免疫学者のパリ心景**医歯薬出版/矢倉 英隆/9784263206881**

販売価格
3,960円(税込み)
新しい「知のエティック」を求めて
編著
矢倉 英隆
出版社
医歯薬出版
分野
 
医学一般

数量

販売期間
2022/06/10~
商品コード
9784263206881
発行 2022年6月
判型:四六判 362頁
ISBN 978-4-263-20688-1
免疫学者,パリで哲学する――
『週刊 医学のあゆみ』の好評連載エッセイ「パリから見えるこの世界」,待望の書籍化!


・免疫学の研究者から転じて,ソルボンヌ大学で哲学を専攻(科学認識論,科学・技術史で博士号取得).
・“知のエピキュリアン”が語る「わたしの方法序説」――あらたな認識の方法として「科学の形而上学化」を提示.
・二つの文化の対<科学と哲学,日本とフランス>のインターフェースから見えてくる,これからの「世界」とあらたな「知のエティック」とは?

【目 次】
第1章 なぜフランスで哲学だったのか
1.フランス語との遭遇
2.抱えていた実存的問い
3.フランスでの「全的生活」を模索する
4.刻印を残した二人の哲学者:ピエール・アドーとマルセル・コンシュ
5.フランスの大学院教育を受けて
[COLUMN1]古典を読むという「実験」が欠かせないわけ

第2章 この旅で出会った哲学者とその哲学
1.ハイデッガー,あるいは死に向かう生物としての人間
2.プラトンの『パイドン』から見える生き方
3.アリストテレスの「エネルゲイア」とジュリアン・バーバーの「時間」
4.ディオゲネスという異形の哲学者
5.誤解され続けた「魂の医者」エピクロス
6.エピクテトスとマルクス・アウレリウス,あるいは現代に生きるストア哲学
7.スピノザへの旅
8.ジョルジュ・カンギレムが考えた正常と病理,そして治癒
9.橋を架けるミシェル・セール
10.哲学に対する二つの態度,あるいは分析哲学と大陸哲学
[COLUMN2]二つの闇の間の閃光

第3章 科学という営み,あるいは科学者を突き動かすもの
1.「ダーウィン2009」,そしてダーウィンが試みたこと
2.ジャン・バティスト・ラマルクの思想と人生
3.エルンスト・ヘッケルが求めた一元論
4.イリヤ・メチニコフとジュール・ホフマンと自然免疫
5.トルストイの生命論と科学批判
6.ルドヴィク・フレックが見た科学という営み
7.パウル・カンメラーとウィリアム・サマリン,あるいは正統から追われた科学者
8.ニールス・イェルネという哲学的科学者
9.フランソワ・ジャコブ,あるいは科学の先にあるもの
10.フィリップ・クリルスキーが考える専門と責任の関係
[COLUMN3]免疫の本質に至る旅

第4章 科学と哲学の創造的関係を求めて
1.オーギュスト・コントの「三段階の法則」
2.「科学の形而上学化」,あるいは「四段階の法則」
3.そもそも形而上学とは何をする学問なのか
4.なぜ「科学の形而上学化」が必要になるのか
5.意識の三層構造と第三層の重要性
6.「科学の形而上学化」の実践
[COLUMN4]「科学と哲学」を考えるカフェとフォーラム

第5章 「現代の超克」のためのメモランダム
1.シュペングラーが考えた技術,文化,文明
2.ハイデッガーの「テクネ」から現代を考える
3.プラトンが問いかけた「知る」ということ
4.徳認識論と「科学の形而上学化」
5.「わたしの真理」から「絶対的真理」への道を想像する
6.真理の探究と幸福,あるいはこの生の意味
[COLUMN5]エッセイシリーズから見えてきた好みの哲学者