極論で語る腎臓内科 第2版**丸善出版/今井 直彦/9784621307458**

販売価格
3,850円(税込み)
編著
今井 直彦
出版社
丸善出版
分野
 
腎臓

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書籍版 販売期間
2022/09/29~
JANコード
9784621307458
商品コード
9784621307458
発行 2022年9月
判型:A5判 294頁
ISBN 978-4-621-30745-8

著:今井 直彦
監修:香坂 俊
イラスト:龍華 朱音
腎臓の生理・病理・診断をこれでもか(×2)とひも解く!

著者の今井直彦医師の「極論」は、まず膨大なドラフト原稿があり、次に詳細な取捨選択がはじまり(日の目をみなかった原稿の数々…)、そして最後に「極論」を燻しだされます。臨床における腎臓疾患という現象を考えに考えた末の、そのいぶし銀の視点が「極論」。シリーズの中でもよりロジカル、基礎医学領域に依拠した腎臓内科編。「尿所見の見方」「高血圧」「尿路結石」の章を新設し、全章見直してさらに「極論」を推し進めた大改訂2版をご期待ください。

【目 次】
第一部 腎臓内科,まずはここから始めよう
1章 急性腎障害[acute kidney injure; AKI]
極論1 「AKI は予防につきる」と云うかそれしかない
極論2 腎臓の敵は腎臓にあり;AKI ハイリスクはCKD
極論3 数値,特にFE Na に振り回されない
極論4 利尿薬は諦めが肝腎
コラム1 AKIとinnocent bystande
コラム2 You know it when you see it
コラム3 RAS 阻害薬のシックデイルールとは
コラム4 早く開始しても意味がない透析
コラム5 うっ血性“腎”不全
コラム6 利尿薬よりも輸液をしよう

2章 尿所見の見方[interpretation of urine Tests]
極論1 尿検査は最も「優しい」検査である
極論2 血尿=腎臓内科の病気ではない
極論3 軽度の蛋白尿も無視してはならない
極論4 多尿は稀である
極論5 尿沈渣を忘れるな
コラム1 尿検査は最古の医療?
コラム2 尿色の尿?
コラム3 蛋白尿の評価
コラム4 変形赤血球と凝血塊
コラム5 尿比重から尿蛋白の偽陽性を見抜こう
コラム6 アルブミン尿がなくても安心できない
コラム7 末期腎不全患者も尿量は維持されている
コラム8 円柱のできかた

第2部 腎臓は体内の水分のバランスを司る
3章 脱水と浮腫[dehydration and edema]
極論1 ナトリウムが大事
極論2 脱水の評価は定点でなく経時的に
極論3 脱水はすばやく,浮腫はゆっくり治療する
極論4 心不全と腎不全で利尿薬の使い方は違う!
コラム1 2種類の体液調節系:浸透圧調節系と容量調節系の役割
コラム2 ネフローゼ症候群におけるunderfill説とoverflow説
コラム3 年齢+ BUN =ラシックス用量
コラム4 ループ利尿薬の用量と利尿効果
コラム5 引いてだめなら足してみる?
コラム6 バソプレシンと水の再吸収

4章 輸液[intravenous fluid]
極論1 不必要な輸液は有害です
極論2 基本的には5%ブドウ糖液と生理食塩水で対応する
極論3 輸液成分の体内での分布を予測する
極論4 いわゆる「維持液」はじつは維持輸液として不適切
コラム1 生理食塩水vs. 緩衝化晶質液
コラム2 生理食塩水 vs. 膠質液(アルブミン,HES)
コラム3 輸液製剤がありすぎる日本
コラム4 細胞外液量減少時の経口補液

第3部 酸に傾こうとする血液をアルカリに
5章 酸塩基平衡の基礎[overview of acid-base balance]
極論1 マイナスイオン? いいえ,体は酸性へと向かっています
極論2 その酸をまず緩衝してくれるのは炭酸と重炭酸
極論3 最終的な酸の腎排泄はアンモニウムイオンとともに
コラム1 pHとH+ 濃度の関係と細胞内外の pH について
コラム2 酸排泄の調節

6章 血液ガスの読み方[interpretation of arteriol blood gas]
極論1 血液ガスは五つのステップで読む
極論2 数値だけでなく,必ず総合判断
極論3 呼吸性アシドーシスと呼吸性アルカローシス「だけ」は混在しない
極論4 pH が極端に動いていたら混合性の異常
極論5 食わずぎらいをなくして,スチュワート法も使ってみよう
極論6 低アルブミン血症のときもスチュワート法で安心
コラム1 クロールの増減に注目する
コラム2 簡易スチュワート法の世界

7章 代謝性アルカローシス[metabolic alkalosis]
極論1 じつは頻度が高くて怖い
極論2 代謝性アルカローシスは「発生」して「維持」される
極論3 何となく調子が悪い? それはアルカローシスではないですか?
極論4 尿中クロール濃度を測定して考えよう
コラム1 postprandial alkaline tide
コラム2 ミルクアルカリ症候群は古い?
コラム3 尿中クロール濃度の更なる意義
コラム4 contraction alkalosis と chloride depletion alkalosis

8章 代謝性アシドーシス[metabolic acidosis]
極論1 代謝性アシドーシスの危機は常に存在する
極論2 薬物中毒を疑ったら浸透圧ギャップ
極論3 酸排泄はアンモニウムイオンで
極論4 腎臓は重炭酸イオンを拾って,不揮発性酸を捨てる臓器
コラム1 D?乳酸アシドーシス
コラム2 DKA回復期のNAGMA
コラム3 AGMA の覚え方
コラム4 NAGMA の覚え方

第4部 身近な検査項目を深く捉える
9章 低ナトリウム血症と高ナトリウム血症[hypo and hypernatremia]
極論1 軽度の低Na血症も無視できない(真の無症候性の低Na血症は少ない)
極論2 低Na血症を見たらADH を意識する
極論3 症候性の低Na血症は緊急疾患である
極論4 高Na血症はふつうじゃない!
コラム1 高血糖の際の「真」の血清Na値と実測の血清Na値の使い分け
コラム2 浸透圧ではなく張度の比較が大事

10章 カリウム[potassium]
極論1 カリウムの調節は集合管の「排泄」
極論2 低カリウム値は病歴抜きには語れない
極論3 尿中のカリウム濃度を追え
極論4 心電図変化よりも「値」を信じよう
コラム1 シーソー:集合管へのナトリウムの到達とアルドステロン活性
コラム2 低カリウム性周期性四肢麻痺
コラム3 嘔吐するとカリウムはどこから出ていっているか
コラム4 Liddle 症候群と Bartter 症候群
コラム5 心不全と医原性の高カリウム血症

第5部 最後に慢性期の腎臓管理を押さえる
11章 慢性腎臓病[chronic kindey disease; CKD]
極論1 CKD では腎機能だけではなく蛋白尿に注目
極論2 本当は怖いCKD
極論3 血清クレアチニン値が高くてもRAS 阻害薬にチャレンジしよう
コラム1 FIDELIO-DKD試験と新たな治療ターゲット:3本目の矢
コラム2 CKD における RAS 阻害薬の適応
コラム3 ゲームチェンジャーSGLT2阻害薬の登場
コラム4 高尿酸血症:CKD の新しい危険因子

12章 高血圧[hypertension]
極論1 どんどん下がる降圧目標(これからは130/80)
極論2 高血圧かどうかは家庭血圧で決める!
極論3 非薬物療法は治療にも予防にもなる
極論4 二次性高血圧を疑う
極論5 高血圧も低血圧も腎臓にはよくない
コラム1 Non-dipperと夜間頻尿
コラム2 真の治療抵抗性高血圧は少ない?
コラム3 降圧薬の内的な影響:CKD とRAS阻害薬
コラム4 発症時の血圧に差はない高血圧緊急症と高血圧切迫症

13章 尿路結石症[urolithiasis]
極論1 再発予防こそ腎臓内科医の役割
極論2 何度でもしよう「結石分析」
極論3 必ずしたい24時間蓄尿検査
極論4 飲水は"処方薬"
極論5 尿酸結石ならラッキーである(あるいは,尿と結石は尿pHの病気)
コラム1 尿路結石症は生活習慣病の1つ
コラム2 結晶と結石
コラム3 大量摂取してよいのは水だけ?
コラム4 酸性尿とアルカリ性尿