放射線安全管理学**南江堂/高橋 康幸/978-4-524-20394-9/9784524203949**
発行 2023年11月
判型:B5判 280頁
ISBN 978-4-524-20394-9
監修:高橋 康幸
編集:杉野 雅人 / 細田 正洋
診療放射線技師に欠かすことのできない放射線管理の知識や技術,事故の予防・対策はもちろん事故が発生してしまった際の対応について解説する教科書.一般的な放射線安全管理の知識に加え,臨床現場での実例を取扱うことで,学生が現場をイメージしながら学ぶことができるように工夫した.巻末付録として第1種放射線取扱主任者試験問題と解説を掲載し,読者の知識の定着を確認することができる.
【目 次】
1.放射線防護の基礎と基盤
A.放射線防護が目指すもの
1)私たちと放射線との関係の理解
2)放射線防護の目的と進化のプロセス
B.放射線防護の体系
1)体系の整理と理解
2)放射線防護の3)原則
C.放射線防護の履行と実践に関係する国内外の機関・組織
1)国際的な機関・組織
2)国内の機関・組織
2.放射線防護に用いられる量と単位
A.「放射線の量」と「放射線量」
B.物理量・防護量・実用量
1)物理量
C.放射線防護に関係する線量
1)防護量
2)実用量
3.放射線源からの被ばく
A.被ばくの形態
1)外部被ばく
2)内部被ばく
3)全身被ばくと局所被ばく
4)均等被ばくと不均等被ばく
5)職業被ばく
6)医療被ばく
7)公衆被ばく
B.自然放射線源からの被ばくの実態
1)宇宙線
2)大地放射線
3)ラドン
4)食品による内部被ばく
C.人工放射線源からの被ばくの実態
1)医療放射線
2)原子力発電所
3)核実験フォールアウト
4.放射線の被ばく影響とリスク
A.放射線被ばくの分類
1)細胞生物学の概要
2)組織反応と確率的影響
3)早期障害と後期障害
B.放射線被ばくによる組織反応
1)個体レベルにおける組織反応としきい線量
2)胚・胎生期における影響
3)個体死
4)組織反応・個体影響を修飾する因子
C.放射線被ばくによる確率的影響
1)発がんの概要
2)白血病と固形がん
3)遺伝性影響
D.放射線被ばくに伴う健康へのリスク
1)放射線のリスクとその指標
2)放射線被ばくに伴うがんリスクの推定
3)放射線のがんリスクを修飾する因子
4)遺伝性影響のリスク
5.放射線源の安全取り扱い
A.種々の放射線源
1)放射性同位元素線源
2)放射線発生装置
B.各種線源の安全取り扱い
1)放射線の安全取り扱いの基本
2)密封放射線源の安全取り扱い
3)非密封放射線源の安全取り扱い
4)医療施設における診療用放射線に係る安全取り扱い
C.放射線の遮へいと遮へい用具
1)重荷電粒子線の遮へい
2)電子線の遮へい
3)光子(電磁放射線)の遮へい
4)中性子線の遮へい
D.施設の遮へい計算
E.放射性同位元素の運搬
1)事業所内運搬
2)事業所外運搬
6.環境の管理
A.管理区域の設定
1)放射線施設の設置計画
2)管理区域の基準
3)管理区域の構成と構造
B.空間線量率の測定
1)測定場所の選定
2)測定頻度
3)測定・評価方法
4)測定器の選択
5)記録と保存
6)測定器の点検・校正とトレーサビリティ
C.表面密度の測定
1)表面汚染の形態
2)直接測定法と間接測定法
3)測定器の選択
4)サーベイメータの走査方法と測定
5)ハンド・フット・クロスモニタ(HFC)
6)除染の効果
7)除去できない汚染の対策
8)評価と記録
D.空気中放射性同位元素の測定
1)管理区域内の空気の管理
2)作業場所の空気中RI濃度の測定と評価
3)排気中RI濃度の測定と評価
E.水中放射性同位元素の測定
1)排水中放射能測定
2)排水中放射能濃度の検出限界
3)排水施設
4)排水濃度の管理
5)評価と記録
7.個人の管理
A.個人被ばく線量管理の目的
1)個人被ばく線量管理とは
2)個人被ばく管理に用いられる実用量
3)外部被ばく線量測定のための個人線量計の種類
4)個人線量計の装着位置と測定に用いる実用量
5)個人の外部被ばく線量の算定
6)個人線量の記録および保存
7)緊急作業時の個人線量管理
B.内部被ばくの管理
1)体内摂取量の算定方法
2)内部被ばく線量算定方法
3)個人用防護具
C.健康診断
1)健康診断の目的
2)放射線業務従事者の健康診断項目
3)健康診断の記録の保存
8.放射性廃棄物の処理
A.放射性廃棄物の分類(気体,液体,固体)
1)気体廃棄物
2)液体廃棄物
3)固体廃棄物
B.放射性廃棄物の処理(気体,液体,固体)
1)気体廃棄物の処理
2)液体廃棄物の処理
3)固体廃棄物の処理
C.放射化物の安全取り扱い
9.放射線事故
A.放射線事故/原子力災害
1)放射線事故/原子力災害の定義
2)海外での放射線事故事例
3)国内での放射線事故事例
B.放射線事故/原子力災害時の対応
1)小規模事例
2)大規模事例(被ばく・汚染への対応)
3)放射線リスクコミュニケーション
4)福島第一原子力発電所事故における規制の例(食品中の放射性物質に対する対応)
C.被ばく医療
1)被ばく医療とは
2)日本の被ばく医療体制に関する歴史の変遷
3)現行の被ばく医療体制
4)原子力災害時の放射線防護に係る基準
10.関係法規
A.診療放射線技師法
1)目的
2)業務
3)業務上の制限
B.医療法
1)目的
2)届出
3)管理者の義務
C.放射性同位元素等の規制に関する法律(RI等規制法)
1)目的
2)定義
3)管理区域
4)許可届出使用者
D.電離放射線障害防止規則
1)基本原則
2)定義
3)管理
11.医療施設における放射線取扱主任者の役割
A.個人の管理
B.管理区域および場所の測定
C.放射性廃棄物などの処理
D.線源の管理
E.放射線機器
F.その他
12.診療用放射線における放射線安全管理の実際
A.診断参考レベル
1)診断参考レベル(DRL)の制定経緯
2)DRLs 2020の問題点
3)DRL運用上の注意点
B.各種モダリティにおける放射線防護
1)一般X線撮影・ポータブル撮影・歯科用検査
2)X線透視,血管撮影
3)X線CT
4)核医学検査
5)放射線治療
6)核医学治療
付録 第1種放射線取扱主任者試験問題・解説