基礎から学ぶゲノム医療**羊土社/平沢 晃/978-4-7581-2172-9/9784758121729**
発行 2024年8月
判型:B5判 134頁
ISBN 978-4-7581-2172-9
あらゆる医療者に求められるゲノム医療について体系的にカラーで学べる初学者向けテキスト.遺伝形式,遺伝カウンセリング,遺伝学的検査などの基礎や,難病・小児・生殖/周産期・がんなどの臨床の実際を解説.
【目 次】
はじめに ─ゲノム医療を自らのものとして考えるために─
1章 ゲノム医療の基礎
1-1 ゲノム医療の歴史
1)メンデルの法則と遺伝形式の発見
2)ヒト染色体と染色体異常症の発見
3)DNAの塩基配列と遺伝子の解明
4)ヒトゲノムプロジェクト
5)次世代シークエンサーによるゲノム解析
6)現在のゲノム医療
1-2 ゲノムの構造と機能
1)ヒトの細胞とゲノム
2)ゲノムの基本構造としてのDNAの塩基配列
3)ゲノムの基本構造としての染色体
4)体細胞分裂と減数分裂
5)タンパク質の設計図としてのゲノム
1-3 ゲノム情報と疾患
1)塩基配列の違い(バリアント)
2)染色体の異常
1-4 単一遺伝子疾患と多因子疾患
1)単一遺伝子疾患とメンデル遺伝形式
2)多因子疾患
1-5 ゲノム医療を取り巻く環境や課題
1)ゲノム医療に関する医療体制の課題
2)遺伝カウンセリング提供体制の充実に向けた取り組み
3)ゲノムによる多様性の理解/認識の共有
4)ゲノム医療を加速させるためのデータシェアリング
2章 遺伝カウンセリングと遺伝学的検査
2-1 遺伝カウンセリング
1)遺伝カウンセリングとその定義
2)遺伝カウンセリングの歴史
3)遺伝カウンセリングの実際
4)遺伝カウンセリングの基本態度
2-2 家族歴と家系図
1)家族歴と家系図
2)家系図の表記方法
3)家系図を活用する
2-3 遺伝学的検査
1)医療で用いる遺伝子の検査
2)遺伝学的検査の前に考慮すること
3)遺伝学的検査の目的
4)遺伝学的検査の流れ
5)遺伝学的検査の解釈
6)遺伝学的検査の結果開示と血縁者への対応
3章 ゲノム情報にもとづいた治療薬の選択
3-1 薬の効果・副作用における個人差
3-2 ゲノム薬理学と薬理遺伝学
3-3 薬物動態に関連する薬理遺伝学検査
1)薬物動態と薬の効果・副作用
2)薬物代謝酵素遺伝子
3-4 薬物動態に関連しない薬理遺伝学検査
1)HLA遺伝子群
2)薬疹の発現リスクに関連するHLAアレル
4章 難病のゲノム医療
4-1 難病とは?
1)難病とはどういった疾患か?
2)難病のゲノム医療の具体例
4-2 遺伝性疾患の病態メカニズム
4-3 ゲノム情報にもとづく治療
4-4 正確な診断のためのゲノム解析手法
4-5 わが国における難病患者支援体制
5章 小児の先天異常に関するゲノム医療
5-1 先天異常症候群とは
5-2 小児遺伝診療の実際
1)診断をめざす前に
2)臨床診断(clinical diagnosis)
3)遺伝学的診断(genetic diagnosis)
5-3 未診断疾患に対する診断アプローチ
5-4 先天異常に関する社会資源と家族支援
5-5 先天異常における移行期医療
5-6 小児に対する遺伝カウンセリング
6章 生殖・周産期のゲノム医療
6-1 生殖・周産期における遺伝医療の歴史
1)背景
2)日本における出生前遺伝学的検査の歴史
3)出生前遺伝学的検査における生命倫理の歴史
4)着床前遺伝学的検査における日本の歴史
6-2 出生前/着床前遺伝学的検査にかかる現状と課題
1)出生前遺伝学的検査における現状と課題
2)着床前遺伝学的検査における現状と課題
3)ノーマライゼーションとSRHRにおける課題
7章 がんのゲノム医療
7-1 がんとゲノム異常
1)「がん」の歴史
2)「がん」をゲノムの観点から理解する
3)がんの発生に関連する遺伝子
7-2 がんの予防と遺伝性腫瘍
1)遺伝性腫瘍の特徴
2)遺伝性腫瘍の遺伝学的検査と浸透率
3)遺伝性腫瘍と非遺伝性腫瘍
4)多遺伝子パネル検査(MGPT)
5)遺伝性腫瘍に対する先制医療
7-3 がんの遺伝子解析と個別化治療
1)わが国におけるがんゲノム医療の導入
2)がんの個別化医療の実際
3)がんゲノム医療で見出されるgermline findings
8章 ゲノム情報の利活用
8-1 ゲノム医療の現状と全ゲノム解析時代の到来
1)本邦におけるゲノムデータ蓄積と利活用の推進
2)がん遺伝子パネル検査から全ゲノム解析へ
3)全ゲノム解析とは
8-2 病的バリアントを調べるためのデータベース
1)遺伝子の概要を知る手法
2)遺伝子バリアントの臨床的意義を知る手法
3)同一疾患やコホートにおける遺伝子バリアントの頻度を知る手法
8-3 遺伝子の概要を知る手法
1)GeneCards??:The Human GeneDatabase
2)UCSC Genome Browser
8-4 遺伝子バリアントの臨床的意義を知る手法
1)OncoKB?
2)COSMIC
3)ClinVar
8-5 同一疾患やコホートにおける遺伝子バリアントの頻度を知る手法
1)cBioPortal for Cancer Genomics
2)がんゲノム情報管理センター(C-CAT)
8-6 大規模全ゲノムデータを活用した解析方法
1)ゲノムワイド関連解析(GWAS)とポリジェニックリスクスコア解析
2)マルチオミクスデータを用いた予測モデルの構築
9章 ゲノム医療における倫理的・法的・社会的課題(ELSI)
9-1 ゲノム医療における倫理的課題
1)成人期発症疾患の発症前遺伝学的検査
2)小児領域における遺伝学的検査
3)出生前遺伝学的検査と着床前遺伝学的検査
4)二次的所見との取り扱い
9-2 ゲノム医療における法的課題
1)遺伝情報による差別の禁止
2)プライバシーとしての遺伝情報の保護
3)研究における倫理指針
9-3 ゲノム医療における社会的課題
9-4 バイオバンクとELSI
9-5 ゲノム情報のデータシェアリングと患者・市民参画(PPI)
おわりに ─ゲノム情報を有効に活用可能な世の中をめざして─
Column
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