消化器外科のリハビリテーション医学・医療テキスト**医学書院/日本リハビリテーション医学会/978-4-260-05345-7/9784260053457**

販売価格
4,950円(税込み)
編著
日本リハビリテーション医学会
出版社
医学書院
分野
 
リハビリテーション技術

数量

特集
新刊
販売期間
2024/10/23~
商品コード
9784260053457
発行 2024年10月
判型:B5判 308頁
ISBN 978-4-260-05345-7

【監 修】
日本リハビリテーション医学教育推進機構 (一般社団法人)
日本リハビリテーション医学会 (公益社団法人)

総編集:久保 俊一 / 山上 裕機
編集:安保 雅博 / 城戸 顕 / 酒井 良忠 / 篠田 裕介 / 田島 文博 / 西田 佳弘 / 三上 幸夫 / 美津島 隆

安全に、確実に、患者の予後を改善するリハビリテーションの導入をめざして

消化器外科手術における積極的なリハビリテーション導入が、治療成績を大きく左右する。本書ではリハビリテーション医と消化器外科医がタッグを組み、消化器外科手術を受ける患者へのリハビリテーション医療・医学の実際を1冊にまとめた。消化器外科手術による患者の変化に細やかに対応し、安全に確実に患者の予後を改善する戦略を解説する。消化器外科患者に携わる医療者必携のテキスト。

【目 次】
I.リハビリテーション医学・医療と消化器外科
 1 リハビリテーション医学・医療総論
   1)リハビリテーション医学・医療の意義──活動を育む医学──
   2)「活動を育む」とは
   3)消化器外科領域におけるリハビリテーション医学・医療の位置づけ
 2 わが国の消化器外科の現況
   1)食道がんの治療
   2)胃がんの治療
   3)大腸がんの治療
   4)肝がんの治療
   5)胆道がんの治療
   6)膵がんの治療
 3 消化器外科周術期におけるリハビリテーション医療
   1)周術期のリハビリテーション診療
   2)術前のリハビリテーション治療
   3)術後のリハビリテーション治療
   4)高齢者など特に配慮が必要な場合の注意点・工夫

II.周術期のリハビリテーション医学・医療
 1 安静と臥床の病態生理
   1)筋萎縮・サルコペニア
   2)骨萎縮
   3)関節拘縮
   4)起立性低血圧
   5)心肺機能(運動耐容能)低下
   6)深部静脈血栓症・肺塞栓症
   7)便秘症
   8)せん妄
 2 抗重力位(座位・立位)の生理学的意義
   1)循環器に及ぼす影響
   2)呼吸器に及ぼす影響
   3)意識障害に及ぼす影響
 3 周術期の循環・呼吸生理の基礎
   1)周術期の循環生理の基礎
   2)周術期の呼吸生理の基礎
   3)全身麻酔下における循環・呼吸の変化
 4 免疫──病原体センサーによる認識
   1)病原体を認識する病原体センサーの発見
   2)病原体センサーによる内因性物質の認識
   3)内因性物質による病原体センサー活性化の病理的意義
 5 サイトカイン
   1)炎症性サイトカインと抗炎症性サイトカイン
   2)サイトカインの役割
   3)サイトカインの治療への応用
   4)サイトカインとがん
   5)サイトカインと手術
 6 運動と免疫・サイトカイン
   1)運動負荷による免疫系への影響
   2)運動によるサイトカイン変動
   3)マイオカインの種類と作用
 7 運動療法の意義
   1)骨格筋に対する効果
   2)心肺機能(運動耐容能)に対する効果
   3)脳血管障害に対する効果
   4)内部障害(循環器疾患・呼吸器疾患・腎疾患)に対する効果
   5)生活習慣病に対する効果
   6)がんの周術期に対する効果
 8 栄養の基本
   1)栄養素の分類
   2)糖質の消化・吸収と代謝
   3)脂質の消化・吸収と代謝
   4)タンパク質の消化・吸収と代謝
   5)エネルギー必要量
   6)ビタミンとミネラル
   7)生体内の水分平衡
 9 周術期の栄養管理
   1)術前の栄養管理
   2)術後の栄養管理

III.周術期のリハビリテーション診療の実際
 1 受診時からのリハビリテーション診療(診断・治療・支援)の流れ
   1)術前の診断(診察・評価・検査)
   2)術前の化学療法中のリハビリテーション治療
   3)術後のリハビリテーション治療
   4)リハビリテーション支援
 2 インフォームド・コンセント
   1)リハビリテーション実施計画書・総合実施計画書の作成
   2)術前の化学療法入院時のインフォームド・コンセント
   3)術前の外来通院時のインフォームド・コンセント
   4)入院時のインフォームド・コンセント
 3 術前のリハビリテーション診断(評価・検査)
   1)消化器がん(食道がん)の状況・既往歴
   2)心身機能の評価
   3)リスク評価
 4 術前のリハビリテーション治療
   1)外来でのリハビリテーション治療
   2)手術前入院中のリハビリテーション治療
 5 注意すべき術後の合併症
  A 呼吸器
   1)術後呼吸不全
   2)ARDS
   3)人工呼吸器関連肺炎
   4)血気胸,膿胸,乳び胸
   5)気管支喘息の急性増悪,気管支攣縮
   6)COPDの増悪
   7)危険因子(個人因子)
   8)危険因子(手術関連)
   9)術後肺合併症リスク評価ツール
   10)術前からの対策
   11)術中・術後の対策
  B 血栓症
   1)DVT
   2)肺血栓塞栓症
  C 低栄養
   1)手術侵襲による代謝の変化
   2)栄養管理(栄養評価と栄養療法)
   3)各消化器がんにおける留意点
   4)低栄養と運動療法
 6 術直後のリハビリテーション診療
  A 人工呼吸器の管理
   1)呼吸器の解剖と生理
   2)呼吸の臨床生理
   3)人工呼吸の概要
   4)人工呼吸器の設定
   5)人工呼吸器管理における合併症
   6)人工呼吸器管理下でのリハビリテーション治療の意義
   7)人工呼吸器管理下でのリハビリテーション治療の実際
   8)再挿管を回避するためのリハビリテーション治療の実際
  B ドレーンの管理
   1)留置ドレーンの種類
   2)ドレーン留置下でのリハビリテーション治療
   3)留置ドレーンの管理
  C 中心静脈・末梢静脈カテーテルの管理
   1)中心静脈栄養と末梢静脈栄養の特徴
   2)カテーテルの挿入部位とリスク
   3)輸液・栄養への活用
   4)留置カテーテルのトラブル時の対応
   5)中心静脈カテーテル留置下における訓練の実際
   6)末梢静脈カテーテル留置下における訓練の実際
  D 疼痛の管理
   1)疼痛の評価
   2)術後の疼痛管理
   3)術後の疼痛管理に用いる鎮痛薬
   4)術後疼痛管理とリハビリテーション治療
  E イレウス・排泄の管理
   1)術後イレウス
   2)排泄管理
  F 術後せん妄・認知症の管理
   1)術後せん妄
   2)せん妄の概要
   3)認知症の概要
   4)術後せん妄・認知症に対するリハビリテーション治療
 7 感染予防
   1)SSIの症状と治療
   2)RIの症状と治療
   3)術後感染症の予防とリハビリテーション治療
 8 術後の活動促進
   1)術後の活動を阻害する因子
   2)疼痛への対応
   3)医療デバイスの対応
   4)自主訓練
 9 化学療法時のリハビリテーション診療
   1)化学療法中のリハビリテーション診断
   2)PSと化学療法
   3)化学療法中の不動による合併症
   4)化学療法中の持久力訓練(有酸素運動)
   5)化学療法中の筋力増強訓練
   6)化学療法時のリハビリテーション治療の注意点

IV.周術期以降のリハビリテーション治療
 1 周術期から回復期へのリハビリテーション治療
 2 生活期(在宅)に向けたリハビリテーション診療
   1)在宅に向けたリハビリテーションチーム診療
   2)退院前カンファレンス
   3)消化管ストーマ

V.代表的な消化器外科の概要と治療法
 1 食道がん
 2 胃がん
 3 結腸がん
 4 直腸がん
 5 肝がん
 6 胆道がん
 7 膵がん
 8 肝移植
 9 がん薬物療法
   1)がんに対する4大治療法
   2)化学療法の歴史と現状
   3)がん免疫療法の歴史と現状
   4)がん薬物療法におけるリハビリテーション治療の重要性
 10 漢方薬治療
   1)消化器外科と漢方薬治療
   2)食道がん
   3)胃がん
   4)肝切除
   5)肝移植
   6)化学療法
   7)その他

VI.代表的な消化器がんリハビリテーション診療の実際
 1 食道がんにおけるリハビリテーション診療のポイントと取り組み
   1)食道がんのリハビリテーション診療(周術期早期離床プログラム)
 2 胃がんにおけるリハビリテーション診療のポイントと取り組み
   1)胃がん治療の現状
   2)高齢者の胃がんにおけるリハビリテーション診療のポイント
   3)肥満患者におけるリハビリテーション診療のポイント
   4)ERAS概念に沿ったクリニカルパス
 3 結腸がんにおけるリハビリテーション診療のポイントと取り組み
   1)リハビリテーション治療は合併症を減少させるだけでなく,予後も改善する
   2)結腸がんのリハビリテーション診療のポイント
 4 直腸がんにおけるリハビリテーション診療のポイントと取り組み
   1)直腸がんのリハビリテーション診療(周術期早期離床プログラム)
   2)直腸がん手術の合併症
   3)低位前方切除後症候群(LARS)
   4)バイオフィードバック療法
   5)骨盤底筋訓練
   6)排便機能低下に対するリハビリテーション治療の効果
 5 肝がんにおけるリハビリテーション診療のポイントと取り組み
   1)肝細胞がんの特徴
   2)高齢肝細胞がんの術前診断(評価)
   3)肝細胞がんの周術期のリハビリテーション治療
 6 膵がんにおけるリハビリテーション診療のポイントと取り組み
   1)膵がんにおけるリハビリテーション診療の意義
   2)膵がん手術におけるリハビリテーション治療の実際
 7 肝胆膵がんにおけるリハビリテーション診療のポイントと取り組み
   1)肝胆膵がんにおけるリハビリテーション診療
   2)術前筋量が術後経過に及ぼす影響
   3)術前運動能力が術後経過に及ぼす影響
   4)術前のリハビリテーション治療への取り組み(名古屋大学プレハビリテーション)
   5)術前の運動量が術後合併症発生に及ぼす影響
   6)これからの展開
 8 術後補助化学療法と運動療法
   1)日常身体的活動量とがん死亡率
   2)運動療法を併用した膵がん術後補助治療の有用性に関する第II相試験(UMIN000030124)
   3)術後補助化学療法前後の患者評価と運動療法の有用性

リハビリテーション医学・医療便覧(用語解説)