【編集顧問】
平田 結喜緒（兵庫県予防医学協会健康ライフプラザ健診センター センター長）

【編 集】
成瀬 光栄（医仁会武田総合病院内分泌センター・臨床研究センター センター長）
田上 哲也（国立病院機構京都医療センター 内分泌・代謝内科 診療部長）
田辺 晶代（国立国際医療研究センター病院 糖尿病内分泌代謝科 医長）
馬瀬 久宜（医仁会武田総合病院 薬局長）

近年，薬剤性の内分泌障害の経験が増加し，注目が集まっている．本書は，単に薬剤による副作用のまとめにとどまらず，薬剤による内分泌障害の特徴や早期診断・治療法を，①内分泌障害からそれを引き起こす薬剤，②薬剤の薬効別分類から引き起こされる内分泌障害，の二方向から解説を行い，実診療で検索しやすくしてある．
内分泌代謝の専門医のみならず，様々な専門分野の臨床医にとって，副作用の早期診断と適切な対処に役立つ1冊．

【目 次】
総 論（代表的な内分泌障害別）
Ａ 下垂体前葉機能低下症をきたす薬剤
1 内分泌系薬
?副腎皮質ホルモン薬
2 抗悪性腫瘍薬
?免疫チェックポイント阻害薬
Ｂ 高プロラクチン血症をきたす薬剤
1 精神神経用剤
?抗精神病薬
?抗うつ薬
?抗てんかん薬
?麻薬，オピオイド系鎮痛薬
2 消化器官用剤
3 循環器官用剤
4 内分泌系薬
Ｃ 抗利尿ホルモン不適切分泌症候群をきたす薬剤
1 精神神経用剤
?抗うつ薬，抗精神病薬
?抗てんかん薬
2 消化器官用剤
?プロトンポンプ阻害薬
3 循環器官用剤
?利尿薬
?降圧薬
?抗不整脈薬
4 代謝系薬
5 抗悪性腫瘍薬
6 コメント
?メチレンジオキシメタンフェタミン（エクスタシー）
Ｄ 尿崩症をきたす薬剤
1 精神神経用剤
?躁病・躁状態治療薬
?麻酔薬
?その他
2 内分泌系薬
?副腎皮質ホルモン薬
3 代謝系薬
?痛風治療薬
4 感染症薬
?抗菌薬
?抗真菌薬
?抗ウイルス薬
?その他
5 抗悪性腫瘍薬
?イホスファミド
?ニボルマブ
Ｅ 甲状腺機能異常をきたす薬剤
1 精神神経用剤
2 消化器官用剤
?制酸薬
?スクラルファート，ポラプレジンク
?ジメチコン
?ヒスタミンH2受容体遮断薬（ファモチジン）
?プロトンポンプ阻害薬（オメプラゾール）
3 循環器官用剤
?抗不整脈薬：アミオダロン（アンカロン）
?急性循環不全改善薬：ドブタミン，ドパミン
4 内分泌系薬
?ゴナドトロピン放出ホルモン誘導体
?女性ホルモン製剤
?副腎皮質ステロイド薬
?ソマトスタチン誘導体
5 代謝系薬
?脂質異常症治療薬
?骨粗鬆症治療薬
6 感染症薬
?抗結核薬
?抗ウイルス薬
?抗真菌薬
?子宮頸癌予防（ヒトパピローマウイルス）ワクチン
7 免疫抑制薬
?インターフェロン製剤
?インターロイキン製剤
?シクロスポリン
8 抗悪性腫瘍薬
?免疫チェックポイント阻害薬
?分子標的治療薬
?内分泌系薬：ゴナドトロピン放出ホルモンの誘導体
?内分泌系薬
?フルオロウラシル
?多発性骨髄腫治療薬（サリドマイド）
Ｆ 副腎皮質機能低下症をきたす薬剤
1 精神神経用剤
?抗てんかん薬
?その他
2 感染症薬
?抗結核薬
?抗真菌薬
3 代謝系薬
4 抗悪性腫瘍薬
?免疫チェックポイント阻害薬
?チロシンキナーゼ阻害薬
Ｇ 偽アルドステロン症をきたす薬剤

各 論（薬効別）
Ａ 精神神経用剤
?抗精神病薬
?躁病・躁状態治療薬
?抗うつ薬
?抗てんかん薬
?催眠・鎮静・抗けいれん薬
?麻薬・オピオイド系鎮痛薬
?麻酔薬
Ｂ 消化器官用剤
?消化管運動改善薬
?H2受容体拮抗薬
?プロトンポンプ阻害薬
Ｃ 循環器官用剤
Ｄ 内分泌系薬
?副腎皮質ホルモン薬
?卵胞ホルモン（エストロゲン）製剤（卵巣機能不全や月経困難症などの治療薬として）
?卵胞ホルモン（エストロゲン）製剤（前立腺癌や末期乳癌の治療薬として）
?黄体ホルモン製剤（メドロキシプロゲステロン）
?ゴナドトロピン放出ホルモンアゴニスト
?ソマトスタチン誘導体製剤
Ｅ 代謝系薬
?脂質異常症治療薬
?糖尿病薬
?骨粗鬆症治療薬
Ｆ 感染症薬
?抗ウイルス薬
?抗結核薬
?抗真菌薬
?子宮頸癌予防（ヒトパピローマウイルス）ワクチン
Ｇ 免疫抑制薬
?インターフェロン製剤
?インターロイキン製剤（腎癌，血管肉腫）
?シクロスポリン
Ｈ 抗悪性腫瘍薬
1 分子標的治療薬
?分子標的治療薬（チロシンキナーゼ阻害薬）
2 免疫チェックポイント阻害薬
?免疫チェックポイント阻害薬
3 その他の薬剤
?その他の抗悪性腫瘍薬
?選択的エストロゲン受容体モジュレーター
?多発性骨髄腫治療薬
Ｉ 漢方薬・グリチルリチン製剤

column
化学療法と性腺機能低下症
胃薬による甲状腺機能低下症
薬剤性の電解質異常：内分泌・代謝内科の立場から
免疫チェックポイント阻害薬関連Basedow病の診断には十分注意を
腰痛治療によるACTHおよびコルチゾールの低値