Annual Review 神経 2023**中外医学社/鈴木 則宏/978-4-498-42800-3/9784498428003**

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10,340円(税込み)
編著
鈴木 則宏
出版社
中外医学社
分野
 
脳神経科学・神経内科学

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書籍版 販売期間
2023/05/31~
JANコード
9784498428003
商品コード
9784498428003
発行 2023年5月
判型:B5判 340頁
ISBN 978-4-498-42800-3

編:
鈴木 則宏(湘南慶育病院院長・慶應義塾大学名誉教授)
荒木 信夫(よみうりランド慶友病院院長・埼玉医科大学名誉教授)
宇川 義一(福島県立医科大学教授)
桑原 聡(千葉大学教授)
塩川 芳昭(富士脳障害研究所附属病院院長・杏林大学名誉教授)
臨床に! 研究に! 脳神経科学分野の最新の話題を幅広くカバーする一冊!

脳神経科学分野のエキスパートたちが内外の文献を踏まえてその年の最注目トピックを厳選し,解説する好評シリーズの2023年版がいよいよ登場.臨床・研究に役立つ貴重な情報源として,タウオパチーの分子病態,神経疾患領域における認知行動療法の適応,笑いの神経基盤と視床下部過誤腫、臨床への応用も含めたブレイン・マシン・インターフェースの現在と展望など,ユニークな話題を幅広く取り上げた.

【目 次】
I. Basic Neuroscience
1.神経生理
 1 化学遺伝学技術DREADDsによる霊長類脳の機能解析
  ・DREADDsの霊長類脳への適用の道のり
  ・DREADDsのアゴニストリガンドについての問題とその克服
  ・霊長類でのDREADDs利用―疾患病態の理解や治療法としての可能性
  ・特異的な回路操作―霊長類高次機能の理解に向けた取り組み
  ・脳機能イメージングとの融合
  ・今後の展望
 2 光遺伝学による霊長類脳の回路解析
  ・局所光刺激
  ・細胞種選択的な光刺激
  ・神経路選択的な光刺激
  ・光刺激と多細胞・多領域活動測定の同時適用
  ・将来展望

2.神経病理
 1 抗ミトコンドリア抗体陽性筋炎
  ・抗ミトコンドリア抗体とは
  ・抗ミトコンドリア抗体陽性筋炎とは,抗体の意義づけ
  ・診断,検査,鑑別疾患
  ・治療および治療経過
  ・筋病理所見の特徴
  ・心筋の病理所見の特徴
  ・病態機序

3.生化学(分子生物学)
 1 ポリグルタミン病に対する治療戦略
  ・アンチセンス核酸治療
  ・バイオマーカー
  ・構造分析から治療薬開発へ
 2 タウオパチーの分子病態
  ・タウオパチーの分類
  ・ADとPSPにおけるネットワーク解析
  ・PSPとCBDのアストロサイトにおけるエピゲノム変化

4.画像
 1 タウPETによる認知症イメージン
  ・タウPET薬剤の開発
  ・アルツハイマー連続体のタウPET画像
  ・アミロイドとタウ集積との関係
  ・液性バイオマーカーとアミロイドPETならびにタウPETとの関係
  ・アミロイド抗体薬の治療効果と適応の最適要件
 2 脳内リンパ系の画像評価
  ・Glymphaticシステムの画像評価
  ・結語
 3 脳動脈瘤のvessel wall imagingの進歩と有用性
  ・瘤壁造影効果の機序
  ・破裂瘤における瘤壁造影効果
  ・未破裂瘤における瘤壁造影効果
  ・今後の展望

II. 本年の動向
 1 成人遺伝性白質脳症の病態・治療研究の動向
  ・CADASIL
  ・CARASIL/HTRA1関連脳小血管病
  ・PXE/ABCC6変異に関連する脳小血管病
  ・HDLS
 2 認知行動療法と神経疾患領域におけるその適応~短時間でも実施可能な「効率型認知行動療法」の開発と普及に向けて~
  ・神経疾患領域におけるCBT
  ・限られた時間で実施できる効率型認知行動療法
  ・おわりに
 3 MECP2重複症候群の最近の研究
  ・MECP2の量的過剰の分子機構
  ・MECP2重複症候群の治療開発
  ・MECP2重複症候群の臨床
 4 HAMの患者レジストリを介した診療連携構築によるガイドラインの活用促進と医療水準の均てん化
  ・HAMの概要
  ・HAM患者レジストリ「HAMねっと」
  ・HAM診療ガイドラインにおける「HAMねっと」の活用
  ・疾患活動性評価における「HAMねっと」の活用
  ・HAM疾患活動性に応じた治療
  ・新HAMねっとへの展開
  ・結語
 5 PETによるミトコンドリア機能の画像化
  ・ミトコンドリア機能低下の描出の意義
  ・解糖系:ブドウ糖代謝画像―認知症を例に
  ・酸化的リン酸化系:MC-I結合画像―認知症を例に
  ・精神神経疾患のミトコンドリア活性画像
  ・ミトコンドリア関連のイメージング
 6 治療標的としてのα-シヌクレイン
  ・αS発現抑制
  ・αS凝集抑制
  ・αS分解促進
  ・神経炎症の抑制
  ・αS伝播抑制
  ・まとめ
 7 デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対するエクソン・スキップの臨床
  ・薬事承認されたPMOの臨床
  ・エクソン44スキップ薬の開発
  ・PPMOの臨床
  ・今後のエクソン・スキップ薬開発の展望
 8 鏡視下手術(内・外視鏡手術)の現状と展望
  ・脳神経外科における内視鏡手術の発展
  ・外視鏡の登場,その特徴
  ・内視鏡・外視鏡を用いた鏡視下手術の実際
  ・今後の展望
 9 脳卒中相談窓口と脳卒中療養相談士制度
  ・設置場所と構成メンバー
  ・具体的な役割
  ・脳卒中療養相談士に求められる項目
  ・育成・設置に向けてのプロセス
  ・多職種が協力した体制

III. 各種疾患
1.感染症・炎症疾患
 1 髄膜炎・脳炎診療における髄液病原微生物multiplex-PCRパネルの臨床応用
  ・MEパネルの概要と特徴
  ・MEパネルの臨床応用に関する最近の知見
  ・まとめとMEパネルの適正使用に向けた展望
 2 ヘルペスウイルスの中枢神経病原性
  ・HSEと自己免疫性脳炎
  ・帯状疱疹の増加とそれに伴う中枢神経合併症増加の懸念
  ・ciHHV-6

2.脳血管障害
 1 RESCUE-Japan LIMIT
  ・急性期脳梗塞に対する現在の治療と課題
  ・広範囲脳梗塞が予想される症例に対する再灌流療法の問題点
  ・広範囲脳梗塞症例に対する血管内治療の有効性の証明
  ・今後の展望
 2 脳卒中治療ガイドライン2021
  ・脳卒中の一次予防,二次予防
  ・脳梗塞,TIA
  ・脳出血
 3 ブレイン・マシン・インターフェースによる脳卒中片麻痺の機能回復
  ・手指(ハンドグリップ)の機能回復に関するエビデンス
  ・BMIによる可塑性誘導機構
  ・手指以外のボディパーツへの応用
  ・ほかの疾患への適応拡大
  ・製品化
  ・今後の展望
 4 脳動脈瘤の流体力学的研究
  ・フローダイバーターやステント留置による瘤内血流動態の変化
  ・脳動脈瘤の発生・増大・破裂
  ・造影MRIでの瘤壁の造影所見
  ・血行力学的パラメーター:流れの不安定性
  ・血流解析の境界条件
  ・今後の展望
 5 虚血性脳血管障害の梗塞拡大速度
  ・拡散強調画像を使用した梗塞拡大速度予測とDEFUSE 3
  ・発症24時間までの主幹動脈閉塞に対する機械的血栓回収療法と灌流ミスマッチならびに梗塞拡大速度の検討

3.脳腫瘍
 1 WHO2021分類
  ・成人型びまん性膠腫
  ・髄膜腫
  ・胎児性腫瘍
  ・DNAメチル化分類
 2 悪性神経膠腫に対するウイルス療法
  ・ウイルス療法の概要
  ・悪性神経膠腫を対象としたウイルス療法
  ・ウイルス療法によるがんワクチン効果
  ・今後の展望

4.外傷
 1 高齢者頭部外傷 最近の動向
  ・頭部外傷における抗血栓薬の影響
  ・Talk and deteriorate
  ・慢性硬膜下血腫
  ・認知症と外傷性脳損傷
  ・高齢者頭部外傷における外科的治療と予防
  ・今後の展望
 2 小児頭部外傷最新の動向
  ・小児重症頭部外傷治療ガイドライン第3版
  ・小児重症頭部外傷の治療アルゴリズム
  ・虐待による頭部外傷に関する諸問題
  ・まとめ

5.変性疾患
 1 クライオ電子顕微鏡によるタウタンパクの構造解析診断での有用性
  ・タウオパチーの構造学的分類
  ・タウオパチーの生化学的分類
  ・タウ線維構造と病態形成との関連
  ・今後の展望
 2 パーキンソン病におけるαシヌクレイン凝集体の伝播と神経活動をターゲットとする治療法
  ・パーキンソン病におけるαシヌクレイン凝集体の伝播
  ・パーキンソン病モデルを用いた研究成果
  ・神経活動をターゲットとしたパーキンソン病の治療法
  ・今後の展望

6.中毒・代謝疾患
 1 遺伝性ATTR型脳アミロイド血管症と肝移植
  ・遺伝性ATTRアミロイドーシスの病態と治療法の進歩
  ・脳アミロイド血管症(CAA)を主徴とする遺伝子変異型と肝移植の効果
  ・肝移植後長期経過後に顕在化するCAA
  ・今後の展望
 2 副腎白質ジストロフィーにおける造血幹細胞移植
  ・成人大脳型副腎白質ジストロフィーに対する造血幹細胞移植
  ・小児大脳型副腎白質ジストロフィーにおける造血幹細胞移植の前処置
  ・小児大脳型副腎白質ジストロフィーに対する遺伝子治療
  ・副腎白質ジストロフィーとニューロフィラメント軽鎖について
  ・今後の展望

7.脱髄・免疫性疾患
 1 二次進行型多発性硬化症の病態と新規治療
  ・二次進行型多発性硬化症の定義
  ・二次進行型多発性硬化症の病態
  ・二次進行型多発性硬化症の新規治療
 2 IgLON5抗体関連疾患と運動異常症
  ・IgLON5抗体関連疾患の臨床像と検査所見の特徴
  ・IgLON5抗体関連疾患における運動異常症の特徴
  ・PSP類似患者の特徴
  ・IgLON5抗体関連疾患を疑うポイントについて
  ・まとめ

8.未梢神経障害
 1 野生型ATTRアミロイドーシスによる手根管症候群
  ・手根管症候群
  ・野生型ATTRアミロイドーシス
  ・野生型ATTRアミロイドーシスと手根管症候群
  ・野生型ATTRアミロイドーシスの治療
  ・今後の展望
 2 ICUニューロパチー・ミオパチーの病態
  ・発症要因
  ・危険因子
  ・早期診断
  ・神経筋障害の評価
  ・予後予測

9.神経筋疾患
 1 封入体筋炎の病態と診断
  ・封入体筋炎の定義と概要
  ・疫学
  ・病因・病態
  ・症状・経過
  ・検査所見
  ・筋病理
  ・治療
 2 筋強直性ジストロフィーの病態解明と治療開発
  ・DM1の臨床症状
  ・DM1の異常RNA病態
  ・DM1の異常RNA標的治療

10.自律神経疾患
 1 多様な環境ストレスから生命を守る脳の交感神経制御メカニズム
  ・交感神経系を制御する基本的な神経回路メカニズム
  ・環境温度(寒冷・暑熱)ストレス
  ・感染ストレス
  ・心理ストレス
  ・飢餓ストレス
  ・今後の展望
 2 感情研究における顔面皮膚血流の有用性と臨床応用
  ・顔血流はなぜ有効か?先行研究をふまえて?
  ・顔血流と精神疾患との関連
  ・まとめと展望

11.機能性疾患
 1 ゴルフでのイップスの背景
  ・イップスの疫学研究
  ・イップスの筋・動作解析
  ・イップスの病態生理
  ・イップスの診断
  ・イップスの治療
  ・まとめ
 2 ATP1A3関連疾患の多様性
  ・ATP1A3について
  ・古典的3病型
  ・小脳失調症状を呈する他の病型
  ・発作性運動症状
  ・発達性てんかん性脳症
  ・多少脳回
  ・Dystonia, dysmorphism, encephalopathy, MRI abnormalities, and no hemiplegia(D-DEM?)
  ・小児期発症統合失調症/自閉スペクトラム症
  ・心疾患
  ・重複および中間病型
  ・ATP1A3関連疾患の特徴
  ・むすび
 3 笑いの神経基盤と視床下部過誤腫
  ・視床下部過誤腫と笑い発作
  ・笑い発作を呈するそのほかのてんかん症候群
  ・電気刺激による笑いの誘発
  ・ほかの疾患における病的笑い
  ・笑いに関わる神経機構

12.機能的脳神経外科
 1 Forel H areaの微小解剖と神経学
  ・Forel H areaの微小解剖
  ・パーキンソン病
  ・ジストニア
  ・てんかん
  ・精神疾患(強迫性神経障害,うつ)
 2 ブレイン・マシン・インターフェースの現状と課題
  ・BMIの分類
  ・侵襲型BMI
  ・非侵襲型BMI

13.COVID-19
 1 COVID-19による脳炎・脳症
  ・急性期の脳炎・脳症の臨床像
  ・急性期の脳炎・脳症の病態
  ・罹患後神経症状の臨床像
  ・罹患後神経症状と脳炎・脳症の関連
 2 コロナ禍における神経救急診療と教育
  ・コロナ禍が救急医療にもたらしたものはなにか
  ・コロナ禍における脳卒中
  ・コロナ禍における医学教育
  ・VRコンテンツを用いた自宅学習