わかりやすい麻酔科学 基礎と実戦**中山書店/編集:中尾慎一(近畿大学)/編集協力:塩川泰啓(近畿大学)/岩元辰篤(近畿大学)/9784521739977**
- 編著
- 編集:中尾慎一(近畿大学)/編集協力:塩川泰啓(近畿大学)/岩元辰篤(近畿大学)
発行 2014年12月
ISBN 978-4-521-73997-7
医学生や研修医を対象にした教科書.麻酔法や麻酔薬はもちろんのこと,呼吸・循環・中枢神経を中心とした生理・病態,疼痛のメカニズムなどの基礎的知識から、実際の手術例や具体的な薬剤の使用量,使用のコツなどにも言及した.「実戦」をイメージしやいように,手術の種類ごとの麻酔記録を収載している.知識の裏付けに役立つように,ところどころに「ミニ知識」としてコラムを掲載.
【目次】
序論:麻酔科学と麻酔科医の役割
1.麻酔の歴史
2.麻酔の種類と理想の全身麻酔薬
3.麻酔科医の役割
1章 生理と病態
1.1 循環生理と病態
1.心臓・冠動脈の構造
2.循環の機能
3.血圧の調整
4.心筋への酸素供給と需要のバランスー冠循環
5.刺激伝導系
6.臓器血流と酸素消費量
7.循環系モニタリング
1. 2 呼吸生理と病態
1.呼吸とは-外呼吸と内呼吸
2.呼吸器と肺の解剖
3.換気
4.酸素化
5.呼吸のモニタリング
1. 3 中枢神経系の生理と病態
1.脳の構造と機能
2.脳・脊髄血流と代謝
3.頭蓋内圧
4.血液脳関門
5.麻酔管理と麻酔薬
1. 4 肝臓の生理と病態
1.肝臓と循環
2.肝臓の役割―代謝・タンパク質合成・栄養貯蔵
3.手術や麻酔の肝臓への影響
1. 5 腎臓の生理と病態
1.腎臓の解剖と生理
2.腎循環
3.腎機能評価と病態生理
4.腎機能と全身麻酔
5.経尿道的前立腺切除術
2章 麻酔関連薬剤の薬理学
2. 1 吸入麻酔薬
1.吸入麻酔とは
2.吸入麻酔薬の薬動力学―導入と覚醒
3.吸入麻酔薬の特性
4.代表的な吸入麻酔薬
5.麻酔導入とは
6.吸入麻酔薬の生体機能への影響
2.2 静脈麻酔薬・オピオイド
1.静脈麻酔
2.静脈麻酔薬の作用機序
3.各種静脈麻酔薬
4.ニューロレプト鎮痛
5.全静脈麻酔
6.ファーマコキネティックス/ファーマコダイナミクス理論
2.3 筋弛緩薬
1.筋弛緩薬の歴史
2.神経筋接合部での神経伝達
3.筋弛緩薬の作用と分類
4.筋弛緩薬の作用と特徴
5.筋弛緩のモニタリング
6.筋弛緩の拮抗
7.特殊状態での筋弛緩薬の作用
2. 4 心血管作動薬
1.昇圧薬・強心薬
2.降圧薬・血管拡張薬
3.抗不整脈薬
4.電解質製剤
2. 5 局所麻酔薬
1.分類
2.作用機序
3.局所麻酔作用に影響を及ぼす因子
4.痛みの伝達に関与する神経線維
5.局所麻酔の方法
6.毒性
3章 麻酔管理と麻酔器
3. 1 術前管理
1.前投薬はいらない
2.麻酔科術前診察の要項
3.麻酔科術前診察
3. 2 麻酔器と麻酔回路
1.ガス供給部と呼吸回路
3. 3 気道確保
1.気道確保の重要性
2.上気道閉塞の原因
3.気道確保の手技
4.気道確保困難
3. 4 モニタリング
1.循環モニタリング
2.呼吸モニタリング
3.中枢神経モニタリング
4.筋弛緩モニタリング
5.体温モニタリング
3. 5 体液と酸塩基平衡
1.体液のpH
2.生体緩衝系
3.アニオンギャップ
3. 6 輸液・輸血
1.輸液
2.輸血
3. 7 術中・術後鎮痛の意義
1.痛み刺激とは
2.急性痛と慢性痛
3.痛みの伝達路
4.術中・術後の鎮痛の手段
5.術後痛の影響
4章 区域麻酔の実際
4. 1 脊髄くも膜下麻酔
1.解剖
2.脊髄くも膜下麻酔の方法
3.脊髄くも膜下麻酔と硬膜外麻酔の違い
4.皮膚分節と麻酔高
5.適応
6.禁忌
7.合併症
8.実際の手技
4. 2 硬膜外麻酔
1.硬膜外麻酔とは
2.適応
3.禁忌
4.合併症
5.実際の手技
6.最近のトピック
4. 3 超音波ガイド下末梢神経ブロック
1.腕神経叢ブロック
2.大腿神経ブロック
3.坐骨神経ブロック
4.腹横筋筋膜面ブロック
5章 各手術の麻酔管理-実際の麻酔管理と麻酔記録
5. 1 上腹部手術の麻酔
1.定期手術の麻酔
2.緊急手術の麻酔
5. 2 肺外科手術の麻酔
1.胸部外科(一側肺換気)麻酔
2.胸部外科(一側肺換気)の麻酔記録
5. 3 小児の麻酔
1.小児の生理
2.小児の麻酔記録
5. 4 産科の麻酔
1.妊婦の生理
2.帝王切開の麻酔記録
5. 5 脳外科手術の麻酔
1.脳腫瘍
2.開頭・動脈瘤クリッピング
3.内頸動脈剥離術
4.脳外科手術の麻酔記録
5. 6 心臓血管外科手術の麻酔
1.成人の心臓血管外科手術の一般的な準備
2.小児の心臓血管外科手術の一般的な準備
3.心臓血管外科手術の麻酔の流れ
5. 7 日帰り手術の麻酔
1.日帰り手術の概要
2.日帰り麻酔の安全のための基準
3.患者の選定については
4.抗不安効果としての前投薬
5.日帰り麻酔施行可能な手術例
6章 麻酔中の合併症とその対処
6. 1 悪性高熱症
1.病因
2.症状
3.臨床診断
4.鑑別疾患
5.治療
6.MH発症後の対応
6. 2 アナフィラキシーショック
1.症状
2.原因
3.治療
4.治療にあたっての注意点
6. 3 心筋虚血-狭心症・心筋梗塞
1.心筋虚血を起こさせないために
2.症状
3.検査
4.対応
6. 4 肺血栓塞栓症
1.病因
2.急性肺血栓塞栓症
6. 5 喘息発作
1.徴候
2.確認
3.治療
7章 集中治療医学,心肺蘇生
7. 1 集中治療
1.集中治療の意義と目的
2.全身性炎症反応症候群
3.ショックの分類
4.抗菌薬の使用
5.播種性血管内凝固症候群
6.急性呼吸窮迫症候群
7. 2 人工呼吸
1.呼吸管理療法
2.鎮静・鎮痛の重要性
3.人工呼吸の換気様式
4.酸素化と換気
7. 3 心肺蘇生
1.麻酔科医と心肺蘇生
2.心肺蘇生法―成人の二次救命処置
8章 ペインクリニック-術後痛管理と遷延性術後痛を中心に
8. 1 術後痛とそのメカニズム
1.術後痛とは
2.術後痛発生のメカニズム
3.先行鎮痛
8. 2 主な術後鎮痛法
1.硬膜外鎮痛法
2.オピオイド鎮痛薬と自己調節鎮痛法(PCA)
3.非ステロイド性抗炎症薬,アセトアミノフェン,拮抗性鎮痛薬,ケタミン
4.末梢神経ブロック
5.鍼治療
8. 3 主な遷延性術後痛の特徴
1.複合性局所痛症候群
2.開胸術後痛
3.乳房切除後痛
4.幻肢痛
8. 4 ペインクリニックでの遷延性術後痛の治療
1.薬物治療
2.神経ブロック療法
3.刺激鎮痛法
9章 各種麻酔関連薬剤の実際の使用法
9. 1 循環作動薬-術中・集中治療室での使用を中心に
1.昇圧薬・強心薬
2.降圧薬・血管拡張薬
3.その他
9. 2 鎮痛薬
1.非ステロイド系鎮痛薬
2.オピオイド/オピオイド系鎮痛薬
9. 3 麻酔薬
1.吸入麻酔薬
2.静脈麻酔薬
3.筋弛緩薬と関連薬剤