作業療法に役立つ臨床推論**三輪書店/三村 將/9784895907576/978-4-89590-757-6**

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4,950円(税込み)
高次脳機能障害の生活障害を分析する推論思考過程の理解
編著
三村 將
出版社
三輪書店
分野
 
リハビリテーション技術

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書籍版 販売期間
2022/09/22~
JANコード
9784895907576
商品コード
9784895907576
発行 2022年9月
判型:B5判 312頁
ISBN 978-4-89590-757-6

監修:三村 將
編集:酒井 浩 / 宮口 英樹 / 横井 賀津志
生活障害の科学的分析に基づいたOT臨床推論の入門に最適の一冊!

リハビリテーション領域においても近年よく耳にするようになった臨床推論(クリニカルリーズニング)。
作業療法士(OTR)は、対象者の多種多様な生活における困難さ、すなわち生活障害へ介入する医療専門職ですが、これら対象者は医学的要因と社会的要因が複雑に組み合わさった個別性の高い状況にあります。
これら対象者のうち、特に高次脳機能障害を抱える対象者に対して、その生活障害を分析し、統合と解釈を行い、介入するためには、確かな基礎知識と豊富な臨床経験が必要とされることは想像に難くないでしょう。
本書では、臨床推論(クリニカルリーズニング)の基本的な考え方から、分析の思考過程、統合と解釈、そして評価や介入といった、作業療法士ならではの推論思考過程を丁寧に解説しています。
臨床の場では、経験として語られることで終わってしまう場合が多いところもありますが、その臨床力を一つ一つ整理していくことで、科学的分析に基づいた作業療法介入であることをしっかりと理解できるはずです。

高次脳機能障害における生活障害へ介入する作業療法士ならではの臨床推論についてまとめあげた、本邦初の書籍です。

【目 次】
第1章 作業療法における臨床推論
1 作業療法と臨床推論
2 臨床推論の種類
3 作業療法に推論過程をどのように活かすか
4 作業療法推論における「統合と解釈」と高次脳機能障害
5 臨床推論の能力を高めるために
トピック ?VBPとSDM
1 価値に基づく診療(VBP)
2 共同意思決定(SDM)

第2章 臨床推論の基礎と推論過程
1 事象が何に起因するのかを特定する
2 事象を掘り下げる
3 作業療法における臨床推論の流れ
4 事象から予備的診断(仮説生成)までの流れ
5 予備的診断の検証(確認検査)
トピック ?注意障害・記憶障害がある対象者へのアプローチ
1 注意障害・記憶障害とリハビリテーション
2 注意障害に対するリハビリテーションのアプローチやエビデンス
3 記憶障害に対するリハビリテーションのアプローチやエビデンス
コラム ?脳卒中および身体障害領域の臨床評価:評価編
1 WMFT(Wolf Motor Function Test)
2 MAL(Motor Activity Log)
コラム ?脳卒中および身体障害領域の臨床評価:介入編
1 リハビリテーションと運動学習
2 脳卒中リハビリテーションの代表的なファシリテーションテクニック
3 エビデンスに基づくCI療法

第3章 高次脳機能障害のアセスメント
総論:脳の役割分担と高次脳機能障害
1 前頭葉の働きと高次脳機能障害
2 頭頂?後頭葉の働きと高次脳機能障害
3 側頭葉の働きと高次脳機能障害

各論
1 注意障害
2 半側空間無視
3 視覚失認
4 バリント症候群
5 記憶障害
6 失行症
7 ゲルストマン症候群および身体部位失認
8 前頭葉障害
トピック ?左半側空間無視と最近の知見
1 半側空間無視の病態
2 机上検査における限界点
3 注意ネットワークの障害としての2つの選択反応課題(能動注意課題と受動注意課題)
4 視線計測から代償戦略の程度を評価する
5 左右反転画像提示における自由視認中の視線計測
トピック ?視覚認知の障害とその評価―視覚失認・バリント症候群―
1 視覚認知に関わる脳
2 視覚失認の分類と評価
3 バリント症候群とその評価
4 その他の視覚認知障害
コラム ?失語症の臨床評価と結果の解釈
1 失語症の評価
2 評価の前に
3 病期における評価
4 標準失語症検査(SLTA)
5 実用コミュニケーション能力検査(CADL)
6 失語症とその他の原因による言語障害との鑑別
7 失語症者への対応

第4章 神経症状から考える臨床推論
1 時期から考える
2 症状から考える
3 脳の血管支配
4 認知症と高次脳機能障害
トピック ?失行症とその他の行為・行動の障害
1 失行症
2 行為・行動の障害
3 介入方法の変遷
コラム ?統合失調症とうつ病
1 統合失調症
2 うつ病

第5章 レジュメにおける臨床推論の組み立て
レジュメ見本:右半球病変
1 レジュメ作成の要旨
2 統合と解釈に至るまでのポイント
レジュメ見本:左半球病変
1 レジュメ作成の要旨
2 統合と解釈に至るまでのポイント
レジュメの作成:基礎編
1 レジュメ
2 レジュメ作成上の重要ポイント
3 「統合と解釈」を考えるための論理展開①
4 「統合と解釈」を考えるための論理展開②
レジュメの作成:応用編①
1 レジュメ
2 情報の確認
レジュメの作成:応用編②
1 作業とは
2 人・環境・作業
3 評価と介入
4 レジュメ
トピック ?社会的行動障害,意欲の障害,遂行機能障害をシステムの観点から捉える
1 脳機能システム
2 病態メカニズムの考え方
コラム ?意味のある作業,作業レベルの臨床評価
1 作業ニーズ
2 作業ニーズを捉えるための評価ツール
3 作業遂行に関する評価ツール

第6章 臨床推論に役立つ画像の見方と考え方
1 脳内ネットワークと高次脳機能障害との関係
2 脳画像の読影に必要な白質線維
3 主要な高次脳機能障害
トピック ?失読,失書,小児の読み書き障害
1 概要
2 失読・失書の分類
3 読字の神経機構
4 書字の神経機構
コラム ?妄想性人物誤認と周辺症候(奇妙な訴えをするもの)
1 妄想性人物誤認とは
2 妄想性人物誤認の周辺症候

第7章 事例を通した推論過程の理解
1 事例の見方
2 事例の概要
事例①:左後頭葉内側病変
1 カルテ情報
2 相談内容
3 推論過程
4 相談に対する回答
事例②:右頭頂葉病変
1 カルテ情報
2 相談内容
3 推論過程
4 相談に対する回答
事例③:右前頭葉病変
1 カルテ情報
2 相談内容
3 推論過程
4 相談に対する回答
5 統合と解釈を踏まえた介入方針の立案