日めくり麻酔科エビデンスアップデート5**克誠堂出版/新山 幸俊/978-4-7719-0624-2/9784771906242**
発行 2025年12月
判型:A5判 256頁
ISBN 978-4-7719-0624-2
好評書の第5弾。前作と同様、麻酔関連領域の新知見を楽しくアップデートできるようにした。「麻酔と環境」「覚醒と抜管」などの近年の重要なテーマも新たに組み入れた。
【目 次】
1.医学教育~麻酔科研修の意義~
1.食道挿管防止のための国際的な気道管理ガイドライン PUMA:3種の神器~カプノメータ,パルスオキシメータ,ビデオ喉頭鏡~
2.時間・距離・遮蔽の 3原則,目・のど・体幹の 3.遮蔽をかわいい後輩にしっかり伝えよう
3.JSA のガイドラインが,将来,手術室外で働く研修医をミスリードしないためには?
4.「制限か? それとも寛大か?」入れる,入れないで振り子のように揺れ続ける術中輸液をどう教えるか
5.タバコを吸いながらパチンコやマージャンに興じる人々を傍で眺め続けたいですか?
2.ロボット麻酔システム
1.複数のクローズドループ制御システムによる麻酔管理と術後認知機能回復の遅れ
2.プロポフォールとレミフェンタニルのクローズドループ TCI もしくは手動 TCI による全身麻酔後の術後認知機能障害:ランダム化比較試験
3.QoR-15による腹腔鏡下手術後の回復の質の比較:クローズドループ TIVA vs. デスフルラン麻酔
4.プロポフォール,レミフェンタニル,ロクロニウムによるTIVA のための麻酔薬自動投与システムの安全性と有効性
5.深層学習(ディープラーニング)に基づく intelligent algorithm で麻酔薬の投与量を予測する
3.危機的状況と麻酔科医
1.甲状腺および副甲状腺手術後の血腫発生に関する因子:CESQIP データベースの分析
2.重症外傷患者における止血目的の輸血療法中のイオン化カルシウム濃度とカルシウム投与の死亡率との関連性
3.魚アレルギー患者における周術期プロタミン投与に対するアレルギー反応の調査:後方視的観察研究
4.全身麻酔を受けた閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)合併患者では術後,睡眠時に低酸素症と不整脈が生じやすい
5.術前に絶食した患者における周術期ケトン尿症および代謝性アシドーシス
4.ビッグデータと麻酔科医
1.術前評価クリニックの受診は,術後院内死亡の減少と関連する
2.全身麻酔または区域麻酔を受けた大腿骨近位部骨折高齢患者における認知症リスク:傾向スコアマッチングを用いた人口ベースコホート研究
3.周術期に赤血球輸血に加えて血漿輸血することは,術後の静脈血栓塞栓症リスクを増加させる…?
4.変形性関節症患者におけるトラマドールと全死亡率との関連
5.下肢切断術における末梢神経ブロック vs. 全身麻酔のアウトカムの比較:日本における全国規模の後ろ向きコホート研究
5.麻酔と環境
1.麻酔科医の取り組みが医療による環境負荷を軽減する…かもしれない
2.揮発性麻酔薬の地球温暖化効果は非常に小さく,実質的影響は無視できる可能性がある
3.麻酔で使用される薬物は,水環境に潜在的影響を与えうる
4.病院排水中のプロポフォールが環境に与える影響は不明であり,データの蓄積が必要である
5.周術期医療における持続可能性を高めるためには,院内環境および医療者意識の抜本的な改革が必要である
6 呼吸管理
1.手術室における人工呼吸器からの離脱戦略についてのシステマティックレビュー
2.全身麻酔中の mechanical power が高いと,再挿管が必要な術後呼吸不全のリスクが高くなる
3.人工呼吸中の患者の潜在性気胸に対する保存的療法~システマティックレビューとメタ解析~
4.声門上デバイスは,気管チューブよりも術後呼吸器合併症の発生率が低い
5.ヘモグロビンベシクルは,無呼吸時のラットの循環虚脱までの時間を延長させる
7 循環管理
1.呼気終末陽圧(PEEP)を段階的に増加させることで,両心室の心仕事量が減少する
2.脊髄くも膜下麻酔による帝王切開術中の血圧の維持には,フェニレフリンまたはノルアドレナリンの手動制御による持続投与が有用である
3.心筋梗塞の患者の貧血に対する制限的輸血戦略と自由輸血戦略
4.小児における非侵襲的な混合静脈血酸素飽和度モニタリングのための新規手法
5.敗血症性ショックに対して輸液を制限しても,しなくても,90 日死亡率は変わらない
8 経食道心エコー
1.効果的な TEE の教育法とは? ~ e-ラーニング?シミュレーション?On the job training ?~
2.拡張能測定の重要性~術中評価の重要性~
3.TEE の合併症~発生率 1.4%~
4.蘇生と TEE ~救急医療における TEE ~
5.シングルユース TEE ~血行動態モニタリングデバイスとしての可能性~
9 末梢神経ブロック
1.大腿骨頸部骨折手術における麻酔・鎮痛法が患者の長期死亡率に与える影響~オーストラリア・ニュージーランドの大腿骨頸部骨折データベースの解析から~
2.2%リドカインと 0.5%ブピバカインの等容量混合液の使用は,0.5%ブピバカインの単独使用よりも鎖骨上腕神経叢ブロックにおけるブロック効果の発現を早める
3.マルチモーダル鎮痛において斜角筋間腕神経叢ブロックの持続投与の有無が術後鎮痛に与える影響の検討
4.大腿神経をブロックせずに PENG ブロックを行うために必要な色素容量の検討~フレッシュカダバーを用いた解剖学的研究~
5.低容量の局所麻酔薬による神経内注入の識別は,圧モニタリングよりも超音波画像診断が優れている
10 覚醒と抜管
1.気管チューブ抜去の作法を再考する
2.術後患者におけるオピオイド誘発性呼吸抑制は,室内気吸入よりも酸素投与下で生じやすい:PRODIGY 試験の二次解析
3.添付文書の記載を上回るスガマデクス投与量が必要な症例も存在する
4.麻酔覚醒時の脳波所見によって,術後せん妄のリスクを予想できる
5.腹腔鏡手術を受ける小児患者へのレミマゾラムの併用は,覚醒時せん妄を予防できる
11.術後痛管理
1.術中のオピオイド投与の有無と術後の痛み,およびオピオイド必要量との関連
2.急性痛に対する VX-548 による NaV1.8 選択的阻害作用
3.小児扁桃摘出術の術後痛に対するメサドンの術中単回投与の効果:ランダム化二重盲検臨床試験
4.肺がん手術後の患者に対する身体活動促進のためのウェアラブルデバイスを用いた統合的介入は身体活動を促進させる:非ランダム化臨床試験
5.Transitional Pain Service は,関節手術後のオピオイドの慢性的使用を抑制する
12.麻酔合併症
1.アミノの酸静脈内投与は,開心術後の急性腎不全発症を予防する
2.30°の半座位は,術後低酸素血症の発生率を減少させる
3.抜管直後の high-flow nasal oxygen therapy は,酸素化を改善する
4.片肺換気における肺保護戦略は,術後の肺合併症を減少させない
5.術後の血糖変動は,急性腎不全のリスク因子である
13.周術期認知機能障害
1.ミノサイクリンの抗炎症作用は,術後認知機能障害を予防できるか?
2.EBM に基づいた術後せん妄の予防に関するガイドライン
3.脳波を指標とした麻酔管理で,術後せん妄の発症を抑制できるか?
4.ICU せん妄に対する向精神薬の投与は,長期社会的予後を改善しない
5.周術期認知機能障害の診断法
14.産科麻酔
1.帝王切開,あるいは経腟分娩後の母体回復に差はあるか?
2.分娩中,食物の胃内容排出時間は延長するが,硬膜外鎮痛で短縮される
3.少量のデクスメデトミジン投与は産後うつを予防する
4.硬膜外無痛分娩において薬液をボーラス注入したほうが持続投与よりも広範囲に硬膜外腔に広がる
5.硬膜外無痛分娩は,母体の重症化を抑制する
15.小児麻酔
1.小児非心臓手術における術中低血圧と術後急性腎障害の関連:後ろ向きコホート研究
2.小児における母指内転筋と短母趾屈筋の術中筋電図反応の比較:前向き比較研究
3.新生仔ラットにおいて,デクスメデトミジンはセボフルランによる発達への影響を(予防しないが)減弱させる
4.小児挿管困難患者における気管挿管の初回成功率は,鎮静と全身麻酔で差がない
5.新生児や生後 6 カ月未満の乳児における全身麻酔導入後の低血圧に対して,有効なエフェドリンの至適投与量
16 救急医療
1.難治性心室細動の 2つのシナリオ(ショック不応性,再発性)のいずれに対しても,二重連続体外式除細動は有効である~ DOSE VF 試験の二次解析~
2.敗血症疑いの患者に 1時間バンドルを遵守しても,院内死亡率は改善しない…かもしれない
3.大量出血を伴う外傷患者に対して救急外来で行う大動脈血管内バルーン閉塞術は,死亡率を増加させる可能性がある
4.ST 上昇を認めない院外心肺停止患者を心臓センターへ搬送しても死亡率は改善しない
5.小児の敗血症および敗血症性ショックの新たな診断基準~ Phoenix Sepsis Score ~
17 集中治療
1.抗うつ薬としてのケタミンの主要な標的領域はどこか?
2.院外心停止後生存者に対する体温管理療法の違いは,6 カ月後の社会復帰と認知機能に影響するか?
3.外傷性脳損傷患者に対する輸血管理はどちらが有用か? ~非制限的輸血戦略vs. 制限的輸血戦略(HEMOTION Clinical Trials)~
4.ランジオロールは,敗血症性ショック患者の臓器不全を改善させるのか?
5.重症患者においてデクスメデトミジンは,心房細動の新規発症リスクの低下と関連する
18 ペインクリニック
1.水素は,神経障害性疼痛およびそれに関連した情動障害に対する新たな治療法になりうる
2.複合性局所疼痛症候群(CRPS)に対するボツリヌス毒素タイプ A による腰部交感神経節ブロックには,長期間の有効性が認められる
3.化学療法誘発性の末梢神経障害性疼痛に対して,神経根刺激療法は有効である
4.慢性腰痛症の患者において,疼痛に対する恐怖感の減少は脊椎生体力学の改善ではなく,動作誘発性疼痛の減少によるものである
5.帯状疱疹痛と帯状疱疹後神経痛に対する神経根へのパルス高周波(PRF)療法による治療効果の違い
19 緩和医療
1.侵害受容ニューロンは,がんに対する免疫応答に影響する
2.強オピオイドを使用中のがん性疼痛患者にアセトアミノフェンの併用は有益なのか? ~ランダム化比較試験~
3.進行がん患者に対する早期緩和ケアを目指した症状スクリーニング(STEP)の効果
4.がん患者の呼吸困難に対する高用量デキサメタゾンの有効性 ~ ABCD(Alleviating Breathlesness in Cancer Patients with Dexamethasone)試験~
5.オランザピンによる化学療法関連食欲不振改善に関するランダム化二重盲検プラセボ対照試験
20 麻酔のスキマ
1.気管チューブのインフレーションラインが切断された…さぁ,どうする?
2.粘着テープはどう剝がすべきか?~急性期病院における成人患者の医療関連機器圧迫創傷(MDRPI)~
3.救急外来における指導医のポジティブなコメントは,研修医の仕事量を増加させない
4.筋弛緩モニタリングの電気刺激で PONV を予防できるか?
5.アトロピンの静脈内投与で,尿道カテーテルによる違和感を軽減できる