高齢者の認知レベルに合わせた 作業と環境へのアプローチ**協同医書出版社/久野 真矢/978-4-7639-2151-2/9784763921512**

販売価格
3,740円(税込み)
QOL向上のための実践ヒント
編著
久野 真矢
出版社
協同医書出版社
分野
 
リハビリテーション技術

数量

販売期間
2023/07/18~
商品コード
9784763921512
発行 2023年7月
判型:B5判 136頁
ISBN 978-4-7639-2151-2
クリニカルクエスチョン対する答え、解決の糸口となるヒントを提供!

高齢者や認知症クライエントのQOL向上に欠かせない「ADL/IADLの目標設定」「最適なアクティビティの選定」「快適な住環境設定」について、理論的な枠組みと知識をベースに「認知レベル」「生活機能年齢」をキーワードに解説。

本書は、著者の研究テーマであるQOL(生活の質)/幸福感を中心的視座とし、作業療法学的観点から高齢者や認知症のクライエントへの認知レベルに対応した介入効果、作業遂行と心理・認知的要因、環境の相互関連について、長年の研究で得られた知見や情報を整理し、著者開発のスケールとともに具体的な臨床応用の方法を一冊にまとめました。

高齢者や認知症のクライエントと関わる際、次のような疑問をもつことはありませんか?
「ADL/IADLの目標設定をどうしよう」「ADL/IADLはどこまで改善するだろうか」「アクティビティは何を実施できるか」「集団レクリエーションをどのように計画しようか」「テーブルや椅子の高さが合っていないようだけどどうしたら良いか」「デイルームの模様替え、何に気をつけたら安全か」など。それらの臨床疑問に対して、臨床実践のための解決ヒントが満載です。

【目 次】
はじめに
 
第1章 高齢者や認知症のクライエントのQOLを向上させるために
 1.QOLに対する作業療法士の役割とQOLのアウトカム
 2.高齢者や認知症のクライエントのQOLをどのように捉えるか
  1)QOLの成り立ち
  2)QOLの定義とリハビリテーションの捉え方
  3)高齢者や認知症のクライエントのQOLを理解するための理論的枠組み
 3.高齢者や認知症のクライエントのQOLを向上させるための理論的知識
  1)能力?圧力モデル(Press-Competence Model)
  2)認知?活動モデル
  3)対人距離(パーソナルスペース)
  4)プライバシーとテリトリー
  5)行動セッティング
 4.高齢者や認知症のクライエントのためのQOL評価スケール
  1)高齢者のためのQOL評価スケール
  2)認知症のクライエントのための包括的QOL評価スケール
  3)認知症のクライエントのための限定的QOL評価スケール
 5.QOL向上のために適切な人的環境(心理的環境)とは
  1)ケアスタッフに求められる関わり方
  2)ケアの質を評価する「認知症ケアマッピング(Dementia Care Mapping:DCM)」
 
第2章 認知レベルに合わせてADL/IADLへアプローチする
 1.キーワードの整理
  1)認知レベルとは
  2)ADL/IADLとは
  3)生活機能年齢とは
 2.認知レベルやADL/IADL能力とQOLの関係
 3.認知機能評価スケール
  1)MMSE(Mini-Mental State Examination)
  2)HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)
  3)FAB(Frontal Assessment Battery)
  4)NMスケール(N式老年者用精神状態尺度)
 4.認知レベルと対応したADL/IADLスケール(ADL/IADL-COG)
 5.高齢者や認知症のクライエントの認知レベルとADL/IADL能力の関係
  1)正常老化,軽度認知障害(MCI),認知症の認知レベルの違い
  2)正常老化,軽度認知障害(MCI),認知症のADL/IADL能力の違い
  3)高齢者や認知症のクライエントの認知レベルとADL/IADL能力の特徴的な関係
  4)高齢者や認知症のクライエントの認知機能評価スケールとADL/IADL能力,生活機能年齢の特徴的な関係
  5)認知症タイプ別の認知機能評価スケールとADL/IADL能力,生活機能年齢の関係
 6.認知レベルに合わせたADL/IADLへのアプローチ
  1)カルテや他部門からの情報収集を通して健康状態や生活背景を把握する
  2)インタビューを通して生活上の困りごとを把握する
  3)インタビューなどを通して価値や目的をおく作業を把握する
  4)身体機能を把握する
  5)認知レベルを把握する
  6)ADL/IADL能力を把握する
  7)認知レベルとADL/IADL能力の関係性を分析する
  8)ADL/IADLへのアプローチを計画する
 
第3章 認知レベルに合わせてアクティビティへアプローチする
 1.キーワードの整理
  1)認知レベルとは
  2)アクティビティとは
  3)生活機能年齢とは
 2.アクティビティとQOLの関係
  1)アクティビティに携わることとQOLの関係
  2)アクティビティに必要な環境とQOLの関係
 3.認知レベルとアクティビティの環境設定の関係
 4.認知レベルの違いによるアクティビティに携わる能力の関係
  1)認知機能評価スケールと生活機能年齢の関係
  2)認知機能評価スケール得点範囲と認知レベル上の生活機能年齢の関係
 5.認知レベル別で捉えるアクティビティ適用の基本方針
  1)重度認知症のアクティビティ適用の基本方針
  2)中等度認知症のアクティビティ適用の基本方針
  3)軽度認知症のアクティビティ適用の基本方針
  4)軽度認知障害(MCI)?正常のアクティビティ適用の基本方針
 6.認知レベルに合わせたアクティビティへのアプローチ
  1)アクティビティにアプローチする手順
  2)認知レベルとアクティビティに携わる能力の関係性を分析する
  3)アクティビティへのアプローチを計画する
 7.認知レベルと対応したアクティビティケア・マトリクス
 
第4章 認知レベルに合わせて住環境へアプローチする
 1.キーワードの整理
  1)認知レベルとは
  2)住環境とは
  3)人体寸法とは
 2.住環境とQOLの関係
 3.認知レベル,人体寸法と住環境設定の関係
 4.高齢者や認知症のクライエントに好ましい住環境設定の基本方針
 5.住環境へのアプローチ
  1)安全である環境
  2)プライバシーが確保された環境
  3)なじみのある家庭的な環境
  4)なじみのあるアクティビティを行える環境
  5)機能的な環境
  6)交流が促される環境
  7)適切な感覚刺激の環境
  8)分かりやすい環境
  9)行動が促される環境
 6.多職種連携による住環境へのアプローチに向けた住環境評価の視点
 
第5章 事例紹介,今後の展望と可能性
 1.事例紹介
  1)事例1
  2)事例2
  3)事例3
  4)事例4
 2.事例のまとめ
 3.今後の展望
 4.認知?活動モデルの可能性
  1)統合失調症のクライエントへの応用
  2)高次脳機能障害のクライエントへの応用
 
おわりに