相談事例から考える研究倫理コンサルテーション**医歯薬出版/松井 健志/9784263732106**
発行 2022年9月
判型:B5判 424頁
ISBN 978-4-263-73210-6
監修・編著:松井 健志
編著:山本 圭一郎 / 伊吹 友秀 / 井上 悠輔
わが国の研究倫理の第一級専門家チームによる,真に役立つ研究倫理ワークブックの決定版!
・医学系研究に携わる者の多くが,いつかどこかで必ず遭遇する研究倫理上の問題を含む,役立つ相談事例を20ケース収録.
・相談事例を元に「研究倫理のプロの視点と思考の流れ」を追想することで,研究倫理の基礎力である「思考力」が身につく画期的な書.
・各種の研究計画案について,読者自らが倫理的課題を発見し,自らで問題を「考え」,分析し,自らで妥当な解決策を見いだせるよう強力にサポート.
・自己学習用テキストとして使う場合も,また演習指導用テキストとして使う場合のいずれにも最適な書.
・研究倫理コンサルタントを目指す方々はもちろん,研究倫理審査の任にあたる倫理審査委員会委員や事務局スタッフ,あるいは,実際に医学系研究を立案・実施されている研究者や医療従事者,医学系研究者を将来目指す学生の方々にも,必須の一冊.
【目 次】
序章 相談事例(Cases)に進む前に
Preface 00 研究倫理コンサルテーションの基礎
1章 既存試料・情報を用いた研究・バイオバンク
Case 01 小児の疾患バイオバンクへの協力
Case 02 バイオバンクでの「同意」
Case 03 「オプト・アウト」における情報公開
Case 04 病理解剖で得られた検体の研究利用
Case 05 他機関への異動に伴う試料等の移転
Case 06 オンライン商業誌への症例データの投稿
Case 07 海外研究者へのデータ提供
2章 疫学・公衆衛生研究
Case 08 地域コホート研究の立案
Case 09 出生コホート研究の立ち上げ
Case 10 産業医による研究
Case 11 学校をフィールドとする研究
Case 12 パンデミック下の感染症研究
3章 臨床試験・企業が関与する研究
Case 13 歯科臨床試験
Case 14 既承認薬同士の比較?
Case 15 企業とのサプリメント臨床試験の立案
Case 16 企業との画像解析ソフトウェア共同研究
4章 研究公正関連・その他
Case 17 オーサーシップ問題
Case 18 病理診断症例の報告
Case 19 「倫理審査不要」?
Case 20 看護研究
附録1 研究倫理コンサルタントに求められるコア・コンピテンシー・リスト
附録2 相談内容聞き取り時のチェック項目シート(見本)(ver.2.0)
附録3 ルーブリックの作り方と使い方(解説)
BOX & コラム一覧
Case 01
BOX 1 『小児を対象とした臨床研究において求められる倫理原則』
Column 1 バイオバンクと試料・情報の研究利用
Column 2 ゲノム医療・研究での「偶発的所見」への対処をめぐる議論
Case 02
Column 1 周産期の試料・情報の研究利用
Case 03
BOX 1 亡くなった患者の生体試料を用いた研究
BOX 2 IC手続の簡略化(山本)
Column 1 研究対象者等が「容易に知り得る状態」とは?
Case 04
BOX 1 「社会的に重要性の高い」をめぐる倫理指針上の議論
Column 1 検体試料の遺族返還問題
Case 05
BOX 1 MTA/DTA拡大の背景
Column 1 「匿名化」をめぐる混乱とその後
Case 06
Column 1 症例報告における「査読」の意義
Column 2 捕食ジャーナル(predatory journals)
Case 07
BOX 1 データ・シェアリング
Column 1 臨床研究の情報漏洩事件
Case 08
BOX 1 高齢者への情報提供・意思表明の支援
BOX 2 研究参加者への謝礼
Column1 ダイナミック・コンセント(dynamic consent)
Case 09
Column 1 リスク・ベネフィットバランスと青天井問題
Column 2 最小限のリスク(minimal risk)とは?
Case 10
BOX 1 オーサーシップ不正か,倫理指針違反か?
Column 1 責務相反(Conflict of Obligation/Responsibility/Commitment)
Case 11
BOX 1 研究倫理審査委員会(REC)の裁量
Column 1 学校における子ども(生徒)と「弱者性」
Case 12
BOX 1 パンデミック下での人チャレンジ試験
Column 1 緊急事態下での研究倫理審査・運営
Case 13
BOX 1 ランダム化によるバイアスの制御
Column 1 臨床的均衡とプラセボ論争
Column 2 「介入(intervention)」とは?
Case 14
BOX 1 “標準治療”同士のRCTをめぐる論争
BOX 2 「社会的価値」の考慮
Column 1 倫理指針上の「リスク」と「侵襲」の位置づけ
Case 15
BOX 1 トリプトファン事件
BOX 2 臨床研究法
Case 16
Column 1 「前向き」・「後ろ向き」研究と「既存試料・情報」を用いる研究の相違
Column 2 “学術研究”であるための要件
Column 3 R4 指針改正前と後における学術例外と「特段の理由」例外の関係の変化
Case 17
BOX 1 大学院アカハラ訴訟事件(2019年)
BOX 2 CrediT(Contributor Roles Taxonomy)
Column 1 ディオバン事件とオーサーシップ
Case 18
BOX 1 カルテ不正閲覧事件
Column 1 精神保健指定医ケースレポート不正事件
Case 19
Column 1 倫理審査に関する虚偽記載
Case 20
Column 1 看護領域での倫理審査体制の整備