理学療法士集中治療テキスト**CBR/日本集中治療医学会/9784908083884**

販売価格
4,950円(税込み)
編著
日本集中治療医学会 集中治療 PT・OT・ST 委員会
出版社
CBR
分野
 
リハビリテーション技術

数量

販売期間
2023/03/03~
商品コード
9784908083884
発行 2023年3月
サイズ B5 / 452p
ISBN 978-4-908083-88-4
日本集中治療医学会の新たな認定制度「集中治療理学療法士制度」の開始にあたり、理学療法士が集中治療に従事するための知識をまとめたテキスト.「集中治療領域で働く理学療法士のためのミニマムスタンダード」を基に作られた本テキストは,現場で働こうとする理学療法士の卒前・卒後教育ツールとしての活用に期待でき,集中治療チーム内における他の職種に対して理学療法士の行う仕事の理解を深め,早期離床リハビリテーションをより円滑かつ効果的なものにすることができる.集中治療の現場において,質の高い理学療法の実践を目指すための必携書.

【目 次】
はじめに ~テキスト作成に至った経緯とミニマムスタンダード~

第Ⅰ章  理学療法士は以下の知識が必要である,あるいは把握する必要がある
 A  集中治療における科学的根拠に基づく理学療法の実践をガイドする重要な文献についての知識
  1. 集中治療における科学的根拠に基づく理学療法の実践をガイドする重要な文献(J-PAD,早期リハビリテーションのエキスパートコンセンサスなど)
 B 理学療法士は,以下の薬物療法の作用と理学療法への影響に関する知識を把握する必要がある
  (第Ⅳ章)E 理学療法士は,適切に以下のことを実施することができる
  1. 鎮痛薬(オピオイド,オピオイド拮抗性鎮痛薬,解熱消炎鎮痛薬)
  2.抗不整脈薬
  3.降圧薬
  4.カルシウム拮抗薬(Ca2+チャネル遮断薬)
  5.鎮静薬(デクスメデトミジン,プロポフォール,ミダゾラム)や神経遮断薬
  6.鎮静薬と理学療法に対する影響について承知している,知っている,注意する
  7.理学療法の目標を達成するために,鎮静薬の増減について医療スタッフまたは看護スタッフと連携する
  8.昇圧薬と強心薬
  9.昇圧薬や強心薬と理学療法に対する影響について承知している,知っている,注意する
  10.理学療法の目標を達成するために,昇圧薬や強心薬の増減について医療スタッフの間で連携する
 C  理学療法士は,次のような高度な血行動態モニタリングの方法の知識を把握する必要がある.また,測定値を解釈することができ,理学療法に対する影響を理解する必要がある
  『 集中治療看護師のための臨床実践テキスト(疾患・病態編)』『臨床工学技士集中治療テキスト(普及版)』を参照
  1.植込み型,または体外ペースメーカ(加えて,心電図上のペーシングの存在を判断できる)
  2.連続心拍出量測定装置(例 心拍出量,心係数,1回拍出量の呼吸性変動,体血管抵係数など)
  3.肺動脈カテーテル(例 心拍出量,心係数,体血管抵抗係数,肺動脈圧,Stroke Volume Variation[SVV]など)
  
第Ⅱ章 理学療法士は以下のことが分かる(理解できる)
 A  理学療法士は以下の器具・機器(認識も含む)についてわかる(理解できる).また,それらを使用したり,安全に適用または取り扱うことができ,理学療法への影響がわかる
  1.V-V/V-A ECMO(体外式膜型人工肺)
  2.大動脈内バルーンパンピング
  3.酸素療法装置(高流量システム・低流量システム・高流量鼻カニュ―レ酸素療法)
  4.動脈ライン
  5.中心静脈カテーテル(CV カテーテル),末梢穿刺中心静脈カテーテル(PICC カテーテル)
  6.バスキュラーアクセスカテーテル(ブラッドアクセスカテーテル)/血液透析/持続的静脈血液濾過
  7.気管チューブ,気管切開,気管カニューレ,その他の関連器具
  8.尿道留置カテーテル
  9.胸腔ドレーン,心?・縦隔ドレーン
  10.頭蓋内圧モニターと脳室ドレナージ
  11.硬膜外カテーテル
  12.経鼻胃管
  13.末梢挿入中心静脈カテーテル(PICC カテーテル)
  14.創傷ドレーン
 B  理学療法士は以下のような異なる種類の人工呼吸器/補助人工呼吸器の基本原理のことがわかる(理解できる)
   『臨床工学技士集中治療テキスト(普及版)』を参照
  1.SIMV(同期型間欠的強制換気)
  2.圧補正従量式換気
  3.アシストコントロール
  4.BiLevel
  5.CPAP(持続的陽圧換気)
  6.PEEP(呼気終末持続陽圧)/EPAP(呼気気道内陽圧)
  7.プレッシャーサポート/吸気気道内陽圧
  8.NIV(非侵襲的換気療法)
  9.人工呼吸器離脱プロトコル
 C  理学療法士は以下の疾患の病態,特徴,医学的管理,様々な症状に対する理学療法への影響がわかる(理解できる)
   『 集中治療看護師のための臨床実践テキスト(療養状況と看護編)』『臨床工学技士集中治療テキスト(普及版)』を参照
  1.急性冠症候群(例 狭心症,ST 上昇型心筋梗塞,非ST 上昇型心筋梗塞)
  2.急性肺障害(ALI)/急性呼吸促迫症候群( ARDS)
  3.全身性炎症反応症候群(SIRS)
  4.熱傷(皮膚/吸入障害)
  5.心不全(CS 分類,Nohria-Stevenson 分類, HFrEF,HFpEF)
  6.腎不全(急性および慢性),急性腎障害(AKI)
  7.脳内出血/くも膜下出血
  8.多臓器不全/多臓器障害
  9.胸部外傷
  10.多発外傷
  11.市中肺炎/院内肺炎/院内感染肺炎(人工呼吸器関連肺炎を含む)
  12.閉塞性肺疾患(例 喘息,COPD)
  13.拘束性肺疾患(例 肺線維症,脊柱後側弯症)
  14.呼吸不全(タイプⅠとⅡ)
  15.胸水
  16.腹部手術後
  17.心臓手術後
  18.胸部手術後
  19.そのほかの手術後(例 整形外科,血管)
  20.心原性ショック
  21.出血性ショック
  22.アナフィラキシーショック
  23.敗血症性ショック
  24.敗血症
  25.脊髄損傷
  26.血栓性脳血管障害
  27.外傷性脳損傷
  28.血栓塞栓症(例 深部静脈血栓症,肺塞栓症)
  29.ICU-acquired weakness( ICU-AW)
  30.集中治療後症候群(PICS)
  31.心停止後症候群(PCAS)
  32.重症筋無力症(MG)
  33.ギラン・バレー症候群
  34.パーキンソン病
  35.廃用症候群
  
第Ⅲ章  理学療法士は正確かつ独立して(評価し)解釈することができる
 A  以下の臨床モニタリングの数値や表示を正確かつ独立して(評価し)解釈することができる
  1.モニター心電図の解釈(すなわち,洞調律,頻脈,徐脈,心房細動,心房粗動,心室頻拍,心室細動,心静止,心室性期外収縮)
  2.血圧(収縮期,拡張期,平均動脈血圧)
  3.心拍数
  4.体 温
  5.呼気終末二酸化炭素分圧(PETCO2)
  6.経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)/パルスオキシメトリ
 B  以下の採血結果や生理検査結果を正確かつ独立して(評価し)解釈することができる
  E 以下の血液ガス分析の結果を正確かつ独立して(評価し)解釈することができる
  1.血液検査【動脈血ガス分析】
  2.動脈血酸素分圧(PaO2),経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2),動脈血酸素飽和度(SaO2)
  3.動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)
  4.P/F 比
  5.pH
 C  以下の画像検査結果(イメージングレポートを除く)を正確かつ独立して(評価し)解釈することができる
  1.胸部X 線(浸潤影,無気肺,胸水,下側肺障害,線維化,気腫化,気管支拡張,ARDS,心拡大など)
 D  以下の神経学的検査や機能評価の結果を正確かつ独立して(評価し)解釈することができる
  1.せん妄の評価を解釈する能力(例 CAM-ICU,ICDSC)
  2.GCS(Glasgow Coma Scale),JCS(Japan Coma Scale)を解釈する能力
  3.GCS を実践する能力
  4.脳神経機能評価を解釈する能力
  5.鎮静深度の評価を解釈する能力(例 RSS やRASS)
  6.鎮静深度の評価を実践する能力
  7.運動と感覚の神経学的評価を実践する能力(例 軽く触れる,痛み,ASIA スコア)
  8.痛みを評価する能力(NRS,VAS,BPS,CPOT など)
  9.痛みの評価を実践する能力(NRS,VAS,BPS,CPOT など)
 F  以下の人工呼吸器の設定/ 測定値を正確かつ独立して(評価し)解釈することができる
  1.呼吸様式(自発・強制・補助)
  2.呼吸回数の設定
  3.1 回換気量の設定
  4.吸入気酸素濃度(FiO2)
  5.呼気終末陽圧(PEEP)
  6.圧サポート(PS)
  7.最高気道内圧
  8.呼吸機能検査
  
第Ⅳ章 理学療法士は以下のことができる
 A  理学療法士は,次のような一般的な呼吸検査を実施し,結果を解釈することができる
  1.聴 診
  2.呼吸回数の観察
  3.胸壁の診察(視診,触診,打診など)
  4.呼吸パターン(視診,触診など)
 B 理学療法士は以下の評価ができる
  1.咳嗽の効果/質(自発呼吸下あるいは人工呼吸下)の評価ができる
 C  理学療法士は,適応,禁忌,テクニックのエビデンス,および進歩の理解を含む以下のテクニックができる
  1.アクティブサイクル呼吸法(呼吸コントロール,胸郭拡張,強制呼出手技)
  2.咳介助
  3.咳嗽介助-胸壁
  4.咳嗽介助-脊髄損傷患者のための肋骨下(肋骨弓下部)へのスラスト(素速い圧迫)
  5.咳嗽-効果的に咳嗽を行うための指示
  6.腹臥位,座位,側臥位,前傾側臥位の体位ドレナージ(修正した体位や頭低位)の使用を含む呼吸管理のための患者のポジショニング
  7.重度の呼吸不全/ 急性肺損傷患者を腹臥位にする
  8.褥瘡予防,患者の筋緊張,骨格筋機能の維持のための患者のポジショニング
  9.非人工呼吸患者のモビライゼーション(例 端座位,立位,リフターやスライドによる椅子への移乗,足踏み,歩行,歩行補助具の使用)
  10.人工呼吸患者のモビライゼーション(例 端座位,立位,リフターやスライドによる椅子への移乗,足踏み,歩行,歩行補助具の使用)
  11.ベッド上運動( 例 他動-自動-抵抗下でのROM 運動,頸部・体幹の他動・自動運動も含む)
  12.吸気筋トレーニング
  13.自発呼吸下での肺容量増大を目的とした深吸気,呼吸介助手技
  14.口すぼめ呼吸
  15.装 具
  16.電気刺激(例 筋消耗予防のための単独の筋活性化,神経筋または機能的刺激など)
  17.トレッドミル,自転車エルゴメトリー(例 MOTOmed?)またはエアロバイク
 D 理学療法士は,以下を含む完全な筋骨格および/または機能評価ができる
  1.筋緊張(例 修正アシュワーススケールの利用)および神経反射を評価する能力
  2.徒手筋力テスト(例 MRC スケール,握力)
  3.関節可動域
  4.末梢浮腫
  5.心肺運動耐性の客観的評価(例 6 分間歩行テスト,漸増シャトルウォーキングテスト)
  6.身体機能の客観的評価〔FSS-ICU, Physical Function ICU test(PFIT),Timed Up and Go test(TUG),6 分間歩行試験,de Morton Mobility Index(DEMMI)〕
  7.ADL 評価
  8.生活の質の客観的評価(例 Short Form 36,EQ-5D,AQoL)
  F 理学療法士は,以下のことを実施することができる
  1.人工呼吸器の波形の評価と解釈
  2.安全管理(転倒・ルート抜去の予防)
  3.チューブやライン類の固定の確認
  4.身体抑制具の適切な解除と装着
  5.感染予防
  6.ABCDEF バンドル
  7.チーム内でのコミュニケーション(適切な報告・相談,リハビリテーション実施計画への参画,連携・役割分担への提言)
  8.人工呼吸器装着患者とのコミュニケーション
  9.患者家族とのコミュニケーション
  10.患者と家族のengagement and empowerment
  11.多職種連携,多職種カンファレンスの実施
  12.リハビリテーション実施中,リハビリテーション前後の環境整備