新医用放射線科学講座 医療画像情報工学 第2版**医歯薬出版/寺本 篤司/978-4-263-20653-9/9784263206539**
発行 2023年11月
判型:B5判 240頁
ISBN 978-4-263-20653-9
編:寺本 篤司 / 藤田 広志
指定規則改正に準拠した最新版!医療現場で導入の進むAI-CADの基礎事項や応用事例などを含め,最新情報にリニューアル!
●指定規則の改定に伴い「医療画像情報工学」に改題.
●X線像のデジタル撮像,ノイズの特性,コンピュータ支援診断,医療用モニタ,医療情報の電子化と標準化など,最新の情報に基づき内容を全面的にアップデートした第2版!
【目 次】
第1編 画像形成論
第1章 医療画像の特徴と医療画像形成
1 医療画像の特徴
2 医療画像の形成
第2章 画像のデジタル化(藤田広志)
1 アナログ信号とデジタル信号
2 アナログ信号のデジタル化
1)標本化
2)量子化
3)デジタル化と画質
4)デジタル化パラメータ
5)3次元画像
3 標本化間隔とエリアシング
1)標本化間隔
2)エリアシング
第3章 フーリエ変換と畳み込み積分
1 フーリエ級数展開
2 フーリエ変換
3 フーリエ変換の性質
1)線形性
2)対称性
3)平行移動
4)パーシバルの定理
4 フーリエ変換の例
1)矩形波
2)デルタ関数
3)デルタ関数列
5 画像のフーリエ変換
6 畳み込み積分
1)1次元信号の畳み込み積分
2)2次元信号の畳み込み積分
第4章 医療画像形成理論
1 X線像の形成
1)X線の発生とその空間分布
2)X線スペクトルと画像
3)X線の減弱
4)画像の検出・表示
2 X線像のデジタル撮像
1)デジタル撮像
2)CR装置による撮像
3)FPD装置による撮像
3 乳房X線撮像装置の画像形成理論
1)マンモグラフィ装置
2)トモシンセシス装置
4 X線CT装置の画像形成理論
1)機器構成
2)投影データの収集
3)投影データと断面の関係
4)画像再構成処理
5)3次元データ収集のための工夫
6)CT値とCT画像の表示
第2編 画像評価論
第1章 画質に影響する因子
1 画質の3因子
2 コントラスト
3 解像特性
4 ノイズ特性
5 物理評価と視覚評価
第2章 入出力特性
1 特性曲線
1)アナログ系の特性曲線
2)デジタル系の特性曲線
2 実際の測定方法
1)距離法
2)ブーツストラップ法
3)タイムスケール法
第3章 解像特性
1 解像特性と画質
1)解像力
2 広がり関数
1)点広がり関数
2)線広がり関数
3)エッジ広がり関数
3 MTF
1)レスポンス関数
2)空間周波数
3)MTFの定義
4 MTF測定法
1)スリット法
2)デジタル画像システムのMTF
第4章 ノイズ特性
1 はじめに
2 X線量子のゆらぎ
3 粒状の構造
4 ノイズ特性の評価方法
1)RMS粒状度
2)自己相関関数
3)ウィナースペクトル
4)離散データによるデジタルWS
5)デジタルWSの測定方法
6)解像度特性とデジタルWSとの関係
第5章 信号検出理論
1 統計的決定理論
1)刺激-反応行列
2)ベイズの決定則
2 ROC曲線
1)yes-no手続き
2)評定手続き
3)連続確信度法
4)強制選択手続き
3 C-Dダイアグラム
4 DQEとNEQ
1)DQE―入力と出力のゆらぎの比
2)DQEとSN比
3)NEQ―雑音に等価な量子数
4)空間周波数特性としてのDQE,NEQ
第6章 さまざまな医療画像
1 マンモグラフィ画像の画像評価
1)ACR推奨ファントムとステップファントムを用いた視覚評価
2)マンモグラフィのためのC-Dダイアグラム
3)デジタルマンモグラフィの品質管理のための画像評価
4)デジタルブレストトモシンセシス用ファントム
2 CT画像の画質評価
1)CT値の精度
2)ノイズ特性
3)面内の空間分解能
4)体軸方向の空間分解能
5)低コントラスト検出能
6)非線形画像の画質評価
第3編 画像処理論
第1章 画像処理の基礎
1 画像情報の可視化
1)ヒストグラム
2)プロファイル
2 階調処理
1)濃度ウインドウ処理
2)ヒストグラム平坦化
3 X線像の空間フィルタ処理
1)画像の平滑化
2)画像の鮮鋭化
4 エッジ検出
1)1次微分フィルタ
2)2次微分フィルタ
5 空間周波数フィルタ処理
1)畳み込み積分とフーリエ変換
2)空間周波数フィルタ処理
6 画像の2値化
7 ラベリング
8 モルフォロジカルフィルタ
1)膨張と収縮
2)オープニングとクロージング
9 画像の拡大・縮小
1)座標変換
2)濃度補間
10 画像間演算
1)四則処理
第2章 情報理論と画像圧縮
1 情報理論の概要
2 情報の定量化
1)情報量の定義
2)画像データの情報量
3)平均情報量(エントロピー)
3 情報の符号化
4 可逆圧縮と非可逆圧縮
1)可逆圧縮のアルゴリズム
2)離散コサイン変換を用いた画像圧縮
3)ウェーブレット変換を用いた画像圧縮
第3章 3次元画像の可視化
1 医学領域における3次元画像とその可視化方法
2 多断面再構成法
3 サーフェスレンダリング法
4 ボリュームレンダリング法
5 最大値投影法(MIP)
6 加算平均投影法(RaySum)
7 仮想内視鏡
1)仮想大腸内視鏡
2)仮想血管内視鏡ほか
8 3Dプリンティング技術の医療応用
1)3Dプリンティングとは
2)3Dプリンタによる臓器モデル造形の流れ
3)3Dプリンティングの医療応用
4)3Dプリンティングの形式
5)3Dプリンティングによる臓器形状表現
6)3Dプリンタによる造形物の後処理加工
第4章 コンピュータ支援診断
1 コンピュータ支援診断(CAD)とは
1)歴史
2)目的と利用方法
3)課題
4)最終診断は医師
2 人工知能とニューラルネットワーク
1)人工知能・AIの概念
2)機械学習の概念と代表的な機械学習モデル
3)ANN
4)階層型ANNによる予測と学習
3 ディープラーニング
1)ディープラーニング
2)CNN
3)転移学習・ファインチューニング
4)データ拡張
5)ディープラーニングによる画像処理
4 医療情報の統合による診断支援
1)radiomicsとは
2)オミクス研究とradiomics研究の統合による新しい診断支援の形
3)radiomicsに基づくCAD研究の動向
5 CADの性能評価
1)病変候補を提示するCADシステムの性能評価
2)良・悪性などのクラス分類の結果を提示するCADシステムの性能評価
6 CAD応用事例
1)胸部X線画像を対象としたAI-CAD
2)乳房X線画像を対象としたCAD
3)X線CT画像を対象としたCAD
4)歯科X線画像を対象としたCAD
5)MRIのCAD
6)超音波画像を対象としたCAD
7)核医学画像を対象としたCAD
8)放射線治療へのCAD応用
9)検査支援のためのAI技術
第4編 医療情報論
第1章 医療用モニタ
1 モニタの構造
1)液晶ディスプレイの構造
2)液晶パネルの方式と視野角特性
2 医療用モニタの特性
1)輝度
2)コントラスト比
3)輝度・色度均一性
4)解像度と画素ピッチ
5)階調特性
3 医療用モニタの校正・品質管理
1)JESRAにおける評価
2)使用機器
3)周囲光の影響
第2章 医療情報の電子化と標準化
1 医療情報の電子化
1)医療情報とは
2)医療情報電子化の背景
3)医療情報の電子保存
2 医療用コードの標準化
1)厚生労働省標準規格
2)薬品に関する標準マスター(HOT)
3)病名に関する標準マスター(ICD)
4)画像検査に関する標準マスター(JJ1017)
5)MEDIS標準マスター
3 画像および文字情報の標準規格と統合
1)DICOM
2)HL7
3)IHE
第3章 医療情報システム
1 病院情報システム(HIS)
1)HIS導入のメリット
2)病院情報システムの構成
3)システム更新
4)データや通信規格などの標準規格
2 放射線情報システム(RIS)
1)RISの機能
2)放射線業務一般における情報の具体的な流れ
3)規格とプロトコル
4)システム更新
3 PACS
1)PACS登場の歴史
2)PACSの構成と機能
3)PACSのメリットとデメリット
4 遠隔医療
1)PACS遠隔医療の背景にある医師不足
2)遠隔医療の種類
3)遠隔医療のメリットとデメリット
5 検像システム
1)検像とは
2)検像システムの機能
3)検像システムのメリットとデメリット
6 情報セキュリティと個人情報
1)情報セキュリティとは
2)医療情報の安全管理(法律,ガイドライン)
3)電子保存の三原則
4)リスクへの対策
5)コンピュータウイルス対策(ウイルス対策ソフト)
6)個人情報保護
第5編 演習問題
演習問題
解答