患と移行期医療
第2章 小児がん
A 小児がんにおける基礎と疫学
1 疫学
2 家族性腫瘍,遺伝性腫瘍
3 がんの分子生物学
4 がんの細胞生物学
5 腫瘍免疫
B 小児がんにおける症候と臨床像
1 造血器腫瘍
2 内臓固形腫瘍
3 骨軟部腫瘍
4 脳・脊髄腫瘍
C 小児がんの検査と診断
1 腫瘍マーカー
2 免疫学的診断
3 染色体・遺伝子診断(造血器腫瘍)
4 染色体・遺伝子診断(固形腫瘍)
5 病理診断(細胞診断,組織診断)
6 画像検査
7 小児がんゲノム医療
D 小児がんにおける治療法
〔抗がん化学療法〕
1 抗がん化学療法の基礎と抗がん薬の分類
2 治療薬各論
a. アルキル化薬
b. 代謝拮抗薬
c. 植物アルカロイド薬
d. 抗がん抗菌薬
e. プラチナ製剤
f. 分子標的薬
g. 抗体療法
〔外科治療〕
1 脳腫瘍
2 骨・軟部腫瘍
3 内臓固形腫瘍
〔放射線治療〕
1 総論
a. 脳腫瘍
b. その他の固形腫瘍・血液疾患
2 放射線治療の物理学・生物学・種類と適応
3 放射線治療の合併症
〔細胞・遺伝子治療〕
1 CAR?T細胞療法
2 その他の遺伝子細胞治療
E AYA世代のがん
1 AYA世代がんの疫学・予後・治療課題
2 AYA世代がんの包括医療
第3章 造血細胞移植
1 小児造血細胞移植総論
2 小児における造血細胞移植の適応
3 ドナー/造血細胞の選択
4 移植前治療
5 造血幹細胞採取など
6 移植後合併症
a. 移植片対宿主病
b. 生着不全
c. 移植に関連する感染症とその予防
d. 感染症以外の早期合併症
e. 移植後晩期合併症
7 患者と家族への心理的サポート
第4章 がん救急(oncologic emergency)
1 心,胸郭
2 腹部
3 神経(脳,脊髄)
4 代謝:腫瘍崩壊症候群など
5 血液異常
6 泌尿器
第5章 支持療法
1 消化器症状への対応
2 栄養療法
3 歯科・口腔ケア
4 静脈アクセス
5 感染予防と治療
a. 標準感染予防
b. 発熱性好中球減少症
c. 深在性真菌症
d. ウイルス感染症
e. 予防接種
6 小児がん・血液診療の輸血
a. 輸血指針と製剤,輸血関連検査
b. 輸血療法
c. 輸血副作用
第6章 晩期合併症
1 長期フォローアップ
2 各論
a. 神経・認知
b. 内分泌
c. 心臓
d. 呼吸器
e. 腎・泌尿器
f. 消化器
g. 感覚器(味覚・聴覚・視覚)
h. 口腔
i. 筋・骨格・皮膚
j. 妊孕性
k. 二次がん
第7章 緩和医療
1 緩和医療
a. 痛みのアセスメントとさまざまな対処方法
b. 終末期の症状への対応
c. 終末期の小児がん患者・家族の心理的サポート
d. 在宅医療
e. 医療者が行う遺族のグリーフケア
第8章 トータルケア
1 トータルケア
a. チーム医療
b. 説明と同意
c. 心理・社会的支援
d. 学校・教育支援
e. 療養環境
f. 家族支援
g. 遺伝カウンセリング
第9章 倫理・研究
1 子どもを対象とする医療および研究の倫理
2 研究
a. 検体の保存,取り扱い方
b. 生物統計・研究デザイン
c. 臨床試験
d. 研究論文の読み方
e. 論文発表・学会発表の仕方
第Ⅱ部 各論(疾患)
第1章 血液・造血器疾患
A 赤血球の異常
1 鉄欠乏性貧血
2 慢性疾患に伴う貧血
3 再生不良性貧血
4 遺伝性骨髄不全症候群
5 先天性溶血性貧血
6 血色素異常症(異常ヘモグロビン症,サラセミア)
7 新生児の貧血・多血
8 自己免疫性溶血性貧血
9 その他の溶血性貧血
10 巨赤芽球性貧血
11 出血性貧血
12 その他の貧血
13 その他の赤血球疾患(赤血球増加症)
B 白血球の異常
1 好中球減少症
2 好中球/好酸球/好塩基球増加症
3 単球,マクロファージ,樹状細胞
C 免疫異常
1 原発性免疫不全症
a. T細胞性免疫不全
b. 免疫不全を伴う特徴的症候群
c. B細胞不全
d. 免疫調節障害:血球貪食性リンパ組織球症など
e. 食細胞機能異常:慢性肉芽腫症
f. 自然免疫不全症・自己炎症性疾患
g. 先天性補体欠損症
2 続発性免疫不全症
D 血小板と止血・血栓の異常
1 血小板の異常
a. 血小板減少症
b. 血小板増加症
c. 血小板機能異常症
2 凝固異常
a. 血友病(第VIII因子欠乏,第IX因子欠乏)
b. von Willebrand病
c. その他の先天性凝固異常症
d. 後天性ビタミンK依存性凝固因子欠乏症
e. 播種性血管内凝固
f. その他の後天性凝固異常症,血液凝固阻害物質
3 血栓症と血栓性素因
a. 遺伝性血栓症(栓友病)
b. 後天性血栓性疾患
c. 薬剤/感染症関連の後天性血栓症
第2章 小児がん
A 造血器腫瘍
1 急性リンパ性白血病
2 急性骨髄性白血病
3 乳児白血病
4 慢性骨髄性白血病
5 骨髄異形成症候群,骨髄増殖性疾患
6 Down症候群に伴う血液腫瘍性疾患
7 非Hodgkinリンパ腫など
8 Hodgkinリンパ腫
9 リンパ増殖性疾患
a. 小児EBV陽性T細胞およびNK細胞リンパ増殖症
b. 原発性免疫不全症に関連したリンパ増殖症
10 組織球症
a. Langerhans細胞組織球症
b. Langerhans細胞組織球症以外の組織球症
B 固形腫瘍
1 髄芽腫,中枢神経胚細胞腫,髄芽腫以外の中枢神経系胚芽腫および松果体芽腫
2 神経膠腫,上衣腫,非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍,その他の腫瘍
3 網膜芽細胞腫
4 神経芽腫
5 肝腫瘍
6 腎腫瘍
7 胚細胞腫瘍
8 骨肉腫
9 Ewing肉腫ファミリー腫瘍
10 横紋筋肉腫などの軟部組織肉腫
11 その他の悪性固形腫瘍
12 血管性腫瘍,脈管奇形,その他の良性腫瘍
巻末資料
日本小児血液・がん学会認定:専門医制度について
日本小児がん研究グループ(JCCG)の成り立ち
小児血液・腫瘍に関する診療ガイドラインについて