NiCE 母性看護学 I 概論・ライフサイクル 改訂第4版**南江堂/齋藤 いずみ/978-4-524-22338-1/9784524223381**
発行 2025年12月
判型:B5判 328頁
ISBN 978-4-524-22338-1
編集:齋藤 いずみ / 長谷川 ともみ / 三隅 順子
生涯を通じた性と生殖の健康を支えるための看護の基盤を修得する好評テキストの改訂版.母性看護学に関する概念や理論,母子保健から,ライフサイクル各期における看護の考え方まで,母性看護を総合的にとらえる視点を育む.今改訂では,最新情報に基づき全体を更新したほか,近年の少子化対策・子育て支援の拡充,また包括的性教育やプレコンセプションケアといった性に関する教育の動向の解説を追加した.
【目 次】
第1部 母性看護学の基盤
第Ⅰ章 母性看護学の概念
1 母性看護学とは
A.母性とは
1.「母性」の解釈の多様性
2.母性看護学における「母性」
3.「母性」の言葉の歴史
4.「母性」と「父性」
5.「母性」「父性」から「親性」へ
B.母性看護学とは
1.母性看護とは,母性看護学とは
2.母性看護の対象の変遷
3.看護基礎教育における母性看護学のなりたち
4.母性看護学と助産学
C.時代とともに変わりゆく母性看護と今日的課題
1.育児・介護休業法
2.男性による育児と母性看護学
2 家族とは
A.家族とは
1.家族の定義
2.日本における家族の変遷と健康管理
B.家族看護学の歴史と展望
C.新生児の誕生による家族の変化
3 母性看護学の基盤となる理論と概念
A.リプロダクティブ・ヘルス/ライツ
B.性的健康と性的権利
C.セクシュアリティ
D.ジェンダー
1.ジェンダーとは何か
2.ジェンダー・ステレオタイプ
3.ジェンダー・フリー
コラム 低用量経口避妊薬と勃起不全改善薬の認可にみるジェンダー・バイアス
E.性自認と性的指向
1.性自認
2.性的指向
F.ヘルスプロモーション
G.ウェルネス
H.エンパワメント
I.自己決定
J.女性を中心としたケア
K.患者と家族を中心としたケア
L.ボンディング
M.アタッチメント
4 根拠に基づく母性看護の実践
A.根拠に基づく実践とは
1.エビデンスとは何か
2.EBM,EBN,EBPの考え方,時代の変遷
B.エビデンスを得る方法
1.PICOの組み立て方
2.研究論文の検索
3.エビデンスレベル
C.コクランレビューの活用
コラム ランダム化比較試験とは
1.コクランとは
2.コクランレビューの活用方法
コラム ガイドラインとは
5 母性看護にかかわる主な職種と連携
A.母性看護にかかわる主な職種
1.看護職
2.その他の職種
B.母子の支援のための多職種連携
第Ⅱ章 性をとりまく社会と現状
1 社会的・心理的特性からみた性
A.性別役割観
B.疫学統計からみる性自認と性的指向の状況と健康問題
1.LGBTQ+の人口規模
2.他者との違いに気づく平均年齢
3.いじめ被害・不登校・自傷行為の経験率
4.自殺念慮と自殺未遂の経験率
C.教育や保健医療の専門家に求められること
1.LGBTQ+の子どもへの配慮
2.医療機関におけるLGBTQ+への配慮
コラム 医学界における性自認と性的指向の扱いの変遷
2 統計からみる性をとりまく社会の現状
A.日本における男女の現状
1.日本における男女の平等感
2.賃金格差
3.ひとり親世帯と貧困
4.ジェンダーの不平等を示す指数
B.日本における看護と性別
3 性に関する教育の動向
A.日本における性に関する教育の現状
B.包括的性教育
C.プレコンセプションケア
1.医療従事者への相談
2.毎日400?の葉酸の摂取
3.飲酒,喫煙,特定の薬物の使用をやめる
4.有害物質や汚染物質の回避
5.健康的な体重の維持
6.家族の健康歴を知る
7.精神的な健康の維持
コラム インターコンセプションケア
第Ⅲ章 母子保健統計と母子保健施策
1 母子保健統計の理解
A.日本の人口,出生に関する概観
1.人 口
2.出生数
3.合計特殊出生率
B.日本の母子保健水準と統計値
1.周産期死亡率,新生児死亡率,乳児死亡率
2.妊産婦死亡率
3.流産・死産
4.出生時の体重
5.人工妊娠中絶
C.諸外国における母子保健統計と日本の比較
1.諸外国の合計特殊出生率とその背景
2.諸外国における母子保健水準と統計値
D.少子化の背景
1.未婚化
2.夫婦のもつ子どもの数
コラム 統計を学ぶ意義と楽しさ
2 母子にかかわる法律と母子保健施策
A.母子にかかわる法律
1.親子の規定にかかわる法律
2.母子の健康にかかわる法律
3.母子の福祉にかかわる法律
4.女性や子どもに対する暴力の防止にかかわる法律
コラム 性被害の相談窓口
B.母子保健施策・事業
1.母子保健にかかわる事業
2.経済的支援策
C.母子保健にかかわる課題と政策
1.こども家庭庁の設立
2.健やか親子21-第2次計画
3.成育医療等の提供に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針(成育医療等基本方針)
4.男女共同参画社会基本法に基づく政策
5.少子化社会対策基本法に基づく政策
6.そのほかの少子化対策・子育て支援
コラム 地域子育て支援センター
3 周産期医療体制
A.わが国における周産期医療の背景
1.周産期医療体制の歴史的変遷
2.周産期医療の背景
コラム お産の危機ー妊婦と赤ちゃんを守っていくためにー
B.周産期医療体制
1.周産期母子医療センター
2.周産期医療ネットワーク
3.オープンシステム,セミオープンシステム
C.日本の周産期医療の課題
1.新たな周産期医療体制の構築
2.危険度を増す産科混合病棟の実態(全国調査結果から)
第Ⅳ章 生殖に関する形態機能とライフサイクル
1 性周期と生命のはじまり
A.発 生
B.性周期と妊娠の成立
1.性周期とは
2.性周期とホルモンの関係
3.性周期における受精可能な時期
4.性周期の正常と異常を見分けるポイント
C.受精のメカニズムと妊娠の成立
1.精子の機能
2.受 精
3.着床と妊娠の成立
2 遺 伝
A.遺伝のメカニズム
1.遺伝子と遺伝
2.減数分裂
B.遺伝性疾患
1.代表的な遺伝性疾患
2.遺伝性疾患の分類
C.遺伝診療科における周産期から育児期までの支援例
3 性分化のメカニズム
1.染色体上の性
2.性腺の性
3.身体的性
4.性同一性
5.性分化疾患
コラム 器官発生のメカニズム
4 生殖器の形態と機能
A.女性の生殖器の形態と発達,変化
1.女性生殖器の形態
2.ライフサイクルにおける女性生殖器の発達,変化
B.男性の生殖器の形態,機能と発達
1.男性生殖器の形態と機能
2.ライフサイクルにおける男性生殖器の発達
C.性反応
第Ⅴ章 性と生殖をめぐる倫理的課題
1 性と生殖をめぐる倫理的課題とは
A.生殖補助医療(ART)をめぐる倫理的課題
コラム 生殖補助医療(ART)
1.多胎妊娠により行われる減数手術
コラム ガイドラインと法律の違い
2.顕微授精による変異遺伝子の次世代男児への伝達
3.卵子提供・代理出産
コラム 代理出産
4.精子提供
5.生まれた子どもの出自を知る権利
B.出生前診断・着床前診断をめぐる倫理的課題
1.出生前診断
2.胎児条項による人工妊娠中絶
3.着床前診断
コラム 胎児治療
4.遺伝カウンセリング
C.人工妊娠中絶をめぐる倫理的課題
1.堕胎罪と母体保護法
2 専門職として高い倫理性を育成する
A.倫理的課題にアプローチするためのツール
1.倫理原則
コラム 倫理的課題を考えるときのキーワード
2.ケアリング
3.看護職の責務―看護職の倫理綱領
B.女性・胎児の尊厳と権利擁護と看護職の行動
1.女性の尊厳と権利擁護
2.胎児・新生児の尊厳と権利擁護
3.看護職者の役割
C.倫理的意思決定プロセス
1.4ステップモデルによるアプローチ
2.看護職者の支援
D.専門職として高い倫理的感受性を育成する姿勢
第Ⅵ章 国際化のなかでの母性看護の役割
1 異なる文化的背景をもつ女性・妊産褥婦への看護
A.日本に暮らす/滞在する外国人と周産期医療の現状
1.在留外国人
2.訪日外国人
B.在日外国人の女性と子どもが抱える健康問題と看護
1.子育てに関する問題
2.女性の健康に関する問題
C.在日外国人の妊産褥婦が抱える健康問題と看護
1.文化の違いに対する配慮
2.宗教の違いに対する配慮
3.言語の違いに対する配慮
4.サービスの違いに対する配慮
5.多様性への配慮
2 母子保健における国際協力
A.世界における母子保健の現状
B.母子保健に関する国際的な取り組み
C.母子保健領域における国際協力の実際
1.妊産婦死亡率の削減に向けて
2.母と子の健康
母子保健における国際協力の実際
第2部 生涯を通じた性と生殖の健康を支える看護
第Ⅶ章 女性のライフサイクルと健康支援
1 女性のライフサイクルの全体像
A.ライフサイクルの定義
1.ライフサイクルとは
2.マタニティサイクルとは
3.ライフサイクル各期
B.女性のライフコースの多様性と個別性
1.ライフコースからさらに個別的なとらえ方へ
C.女性のヘルスプロモーションと看護
1.健康課題に対処するためのヘルスリテラシーの向上
2.リプロダクティブ・ヘルス/ライツの視点に立った健康支援
3.母子のヘルスケアに関連する予防接種,がん検診などにおける意思決定支援
2 思春期
A.思春期の女性の特徴
1.身体的特徴
2.心理的特徴
3.社会的特徴
4.性意識,性行動の発達
B.思春期の女性へのヘルスプロモーション・看護の視点
C.思春期の女性の健康問題と看護
1.性感染症
3 成熟期
A.成熟期の女性の特徴
1.身体的特徴
2.心理・社会的特徴
B.成熟期の女性へのヘルスプロモーション・看護の視点
1.ヘルスリテラシーの向上
2.月経に関連した体調管理
3.リプロダクティブ・ヘルス/ライツと家族計画
4.女性特有のがんとヘルスケア
C.成熟期の女性の健康問題と看護
1.月経異常症
2.子宮筋腫
3.子宮内膜症
4.卵巣嚢腫
5.子宮体がん,子宮頸がん,卵巣がん,乳がん
6.不妊症・不育症
7.人工妊娠中絶
コラム 思いがけない妊娠の相談先「小さないのちのドア」
8.ドメスティック・バイオレンス
コラム Me too 運動とフラワーデモ
9.性暴力
コラム 性暴力被害対応看護師(SANE)
10.児童虐待
11.災 害
4 更年期
A.更年期の女性の特徴
1.身体的特徴
2.心理・社会的特徴─人生の再評価
B.更年期の女性へのヘルスプロモーション・看護の視点
1.ヘルスプロモーション
2.看護の視点
C.更年期の女性の健康問題と看護
コラム 加齢男性性腺機能低下症候群
5 老年期
A.老年期の女性の特徴
1.身体的特徴
2.心理的特徴
3.社会的特徴
4.老年期のセクシュアリティの特徴
B.老年期の女性へのヘルスプロモーション・看護の視点
1.ヘルスプロモーション
2.看護の視点
C.老年期の女性の健康問題と看護
1.萎縮性腟炎,外陰炎
2.骨粗鬆症
3.骨盤臓器脱,排尿障害(下部尿路症状)
第Ⅷ章 性と生殖の健康を支える看護技術
1 情報収集・ヘルスアセスメントの技術
A.婦人科診察における基本的な看護の心構え
1.対象の特徴
2.婦人科診察におけるケアリング
3.リプロダクティブ・ヘルス/ライツ
4.対象者への配慮
B.婦人科診察における援助の実際
1.問診とその援助
2.内診とその援助
2 母性看護における看護過程
A.看護過程とは
B.看護診断とは
C.母性看護学領域における看護過程の特徴
1.ウェルネスな思考での看護過程
2.成長・発達・役割獲得に伴う課題
3.看護の対象が母子,家族
4.看護理論
5.展開する時間
D.家族のアセスメントの視点
1.家族の構造面
2.家族の発達面
3.家族の機能面
4.新しい家族が誕生するときの看護職のかかわり
第Ⅸ章 事例で学ぶウェルネス・アプローチでの看護の実践
1 女性のライフサイクルの事例
A.思春期の事例
事例1 やせ願望のAさん
事例2 性感染症のBさん
B.成熟期の事例
事例3 月経痛・月経不順による受診があったCさん
事例4 生殖補助医療を継続することにストレスを感じているDさん
事例5 里帰り予定の産褥2日目のEさん
事例6 子宮および右卵巣摘出後のFさん
C.更年期の事例
事例7 更年期症状を克服していくGさん
D.老年期の事例
事例8 知識不足により老年期のQOLがおびやかされているHさん
資料 母子保健統計にかかわる資料
練習問題 解答と解説