Annual Review 神経 2022【電子版】**中外医学社/鈴木 則宏/荒木 信夫/宇川 義一/桑原 聡/塩川 芳昭/9784498328822**
※こちらは電子版です。
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- 編著
- 鈴木 則宏/荒木 信夫/宇川 義一/桑原 聡/塩川 芳昭
発行 2022年5月
ISBN 978-4-498-32882-2
判型:B5判 332頁
脳神経科学分野のエキスパートたちが内外の文献を踏まえてその年の最注目トピックを厳選し,解説する好評シリーズの2022年版がいよいよ登場.臨床・研究に役立つ貴重な情報源として,神経エコーといった基礎医学における最新の知見や変性疾患をはじめとする難病へのアプローチ,外科治療の新たな神経機能の解明・病態の理解への貢献など,幅広い側面からの話題を取り上げた.
【目 次】
I. Basic Neuroscience
1.神経生理
1 脳神経のエコー検査
視神経の超音波検査 顔面神経の超音波検査 迷走神経の超音波検査 副神経の超音波検査
今後の展望
2 視床網様核のコア/シェル構造と多様な入出力線維
TRNの入出力線維とその機能 TRNのコア/シェル構造 TRNと精神疾患 今後の展望
2.神経病理
1 進行性核上性麻痺と抗IgLON5抗体
抗IgLON5抗体関連症候群 PSP様症候群およびCBSを呈する症例
2 パーキンソン病:嗅球・腸管-迷走神経系へのαシヌクレイン凝集体接種による脳病理
Braak仮説とα-Synの凝集・伝播 プリオン様伝播仮説 嗅球からの伝播経路 消化管からの伝播
今後の展望
3.生化学(分子生物学)
1 シヌクレイノパチーにおけるプリオン様伝播の分子メカニズム
α-シヌクレインの分泌機構 α-シヌクレインの取り込み機構 細胞間伝播を標的とした疾患修飾療法
今後の展望
2 ALSのゲノムワイド関連解析
孤発性ALSにおけるゲノム要因の寄与 ALSに対するゲノムワイド関連解析 今後の展望
4.画像
1 酸素の安定同位体17Oによる脳水動態イメージング
Glymphatic systemと水動態MRイメージング 同位体顕微鏡による水ミクロイメージング
今後の展望
2 4D Flow MRI
動脈瘤 脳血管バイパス 脳動静脈奇形 脳脊髄液評価 今後の展望
II. 本年の動向
1 筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者を対象としたロピニロール塩酸塩(ropinirole)投与による医師主導治験
―iPS細胞創薬の黎明期 新規創薬戦略であるiPS細胞創薬の台頭
iPS細胞創薬発のALS治療薬候補ロピニロール塩酸塩とその医師主導治験(ROPALS試験)
2 脳梗塞後の制御性T細胞による組織修復機構
組織Treg 脳梗塞における脳Tregの集積 脳Tregの性質
脳Tregによるアストログリオーシスの制御機構
他の脳内炎症モデルとTreg ヒト脳内炎症性疾患とTreg
3 腸内細菌叢を介した神経炎症・神経変性の修飾機序―多発性硬化症における研究の進展
最近の進歩 これからの展開
4 Xeroderma pigmentosum(XP)の神経症状
概念・疫学 XPの皮膚症状 XPの神経症状 神経症状の病態機序と治療
5 自閉スペクトラム症とセロトニン
ASDモデル動物におけるセロトニン神経系の障害 ASDの社会的行動異常とセロトニン
感覚異常とセロトニン 睡眠障害とセロトニン セロトニン神経系の修飾による治療の可能性
6 瀬川病50年の歩み
第1例目との出会いから病因遺伝子の発見まで
病因遺伝子の発見後明らかになった臨床的特徴―症状の多様化 病態 今後への課題
7 ALSの新たな診断基準:Gold Coast診断基準
Lambert診断基準 改定El Escorial診断基準 Awaji診断基準 Gold Coast診断基準
8 特発性基底核石灰化症の分子病態
名称について リン酸ホメオスタシスの異常 脳血液関門(BBB)の傷害
いわゆる‘脳内リンパ系(glymphatic system)’ 今後の課題と展望
9 覚醒下手術で明らかになりつつある言語機能
新規に同定された言語関連領域 言語経路の包括的理解 前頭斜走路の新知見 言語機能の可塑性
10 iNPH治療のオーバービュー:現状と課題
iNPH診断 症候 脳形態/神経画像所見 脳脊髄液動態 脳脊髄液所見
併存疾患・鑑別診断 シャント手術
III. Clinical Topics
1.感染症・炎症疾患
1 口腔常在菌と全身感染症
レンサ球菌アドヘジンantigen I/II Hsaアドヘジン インターメディリシン
phosphoglucosamine mutase 今後の展望
2 次世代シーケンサーを活用した神経感染症のショットガンメタゲノム解析
メタゲノム解析とは何か? メタゲノム解析の種類 mNGS解析のパイプライン mNGSの有用性
前向き研究 後向き研究 mNGSの限界 メタゲノム解析の役割を再考する 今後の展望
2.脳血管障害
1 腸内細菌と脳卒中
腸内細菌と脳卒中リスク 虚血性脳卒中急性期と腸脳連関 虚血性脳卒中患者の腸内細菌叢
腸内細菌と脳卒中治療
2 脳動脈瘤に対するshield technologyを用いたflow diverterによる血管内治療
Flow diverter(FD)治療について Shield technology PIPELINE shieldを用いたFD治療の成績
今後の展望
3 脳血管障害における新たなarterial spin labeling技術を用いたMR angiographyの臨床応用
pulsed ASLを用いた4D-MRA pseudo-continuous ASL(pCASL)を用いた4D-MRA
血管選択的4D-MRA Acceleration-selective ASL(AccASL)を用いた3D-MRA
4 Dolichoectatic and fusiform aneurysmの病態と治療に関する最新の知見
最近の自然歴に関する論文 最近の治療成績に関する報告
最近のfusiform and dolichoectatic aneurysmsに関するゲノム医学の進歩
5 もやもや病の治療と研究:現状と可能性
出血発症もやもや病に関する最新知見 もやもや病に対するバイパス術後の特徴的脳循環と周術期管理
疾患感受性遺伝子RNF213遺伝子多型の臨床的意義 今後の展望
3.脳腫瘍
1 転移性脳腫瘍の新展開multidisciplinary approachに向けて
薬物療法の進歩と転移性脳腫瘍における個別化治療 放射線治療の最近の動向?高次脳機能障害の回避
2 膠芽腫の病態・治療と未来医療を見据えた今後の展望
膠芽腫の病態 膠芽腫の治療 今後の治療―免疫療法の可能性 未来医療を見据えた今後の展望
4.外傷
1 重症頭部外傷の急性期管理
Intracranial pressure(ICP)モニタリング Brain tissue oxygenation monitoring(PbtO2)
Pupillometer Biomarkers 低体温療法(Therapeutic hypothermia)
高張食塩水持続注入療法(Hypertonic Saline:HS) 高酸素療法Hyperoxia treatment
バルビツレート療法 トラネキサム酸(Tranexamic acid:TXA) Xenon
5.変性疾患
1 網膜でパーキンソン病を診断できるか
網膜におけるPDの非運動症状 PDと網膜神経回路の形態変化 内網状層(IPL) 今後の展望
2 アルツハイマー病の抗アミロイドβ抗体治療
歴史概観 抗Aβ抗体薬の特性と作用機序 現在承認されている(または開発中の)抗Aβ抗体薬
今後の展開と課題
6.中毒・代謝疾患
1 タウリンによるミトコンドリア病の治療
タウリンの細胞保護作用 MELASはtRNAのタウリン修飾欠損症
タウリン補充によるMELASモデル細胞のミトコンドリア機能障害の回復
タウリン補充療法の医師主導治験と長期投与試験 タウリン修飾の分子メカニズムの解明
タウリン修飾欠損による多様な病態メカニズムの解明 今後の臨床応用
2 ライソゾーム病の治療とマネジメント
ゴーシェ病の治療とマネジメント ファブリー病の治療とマネジメント ポンペ病の治療とマネジメント
ムコ多糖症I型の治療とマネジメント ムコ多糖症II型の治療とマネジメント MPSIIにおける新たな動向
今後の展望
7.脱髄・免疫性疾患
1 免疫性疾患としての筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)
ME/CFSの疾患概念 ME/CFSの発症原因と疫学 病態解明へ向けた研究
ME/CFSに関する脳画像研究 ME/CFSにおけるB細胞・自己抗体 治療法開発へ向けて
2 視神経脊髄炎とGRP78抗体
NMOでのBBB破綻 NMOからBBB破綻に関与するGRP78抗体の発見 GRP78とは
GRP78抗体と長大な脊髄病変を有する脊髄炎を認めるNMO関連疾患 GRP78抗体と中枢神経ループス
GRP78抗体と傍腫瘍性小脳変性症を合併したLambert-Eaton筋無力症候群 今後の展望
8.末梢神経障害
1 COVID-19とギラン・バレー症候群
GBSと先行感染因子 COVID-19とGBSの関連 COVID-19関連GBSの特徴
COVID-19ワクチンとGBSの関連
2 抗Plexin D1抗体をはじめとする自己抗体介在性神経障害性疼痛
抗Plexin D1抗体 抗Caspr 2抗体と抗LGI1抗体 抗TS-HDS抗体と抗FGFR3抗体
抗小径後根神経節ニューロン抗体 今後の展望
9.神経筋疾患
1 神経核内封入体病
Fragile-X関連振戦症候群(Fragile X-associated tremor/ataxia syndrome:FXTAS)
Oculopharyngodistal myopathy(OPDM) Essential tremor
2 非コード領域リピート伸長病
脊髄小脳失調症37型 良性成人型家族性ミオクローヌスてんかん 新しいCGGリピート伸長病
常染色体劣性遺伝疾患 今後の展望
10.自律神経疾患
1 第3の視覚受容体と自律神経系:そのメカニズムと破綻
ipRGCsのnon-image-forming機能における新たな発見 ipRGCsのimage-forming機能への関与
新生児におけるipRGCsの網膜,神経回路の成熟への関与 ヒトのipRGCsの破綻と臨床 今後の展望
2 純粋自律神経失調症型のレビー小体病と免疫介在性自律神経ニューロパチー
純粋自律神経失調症(pure autonomic failure:PAF) 免疫介在性自律神経ニューロパチー
11.機能性疾患
1 AMPA受容体拮抗薬の作用機序
AMPA受容体とてんかん AMPA受容体拮抗薬
2 Responsive neurostimulation治療の可能性
てんかんの外科治療 発作反応型電気刺激療法(responsive neurostimulation:RNS) 今後の展望
12.機能的脳神経外科
1 デバイス開発による機能的脳神経外科の進歩―脳深部刺激療法―
脳深部刺激療法(deep brain stimulation:DBS)で使用する機器の進歩
充電式IPG D-Leadに関する報告 MRI対応機器の検証 DBSの電極からのLFPの記録
LFPからの症状推定 他疾患への応用 未来の展望
2 てんかんに対する定位的外科〈岩崎真樹〉
定位手術ロボット 定位的頭蓋内脳波(SEEG) てんかんに対する定位的凝固治療 今後の展望