精神科薬物療法マニュアル 改訂2版**南山堂/日本病院薬剤師会/978-4-525-77392-2/9784525773922**
発行 2025年7月
判型:B5判 360頁
ISBN 978-4-525-77392-2
監修:一般社団法人日本病院薬剤師会
編集:一般社団法人日本病院薬剤師会精神科専門薬剤師部門
精神医学・薬学を基礎から学び,精神科薬物療法に強くなる!
精神科薬物療法認定薬剤師、精神科専門薬剤師を目指す方,必読!
本書は精神科専門医および精神科専門薬剤師を中心に執筆された,精神科薬物療法の入門から高度な専門性を身につけることができる書籍です.
「精神医学とは何か」といった基礎から、薬剤師としてどう患者に寄り添うべきかの心構え・コミュニケーション、さらに精神科治療薬の使い方や精神科薬物治療の管理など、精神科臨床に欠かせない知識を一冊にまとめました.
精神科薬物療法の理解を深めたい、あらゆる薬剤師に必携の一冊です.
【目 次】
第1章 総 論
1.精神医学・精神科医療とは
精神医学とは何か
精神医学の歴史
健康と病的(疾病)状態
正常と異常
精神医学の方法(生物学的,心理社会学的アプローチ)
精神疾患の分類と診断
2.精神薬学とは
マクロの視点
こころ患う人を人として知り,病状を察知する
その人に提供する医療全容をわかり,自らを相手に活かす
3.精神機能の正常と異常
意 識
知 覚
記 憶
知 能
思 考
感 情
意欲・行動
4.精神疾患の生物学的理解へのアプローチ
ヒトの脳構造と機能
生物学的基盤としてのゲノム科学
今後の展望
5.精神疾患の診断・治療
診 察
診 断
治 療
6.心理・社会的治療 医療現場でのコミュニケーション
医療現場でのコミュニケーション
対話を始める前に理解しておくべきこと
面接・面談・対話
コミュニケーションのすれ違い
チーム医療のあり方
7.心理・社会的治療 心理・社会的プログラム
精神科治療・リハビリテーションの背景と概念
心理・社会的プログラム
精神療法
精神薬学の実践
8.精神科領域の症状評価尺度
評価尺度
各 論
9.コンサルテーション・リエゾン精神医学・薬学 医師の立場から
コンサルテーションとは
病院におけるコンサルテーション
クライアントを知る,コンサルタントを知る
行ったコンサルテーションを評価する
10.コンサルテーション・リエゾン精神医学・薬学 薬剤師の立場から
疾患や病態に基づく向精神薬の選択および調整
精神症状を来す病態に対する向精神薬を使用しない介入
向精神薬による介入
11.精神保健福祉の法律・制度・施策とチーム医療・地域連携によるつながり
精神保健政策の歴史
ノーマライゼーションの理念を浸透させるために
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)
成年後見制度
心神喪失者等医療観察法
障害者の日常及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)
第2章 各 論
各論A 精神疾患
1.統合失調スペクトラム症(統合失調症)
統合失調症とは
発症の仕組み
主な症状と分類
発症までの経過と診断手順
精神病未治療期間と早期診断・介入の重要性
治 療
回復までの経過と治療
予後と再発
2.抑うつ症(うつ病)
うつ病とは
病 態
診断と症状
うつ病のサブタイプ
治 療
経過と予後
3.双極症(双極性感情障害)
双極症とは
診 断
経過・予後・自殺リスク
治 療
病因・病態
4.不安症(不安障害)
不安症とは
発症機序
分類と主な症状
診 断
治療方針
予 後
5.睡眠・覚醒障害(睡眠障害)
不眠症
睡眠関連呼吸障害
中枢性過眠症
概日リズム睡眠・覚醒障害
睡眠時随伴症
睡眠関連運動障害
6.パーソナリティ症・パラフィリア症,衝動制御(成人の人格および行動の障害)
パーソナリティ症とは
行動の異常(衝動制御障害)
パラフィリア症(性嗜好障害)
7.神経発達症(心理的発達の障害)
自閉スペクトラム症
注意欠如多動症
8.神経認知症(認知症)
認知症とは
原因疾患
9.物質関連症および嗜癖症(精神作用物質使用による精神および行動の障害)
物質使用症(Disorders due to substance use)とは
物質使用症の広がり
物質使用症の対象となる物質の種類
物質依存の症状・特徴
治 療
家族支援・自助グループなど
各論B 精神疾患治療薬
1.抗精神病薬
薬理作用
臨床的特徴
精神疾患別にみた抗精神病薬の使い方
副作用・相互作用マネジメント
2.抗うつ薬・抗不安薬
薬理作用
臨床的特徴
精神疾患別にみた抗うつ薬・抗不安薬の使い方
副作用・相互作用マネジメント
3.気分安定薬
薬理作用
臨床的特徴
精神疾患別にみた気分安定薬の使い方
薬物療法の評価
副作用・相互作用マネジメント
その他の基礎知識
4.睡眠薬
薬理作用
精神疾患別にみた睡眠薬の使い方
ガイドラインによる睡眠薬の推奨
急性期・長期管理における薬理学的介入の効果
睡眠薬使用のエキスパートコンセンサス
薬物療法の評価(不眠の再評価)
副作用・相互作用マネジメント
5.認知症治療薬
薬理作用
臨床的特徴
精神疾患別にみた認知症治療薬の使い方
薬物療法の評価
副作用・相互作用マネジメント
その他の基礎知識
6.物質使用症治療薬
薬理作用
臨床的特徴
精神疾患別にみた物質使用症治療薬の使い方
薬物療法の評価
副作用・相互作用マネジメント
その他の基礎知識
7.精神刺激薬
薬理作用
臨床的特徴
精神疾患別にみた精神刺激薬の使い方
副作用・相互作用マネジメント
その他の基礎知識
8.精神疾患治療薬における副作用とその対応
錐体外路症状
悪性症候群・
セロトニン症候群
アクチベーション症候群(賦活症候群)
抗うつ薬による中断症候群
体重増加・高血糖
水中毒
ベンゾジアゼピン系薬剤の依存
9.その他の重要な知識(mECT 実施時の補助薬,精神症状を惹起する薬剤)
修正型電気けいれん療法実施時の補助薬
精神症状を惹起する薬剤
各論C 妊婦・授乳婦と向精神薬
1.精神疾患患者の妊娠・出産
プレコンセプションケア
妊娠に向けた薬の調整
2.妊娠・授乳期の薬物療法の特徴と妊婦服薬カウンセリング
妊娠中の薬物療法の基礎知識とカウンセリングへの応用
妊婦疫学研究の評価について
合併症妊娠と薬物療法
妊婦服薬カウンセリング
授乳婦薬物療法の基礎知識
文 献