医学のあゆみ 2022年11月19日 関節リウマチ関連リンパ増殖性疾患の診断と管理(Vol.283 No.8)**医歯薬出版/針谷正祥/4910204731128**

販売価格
1,540円(税込み)
Vol.283 No.8
編著
針谷正祥
出版社
医歯薬出版
分野
 
膠原病・リウマチ

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冊子版 販売期間
2022/11/19~
ISJP ID
2205889380
商品コード
4910204731128
発行 2022年11月
サイズ B5 / 70p
関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)患者が原疾患に加えて複数の合併症を有している状態は,multi-morbidityという概念で表現される.Multi-morbidityに含まれる疾患のひとつが悪性腫瘍である.一般人口と比較してRA患者で特にリスクが高い悪性腫瘍が悪性リンパ腫であり,わが国のRA患者は欧米諸国よりも悪性リンパ腫のリスクが高いことが複数の疫学研究で確認されている.RA患者では悪性リンパ腫以外にも,さまざまな分化段階のリンパ系細胞の異常増殖が認められ,それらを包括してRA関連リンパ増殖性疾患(lymphoproliferative disorders:LPD)とよんでいる.RA関連LPDについては以前から多くの研究が実施されたきたが,メトトレキサート(methotrexate:MTX)および生物学的製剤,ヤヌスキナーゼ阻害薬などの分子標的治療薬がRA患者に広く使用されるようになり,薬剤使用とRA関連LPDとの関連が大きな注目を集めるようになった.
RAにおけるLPDは学際的なテーマであり,膠原病リウマチ内科学,血液内科学,病理学からのアプローチを結集して解決すべき臨床的課題である.3学会合同RA関連LPDワーキンググループ(日本リウマチ学会,日本血液学会,日本病理学会)は国内外のエビデンスに基づいた最新の知見を『関節リウマチ関連リンパ増殖性疾患の診断と管理の手引き』にまとめ,2022年6月に公表した.本特集では,この手引きの作成に関与された先生方にそれぞれの立場からご執筆をご担当いただいた.
診察室において,臨床医は目の前の患者における治療の有益性と害のバランスを考えつつ治療薬を選択している.RA関連LPDのリスクの最小化,LPD発症後の治療選択などの臨床的重要課題の答えはいまだ十分とはいえないが,この特集がRA関連LPDの解決に向けた新たな取り組みの足がかりとなれば幸いである.