わかる!使える! 日本語の文法障害の臨床**医学書院/藤田 郁代/978-4-260-05274-0/9784260052740**

販売価格
5,940円(税込み)
失語症・特異的言語発達障害(SLI)をひもとく
編著
藤田 郁代
出版社
医学書院
分野
 
リハビリテーション技術

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書籍版 販売期間
2023/06/16~
JANコード
9784260052740
商品コード
9784260052740
発行 2023年6月
判型:B5判 256頁
ISBN 978-4-260-05274-0

編集:藤田 郁代 / 菅野 倫子
失語症臨床の第一人者が、文法障害のなぜ?どうする?にこたえる

有限個の単語を用いて無数の文を構築する能力は人間の言語に固有の機能であり、これが障害されると、生活や社会活動に大きな支障が生じる。本書は、文法・統語に特徴的な問題を認める失語症と特異的言語発達障害(SLI)の文法・統語障害について、基礎となる理論から障害を理解し、臨床を展開する方法までを日本語の資料を用いてわかりやすく解説する、本邦初の体系書である。

【目 次】
用語解説

I 基礎となる理論編
 第1章 言語の特質とその障害
  第1節 人間と言語
  第2節 文で話すということ
  第3節 文のしくみ
    1 文の構成要素
    2 文の基本構造
    3 文のしくみの知識を臨床に役立てる
  第4節 文の処理
    1 統語構造の処理
    2 文理解とワーキングメモリ
  Quiz1~3

 第2章 言語の獲得と喪失
  第1節 発達性と後天性の言語障害
  第2節 言語発達障害
  第3節 失語症

II 文法・統語障害の理解編
 第3章 特異的言語発達障害(SLI)の文法障害
  第1節 ことばと認知の発達
  第2節 文法・統語能力の発達
  第3節 特異的言語発達障害(SLI)の文法・統語障害
    1 特異的言語発達障害(SLI)の定義
    2 SLIの文法・統語障害
  第4節 SLIの評価と指導
    1 文の評価
    2 文の指導
  CASE SLIを呈した事例の評価と指導

 第4章 失文法――失語症の統語障害
  第1節 失文法理論の発展
    1 失文法の科学的究明の始まり
    2 初期の失文法理論
    3 近年の失文法理論
    4 現代の失文法研究への転回
  第2節 失文法を理解する――失文法の臨床症状
    1 表出面と理解面の失文法
    2 表出性失文法
    3 受容性失文法――統語理解障害
  第3節 統語処理の神経学的基盤
    1 統語理解障害の病巣研究
    2 統語理解の賦活研究
    3 文産生の神経学的基盤の研究
    4 今後の展望
  第4節 原発性進行性失語の失文法
    1 原発性進行性失語とは
    2 原発性進行性失語を呈する疾患と背景病理
    3 原発性進行性失語のタイプと病変部位
  第5節 認知言語学から見た失文法
    1 認知言語学の言語観
    2 ラネカーの認知文法
    3 言語事実と説明
    4 認知言語学への期待
  第6節 統語機能に関与する脳領域と神経ネットワーク
    1 言語と神経ネットワーク
    2 音声処理の脳内メカニズム
    3 統語処理の脳内メカニズム
    4 言語の脳科学の展望

III 臨床の展開編
 第5章 失語症における統語の評価
  第1節 統語障害の生活への影響
  第2節 評価のプロセス
  第3節 失語症の全般的評価
  第4節 統語機能の評価
    1 文の産生面の評価
    2 文の理解面の評価
  第5節 動詞の評価
  第6節 認知機能の評価
  第7節 評価のまとめと解釈
  第8節 評価から治療計画の立案へ
  CASE 失文法(表出性失文法,統語理解障害)を呈したブローカ失語
  Quiz4

 第6章 失語症における文の訓練
  第1節 失語症の回復
  第2節 文の訓練とその対象
  第3節 文の訓練の視点
    1 文処理過程全体の賦活――文刺激促通法
    2 動詞・項構造の訓練
    3 文構造の訓練
    4 文法形態素の訓練
    5 会話における文の実用化
    6 認知機能と文の訓練
  第4節 文の訓練の実際
    1 文の訓練の原則
    2 文の訓練の進め方
    3 文の導入順序
    4 文セットと絵刺激の作成
  第5節 文の訓練の実施方法
    1 機能訓練
    2 文の実用化への介入
  CASE 失文法(表出性失文法,統語理解障害)を呈したブローカ失語
  Quiz5~7

付録 教材「絵カード」
Quizの解答

column
 1 19世紀に発展し,失文法研究に影響を与えた分野
 2 言語の類型
 3 Isserlinが『?ber Agrammatisms』で紹介した失文法例
 4 非可逆文と可逆文
 5 Wernicke-Geschwind model
 6 統語処理と小脳
 7 非流暢/失文法型原発性進行性失語