新 咬合論&咬合誘導論**クインテッセンス出版/関崎 和夫/978-4-7812-0963-0/9784781209630**
発行 2023年9月
判型:A4判 232頁
ISBN 978-4-7812-0963-0
1,000点超の症例写真で生涯にわたる咬合管理の重要性を語る1冊
開業してから30年間、子どもから高齢者までのう蝕・歯周病予防と咬合管理を行い、記録した著者が、咬合誘導により子どもの犬歯誘導が自然に確立されることや、医院の8029~8020達成者には不正咬合患者はおらず、犬歯誘導を保っていることに着目し、犬歯誘導は補綴学的に再構築すべき咬合という限局した観点だけからではなく、「生涯を通した天然歯の理想咬合」であるという新たな見地から考察した1冊。
【目 次】
第1部 新 咬合論&咬合誘導論
第1章 8029達成者に学ぶ:新 犬歯誘導の起源
はじめに
1.成長発育期に不正咬合を治すと健康寿命が長くなる!?
2.8029達成者に学ぶ:8029達成者の咬合
3.8029達成者に学ぶ:咬耗と犬歯誘導
4.8029達成者に学ぶ:ナソロジーの再認識
5.8029達成者に学ぶ:ミューチュアリープロテクテッドオクルージョン
6.8029達成者に学ぶ:新 犬歯誘導の起源
第2章 8020達成者に反対咬合と開咬はいない! 過蓋咬合は過害ではない!
はじめに
1.8020達成者に学ぶ:8020達成には犬歯が重要!
2.8020達成者に学ぶ:8020達成者に反対咬合はいない!
3.当院も8020達成者に反対咬合はいない!!
4.なぜ8020達成者に反対咬合はいないのか?
5.8020達成者に学ぶ:8020達成者に開咬はいない!
6.なぜ8020達成者に開咬はいないのか?
7.8020達成者に学ぶ:過蓋咬合は“過害 ”ではない!
8.過蓋咬合は本当に増加しているのか?
9.8020達成者に学ぶ:健康寿命を延伸するための咬合とは
コラム 1:咬合を学ぶには
第3章 新 犬歯誘導の起源:小児歯科的見地から
はじめに
1.神様は犬歯誘導を望んでいる!
2.成長発育期の切歯路の変化
3.成長発育期の顆路(顎関節)の変化
4.成長発育期における切歯路と顆路の調和
5.急激に切歯路を変える場合の問題点
6.犬歯誘導を再考する 1
7.犬歯誘導を再考する 2
8.ライフサイクルで見た顎関節の変化
9.「新 犬歯誘導の起源」のまとめ
Dentistry is Occlusion !
第4章 犬歯誘導を妨げる咬合様式とは
はじめに
1.理想咬合と犬歯誘導
2.犬歯誘導を妨げる咬合様式とは
3.永久歯列の不正咬合を犬歯誘導にするのは難しい!?
4.機能と調和した犬歯誘導を確立するためには早期治療が不可欠
5.咬合誘導ですべて犬歯誘導を確立できるわけではない!
第5章 犬歯誘導確立のための咬合誘導の理論
はじめに
1.犬歯誘導確立のための咬合誘導は,切歯交換期から始まる
2.乳歯列期から始める症例
3.切歯交.換期から始める症例 1:少数歯の反対咬合
4.切歯交換期から始める症例 2:切歯部の叢生
5.側方歯群交換期 から始める症例
第6章 犬歯誘導確立のための咬合誘導の実践
はじめに
1.犬歯誘導確立のためのポイントをさまざまな咬合誘導臨床から学ぶ
症例 01 切歯交換期:中切歯の反 対咬合
症例 02 切歯交換期:側切歯の反対咬合と軽度の叢生
症例 03 切歯交換期:側切歯の反対咬合と中等度の 叢生
症例 04 切歯交換期:過剰歯による萌出障害と中切歯の反対咬合
症例 05 乳歯列期からの反対咬合
症例 06 乳歯列期からの反対咬合
症例 07 切歯交換期:上顎前突
症例 08 側方歯群交換期:上顎前突
症例 09 切歯交換期:叢生
症例 10 切歯交換期:叢生
症例 11 乳歯列期:過蓋咬合⇒上顎前突
症例 12 乳歯列期:過蓋咬合⇒上顎前突
症例 13 切歯交換期:顎偏位
症例 14 切歯交換期:開咬
第 1 部まとめ ゆとりあるスローライフと健康を求める時代
第 1 部参考文献
第2部 歴史から読み解く咬合誘導論
小児歯科の歴史
第1章 咬合誘導:黎明期
1.咬合誘導は深田英朗先生のロマンであり理念に始まる
2.従来の小児歯科の反省と新しい小児歯科の台頭
3.「保育医学」から「保育歯科」へ
4.「保育歯科」とは
5.「保育歯科学」
6.「保育歯科」と「小児歯科」の違い
7.「保育.歯科」から「小児歯科」へ
8.日本の小児歯科の真の生みの親,落合靖一先生
9.Forsyth Dental Infirmary for Children
10.イリノイ大学
11.1956年:東京医科歯科大学小児歯科講座の開設
12.ランパントカリエスと小児患者の洪水
13.1958年:小児歯科集談会の設立
14.「小児歯科を語る会」と『最近の小児歯科学』の発刊
15.「咬合誘導」の語源,『小児歯科学』の発刊
16.日本小児歯科学会の設立
17.「咬合誘導」の定義:小児歯科雑誌第1巻第1号
18.大学小児歯科の新設
19.1967年:落合先生が日本初の小児歯科医院を開業
20.落合先生の考えていた小児歯科の専門範囲
コラム 2:先哲に学ぶ1
21.Pedodontic Orthodontics(小児歯科矯正)
22.1974年:Baber教授の来日公演
23.Baber教授の考える予防矯正の範囲
24.「Leeway spaceは存在しない!」
25.Baber教授の保隙に関する考え方
26.1970年代後半:う蝕が急激に減少傾向に
第2章 咬合誘導:論争期
1.「咬合誘導」の定義の変遷
2.1978年:「咬合育成」の登場
3.1979年:深田先生の「咬合誘導」VS井上先生の「咬.合育成」
4.第1次咬合誘導ブーム.1979年シンポジウム「咬合誘導を考える」
5.1978年:「咬合誘導」VS「咬合育成」第2幕
6.井上先生のディスクレパンシー理論と保隙不要論
7.ディスクレパンシー症候群
8.咬合の小進化とディスクレパンシー
9.定説「現代日本人の顎は小さくなってきている」の原点
10.Discrepancyの予防処置はどうするのか?
11.Discrepancyの診断はどうするのか?
12.改めて「保隙不要論」を考える:Part 1
13.改めて「保隙不要論」を考える:Part 2
14.改めて「保隙不要論」を考える:Part 3
15.改めて「Discrepancy論」を考える
コラム 3:先哲に学ぶ2
16.1982年:「保隙不要論」外伝
17.1985年:咬合誘導として初書籍『咬合誘導の実際』
18.いつ,なにを,どうするか
19.早期治療の是非
20.予防矯正に必要な能力とwatchful neglect
21.1988年:咬合誘導理念の再確認Part 1
22.1988年:咬合誘導理念の再確認Part 2
23.咬合誘導とは「出生から死に至るまでの咬合管理」である
第3章 咬合誘導:再考期
1.1988年:咬合誘導の基礎と臨床
2.東京歯科大学での歯列,口蓋,歯槽部,咬合の成長発育の研究
3.東京歯科大学での歯列弓幅径・長径の成長発育に関する研究
コラム 4:先哲に学ぶ3
4.1988~1995年:各大学連携の共同研究が進む
5.1996年:より良い咬合育成を求めてPart1―いま,なぜ咬合育成を取り上げるのか
6.1996年:より良い咬合育成を求めてPart2―小児う蝕の減少と小児患者の減少
7.1995年:顎は小さくなっていない―軟食.は叢生の原因ではない―
8.1998年:最近の“日本人の顎”は小さくなっているのか?
9.咬合誘導の中興の祖,町田幸雄先生と坂井正彦先生
コラム 5:先哲に学ぶ4
10.町田幸雄先生のデータより,咬合誘導を再考察する
11.坂井正彦先生のデータより,咬合誘導を再考察する
12.矯正歯科専門医のデータより,咬合誘導を再考察する
13.口腔領域の成長発育はいつから予測が可能かPart1―乳歯列期からの予測
14.口腔領域の成長発育はいつから予測が可能かPart2―混合歯列期からの予測
第4章 咬合誘導:バブル期
1.20世紀末:歯列拡大ブームの始まり Part1
2.20世紀末:歯列拡大ブームの始まり Part2
3.21世紀:GPによる非抜歯・拡大床矯正の台頭
4.2002年:反対咬合治療のコンセンサスを求めて
5.2003年:乳歯列反対咬合治療用のオーラルシールドが登場
6.2006年:『乳歯列から始めよう咬合誘導』と「町田賞基金」
7.2008年:オーラルシールド型機能矯正装置ブームの到来
8.口腔機能+ポスチャー重視の時代の到来 Part1―口腔筋機能療法(MFT)
9.口腔機能+ポスチャー重視の時代の到来 Part2―John Mewバイオブロックセラピー
10.上顎前突治療のガイドライン Part1
11.上顎前突治療のガイドライン Part2
12.2017年:安易な拡大床矯正への警鐘
13.小児のマウスピース矯正の登場
14.2018年:口腔機能発達不全症
15.低出生体重児と口腔機能発達不全症
16.小児の睡眠関連呼吸障害と口腔機能発達不全症
17.小児の睡眠関連呼吸障害と歯科的治療法
18.2020年:小児歯科書籍空前の発刊ブーム
19.2023年:咬合誘導誕生60周年
第 2 部参考文献