関節リウマチ関連リンパ増殖性疾患の診断と管理の手引き**羊土社/3学会合同RA関連LPDWG/9784758123921**
発行 2022年7月
判型:A4判 136頁
ISBN 978-4-7581-2392-1
編集:3学会合同RA関連LPDワーキンググループ(日本リウマチ学会,日本血液学会,日本病理学会)
MTXなどの免疫抑制薬治療中のRAに発生するリンパ増殖性疾患(LPD)に適切に対応するため,関連3学会WGがまとめた本邦初の手引き.最新エビデンスをもとに,RA-LPD診断・管理の重要ポイントがわかる
【目 次】
【1】緒言
① はじめに
② RA治療薬開発の歴史
③ RA治療戦略の変遷
1)古典的治療戦略
2)RA治療のパラダイムシフト
④『関節リウマチ関連リンパ増殖性疾患の診断と管理の手引き』作成にあたって
1)RA治療のパラダイムシフトがもたらした光と影
2)本手引き作成にあたって
【2】リンパ腫/リンパ増殖性疾患の概念と定義
【3】関節リウマチとリンパ腫/リンパ増殖性疾患
① 自己免疫疾患とリンパ腫
② 諸外国におけるRA患者のリンパ腫の相対リスクと罹患率
③ 本邦におけるRA関連LPDの発生状況
1)本邦の代表的RAレジストリにおけるリンパ腫の罹患率
2)リウマトレックス?適正使用情報におけるLPDの収集状況
④ RA患者におけるリンパ腫/LPDの発生要因
1)遺伝的要因
2)老化(senescence)と免疫老化(immunosenescence)
3)RAの炎症活動性と免疫異常
4)Epstein-Barrウイルス感染
5)治療薬による免疫抑制(医原性免疫不全)
疫学統計用語の解説
【4】WHO分類(病理学的分類)
① WHO分類の歴史,流れ
② 悪性リンパ腫の分類/診断のとらえ方
③ 悪性リンパ腫の分類
1)形態分類の基本
2)悪性リンパ腫と細胞分化
【5】関節リウマチ関連リンパ増殖性疾患の病理学的特徴と診断名
① 免疫不全関連LPDの分類
② RA患者に発生したその他の医原性免疫不全関連LPDの病理組織像
1)各病理組織型の頻度
2)免疫表現型
3)RA患者にみられる代表的LPDの病理組織像
【6】関節リウマチ患者に発生するリンパ増殖性疾患の危険因子と発症前の徴候,検査異常
① LPD発症に関与する因子(危険因子)
1)患者特性:年齢,性
2)RA罹病期間
3)治療薬関連因子
4)遺伝学的背景(HLAリスクアリルについて)
5)合併症:Sj?gren症候群など他の自己免疫疾患の合併
6)国内集積研究における多変量解析を用いたLPD危険因子の解析
② LPD発症前の徴候,検査異常
1)LPD発症前の検査値の変動
2)発症前のRA疾患活動性?関節症状,炎症反応,疾患活動性スコア
【7】関節リウマチ関連リンパ増殖性疾患の臨床的特徴
① 臨床症状と徴候
② 検査値異常
【8】診断手順:必要な検査,コンサルテーションのタイミング
? リウマチ医の立場から?LPDを疑ったときの初期対応
① RA患者におけるLPDの診断フロー
② 医療面接と身体診察?リンパ腫/LPDを疑う臨床症状
1)主訴,現病歴
2)既往歴・家族歴など
3)臨床経過
4)身体所見
③ 確定診断前に要する検査
1)臨床検査
2)画像・内視鏡検査
3)リンパ節生検
? 病理診断医の立場から?リンパ節生検,節外病変生検で何を検査するか
①RA関連LPDの病理組織検査の実際
1)リンパ節あるいは節外病変からの検体採取
2)検体材料の作製
3)HE染色,免疫染色,フローサイトメトリー
4)染色体解析,FISH
5)分子生物学的診断
② 組織中のEpstein-Barrウイルスの確認
【9】リンパ増殖性疾患の経過・予後と発生時の対応
① 自然消退例と非消退例の臨床・病理学的特徴
1)自然消退例と非消退例の比率
2)自然消退例と非消退例の患者背景
3)自然消退例と非消退例におけるMTX中止後の臨床検査値変化
4)自然消退例と非消退例におけるLPD発症前のRA治療の特徴
5)自然消退例と非消退例におけるLPDの局在と病理像の特徴
② 自然消退の時間的経過および副腎皮質ステロイドの消退過程への影響
1)自然消退の時間的経過
2)副腎皮質ステロイドの消退過程への影響
③ 血液内科および他科へのコンサルテーションのタイミング
④ 自然消退して再発しない例と再発する例の比率と再発例の患者背景
1)自然消退例の再発率と再発までの期間
2)再発例の臨床・病理学的特徴
3)自然消退後の再発時の検査値異常
⑤ 生命予後と生命予後に影響する因子
1)RA関連LPDの生命予後
2)生命予後に影響を及ぼす因子
3)死因
【10】リンパ増殖性疾患が疑われる関節リウマチ患者への血液内科医の対応と代表的病理組織型別治療
① RA関連LPD患者における対応の流れ?血液内科医の立場から
1)LPD疑いの患者をみたら
2)抗リンパ腫治療開始の判断
3)MTXを含む免疫抑制薬中止後のフォローアップ
4)注意点
② RA関連LPD治療の考え方
③ 生検が行われなかったLPD疑い患者のフォローアップ
④ 各RA関連LPD亜型における治療方法
1)びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)
2)古典的Hodgkinリンパ腫(CHL)
3)その他のLPD
【11】リンパ腫/リンパ増殖性疾患の消退/寛解後の関節リウマチ治療(推奨される薬剤)
① LPD自然消退例あるいは治療後寛解に至った症例のRA疾患活動性コントロール状態とRA治療の現状
1)LPD発症後のRA疾患活動性
2)LPD発症後のRA治療状況
3)RA治療薬とLPDの再発
② LPD発症後の生物学的製剤治療
1)LPD症例における生物学的製剤の継続率
2)生物学的製剤の継続にかかわる因子
3)LPD発症後の生物学的製剤の使用