最新臨床検査学講座 放射性同位元素検査技術学 第2版**医歯薬出版/小野口 昌久/978-4-263-22394-9/9784263223949**
発行 2023年2月
判型:B5判 128頁
ISBN 978-4-263-22394-9
編著:小野口 昌久 / 川井 恵一
編:絹谷 清剛
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最新の内容にアップデートした第2版!
●「令和3年版臨床検査技師国家試験出題基準」対応.
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●放射能と放射線の基礎から,検査法の分類,検体検査法,放射性医薬品,画像診断による検査法,放射線の人体に対する影響,安全取扱いと管理に至るまで網羅して解説.
●わかりやすくコンパクトな解説はそのままに,新規薬剤の承認や関係法規の改正などを反映し,全体をアップデートした第2版.
【目 次】
第1章 放射能と放射線
I 原子の構造
II 放射線の定義と分類
III 放射性同位元素
IV 原子核壊変と放射線の性質
1 壊変形式:α壊変
2 壊変形式:β壊変
1)陰電子壊変:β-壊変(A Z X→A Z+1 Y+β-+v)
2)陽電子壊変:β+壊変(A Z X→A Z-1 Y+β++v)
3)軌道電子捕獲(electron capture;EC)(A Z X→A Z-1 Y+v)
4)β+壊変と電子捕獲の競合の場合
3 壊変形式:γ壊変(放射)
4 壊変図
5 壊変の法則
6 放射能と質量
7 自然放射線
8 放射平衡
1)過渡平衡(Tp>Td)
2)永続平衡(Tp≫Td)
3)放射平衡の実際例
V 光子と物質の相互作用
1 単一エネルギー光子(γ線など)の減弱
1)距離の逆二乗則
2)物質による減弱
2 光電効果
3 コンプトン効果
4 電子対生成
VI 放射線量と単位
1 放射能
2 照射線量
3 吸収線量
4 等価線量
5 実効線量
6 線量当量
7 個人線量当量
8 周辺線量当量
9 方向性線量当量
10 カーマ
11 空気カーマ率定数
第2章 放射線の測定
I 放射線検出器の原理
1 気体の電離作用を利用した検出器
1)電離箱
2)比例計数管
3)GM計数管
2 固体の電離作用を利用した検出器(半導体検出器)
3 蛍光作用を利用した検出器
1)シンチレーション検出器
2)熱ルミネセンス線量計(thermo luminescence dosimeter;TLD)
3)蛍光ガラス線量計
4)光刺激ルミネセンス線量計(optically stimulated luminescence dosimeter;OSLD)
4 写真作用を利用した検出器
II 放射線計測機器
1 試料測定機器
1)ウェル型電離箱放射能測定装置
2)NaI(Tl)ウェル型シンチレーション検出器
3)液体シンチレーション検出器
4)クロマトスキャナ
5)ラジオルミノグラフィ(イメージングアナライザ)
2 体外測定装置
1)シンチカメラ,SPECT装置
2)PET装置
3)半導体SPECTおよびPET装置
4)生検用ガンマプローブ
5)レノグラム装置
6)甲状腺放射性ヨウ素摂取率測定装置
3 放射線管理用測定器
1)サーベイメータ
2)ハンドフットクロスモニタ
3)ホールボディカウンタ
III 放射線計測機器の保守管理
1 シンチカメラ,SPECT装置
2 PET装置
IV 放射線エネルギーと放射能測定
1 放射線エネルギー測定
2 放射能測定
1)β線放出核種の測定
2)γ線放出核種の測定
V 計数値と統計変動
第3章 検査法の分類
I 検体(試料)検査法
1 in vitro検査法(ラジオアッセイ:radioassay)
2 患者に放射性検査試薬を投与する検体検査法
II 体外測定法(in vivo画像診断法)
1 シングルフォトン放出核種による画像診断
2 ポジトロン放出核種による画像診断
第4章 検体検査法
I in vitro検査法(ラジオアッセイ)
1 直接飽和分析法(direct saturation analysis;DSA)
2 競合的蛋白結合測定法(competitive protein binding assay;CPBA)
3 放射免疫測定法(radioimmunoassay;RIA)
4 放射受容体測定法(radioreceptor assay;RRA)
5 免疫放射定量測定法(immunoradiometric assay;IRMA)
6 蛍光法(fluoroimmunoassay;FIA)との比較
II 患者に放射性検査試薬を投与する検体検査法
1 循環血漿量,血液量,血球量の測定
1)循環血漿量測定
2)循環赤血球量測定
2 鉄代謝(フェロカイネティクス),造血機能検査
3 赤血球寿命の測定
4 血小板寿命の測定
第5章 in vivo放射性医薬品
I in vivo画像診断用放射性医薬品
1 in vivo画像診断に利用される放射性同位元素
1)放射線の種類
2)エネルギー
3)半減期
2 in vivo画像診断用放射性医薬品の特徴
3 in vivo画像診断用放射性医薬品の品質管理
1)確認試験
2)純度試験
3)無菌試験,発熱性物質試験
II シングルフォトン放出核種標識放射性医薬品(SPECT製剤)
1 脳神経系:脳機能診断薬
1)局所脳血流量(rCBF)測定剤
2)神経伝達機能測定剤
3)脳シンチグラフィ剤
2 循環器系:心機能診断薬
1)心筋血流測定剤
2)エネルギー代謝機能測定剤
3)神経伝達機能測定剤
4)心筋梗塞シンチグラフィ剤
5)心RIアンギオグラフィ,血液プールシンチグラフィ剤
3 骨系:骨シンチグラフィ剤
4 内分泌系:甲状腺・副甲状腺・副腎機能診断薬
1)甲状腺機能測定剤
2)副腎皮質機能測定剤
3)副腎髄質機能測定剤
5 呼吸器系:肺機能診断薬
1)肺血流測定剤
2)肺換気能測定剤
6 肝胆脾系:肝臓・胆道・脾臓機能診断薬
1)肝細胞機能測定剤
2)肝臓・胆道機能診断薬
3)肝臓・脾臓機能診断薬
7 消化器系:唾液腺・胃機能診断薬
8 腎・泌尿器系:腎機能診断薬
1)糸球体濾過率(GFR)測定剤
2)有効腎血漿流量(ERPF)測定剤
3)腎静態シンチグラフィ剤
9 腫瘍・炎症系:腫瘍画像診断薬
1)放射性金属イオン
2)抗腫瘍ペプチド
10 リンパ系:センチネルリンパ節画像診断薬
III ポジトロン放出核種標識放射性医薬品(PET製剤)
1 18F-FDG:デリバリーPET製剤
2 脳神経系:脳機能診断薬
1)局所脳血液量(rCBV)測定剤
2)局所脳血流量(rCBF)測定剤
3)局所酸素摂取率(rOEF),局所脳酸素消費率(rCMRO2)測定剤
4)局所脳ブドウ糖代謝率(rCMRglc)測定剤
5)神経伝達機能測定剤
6)アミロイドイメージング剤
3 循環器系:心機能診断薬
1)心筋血流測定剤
2)ブドウ糖代謝機能測定剤
4 腫瘍・炎症系:腫瘍画像診断薬
1)ブドウ糖代謝・膜輸送機能亢進
2)アミノ酸代謝・膜輸送機能亢進
3)骨代謝機能亢進
IV 核医学治療用放射性医薬品
V 患者の被ばく管理
1)有効半減期
2)MIRD法
3)患者の被ばく線量の管理
第6章 in vivo画像診断による検査法
I シングルフォトン放出核種による画像診断法〔平面像,シングルフォトン(単光子)放射断層撮影(SPECT)法〕
1 脳神経系
1)脳血流イメージング
2)線条体ドーパミントランスポーター(DAT)の評価
3)ベンゾジアゼピン受容体イメージング
4)脳脊髄液動態イメージング
2 循環器系
1)心筋SPECT
2)血液プールシンチグラフィ
3 骨系:骨シンチグラフィ
4 内分泌系:甲状腺
5 呼吸器系
6 肝臓・胆道系
7 消化器系
8 腎・泌尿器系
9 腫瘍・炎症系
10 リンパ系
II ポジトロン(陽電子)放射断層撮影(PET)法
1 脳神経系
1)局所脳血液量(rCBV)
2)局所脳血流量(rCBF)
3)局所酸素摂取率(rOEF)
4)局所脳ブドウ糖代謝率(rCMRglc)
5)神経・受容体イメージング
6)アミロイドイメージング
2 循環器系
1)心筋血流
2)糖代謝(18F-FDG)
3 腫瘍・炎症系
1)18F-FDG PET
2)11C-メチオニン(11C-Met)
III 核医学と他の医学画像の特徴
1 核医学検査の特徴
2 核医学以外の画像検査法
第7章 放射線の人体に対する影響
I 放射線の生物作用
1 身体的影響と遺伝的影響
2 確率的影響と確定的影響
3 放射線の生物作用の特殊性
4 放射線の生体分子への作用過程
II 分子レベルの影響
1 直接作用と間接作用
2 ラジカルの生成と生体分子との反応
3 放射線感受性の修飾要因
1)希釈効果
2)温度効果
3)酸素効果
4)保護効果および増感効果
4 DNAの損傷と修復
1)生体内標的高分子
2)DNA損傷
3)DNA修復
III 細胞レベルの影響
1 細胞周期と放射線感受性
2 分裂遅延
3 細胞死
4 細胞障害からの回復
IV 組織・臓器レベルの影響
1 細胞動態による組織・臓器の分類と放射線感受性
2 組織・臓器の確定的影響
3 アブスコパル効果と免疫放射線治療
V 個体レベルの身体的影響
1 急性放射線症
2 急性放射線死
3 晩発性障害
1)発がん
2)白内障
3)再生不良性貧血
4 胎児への影響
VI 遺伝的影響
1 突然変異
1)遺伝子突然変異(点突然変異)
2)染色体突然変異
2 倍加線量
第8章 管理・法規と安全取扱い
I 放射線被ばく
1 放射線管理の必要性
2 放射線被ばくの分類と管理
II 放射線関係法規
1 国際放射線防護委員会(ICRP)勧告と放射線関係法令
1)ICRP基本勧告と放射線関係法令
2)被ばくの区分
3)防護量
2 放射性同位元素等規制法
1)放射性同位元素等規制法の規制対象
2)放射線業務従事者と管理区域
3)放射線業務従事者の線量限度
3 医療法および臨床検査技師法
1)医療法の規制対象
2)診療用放射線の安全管理体制の確保
3)臨床検査技師法の規制
III 放射線管理
1 個人の管理
1)物理的被ばく管理
2)医学的健康管理
3)教育訓練・研修の実施
2 環境の管理
1)法定の遮蔽基準
2)環境の測定
3)汚染の除去
IV 安全取扱い
1 外部被ばく防護の3原則
1)距離
2)遮蔽
3)時間
2 安全取扱いのための器具
1)距離をとるための器具
2)遮蔽のための器具
3)時間短縮への工夫
3 安全取扱いの基本
1)密封線源あるいは放射線発生装置の安全取扱い
2)非密封放射性同位元素の安全取扱い
付表 医療分野で使用される主な放射性同位元素の基礎データと規制下限値