アトピー性皮膚炎のみかた、考えかた**中外医学社/田中 暁生/978-4-498-06386-0/9784498063860**

販売価格
4,400円(税込み)
編著
田中 暁生
出版社
中外医学社
分野
 
皮膚科学

数量

販売期間
2023/09/29~
商品コード
9784498063860
発行 2023年9月
判型:A5判 232頁
ISBN 978-4-498-06386-0

【編 著】
田中 暁生 (広島大学病院 皮膚科 教授 編著)
村上 絵美 (広島大学病院 皮膚科 / 広島市立安佐市民病院 皮膚科)

アトピー診療にこの1冊!患者に寄り添い,必ず良くなる診療をマスター

評価・診断の基本から,各種外用薬,生物学的製剤など最新の治療まで網羅.
保湿剤の使い分け,寛解導入時と寛解維持期 それぞれの薬物療法,「ステロイド外用薬を塗るのをやめるとすぐに再燃する,ステロイドが効かなくなったときにどうするか」,合併症・感染症の見極めと対応など臨床で出会う疑問や困りごとに答えるコツが満載.

【目 次】
1章 概要
 1.アトピー性皮膚炎の病態
  アトピー性皮膚炎とは
  アトピー性皮膚炎の炎症の特徴
  皮膚の乾燥とバリア機能の低下
  痒み
 2.アトピー性皮膚炎の治療ゴール
  患者が目指しているゴールは?
  アトピー性皮膚炎の治療ゴールは「潜在的な炎症がなくなり,再燃をしにくくなった状態」
  短期的なゴールと長期的なゴールを設定し,患者と共有する
 3.乳児,小児,思春期以降におけるアトピー性皮膚炎の違い
  新生児・乳幼児の皮膚の特徴と環境の特殊性
  乳児期の症状の特徴
  小児期の症状の特徴
  思春期以降,青年期の症状の特徴
  COLUMN 乳児期の湿疹に対する家族への説明のこつ
  COLUMN 皮膚洗浄について
  
2章 診断と評価
 1.病勢・皮疹の評価
  病勢・皮疹評価の意義
  アトピー性皮膚炎の病勢を構成する要素
  病勢評価における注意点
  的確な病勢把握に役立つ皮疹のみかた
 2.寛解の評価
  アトピー性皮膚炎における寛解とは
  治療戦略における寛解の意義
  筆者の考える寛解の評価基準とその理由
  寛解導入から寛解維持への移行
  分子標的治療薬時代における寛解評価:残された課題
 3.アトピー性皮膚炎診療におけるPRO評価ツールの使い方
  アトピー性皮膚炎をどのように評価するか?
  知っておきたいアトピー性皮膚炎のPRO評価スケール
  どのように実臨床で使用するか?
  
3章 治療
 A.治療方針
 1.治療方針を患者と共有するときのコツ
  診療ガイドラインが示すアトピー性皮膚炎の治療方針
  初診時に患者と共有するべき最低限の治療方針─速やかな寛解導入と寛解維持─
  経口JAK阻害薬や抗体医薬について
  COLUMN アトピー性皮膚炎患者の通院の間隔について
 2.外用治療の方針寛解導入期編
  寛解導入=firstgoal
  なぜ,寛解導入をする?
  寛解導入の実際
 3.外用治療の方針寛解維持期編
  重症度に応じた寛解維持期の外用療法
  軽症患者の場合
  中等症?重症患者の場合
 4.検査値を治療に活用しよう
  アトピー性皮膚炎のバイオマーカー
  血清TARC値
  血清SCCA2値
  アトピー性皮膚炎の長期寛解維持におけるバイオマーカーの活用
 B.外用療法
 5.図解効果的な外用方法
  外用量
  外用方向
  外用方法
  密封療法(occlusivedressingtechnique:ODT)
  教育
 6.重症度別外用薬の選択
  ステロイド外用薬の使用法
  外用部位の注意
  ステロイド外用薬以外の選択
 7.年齢別の外用薬の選択
  外用療法の基本
  小児の皮膚の特徴と外用薬の選択
  外用薬処方例
  COLUMN 人生の転機・ステージのかわりめでのアトピーとの付き合い方〈村上洋子〉
 8.ステロイド以外の抗炎症外用薬の特徴
  ステロイド以外の抗炎症外用薬の特徴
  タクロリムス軟膏の作用機序と開発の経緯
  タクロリムス軟膏の特徴
  デルゴシチニブ軟膏の作用機序と開発の経緯
  デルゴシチニブの特徴
  ジファミラスト軟膏の作用機序と開発の経緯
  ジファミラスト軟膏の特徴
 9.タクロリムス外用薬の刺激感に対する対処法
  タクロリムス外用薬とは
  タクロリムス外用薬の刺激感の特徴
  刺激感の理由
  刺激感に対する具体的な対処法
 10.アトピー性皮膚炎診療における保湿外用剤の種類と使い分け
  アトピー性皮膚炎治療における保湿スキンケアの意義
  保湿外用剤の種類と特徴
  保湿スキンケアの実際:どのように保湿剤を選択するか?
  COLUMN 外用薬の混合,保湿剤の重ね塗りの是非について
 11.頭部湿疹の対処法
  ステロイドローション外用方法のコツ
  頭部の難治性湿疹への対策
  コムクロ(R)シャンプーとは
  感染症
 C.新規全身療法の使い方
 12.デュピルマブ(デュピクセント(R))
  a.導入のタイミング
   デュピルマブ導入の基準
   デュピルマブ導入前に確認すべき点
  b.投与終了の方法とタイミング
   デュピルマブの投与終了のために必要なこと
   デュピルマブの投与継続について
   デュピルマブの投与中止・再開について
  c.効きやすい症状,効きにくい症状
   デュピルマブ(デュピクセント(R))の効きやすい症状
   デュピルマブの効きにくい症状
 13.ネモリズマブ(ミチーガ(R))
  IL-31の作用
  ネモリズマブとは
  ネモリズマブの効果
 14.アトピー性皮膚炎治療におけるJAK阻害薬
  JAK-STATシグナル伝達経路
  アトピー性皮膚炎治療に使用される経口JAK阻害薬
  臨床活用に際しての種々の情報
 15.デュピルマブ(デュピクセント(R))や内服JAK阻害薬の投与目的で紹介されたときの対応
  デュピルマブ(デュピクセント(R))とは
  内服JAK阻害薬とは
  デュピルマブ(デュピクセント(R))や内服JAK阻害薬の投与目的で紹介されたときの対応
 16.デュピルマブ(デュピクセント(R))と内服JAK阻害薬の使い分け
  両薬剤の共通点
  デュピルマブ(デュピクセント(R))の特徴
  内服JAK阻害薬の特徴
  両者の使い分け
 17.デュピルマブ(デュピクセント(R))や内服JAK阻害薬の導入時のコツ
  具体的な治療期間の見通しと,寛解維持の状態を患者に伝える
  実際に治療を受けた他患者の体験談を伝える
  薬価に見合うだけの価値があることを伝える
 D.その他の治療法
 18.その他の治療
  免疫抑制剤
  紫外線療法
  漢方薬
 19.抗ヒスタミン薬の内服という選択肢
  抗ヒスタミン薬とは
  アトピー性皮膚炎の痒み
  アトピー性皮膚炎に対する抗ヒスタミン薬のエビデンス
  どのような時に内服するか
  使い分けやコツについて
 20.ステロイド内服の是非
  ステロイド内服療法に潜むリスクと対処法
  ステロイド-第一世代鎮静性抗ヒスタミン薬合剤の危険性
  ステロイド内服療法はどの期間内に収めるのがよいか
  各国のガイドラインにみる推奨
  なぜ重症例においてはステロイド内服療法を行っても奏効しにくいのか
  ステロイド内服療法が必要となる背景を考えてみよう
  
4章 合併症─感染症の見極めと対処法
 1.丹毒,蜂窩織炎
  アトピー性皮膚炎患者における丹毒・蜂窩織炎の特徴
  症状
  検査
  治療方針
 2.膿痂疹
  アトピー性皮膚炎患者における膿痂疹の特徴
  検査
  治療方針
 3.アトピー性皮膚炎に合併するカポジ水痘様発疹症(ヘルペス性湿疹)
  カポジ水痘様発疹症とバリア異常
  アトピー性皮膚炎に伴うKVEの特徴
  アトピー性皮膚炎患者にカポジ水痘様発疹症を疑ったら
  単純ヘルペスを同定する検査
  アトピー性皮膚炎患者のカポジ水痘様発疹症:治療の考え方
  アトピー性皮膚炎患者のカポジ水痘様発疹症:治療の実際
 4.真菌
  アトピー性皮膚炎と真菌の関係
  体部白癬とは
  治療中に生じる体部白癬
  体部白癬を疑うポイント
  体部白癬の治療
 5.?瘡,毛包炎
  毛包炎について
  尋常性?瘡について
  マラセチア毛包炎について
  具体例提示
 6.眼の合併症の見極めと対処法
  アトピー性皮膚炎における眼の合併症とは
  アトピー眼症(アトピー性眼瞼炎)の臨床
  アトピー眼症(アトピー性眼瞼炎)の治療
  シクロスポリン(ネオーラル(R))内服療法
  COLUMN 苔癬化に対する説明と治療
  
5章 こんなときどうする
 1.ステロイド外用薬を塗るのをやめるとすぐに再燃する
  ステロイド外用薬を塗るのをやめるとすぐに再燃するのはなぜか?
  再燃することなく長期的に安定した状態を保つためにはどのようにすればよいのか?
 2.ステロイド外用薬が効かない/効かなくなった
  診断が違う
  不十分な悪化因子対策
  不適切な治療
  不十分なコミュニケーション:塗っていない
  本当に薬効が低下した:タキフィラキシー
 3.寛解維持中につまづいたとき(1)
  ステロイド漸減開始が早すぎた患者
  ステロイド漸減中にかゆみが再燃してしまった患者
  何でもなさそうなところに薬を塗るのは怖いという患者
  悪化するのが怖くて薬を塗ってしまう患者
  タクロリムス(プロトピック(R))軟膏で寛解維持をしたいが,伸びないので塗りにくいという患者
  ステロイド軟膏からタクロリムス(プロトピック(R))軟膏に切り替えようとしたら痒くなってしまった患者
  順調に寛解維持をしていたが急性増悪した患者
 4.寛解維持中につまづいたとき(2)
  診断の見直し
  外用療法の見直し
  増悪因子の検討
  全身療法の導入
  入院治療
 5.寛解導入後に出てくる皮疹
  マラセチア毛包炎,?瘡
  汗疱
 6.それ,本当にアトピー性皮膚炎ですか?
  アトピー性皮膚炎にみえてそうでない疾患に注意
  アトピー性皮膚炎の鑑別疾患
  アトピー性皮膚炎と皮膚T細胞性リンパ腫の類似性
  アトピー性皮膚炎と皮膚T細胞性リンパ腫の鑑別の着眼点
  皮膚リンパ腫におけるIL-4/IL-13,JAK/STAT経路
  どのような患者で皮膚T細胞性リンパ腫を疑うか?
  COLUMN ステロイド外用薬と抗菌薬の混合について
  
6章 患者とのかかわり患者教育,不安と思い
 1.学校,幼稚園,保育所と連携するメリット
  学校,幼稚園,保育所との連携の重要性
  見逃されているアトピー性皮膚炎
  学校生活におけるアトピー性皮膚炎の特徴
  学校生活におけるさまざまな悪化要因
  学校,幼稚園,保育所との連携の実際
 2.不安や思いに寄り添うコツ
  アトピー性皮膚炎患者の不安
  皮膚科心身症とは
  皮膚科心身医学的アプローチとは
  不安や思いに寄り添う具体的な方法
 3.ステロイド忌避,脱ステロイドって?
  ステロイド忌避,脱ステロイドとは
  アトピー性皮膚炎と気管支喘息におけるステロイド忌避の違い
  気管支喘息ではなぜステロイド忌避が克服できたか
  アトピー性皮膚炎と身長抑制
  脱ステロイドの副作用の怖さを知るべき
  重症患者に弱いステロイド外用薬を処方するとステロイド忌避をもたらす
  TOPICOPについて
 4.ステロイド外用薬ってこわい薬?
  ステロイド外用薬のこれまで
  ステロイド外用薬による注意すべき副作用
  ステロイド外用薬による副作用のよくある誤解
  ステロイド外用薬を安全に,効果的に使用するために
  COLUMN 色素沈着に対する説明と指導
 5.民間療法の実際,民間療法について聞かれたら?
  なぜ民間療法について聞くのか
  アトピービジネスが多い
  漢方薬は民間療法ではないが
  鍼灸と整体
  その他の東洋医学的治療
  温泉療法
  海洋深層水,海水浴療法
  水素水
  中国製の成分不明の外用剤
 6.遺伝する?遺伝しない?家族への説明のコツ
  遺伝的要素
  外的要素
 7.スキンケアのポイント
  角層の健康を維持することの重要性について
  スキンケアの考え方
  スキンケアの位置づけ
  スキンケアの実際
  COLUMN 脱毛,剃毛について
 8.悪化因子とのかかわり方
  (汗,ほこり,ストレス,ペット:食物を除く)
  アトピー性皮膚炎悪化因子の検索
  各悪化因子に対する具体的な対処法
  COLUMN 衣服の素材と洗濯について
 9.食物アレルギーとアトピー性皮膚炎
  小児の食物アレルギーとアトピー性皮膚炎
  成人の食物アレルギーとアトピー性皮膚炎