最新臨床検査学講座 チーム医療論/多職種連携・栄養学・薬理学・認知症**医歯薬出版/諏訪部 章/978-4-263-22393-2/9784263223932**
発行 2023年3月
判型:B5判 208頁
ISBN 978-4-263-22393-2
編著:諏訪部 章 / 奈良 信雄 / 三村 邦裕
多職種連携,チーム医療で活躍する臨床検査技師に必須の知識を解説!
「臨床検査技師学校養成所指定規則改定」に対応した新テキスト!
●「令和3年版臨床検査技師国家試験出題基準」対応.
●「臨床検査技師学校養成所指定規則改定」対応.
●「チーム医療」を軸として,これから臨床検査技師に必須とされる「薬理学/病態薬理学」「栄養学/臨床栄養学」「認知症の検査」についてもわかりやすく解説.
●ますます重要となる多職種連携において,活躍できる人材となるための知識をまとめた一冊.
【目 次】
第1章 臨床検査技師と多職種連携・チーム医療
I チーム医療における臨床検査技師の役割
II 医療・介護・福祉の現場における多職種連携
1 医療機関における多職種連携
2 介護老人保健施設における多職種連携
3 在宅(訪問)医療における多職種連携
III 今後の医療においてチーム医療がなぜ必要か
1 検体採取と検査説明の推進
2 検体採取業務の拡大と生理検査項目の追加
3 医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフト/シェア
第2章 チーム医療を支えるコミュニケーションスキル
I コミュニケーションの必要性
II 良好なコミュニケーションがもたらす効果
III チーム医療におけるコミュニケーションスキル
1 自己開示
2 話しやすい雰囲気づくり
3 コミュニケーション技法
4 コミュニケーションで必要になる能力
1)正確に伝える能力
2)正確に受け取る能力
3)自分の感情を伝える能力
4)相手の真意を読み解く能力
IV チーム医療でのコミュニケーションにおける留意点
1 臨床検査のプロフェッショナルとしての自覚と誇り
1)生理検査(生体検査)
2)検体検査
2 診療録(カルテ)の解釈
1)カルテの目的と意義
2)カルテに記載される事項
3)カルテの形式
3 医療における専門用語,略語の理解
V 検査説明のスキル
VI チーム医療の現場におけるコミュニケーション
1 症例検討会(カンファレンス)
2 院内研修会(検査情報の提供)
3 検査コンサルテーション
第3章 チーム医療の実際
I 臨床検査技師が活躍するチーム医療
1 チーム医療における臨床検査技師の役割
2 臨床検査技師がかかわるチーム医療
1)ICT(感染制御チーム)
2)AST(抗菌薬適正使用支援チーム)
3)NST(栄養サポートチーム)
4)糖尿病療養指導チーム
5)臨床研究支援チーム
6)検査情報・相談
7)病棟業務
8)呼吸ケアチーム(RST)
9)喘息教室
10)肝臓病教室
11)その他のチーム医療
3 チーム医療の診療報酬加算
II 感染制御チーム(ICT)
1 概要
1)院内感染とは
2)院内感染対策の重要性
2 臨床検査技師の役割
1)ICTの構成員
2)検査の専門家としての臨床検査技師
3 他の医療職の業務
4 臨床検査技師に必要な資格
5 活動の実際
1)ICTの活動内容
2)アウトブレイクの把握
3)アウトブレイクの検出基準
4)アンチバイオグラム(薬剤感受性率表)の作成と更新
III 抗菌薬適正使用支援チーム(AST)
1 概要
2 臨床検査技師の役割
3 他の医療職の業務
1)医師(感染症専門医,ICDなど)
2)薬剤師(抗菌化学療法認定薬剤師など)
3)看護師(感染管理認定看護師など)
4 臨床検査技師に必要な資格
5 活動の実際
IV 栄養サポートチーム(NST)
1 概要
2 臨床検査技師の役割
1)臨床検査技師の主な役割
2)NSTで臨床検査技師に求められること
3 他の医療職の業務
1)医師
2)看護師
3)管理栄養士
4)薬剤師
5)その他の職種
4 臨床検査技師に必要な資格
5 活動の実際
1)入院時初期評価:栄養スクリーニング
2)栄養二次評価
3)NST症例に対する症例検討,栄養管理のプランニング,回診
4)栄養管理の実施
5)栄養状態の定期評価(再評価)
6)プランの修正
7)患者アウトカムおよび栄養管理法の評価
8)退院時の評価および退院後の指導
V 糖尿病療養指導チーム
1 概要
2 臨床検査技師の役割
1)糖尿病患者指導
2)確実な検査
3 他の医療職の業務
4 臨床検査技師に必要な資格
5 活動の実際
VI 救急医療チーム
1 概要
1)救急医療の現場
2)救急医療チームの対象者
3)救急医療チームの特徴
2 臨床検査技師の役割
1)患者情報の有用性
2)救急検査の優先順位
3 他の医療職の業務
1)医師
2)看護師
3)診療放射線技師
4)薬剤師
5)臨床工学技士
6)救急救命士
4 臨床検査技師に必要な資格
5 活動の実際
1)救急医療チームにおけるPOCTの有効利用
2)救急医療チームの実例
VII 在宅医療におけるチーム医療
1 概要
2 臨床検査技師の役割
3 他の医療職の業務
4 臨床検査技師に必要な資格
5 活動の実際
第4章 チーム医療に求められる知識
A 栄養学
I 食事と栄養
II 栄養素の働き
1 炭水化物
1)糖質
2)食物繊維
2 脂質
3 蛋白質,アミノ酸
4 ビタミン
1)脂溶性ビタミン
2)水溶性ビタミン
5 ミネラル
6 水
III 食物の消化と栄養素の吸収・代謝
1 食物の消化
1)消化方式による分類
2)口腔・食道における消化
3)胃における消化
4)小腸における消化
5)大腸における消化
6)管腔内消化の調節
2 栄養素の吸収
1)糖質の吸収
2)脂質の吸収
3)ペプチド,アミノ酸の吸収
4)ビタミンの吸収
5)ミネラルと水の吸収
3 栄養素の代謝
1)エネルギー代謝
2)糖質代謝
3)脂質代謝
4)アミノ酸代謝
4 栄養素の排泄
IV 食品と食事
1 食品と栄養素
1)主要栄養素による分類
2)食品の分類と特徴
3)日本食品標準成分表
4)食品の機能と種類
2 食事摂取基準
1)エネルギーの指標
2)栄養素の指標
3 食文化
1)和食
2)イスラム教と食事
3)ヒンドゥー教と食事
B 臨床栄養学
I ライフステージと栄養
1 乳幼児期の栄養
1)栄養の特徴
2)乳汁栄養
3)離乳
4)栄養上の注意点
2 学童期・思春期・青年期の栄養
1)栄養上の注意点
3 成人期の栄養
1)栄養上の注意点
4 妊娠期・授乳期の栄養
1)妊娠期の母体の変化
2)乳汁分泌
3)栄養上の注意点
5 更年期の栄養
1)栄養上の注意点
6 高齢期の栄養
1)栄養上の注意点
II 疾患と栄養
1 栄養サポートチーム(NST)
2 栄養状態の評価と判定
1)栄養スクリーニング
2)栄養アセスメントの目的
3)栄養アセスメントの種類と指標
3 病院食
1)一般治療食
2)特別治療食
4 栄養補給法
1)経口栄養法
2)経管栄養法
3)静脈栄養法
5 疾患・症状別食事療法
1)主な疾患の食事療法
6 健康づくりと食生活
1)健康増進法
2)健康日本21(第二次)
3)食育基本法
4)日本人の食事摂取基準(2020年版)
5)国民健康・栄養調査
6)望ましい食生活
C 薬理学
I 薬の作用機序と生体内動態
1 薬の作用機序
1)薬物の使用目的
2)薬物が作用する仕組み
2 薬の生体内動態
1)吸収
2)分布
3)代謝
4)排泄
II 生理活性物質
1 神経性アミノ酸
2 生理活性アミン
3 生理活性ヌクレオシド・ヌクレオチド
4 生理活性ペプチド
5 エイコサノイドとその他脂質メディエーター
6 サイトカインとケモカイン
7 ビタミン
III 生体内情報伝達機構とチャネル・トランスポーター
1 細胞における情報の受容
2 細胞内情報伝達
1)イオンチャネル内蔵型受容体
2)G蛋白質共役型受容体
3)酵素内蔵型受容体
4)細胞質受容体
5)核内受容体
3 遺伝子制御
4 イオンチャネル
1)電位依存性イオンチャネル
2)リガンド依存性イオンチャネル
3)細胞内物質依存性(内向き整流性)カリウムチャネル
4)温度感受性イオンチャネル
5 トランスポーター
1)一次性能動輸送
2)二次性能動輸送
3)受動輸送(促進拡散,単輸送)
D 病態薬理学
I 薬の動態と有効性・安全性
1 臨床薬物動態学
1)臨床薬物動態学
2)薬物動態パラメータ
2 薬理遺伝学
3 薬物相互作用
1)薬物動態学的薬物相互作用
2)薬力学的薬物相互作用
4 薬の有効性と安全性
5 薬物療法の個別化─TDMと薬物投与設計
1)TDMが有効な薬物と血液採取の注意点
2)薬物の投与設計
II 器官別薬理と作用機序
1 神経系作用薬
1)自律神経系に作用する薬物
2)中枢神経系に作用する薬物
2 循環器作用薬
1)高血圧治療薬
2)虚血性心疾患治療薬
3)心不全治療薬
4)抗不整脈薬
5)血管拡張薬
6)血液作用薬
3 泌尿器・生殖器作用薬
1)利尿薬
2)排尿障害治療薬
4 免疫・アレルギー・炎症作用薬
1)免疫疾患に対する薬物
2)抗アレルギー薬
3)抗炎症薬
5 呼吸器作用薬
1)気管支喘息治療薬
2)鎮咳薬
6 消化器作用薬
1)消化性潰瘍治療薬
7 感覚器作用薬
1)眼科用薬
2)耳鼻咽喉科用薬
3)皮膚科用薬
8 ホルモン・内分泌系治療薬
1)視床下部・下垂体ホルモン
9 代謝系作用薬
1)糖尿病治療薬
2)脂質異常症治療薬
10 感染症治療薬
1)抗菌薬
2)抗ウイルス薬
3)抗真菌薬
11 抗悪性腫瘍薬
1)化学療法薬
2)性ホルモン薬〔性ホルモンで増殖する(ホルモン依存性)腫瘍の治療〕
3)分子標的薬
12 抗認知症薬
III 臨床検査の測定値に影響を与える薬物
1 血中アンモニア
2 血清カリウム
3 血糖
4 尿素窒素
5 クレアチニン
6 尿酸
7 クレアチンキナーゼ
8 アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ,アラニンアミノトランスフェラーゼ
9 乳酸デヒドロゲナーゼ
10 アルカリホスファターゼ,γ-グルタミルトランスフェラーゼ
11 血清コリンエステラーゼ
12 アミラーゼ
13 血清鉄
14 無機リン
15 検体(血液)の溶血
16 脱水を引き起こす薬物
17 尿検査に影響を与える薬物
18 糞便検査に影響を与える薬物
IV 生理検査に影響を与える薬物
1 心電図,心エコー,心シンチグラム検査に影響を与える薬物
2 内視鏡検査に影響を与える薬物
3 内分泌機能検査に影響を与える薬物
V 各種検査に用いられる薬物
1 超音波検査で用いる造影剤
2 CT,MRI検査で用いる造影剤
VI 体外診断薬とその使用(コンパニオン診断)
1 コンパニオン診断の対象となる標的遺伝子
2 チロシンキナーゼ受容体を標的としたコンパニオン診断
3 細胞内チロシンキナーゼ,セリン・スレオニンキナーゼを標的としたコンパニオン診断
4 上記以外を標的とした分子標的薬のコンパニオン診断
第5章 認知症
I 認知症学
1 認知症の成因と病態生理
2 症状
1)中核症状
2)行動・心理症状
3)Alzheimer型認知症の症状
4)血管性認知症の症状
5)Lewy小体型認知症の症状
6)前頭側頭型認知症の症状
7)Creutzfeldt-Jakob病(CJD)の症状
8)進行性核上性麻痺(PSP)の症状
3 検査
1)髄液中バイオマーカー
2)神経心理検査
3)画像検査
4)脳波検査
5)超音波検査
6)近赤外分光法(NIRS)
7)嗅覚検査
8)味覚検査
9)睡眠ポリグラフ検査
4 治療・予後
1)総論
2)各論
II 認知症の検査(神経心理検査)
1 認知症検査の注意事項
1)検査の注意事項
2)患者の心理と対応
2 認知機能の評価尺度
1)総合的評価尺度
2)記憶機能の評価尺度
3)言語機能の評価尺度
4)視空間認知機能の評価尺度
5)前頭葉機能の評価尺度
3 行動・心理症状(BPSD)の評価尺度
4 検査結果の解析と評価
1)質問式の検査
2)観察式の検査
5 今後の展望