外傷専門診療ガイドライン JETEC 改訂第3版**へるす出版/日本外傷学会/978-4-86719-068-5/9784867190685**
発行 2023年6月
判型:A4判 612頁
ISBN 978-4-86719-068-5
監修:一般社団法人日本外傷学会
編集:日本外傷学会外傷専門診療ガイドライン改訂第3版編集委員会
本邦外傷学の集大成
日本外傷学会は,外傷専門医を「緊急度・重症度の高い外傷に対して,限られた時間内に,横断的に検査や治療の優先順位を判断でき,外傷診療に精通したリーダーとなる医師」と定義しています。本書は,外傷専門医が備えるべき知識をまとめたガイドライン『JETEC』の改訂第3版です。
外傷専門医・外傷専門医を目指す医師のみならず,外傷診療にかかわるすべての医師におすすめの一冊です。
[本書のポイント]
・外傷診療で必要とされる「戦略」(診療の組み立て・管理能力)と「戦術」(知識・技能)を網羅的・客観的に記載。
・外傷に関する最新の知見を反映。
・論文的根拠で決着がついていない話題についてはClinical Questions(CQ)として取り上げ,コラムとして提示。・穿通性外傷,とくに銃創患者の診療について大幅に加筆。
・前版から約100ページ増。内容が格段に増えました。
1章 外傷診療体系論
はじめに
Ⅰ 外傷診療体系
Ⅱ 外傷診療方法論
Ⅲ 外傷診療に求められる能力
Ⅳ 外傷診療体制
Ⅴ 重症外傷患者を診療する施設の要件
2章 チームアプローチ
Ⅰ 外傷診療におけるチームアプローチ
Ⅱ チームアプローチの実際
Ⅲ チームアプローチの評価
Ⅳ non-technical skills教育
3章 外傷治療戦略と戦術
1 蘇生に必要な治療戦略と戦術
A 外傷蘇生の考え方
はじめに
Ⅰ 生理学的状態を安定化させるための戦略
Ⅱ 銃創を中心とした穿通性外傷の蘇生
B ダメージコントロール戦略
はじめに
Ⅰ ダメージコントロール戦略の理論
Ⅱ ダメージコントロール戦略の適応判断
Ⅲ ダメージコントロール戦略の手順
C damage control resuscitation
はじめに
Ⅰ 外傷蘇生に必要な病態生理
Ⅱ 大量出血のコントロール
Ⅲ damage control resuscitationの要素
D 蘇生的開胸術(RT)
はじめに
Ⅰ RTの目的と適応
Ⅱ 胸部外傷に対するRT
Ⅲ 胸部下行大動脈遮断のためのRT
Ⅳ RTの施行場所
Ⅴ RTの手術手技
E 蘇生的開腹術
はじめに
Ⅰ 目的と適応
Ⅱ 開腹法
Ⅲ 開腹直後の術野展開と一時的止血操作
Ⅳ 腹腔内操作と検索
Ⅴ 後腹膜腔の検索
Ⅵ 一時的閉腹法
F 蘇生に必要なIVR
はじめに
Ⅰ 外傷診療におけるIVR
Ⅱ 外傷IVRに必要な要素
Ⅲ 蘇生を目的としたIVR
Ⅳ REBOA
Ⅴ ステントグラフトを用いた止血
2 外傷診療戦略におけるCTの役割
Ⅰ CTを有効に活用するための条件
Ⅱ CTの撮影方法と読影の実際
Ⅲ 治療方針を考えるための基本8項目(ABCDEFGS)
3 損傷部位別の治療戦略と戦術
A 頭部外傷
はじめに
Ⅰ 初期診療
Ⅱ 重症頭部外傷が全身に与える影響
Ⅲ 治療戦略
Ⅳ 損傷別治療戦術
Ⅴ 頭部外傷の治療限界
B 顔面外傷
はじめに
Ⅰ 診療上の注意点
Ⅱ 治療戦略と戦術
C 頸部外傷
はじめに
Ⅰ 病態と治療戦略
Ⅱ 損傷別治療戦術
D 胸部外傷
はじめに
Ⅰ 病態と治療戦略
Ⅱ 治療戦術
Ⅲ 損傷別治療戦略と戦術
E 腹部外傷
はじめに
Ⅰ 腹部外傷の診療手順
Ⅱ 穿通性腹部外傷の治療戦略
Ⅲ 肝損傷の治療戦略と戦術
Ⅳ 脾損傷の治療戦略と戦術
Ⅴ 腎損傷の治療戦略と戦術
Ⅵ 膵損傷の治療戦略と戦術
Ⅶ 十二指腸損傷の治療戦略と戦術
Ⅷ 胃・下部消化管損傷の治療戦略と戦術
Ⅸ 腸間膜損傷の治療戦略と戦術
F 尿路性器外傷
はじめに
Ⅰ 尿管損傷の治療戦略と戦術
Ⅱ 膀胱損傷の治療戦略と戦術
Ⅲ 尿道損傷の治療戦略と戦術
Ⅳ 性器損傷の治療戦略と戦術
Ⅴ 穿通性損傷の治療戦略と戦術
G 大血管損傷
はじめに
Ⅰ 疫学と分類
Ⅱ ダメージコントロール戦略
Ⅲ 根本治療
Ⅳ 損傷血管別の治療戦略と戦術
H 骨盤外傷
はじめに
Ⅰ 分 類
Ⅱ 診 断
Ⅲ 治療戦略と戦術
I 脊椎・脊髄外傷
はじめに
Ⅰ 診 断
Ⅱ 急性期の治療戦略と戦術
J 四肢外傷
はじめに
Ⅰ 四肢骨折の治療戦略と戦術
Ⅱ 脱臼,脱臼骨折の治療戦略と戦術
Ⅲ 軟部組織損傷の治療戦略と戦術
Ⅳ 開放骨折の治療戦略と戦術
Ⅴ 四肢主要動脈損傷の治療戦略と戦術
Ⅵ 神経損傷の治療戦略と戦術
Ⅶ 救肢,切断の判断基準
Ⅷ 圧挫症候群の治療戦略と戦術
Ⅸ 銃創の治療戦略と戦術
4 多発外傷
はじめに
Ⅰ 定 義
Ⅱ 疫 学
Ⅲ 病態の生理学的判断
Ⅳ 重症頭部外傷を伴う多発外傷
Ⅴ 整形外科外傷を伴う多発外傷
5 爆 傷
Ⅰ 特 徴
Ⅱ 病院前救護
Ⅲ 初期診療
Ⅳ 損傷別治療戦略
6 外傷周術期戦略と集中治療管理
A 周術期戦略
はじめに
Ⅰ 病態生理
Ⅱ 術前評価
Ⅲ 術中麻酔管理
Ⅳ 術後管理
Column 凝固機能の評価法
B 気道・呼吸管理
はじめに
Ⅰ 気道管理
Ⅱ 呼吸管理
C 循環管理
はじめに
Ⅰ 評 価
Ⅱ 蘇生戦略
D 頭蓋内圧管理
はじめに
Ⅰ 病態生理
Ⅱ 頭蓋内圧モニタリング
Ⅲ 頭蓋内圧亢進に対する対応
E 痛み・不穏・せん妄の管理
はじめに
Ⅰ 概 要
Ⅱ 痛みの評価と対処
Ⅲ 不穏・鎮静の評価と対処
Ⅳ せん妄の評価と対処
まとめ
F 外傷後の感染対策
はじめに
Ⅰ 受傷部位別の感染予防策
Ⅱ 外傷と敗血症
G 外傷後の凝固線溶管理
はじめに
Ⅰ 病 態
Ⅱ 外傷性凝固障害
H 外傷後の腹腔内圧管理
はじめに
Ⅰ 腹腔内圧上昇と腹部コンパートメント症候群の定義と病態
Ⅱ 腹腔内圧上昇時の臓器障害
Ⅲ 腹部コンパートメント症候群の予防
Ⅳ 腹腔内圧測定法
Ⅴ アルゴリズムと管理
I 外傷後の静脈血栓塞栓症の予防と処置
Ⅰ 概 念
Ⅱ 予 防
Ⅲ 予防・治療戦略
J 脂肪塞栓症
はじめに
Ⅰ 疫 学
Ⅱ リスク因子
Ⅲ 発生機序
Ⅳ 診 断
Ⅴ 治 療
Ⅵ 予 防
Ⅶ 転 帰
K 栄養管理
はじめに
Ⅰ エネルギー代謝変動
Ⅱ エネルギー消費量の推定
Ⅲ 目標投与カロリー
Ⅳ 各栄要素の投与量
Ⅴ 栄養投与経路
Ⅵ 経腸栄養の投与方法
Ⅶ 経腸栄養剤
Ⅷ 経鼻栄養チューブの留置位置
Ⅸ 経腸栄養のモニタリング
Ⅹ 逆流・誤嚥
? 栄養状態の評価とモニタリング
? 血糖管理
4章 外傷急性期リハビリテーション・社会復帰戦略
はじめに
Ⅰ 重症外傷に対する急性期リハビリテーション
Ⅱ 集中治療中リハビリテーション開始の意義
Ⅲ 中枢神経障害に対するリハビリテーション
Ⅳ 脊髄損傷に対する急性期リハビリテーション
Ⅴ 四肢外傷に対する急性期リハビリテーション
まとめ
5章 off-the-job training(simulation training)
1 国際的コースの紹介
Ⅰ ATOMコース
Ⅱ DSTCコース
Ⅲ ASSETコース
Ⅳ AOコース
2 国内のコースの紹介
Ⅰ JETECコース
Ⅱ SSTTコース
Ⅲ DIRECTセミナー
Ⅳ C-BEST:献体による外傷手術臨床解剖学的研究会
Ⅴ 日本骨折治療学会研修会
欧文略語一覧