「生きる!」を支えるACP**医学書院/竹之内 沙弥香/978-4-260-06156-8/9784260061568**

販売価格
2,860円(税込み)
編著
竹之内 沙弥香
出版社
医学書院
分野
臨床看護 一般

数量

特集
新刊
販売期間
2025/06/20~
商品コード
9784260061568
発行 2025年6月
判型:B5判 280頁
ISBN 978-4-260-06156-8

編集:竹之内 沙弥香 / 森 雅紀

31名のエキスパートと共に考える,ACPに活かすケアの真髄

一定期間の臨床実践を重ねた今だからこそ見えてきた、31名のエキスパートによる実践知を結集。ACPの現在地とこれからを多角的に展望する。おさえておくべきエビデンスから、多様な疾患・病期・ケアの場の最前線の実践、システム構築までをカバー。「患者との話し合いの手引き」など、明日から活用できるコミュニケーションスキルも丁寧に解説。ACP実践の道しるべとなる一冊。

【目 次】
第1章 ACPとは何か
 1 ACPとは何か
    ACPの定義
    ACPの発展の経緯
 2 ACPにおける課題と展望
    Morrisonらの論考
    懐疑的な論考に対する反応
    国内でどう考えるか

第2章 ACPの方法
 1 「生きる」力を支える患者中心の話し合い
    話し合いの方法を習得する意義
    話し合いの型を習得する方法
    「生きる」力を支える話し合いのコツ(こうすればうまくいく)
    話し合いがうまくいかないときの対処法
 2 話し合いの手引き
    「重い病を持つ患者へのケアプログラム」(SICP)開発の背景
    SICPの概要
    「患者との話し合いの手引き」──指針,留意点,ポイント
    「患者との話し合いの手引き」──話し合いの手順
 3 「生きる」力を支える──ACPの鍵
    基本の型を訓練する
    信頼関係を築く
    価値観を理解する
    家族(代理意思決定者)とともに話し合う

第3章 ACPを実践する
[疾患編]

 1 腎不全患者のACP
    透析患者の事前指示
    日本透析医学会の最近の動き
    ACPのプロセスにおけるSDM
    CKDステージにおけるACP
    日本文化に合わせたACPの在り方について
    CKD患者の人生の最終段階におけるACP
    透析患者の看取りの増加への対応
 2 心不全患者のACP
    なぜACPが重要か
    現状・課題
    「生きる」を支える話し方のコツ
    ACPがうまくいかないときの対処法
    今後の展望(メッセージ)
 3 がん患者のACP──乳がん
    なぜACPが重要か
    現状・課題
    「生きる」を支える話し方のコツ
    ACPがうまくいかないときの対処法
    今後の展望
 4 がん患者のACP──膵臓がん
    膵臓がんとは
    膵臓がん患者へのトータルサポート
    膵臓がん患者へのACPの実践
    今後の展望
 5 がん患者のACP──脳腫瘍
    なぜACPが重要か
    現状・課題
    「生きる」を支える話し方のコツ
    ACPがうまくいかないときの対処法
    今後の展望
 6 慢性呼吸器疾患患者のACP
    なぜACPが重要か
    現状・課題
    「生きる」を支える話し方のコツ
    ACPがうまくいかないときの対処法
    今後の展望
 7 神経難病患者のACP
    なぜACPが重要か
    現状・課題
    「生きる」を支える話し方のコツ
    ACPがうまくいかないときの対処法
    今後の展望
[領域編]
 1 高齢者のACP
    急性期病院における高齢者のACP
    高齢者施設におけるACP
    居宅介護支援事業所における高齢者のACP
    3つの場所,3つの立場から見えてきたこと
 2 在宅患者のACP
    ACPの重要性と課題
    「生きる」を支える話し方のコツ
    ACPがうまくいかないときの対処法
    今後の展望(メッセージ)
 3 「小児ACP」が提示する課題と可能性
    いま起きていること
    「意思決定支援」について共有したいこと
    ACPが提示する思考課題
    実践
    今後の展望
 4 地域で紡ぐACP
    誰のための,何のためのACPなのか
    比較的健康度の高い人のACP啓発のための市民プロジェクト
    ACPは人生の最終段階になって始めるものではなく,人生の最終段階のためだけのものではない
    疾患を抱える者のACP
    高齢者救急搬送の現場で本人の意向が反映されづらい要因
    地域でACPを紡いでいく上で重要なこと
 5 救急・集中治療のACP
    緊急でのACPで確認するべきポイント
    3ステージプロトコル
    Time-limited trial(TLT)
    生命維持治療の中止
    パンデミックにおけるACP

第4章 よりよいACPを実践するために
 1 面会制限や限られた時間の中でのACPの工夫
    クリティカルケアにおける治療とケアの選択支援に必要なアセスメントと実践の工夫
    隔離された患者と家族をつなぎACPを実践する
    患者を支える家族(重要他者)の悲嘆と遺族ケア
 2 ACPにおけるコミュニケーションスキルと代表的なツール
    話し合いを始める際に有用なコミュニケーション──3W
    悪い知らせを伝えるコミュニケーションツール──SPIKES,SHARE
    感情に対応するためのスキル──NURSE,Ask-Tell-Ask,Tell me more
    治療とケアのゴールを設定するコミュニケーション──REMAP
    コミュニケーションスキルの使い分け
 3 ACPと情報共有
    ACPと情報共有
    ACPのプロセスにおいて共有する情報
    ACPにおける情報共有の現状
    情報共有の具体的なツール
 4 ACP地域連携ツール
    浜松市におけるACPの課題
    浜松市の地域連携ツールとしての「人生会議手帳」の開発
    「生きる」を支えるACP教育
    元気なうちから,患者のセルフケア能力を育てる
    まとめ
 5 多職種によるACP支援チームの立ち上げ
    基本になる考えをどのように共有するか──原点に返って,価値を語り合う
    仕組みづくりのプロセスとポイント──成功事例を称賛し,価値を共有する
    多職種教育のポイント──教育は共育,事例を通して協働する
    ACP支援の実践プロセスにおける看護師の役割
 6 急性期病院でACPを意思決定に生かす院内体制の整え方
    医学的ジレンマ・倫理的ジレンマ
    法的なジレンマ
    ジレンマがある場合の意思決定に関する必要な情報の整理
    Time-limited trial(TLT)
    治療中止は選択肢にありうることを病院として決定することが重要
    院内倫理委員会の役割
 7 ACP支援者のセルフケア
    セルフケアの工夫
    GRACEプログラム
    「大切にしたいことを語れる相手」になるということ
    セルフケアはガーデニングのように
 8 聴く力
    医療における〈傾聴〉
    〈対話〉とは何か
    医療現場における〈対話〉とセーフティ
    〈対話〉によるケアの実際
 9 懐疑派からみた今後のACPの在り方
    ACPに懐疑的になるこれだけの理由
    前向きの提案
    まとめ