時系列で紐解く 有益な輸液の話**金芳堂/川上 大裕/978-4-7653-1934-8/9784765319348**

販売価格
3,960円(税込み)
編著
川上 大裕(飯塚病院集中治療科)
出版社
金芳堂
分野
 
集中治療医学(ICU・CCU)

数量

電子版発売中です。(外部サイトへ移動します)

医書JP 電子版ページへ
医書JPご利用初めての方は、こちら >>>
書籍版 販売期間
2023/02/01~
JANコード
9784765319348
商品コード
9784765319348
発行 2023年2月
判型:A5判 192頁
ISBN 978-4-7653-1934-8
急性期輸液をアート、クラフト、サイエンスの視点で読み解く! ここだけの有益な輸液のハナシ。

輸液療法について医療現場で体系的に学ぶ機会はあまりありません。また、人によって見解が異なったり、グレーな部分もあり、研修医はもちろん、指導医がいない中小規模の病院の集中治療医は、輸液で悩む場面に多く遭遇します。そのため輸液に対して、苦手意識を持つ医師や研修医も多い状況です。

集中治療科で働く著者は、輸液に関する書籍を出版し、セミナーを開いていることもあり、輸液に関する様々な質問を受けてきました。

本書は、ショックとの出会い編、ショックの初期蘇生編、初期蘇生後の輸液マネージメント編、回復期の輸液マネージメント編の4章構成となっており、著者のもとによく来る質問などをQ形式で紹介し、症例を交えながら、輸液療法に関する見解とその対応をまとめています。

著者の解説は輸液療法の曖昧な部分も明確にしており、簡単に参考できる内容となっています。輸液療法の実践的な書籍として、多くの医師・研修医に役立つこと間違いなしです。

【目 次】
第1章 ショックとの出会い編
イントロダクション

Q.01 ショックにうまく気づく方法ってありますか?
Ⅰ ショックと3つの窓
Ⅱ ショックに出合ったら ?ABCDアプローチ~
まとめ

Q.02 「血圧が保たれていれば循環はOK!」ではないのですか?
Ⅰ 酸素で紐解くショックの概念
Ⅱ 酸素需給バランスと灌流圧
- ①酸素需給バランスの維持
- アドバンス:SvO2の規定因子
- ②灌流圧の維持
Ⅲ 血圧が低下していないショックとは
- ①プレショックという文脈
- ②血圧の絶対値では切れないという文脈
- ③「血圧」は維持できているが「灌流圧」が破綻しているという文脈
- ④「灌流圧」は維持できているが「酸素需給バランス」が破綻しているという文脈
- ⑤一見、灌流圧、酸素需給バランスが維持されているようだが組織低酸素をきたしているという文脈(ミクロ循環の障害)
- アドバンス:敗血症性ショックとvasoplegic shock、cryptic shock
まとめ

第2章 ショックの初期蘇生編
イントロダクション

Q.03 ショックの輸液製剤の第一選択はなんですか?
Ⅰ 細胞外液製剤かアルブミン製剤か
Ⅱ 生理食塩液かリンゲル液か
まとめ

Q.04 血清アルブミン値が低い時はアルブミンを入れないのですか?
Ⅰ 分かっていること:使うべき症例と使うべきでない症例
Ⅱ 低アルブミン血症時の考え方
- ①アルブミンは理論上、血管内コンパートメントのみに分布する
- ②低アルブミン血症時には間質に水が漏れる
まとめ

Q.05 どれくらい輸液したらカテコラミンを開始すればいいんですか?
Ⅰ カテコラミンの選択
- ①フェニレフリン
- ②ノルアドレナリン
- ③ドパミン
- ④ドブタミン
- ⑤アドレナリン(エピネフリン)
- ⑥ミルリノン
- ⑦バゾプレシン
Ⅱ カテコラミン開始のタイミング
- ①バゾプレシンの併用開始タイミング
まとめ

Q.06 敗血症性ショックでのステロイドの使いどころが分かりません
Ⅰ CIRCIのエビデンス
Ⅱ SR&MAとCPG
まとめ

Q.07 人工呼吸の適応にショックがあるのはなぜですか?
Ⅰ 人工呼吸の適応
Ⅱ なぜショックで挿管人工呼吸管理が必要か
まとめ

Q.08 ショック時のエコーの当て方が分かりません
Ⅰ ショックの4つの分類
Ⅱ ショック時のエコーによる初期評価
- ①ポンプの評価
- ②タンクの評価
- ③パイプの評価
まとめ

第3章 初期蘇生後の輸液マネージメント編
イントロダクション

Q.09 乳酸値がまだ高いから、輸液したほうがいいですよね?
Ⅰ 乳酸値
- ①解糖系の亢進
- ②NADH/NAD+比上昇
- ③ピルビン酸デヒドロゲナーゼとサイアミンビスホスホネート
- ④クリアランス低下
Ⅱ SvO2とScvO2
Ⅲ PvaCO2ギャップ
- ①好気的条件下
- ②嫌気的条件下
- アドバンス:ミクロの世界の飽くなき探求
まとめ

Q.10 フロートラック?ってどんな時に使うんですか?
Ⅰ CO測定の侵襲度、正確性
- ①スワンガンツ
- ②ボリュームビュー
- ③フロートラック
- ④クリアサイト
Ⅱ 動的指標の評価
- ①CO(SV)変化を見るもの
- ②呼吸性変動を見るもの
- アドバンス:フロートラックのCO測定原理
まとめ

Q.11 スワンガンツカテーテルって、もはや使われないんでしょ?
Ⅰ 血行動態的診断
- ①波形解釈
- ②圧解釈
Ⅱ 害のモニタリング
まとめ

Q.12 IVC評価って使えないんですか?
Ⅰ エコーでの静的指標評価
- ①CVP
- ②肺動脈収縮期圧
- ③左房圧≒PAWP
Ⅱ エコーでの動的指標評価
- ①CO(SV)変化を見る方法
- ②呼吸性変動を見る方法
まとめ

Q.13 輸液量って、実際どんな感じで調整してますか?
Ⅰ 実際にどうやって輸液を調整するか?
Ⅱ 点ではなく範囲で捉える。そして心不全vs.肺炎問題まで
まとめ

第4章 回復期の輸液マネージメント編
イントロダクション

Q.14 利尿薬を使うタイミングっていつですか?
Ⅰ ノルアドレナリンとバゾプレシンはどちらから下げるべき?
Ⅱ いつから水を引き始めるか?
- ①うっ血の評価
- ②いつ水を引き始めるか?
Ⅲ どれくらいのペースで、どうやって、どこまで引くか?
まとめ

COLUMN
カテコラミン投与ラインと後押しの話
乳酸は悪者か?
敗血症性ショックの制限輸液
輸液反応性評価はCO(SV)でなく、血圧ではダメなのか?
体液過剰と抜管
血管収縮薬と抜管