1リテーナーオールセラミック接着ブリッジ 臨床ガイド**クインテッセンス出版/大谷 一紀/978-4-7812-0989-0/9784781209890**
発行 2024年2月
判型:A4判 160頁
ISBN 978-4-7812-0989-0
歯質保存に優れ、メタルフリーな“ブリッジ”の新提案
歴史ある接着ブリッジの臨床は今、オールセラミック材料をフレームワーク材料に使用し、リテーナーを片翼だけとする、いわゆる1(シングル)リテーナーオールセラミック接着ブリッジとして生まれ変わり、その臨床応用が世界的に再燃している。本書は、接着ブリッジの基礎知識および1リテーナーオールセラミック接着ブリッジの検査、診断、治療計画を解説したうえで、その臨床工程が豊富な写真とともにステップバイステップで解説されている。
【目 次】
刊行にあたって
推薦の言葉
CHAPTER 1 接着ブリッジの基礎知識
1-1 接着ブリッジの定義
1-2 接着ブリッジの歴史
1-2-1 接着ブリッジの原型“Rochette bridge”(ロシェットブリッジ)
1-2-2 Maryland bridge(メリーランドブリッジ)
1-3 接着ブリッジの臨床成績の苦い過去
1-4 接着ブリッジの構造と材料
1-4-1 接着ブリッジの構造と各部の名称
1-4-2 接着ブリッジの使用材料
1-5 接着ブリッジが検討される時
1-6 接着ブリッジの適応症と不適応症
1-7 接着ブリッジの臨床成績の向上とリテーナータイプの知見の集積
1-7-1 歯科接着技術の進化による臨床成績の向上
1-7-2 2 リテーナーよりも 1 リテーナーへ
1-8 接着ブリッジの合併症
1-9 前歯部を主とした 1 リテーナーオールセラミック接着ブリッジの実践へ
CHAPTER 2 1 リテーナーオールセラミック接着ブリッジの基礎知識
2-1 1 リテーナーオールセラミック接着ブリッジの代表的な研究論文:酸化アルミニウムセラミックス,二ケイ酸リチウムセラミックス
2-1-1 Kernの臨床研究
2-1-2 Riesらの臨床研究
2-1-3 Sailerらの臨床研究
2-1-4 Koutayasらのin Vitro研究
2-2 1 リテーナーオールセラミック接着ブリッジの代表的な研究論文:ジルコニアセラミックス
2-2-1 Tomanらのin Vitro研究
2-2-2 KlinkとHüttigの臨床研究
2-2-3 Kernらの臨床研究
2-2-4 SailerとHämmerleの臨床研究
2-2-5 Shahdadらの臨床研究
2-3 脱離,破折,チッピングの原因と対策
2-3-1 脱離の原因と対策
2-3-2 破折の原因と対策
2-3-3 チッピングの原因と対策
2-4 筆者の接着ブリッジ臨床成績
2-4-1 脱離した 5 症例の考察
2-4-2 破折した 1 症例の考察
2-4-3 チッピングが生じていないことの考察
2-5 外れること(脱離)の発想転換
CHAPTER 3 1 リテーナーオールセラミック接着ブリッジの診察,検査,治療計画
3-1 診察,検査項目
3-2 支台歯の診察と検査
3-2-1 う蝕やtooth wear(酸蝕,咬耗,摩耗)等の有無あるいはそれらの進行度合い
3-2-2 歯周病の有無やその進行度合い
3-3 欠損部位の診察と検査
3-3-1 適する欠損部位か
3-3-2 欠損部位の近遠心的幅径の広狭
3-4 咬合の診察と検査
3-4-1 パラファンクション(ブラキシズム,クレンチングなど)の有無
3-4-2 支台歯および欠損部位(ポンティック)の対合歯群との咬合状態
3-5 口腔衛生状態の診察と検査
3-6 患者の機能性や装着感による支台歯適応の検査:モックアップレストレーション
3-7 治療計画
3-7-1 支台歯の決定(近心カンチレバーか,遠心カンチレバーか)
3-7-2 支台歯と欠損部周囲および対合歯群の環境整備(リスクファクターの軽減,除去)
3-7-3 補綴装置の構造と材料選択
1)陶材前装タイプか,それともモノリシックか
2)二ケイ酸リチウムセラミックスか,それともジルコニアセラミックスか
3)種々のジルコニアセラミックスの使い分けについて
CHAPTER 4 1 リテーナーオールセラミック接着ブリッジの治療の実際
4-1 支台歯形成デザイン
4-2 CAD/CAMでフレームワーク材料を製作する場合の支台歯形成デザインの注意点
4-3 印象採得
4-4 プロビジョナルレストレーション(PVR)
4-4-1 PVRの役割
4-4-2 PVRの材料とその製作
4-4-3 PVR基底面と欠損部顎堤基底面への形態付与
1)オベイト型ポンティック
2)オベイト型ポンティックに対応した欠損部顎堤基底面形態の付与法
4-4-4 PVRの装着材料
4-4-5 PVR装着における考慮事項
1)強固に,しかし除去しやすい接着
2)どの歯と接着させるのか
3)被着面は何なのか?
4-4-6 支台歯形成前の歯に対するPVRの装着と除去
4-4-7 支台歯形成後の歯に対するPVRの装着と除去
4-5 歯科技工士への技工指示
4-5-1 使用材料
4-5-2 リテーナー部の形態
4-5-3 ポンティック基底面の形態
4-5-4 連結部の面積
4-5-5 補綴装置被着面への表面処理
1)二ケイ酸リチウムセラミックスへの表面処理法
2)ジルコニアセラミックスへの表面処理法
4-6 ポジショニングスプリントの製作
4-7 装着準備
4-7-1 試適
4-7-2 装着材料の選択
4-8 装着
4-8-1 ラバーダム防湿
4-8-2 接着ブリッジ被着面の清掃
4-8-3 支台歯への被着面処理
1)支台歯被着面の清掃
2)水洗,乾燥~ボンディング材塗布
4-8-4 最終装着
1)接着ブリッジ被着面へのボンディング材塗布~乾燥~コンポジットレジンによる装着
2)余剰セメントの除去:その 1(光照射前)
3)光照射
4)余剰セメントの除去:その 2(光照射後)
4-9 咬合調整
4-10 メインテナンス
4-10-1 メンテナンスの間隔
4-10-2 メインテナンス時の確認,評価事項
1)プラークコントロール
2)歯の移動
3)ポンティックと欠損部顎堤基底面軟組織との接触状態
4)フレームワーク上に築盛した陶材のチッピング
5)ブラキシズム
おわりに