ICTを使った看護教育・実習ハウツーBOOK**金芳堂/相撲 佐希子/978-4-7653-1929-4/9784765319294**
発行 2022年12月
判型:B5判 136頁
ISBN 978-4-7653-1929-4
【編 著】
相撲 佐希子(修文大学 看護学部 看護学科教授)
【著 者】
石井 成郎(一宮研伸大学 看護学部 看護学科)
澤野 弘明(愛知工業大学 情報科学部 情報科学科)
鈴木 裕利(中部大学 工学部 情報工学科)
宮﨑 亮(今池法律事務所 弁護士)
諦めないで! 今からでも間に合う ソフトの基本から法律的注意点まで、実践的な看護映像教材の作成のノウハウがわかる!
コロナ禍を経て、大きく変わろうとしている看護教育。情報通信技術(Information and Communication Technology:ICT)を使った教育方法がわかり、授業の幅が広がる・看護教育教員のサポートブックが登場しました。
本書には著者のICT教育の経験や看護教育現場のICTの最新の知見が盛り込まれており、コロナ禍やアフターコロナも見据えた看護教育・実習の内容になっています。また、ICT導入の際の注意点として、著作権、個人情報・肖像権・プライバシーなどについても、法的な視点からわかりやすく説明されています。
ICTに苦手意識を持って諦めている方でも、お手持ちのアプリケーションを使用し、本書の手順通り進めていくことでICT教材が作成できるhow-to本となっています。本書を参考に、ハイブリッド型の授業形式を作っていきましょう。
【目 次】
第1章 医療・看護におけるICT活用
はじめに
1-1 ICTとは
1-2 医療におけるICT活用
オーダリングシステム
電子カルテシステム
お薬手帳アプリ
1-3 看護教育におけるICT活用
eラーニング
ポートフォリオ
LMS
シミュレーション教育
VR・AR
教育用電子カルテシステム
おわりに
第2章 実習におけるICTの使い方
はじめに
2-1 看護におけるコミュニケーションの位置付け
2-2 学内代替えオンライン実習の実践
代替え実習とは
模擬患者とは
模擬患者に求めていること
模擬患者を活用する場合の事前準備
ICTを活用した演習・実習の事前準備
2-3 ICTを活用した実習のメリット・デメリット
メリット
デメリット
- 改善①:在宅の学生は、実習中はビデオ会議のカメラをONのままにする
- 改善②:指定されたユニフォームを着用し、整髪から靴下まで臨地と同様の身なりとする
2-4 ビデオ会議の活用方法
2-5 学生へのフィードバック方法
方法
メリット
デメリット
2-6 学内オリエンテーションや実習病院との打ち合わせ
2-7 オンラインを活用したカンファレンス
メリット
デメリット
おわりに
第3章 授業におけるICTの使い方
はじめに
3-1 授業の種類
双方向通信型
オンデマンド型
3-2 双方向通信型による授業
事前確認
双方向通信型授業のお勧めの進め方
事前準備チェックリスト
3-3 オンデマンド型による授業
事前準備
3-4 映像教材の作り方
カメラ撮影による映像教材
普段利用している講義資料を用いた映像教材
?Microsoft Power Point(Windows版)を使用した手順
- 1.事前準備
- 2.講義資料を開く
- 3.撮影前の設定
- 4.撮影を開始
- 5.撮影後、エクスポート(出力)する
3-5 映像教材のアップロード方法
具体的な操作手順
- 1.動画のアップロードを開始
- 2.動画をアップロードする
- 3.アップロード後の設定
3-6 評価方法
具体的な操作手順
?Google Formsを使用した手順
- 1.Google Formsを起動
- 2.新規作成
- 3.タイトルの設定
- 4.問題を作成
- 5.自動採点の設定
- 6.問題を配布する
- 7.回答を取りまとめる
3-7 学生への提出物共有方法
具体的な操作手順
?Google Formsを使用した手順
- 1.アップロード前の準備
- 2.ファイルをアップロードする
- 3.ファイルを共有する
- 4.共有したことを連絡する
おわりに
第4章 教材作りのための動画作成例
はじめに
4-1 事前学習のために、教員目線の動画教材を作成する
動画の撮影(ビデオカメラ使用)
- 1.動画撮影前
- 2.動画撮影
PowerPointに貼り付ける、字幕を挿入する
- 1.動画を挿入
- 2.字幕(テロップ)の入れ方
- 3.再生し、動画を確認する
- 4.動画の編集をする
ナレーションを挿入する
- 1.画面ごとのナレーションの入れ方
- 2.ナレーションの再生
- 3.ナレーションの編集
動画とナレーションを同時に自動再生する
- 1.動画の再生中に、ナレーションを入れる方法
- 2.スライドショーの自動再生時間を設定
教材として共有化
- 1.動画への変換作業
おわりに
第5章 看護技術の評価方法例
はじめに
5-1 動画を学生間で共有する方法
5-2 自己評価・他者評価をインターネット上で実施する方法
自己評価・他者評価の流れ
評価シートの作成
実例:グループ間での相互評価・他者評価
おわりに
第6章 看護教育におけるICT導入の注意点-著作権-
はじめに
6-1 著作権についての概要
原則として著作権者の許諾が必要であること
例外的に著作権者の許諾が不要な場合
- 1.保護期間、フリー素材
- 2.権利制限規定
6-2 授業の過程における利用(著作権法35条)
想定事例/授業の過程での著作物の利用方法
条文
著作権法35条の趣旨について
著作権法35条の概要について
- 1.著作権者の許諾の要否について
- 2.補償金の支払いの要否について
- 3.公衆送信が有償でできる場合(著作権法35条2項):補償金の支払い方法について
- 4.公衆送信が無償でできる場合(遠隔合同授業等)(著作権法35条3項)について
- 5.フローチャート
- 6.補足:著作物利用の際にすべきこと(出所明示義務、改変禁止)
著作権法35条1項の文言・要件について
- 【1】「学校その他の教育機関」とは
- 【2】「授業」とは
- 【3】「公表された著作物」とは
- 【4】「複製」とは
- 【5】「公の伝達」とは
- 【6】「公衆送信行為」とは
- 【7】「著作権者の利益を不当に害することとなる場合」とは
〈ケース検討〉教材作成・配布・公開での注意事項
- 「〇許される?」「×許されない?」
- ケース1 「一部」とはいえない場合は?
- ケース3 教材用動画サイト・動画共有サイトの利用時に注意することは?
- ケース4 問題集、ドリルを学生が購入済みの場合は?
- ケース5 体験版は?
- ケース6・7 著作権法35条の適用が認められない理由は?
教育現場のQ&Aに関する参考サイト情報
6-3 引用・転載について(著作権法32条)
引用(著作権法32条1項)
行政の広報資料等の転載(著作権法32条2項)
6-4 著作物の利用に関して注意すべき点
おわりに
第7章 看護教育におけるICT導入の注意点-個人情報・肖像権・プライバシー-
はじめに
7-1 個人情報の取扱いに関する規定について
個人情報保護法について
保健師助産師看護師法上の守秘義務について
誓約書に基づく守秘義務について
7-2 肖像権、プライバシー権に関する規定ついて
7-3 遠隔授業において注意すべき点
教員が注意すべき点
①使用する教材に含まれる患者等の個人情報に関して
②受講する学生の個人情報、容貌(肖像)、室内等の様子(プライバシー)に関して学生が注意すべき点
おわりに
付録 ICT教育・実習に役立つ研究事例
はじめに
関連図作成ツール AkaTool
予習・復習システム
予習システム
復習システム
おわりに
COLUMN
1 ビデオ会議を利用する上でのセキュリティ対策
2 双方通信型授業を実施する上で心がけること
3 学生だけの議論部屋は避けた方がいい
4 オンデマンド型授業の資料の見直し方法
5 学生視点でサボっていると思われないようにする
6 YouTubeの再生リストの注意点
7 カンニング対策
8 手元など、細かい部分の撮影の仕方