よくわかる口腔インプラント学 第4版**医歯薬出版/赤川 安正/978-4-263-45895-2/9784263458952**
発行 2023年2月
判型:B5判 368頁
ISBN 978-4-263-45895-2
編:赤川 安正 / 細川 隆司 / 横山 敦郎 / 宮本 洋二 / 近藤 尚知
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●オッセオインテグレーションの歴史に始まる序説から,解剖学,材料学,組織学,病理学等の基礎科学,診断と治療計画,外科手術,補綴術式,リコールとメインテナンス,高齢患者への対応,将来の展望といった,口腔インプラントを学ぶ上で欠かせない内容がしっかりと盛り込まれています.
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【目 次】
第1章 口腔インプラント学序説
I 口腔インプラントの発展とオッセオインテグレーション
1 インプラントとオッセオインテグレーションの歴史
2 インプラントの特性
1)周囲組織の構造が異なる
2)生体力学的特性が異なる
3)歯根部の形態が異なる
4)上部構造が天然歯冠の形態と機能を果たす
5)成長期での治療が異なる
3 歯の欠損におけるインプラント治療の位置づけ
4 インプラント治療の流れ
1)医療面接
2)インフォームド・コンセント(1)
3)術前の診察・検査
4)診断と治療計画の立案
5)インフォームド・コンセント(2)
6)前処置
7)インプラント体の埋入手術
8)アバットメントの連結
9)暫間上部構造の装着
10)最終上部構造の装着
11)リコールとメインテナンス
II 口腔インプラント治療の概要
1 補綴歯科治療の中のインプラント治療
1)欠損補綴の必要性の有無
2)欠損補綴の選択肢
2 インプラント治療の選択基準
1)全身状態
2)局所状態
3 現在のインプラント治療
1)インプラントの基本構造
2)インプラント体
3)アバットメント
4)上部構造
5)インプラント体の埋入術式
III 口腔インプラント治療の成功率
1 インプラント治療成功の基準
2 インプラント体の残存(生存)
3 インプラント体の残存を脅かすリスクファクター
4 患者の主観的満足度やQOLから判断したインプラント治療の成功
第2章 口腔インプラントのための基礎医学
I オッセオインテグレーション
1 インプラント体に対する骨組織の生体反応
2 インプラント体-骨組織界面における創傷治癒
1)生体反応期
2)骨伝導期
3)骨新生期
4)骨再構築期
3 オッセオインテグレーションの維持と喪失
II 解剖学・組織学
1 顎骨の解剖
1)上顎骨
2)下顎骨
2 皮質骨と海綿骨
1)顎骨の特徴
2)上顎骨の内部構造
3)下顎骨の内部構造
3 上顎に分布する神経,脈管
1)上顎神経
2)動脈
3)静脈
4 下顎に分布する神経,脈管
1)下顎神経
2)動脈
5 歯肉とインプラント周囲粘膜の違い
1)口腔粘膜の構造
2)顎堤の粘膜と歯肉
3)インプラント周囲粘膜
III 材料学
1 インプラント体の材料
1)所要性質
2)種類
3)表面性状
4)表面処理
2 上部構造やその他の材料
1)所要性質
2)種類
3 骨補填材と遮断膜
1)骨補填材
2)遮断膜(バリアメンブレン)
3)チタンメッシュ
第3章 診断と治療学
I 患者の選択基準
II 医療面接
1 治療の成功のために
2 医療面接の技法
3 インプラント治療に必要な医療面接
III リスクファクター
1 手術に対するリスクファクター
2 オッセオインテグレーションの獲得と維持に対するリスクファクター
3 上部構造の製作と維持に対するリスクファクター
IV 診察と検査
1 全身の診察(と検査)
1)全身状態の評価の目的
2)全身状態の評価法
3)インプラント治療で問題となる全身状態
2 局所の診察と検査
1)局所状態の評価の目的
2)局所状態の評価法
3)咬合状態の診察と検査
4)欠損状態の診察と検査
5)審美領域の診察と検査
6)口腔内写真による検査の重要性
3 模型などを用いる検査
1)模型やデジタルデータの評価の目的
2)模型やデジタルデータを用いる評価法
4 画像検査
1)口内法エックス線画像検査
2)パノラマエックス線画像検査
3)CT画像検査(主として歯科用コーンビームCT画像検査)
4)インプラント治療の各時期における画像検査法
5)画像検査とエックス線被曝
6)CT撮影に用いる診断用テンプレート
V インプラント治療計画の立案
1 治療の進め方
1)治療計画立案の原則
2)術前検査とチーム医療の重要性
3)インプラント治療の診察・検査でのチェック項目
4)インプラント体の埋入シミュレーション
2 上部構造の設計で考慮すべき生体力学的要素
1)咬合力の方向:長軸方向荷重,側方荷重,カンチレバーにかかる力
2)インプラント体の長さ
3)傾斜埋入
4)オフセット埋入
5)インプラントの本数,ブリッジデザイン
6)インプラント体と天然歯との連結
7)上部構造の不適合
8)ブラキシズム,パラファンクション
9)過重負担(オーバーロード)
3 上部構造の種類
1)固定性上部構造
2)可撤性上部構造
3)欠損状態による上部構造の選択
4 インプラント体のサイズと本数,埋入位置・方向の決定
1)埋入位置・方向を考慮したインプラント体のサイズ,形状の選択と本数の決定基準
2)具体的な設計の流れ
5 咬合負荷を開始する時期
6 治療計画の説明とインフォームド・コンセント
1)信頼関係の構築と検査の必要性などに関するインフォームド・コンセント
2)治療計画の提示と治療法などに関するインフォームド・コンセント
3)治療計画の修正と決定
4)治療同意書の作成
第4章 口腔インプラント治療における医療倫理と医療安全
1 医療倫理
1)医療倫理の変遷
2)医療行為の要件
3)インフォームド・コンセント
4)患者の権利
2 医療安全管理
1)医療における安全の確保
2)医療事故,医療過誤などの用語解説
3)インシデント報告
3 インプラント治療の医療安全管理
1)インプラント治療でのインシデント
2)インシデントの原因と防止
3)ダブルチェックの有用性
4)インシデントを減らす方法
5)インシデントを防ぐ医療機関横断的な仕組み
第5章 口腔インプラント治療の実際
I 前処置
1 顎機能の評価と治療
2 顎堤の評価と治療
3 歯周疾患の評価と治療
II 外科手術
1 インプラント手術の準備と感染対策
1)手術環境の準備
2)手術器材の準備
3)術者と介助者の準備
4)術野の準備
5)手術後の処理
2 全身管理と麻酔法
1)インプラント体埋入手術における麻酔管理上の特徴
2)全身管理
3)麻酔法(インプラント体埋入手術における局所麻酔)
3 インプラント体埋入手術
1)インプラント体埋入手術(従来法)
2)ガイデッドサージェリー
4 二次手術
1)二次手術の実施時期
2)事前の準備
3)術式
III 補綴術式
1 治瘉期間中の暫間補綴
1)一次手術(インプラント体埋入手術)後の暫間補綴
2)二次手術(アバットメント連結手術)後の暫間補綴
2 印象採得
1)印象採得の目的
2)印象採得の分類
3)印象採得の方法
4)印象採得に必要な器具と材料
5)術式
6)口腔内スキャナーによる光学印象採得
3 咬合採得
1)少数歯中間欠損
2)遊離端欠損
3)多数歯欠損・無歯顎
4 作業用模型の製作
1)作業用模型の製作
2)作業用模型の咬合器への装着
5 暫間上部構造の製作
1)暫間上部構造の種類と目的
2)クラウン形態の暫間上部構造の製作
3)ブリッジ形態の暫間上部構造の製作
4)即時荷重を行う際の暫間上部構造の製作
5)暫間上部構造の調整
6 固定性上部構造の種類とアバットメントの選択
1)インプラント体とアバットメントの連結様式
2)上部構造の固定様式
3)アバットメントの種類と選択基準
4)インプラント体とアバットメント連結部におけるプラットフォームシフティング
7 上部構造の製作
1)上部構造のデザイン
2)上部構造の製作法
8 上部構造の咬合
1)前歯部欠損の上部構造の咬合
2)臼歯部欠損の上部構造の咬合
3)無歯顎の上部構造の咬合
9 上部構造の装着と調整
1)上部構造の装着
2)装着後の上部構造の調整
IV 欠損別のインプラント補綴
1 1 歯欠損に対するインプラント補綴
1)1 歯欠損インプラントの意義
2)1 歯欠損インプラントの治療成績
3)1 歯欠損インプラントの補綴術式
4)インプラント体埋入位置が上部構造に及ぼす影響
2 複数歯・多数歯欠損に対するインプラント補綴
1)スクリュー固定式インプラント支持ブリッジの製作
2)可撤性ブリッジの製作
3)インプラントパーシャルデンチャーの製作
3 無歯顎に対するインプラント補綴
1)インプラント治療前の有床義歯治療と上部構造の設計
2)従来法を用いたインプラント支持ブリッジの製作
3)CAD/CAMを用いたインプラント支持ブリッジの製作
4)インプラントオーバーデンチャーの製作
5)メインテナンス
V 硬組織・軟組織のマネジメント
1 硬組織のマネジメント(ハードティッシュマネジメント)
1)インプラント治療における骨造成(骨増生)の意義
2)硬組織のマネジメントの関連手術
3)自家骨移植術
4)骨補填材の種類と特徴
5)骨再生誘導法(GBR法)
6)上顎洞底挙上術
7)骨延長術
8)スプリットクレスト(リッジエキスパンション)
9)下歯槽神経・血管束側方移動術
10)骨再生療法
11)審美領域における硬組織のマネジメントの実際
2 軟組織のマネジメント(ソフトティッシュマネジメント)
1)審美領域における軟組織のマネジメントの目的
2)軟組織のマネジメントの流れ
3)軟組織のマネジメントの種類
4)軟組織のマネジメントを行う時期
5)審美領域における軟組織のマネジメントの実際
VI 顎顔面の再建とインプラント
1 顎顔面欠損の補綴的修復におけるインプラント応用の意義
1)顎顔面補綴とは
2)上顎欠損の補綴とインプラントの意義
3)下顎欠損の補綴とインプラントの意義
4)顔面欠損の補綴とインプラントの意義
2 上顎の顎補綴へのインプラントの応用
1)上顎顎補綴へのインプラントの応用の実際
3 下顎の顎補綴へのインプラントの応用
1)下顎顎補綴へのインプラントの応用の実際
4 顔面補綴へのインプラントの応用(山下佳雄)
VII 歯科矯正領域のインプラント
1 歯科矯正用アンカースクリューの歴史
2 歯科矯正用アンカースクリューの臨床
3 歯科矯正用アンカースクリューのエビデンス
第6章 インプラント治療へのデジタル技術の応用
1 検査・治療計画への応用
2 インプラント体埋入手術への応用(ガイデッドサージェリー)
1)サージカルガイドプレートを用いる術式
2)ダイナミックナビゲーションシステムを用いる術式
3 上部構造製作への応用
1)口腔内スキャナーによる光学印象採得
2)歯科技工所における上部構造の製作
第7章 リコールとメインテナンス
1 メインテナンスの必要性
2 メインテナンスの術式
1)医療面接
2)メインテナンスの検査項目
3)リコール時のプラークコントロールの実際
4)患者によるホームケアに用いる器具の特徴と使い方
5)術者によるメインテナンスに用いる器具の特徴と使い方
6)コンポーネントと咬合の検査と調整
3 メインテナンスの間隔
1)基本的なメインテナンスの間隔
2)メインテナンス間隔を短く設定する要素
4 支持療法
1)支持療法の目的と方法
2)支持療法の重要性
第8章 手術および上部構造に関連する併発症とその対応
1 手術中の併発症
1)手術中の全身的併発症
2)手術中の局所的併発症
2 手術直後の併発症
1)上顎洞炎
2)疼痛
3)腫脹
4)血腫と出血斑
5)創の裂開とインプラント体の露出
6)感染
7)インプラント体の脱落
3 上部構造装着前の併発症
1)ヒーリングアバットメントにかかわる問題
2)暫間上部構造にかかわる問題
4 上部構造装着後の併発症
1)スクリューの緩みと破折
2)上部構造の破折・破損
3)セメントの問題
4)インプラント体の破折
5)リコール・メインテナンス時の問題
6)インプラント周囲粘膜炎およびインプラント周囲炎
7)インプラント体の除去
5 その他の併発症
1)器具,コンポーネントの誤飲・誤嚥
2)審美障害
第9章 高齢者と口腔インプラント治療
1 高齢者へのインプラントの適用
1)高齢者の特徴
2)インプラント治療の利点と欠点(大久保力廣)
3)高齢者のための治療計画と上部構造のデザイン
4)将来を予測した早期処置とその計画
2 インプラント患者の高齢化
1)メインテナンスと口腔ケアに関する基本的な考え方
2)自立した(通院可能な)患者に生じる問題とその対応
3)要支援・要介護(通院不可能な)患者に生じる問題とその対応
4)アドバンス・ケア・プランニング
第10章 口腔インプラント治療の新しい方向─将来の展望─
1 再生医療とインプラント治療
1)再生医療とは─再生と再建─
2)インプラント治療に求められる再生医療
3)インプラント治療における再生医療の展望
2 デジタルイノベーションの深化
3 臨床栄養学とインプラント治療
1)臨床栄養学
2)インプラント治療と栄養摂取
3)骨代謝と栄養摂取
4 海外で製作された補綴装置(上部構造)とトレーサビリティ
1)使用材料
2)製作過程の透明化
3)患者への情報提供と同意の取得
5 超高齢社会がさらに進むなかでのインプラント治療
コラム1 インプラントと非可動性角化粘膜
コラム2 骨吸収抑制薬関連顎骨壊死の病態と管理:顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー2016
コラム3 CTおよび歯科用コーンビームCTの3断面と3Dとの関係
コラム4 適合精度について
コラム5 オッセオインテグレーションの臨床診断
コラム6 Palacciのフラップ
コラム7 口蓋粘膜の構造
コラム8 CAD/CAMって何?
コラム9 累積的防御療法(CIST)