救急超音波診療ガイド**医学書院/日本救急医学会/978-4-260-05346-4/9784260053464**
発行 2023年11月
判型:B5判 392頁
ISBN 978-4-260-05346-4
監修:一般社団法人 日本救急医学会
編集:日本救急医学会Point-of-Care超音波推進委員会
編集協力:一般社団法人 日本集中治療医学会 / 公益社団法人 日本超音波医学会 / 一般社団法人 日本小児救急医学会 / 一般社団法人 日本ポイントオブケア超音波学会
本邦初 日本救急医学会監修による救急超音波診療テキスト
「日本救急医学会救急point-of-care超音波診療指針」に準拠した救急超音波診療テキスト。指針をもとに実践的な内容を解説し、上級者向けのPOCUSや、知識として知っておくべきことについても適宜言及。手技や病態・疾患に関する画像・動画を豊富に盛り込み、独学でも知識と技術の習得に役立つ内容とした。救急科専門医・専攻医だけでなく、研修医や急性期診療に従事する医師の手引きとして活用できる1冊。
【目 次】
[主]:主要項目 [付]:付加項目
「日本救急医学会 救急point?of?care超音波診療指針」に設定の到達目標.詳細は「救急超音波診療の到達目標」の項参照.
第1章 総論
1 救急超音波診療について
1 歴史
2 POCUSの概要
3 本邦における救急超音波診療の発展に向けて
2 救急超音波診療の到達目標
1 救急科専門医の到達目標
2 海外のガイドライン
3 救急超音波教育
1 救急診療におけるon-the-job training
2 講習会
3 遠隔ハンズオン教育
第2章 超音波検査の基礎
1 音響工学 [主]
1 音響工学を学ぶ意義
2 Bモード画像の成り立ちと音響インピーダンス
3 画像調整とパラメータ
4 今後への提案
2 プローブの取り扱いと画像表示 [主]
1 プローブの選択
2 画像表示の取り決め
3 オリエンテーション
4 プローブ操作法
5 プローブの保守・管理
3 装置本体の取り扱いとBモード画像の適正化 [主]
1 モードの選択
2 プリセットの選択
3 深度・ゲイン・フォーカス・STCの調整
4 空間コンパウンドイメージング
5 フリーズ,シネ操作,静止画保存,動画保存
6 超音波診断装置の保守・管理
4 ドプラ法
1 POCUSにおける位置づけ
2 カラーフローマッピング法(カラードプラ法)
3 パルスドプラ法
4 連続波ドプラ法
5 アーチファクト [主]
1 音響陰影
2 後方エコー増強
3 多重反射
4 ミラーイメージ
5 スライス幅によるアーチファクト
6 twinkling artifact
6 超音波検査と医療安全 [主]
1 超音波の生体作用と安全性
2 超音波出力の強さとALARAの原則
3 感染対策
4 他の合併症・検査時の注意点
第3章 領域別活用
1 気道 [主][付]
1 正常解剖と画像描出
2 気管挿管の確認
3 輪状甲状靱帯の同定・切開
2 頸動脈
1 対象患者
2 検査環境
3 検査体位
4 超音波診断装置の選択
5 プローブ(探触子)の選択
6 条件設定
7 検査手順
8 頸動脈超音波検査で判断したい代表的疾患
3 肺・胸郭 [主][付]
1 正常解剖と画像描出
2 気胸
3 心原性・非心原性肺水腫
4 肺炎,無気肺
5 胸水,血胸,胸腔穿刺
6 横隔膜
7 肋骨・胸骨骨折
4 心臓
(1) basic FoCUS [主]
1 正常解剖と画像描出
2 左室収縮能
3 右室拡大(肺血栓塞栓症)
4 心膜液(タンポナーデ),心膜穿刺
5 下大静脈
6 心腔内腫瘤(血栓,疣腫,腫瘍)
7 慢性変化(心房・心室拡大,壁肥厚)
(2) advanced FoCUS
① 弁逆流と弁狭窄の評価
1 大動脈弁逆流(AR)
2 大動脈弁狭窄(AS)
3 僧帽弁逆流(MR)
4 僧帽弁狭窄(MS)
5 三尖弁逆流(TR)
6 今後に向けて
② 急性冠症候群の評価
1 急性冠症候群とは
2 ガイドラインにおける心エコー図検査の位置づけ
3 冠動脈の灌流領域と壁運動異常評価の基準
4 壁運動異常を見逃さないために──解釈のポイントと検査のピットフォール
5 急性冠症候群の急性期診断フロー──FoCUSによる専門医との効果的連携
6 急性期合併症,併存症の診断(心不全,機械的合併症,右室梗塞)
7 治療効果の判定に心エコー図検査を活用する
5 大動脈 [主][付]
1 正常解剖と画像描出
2 腹部大動脈瘤・破裂
3 急性大動脈解離(胸部)
6 消化器・腹腔内液体貯留 [主][付]
1 正常解剖と描出
2 疾患・病態別,超音波画像の解釈
7 尿路・男性生殖器 [主][付]
1 正常解剖と画像描出
2 尿管結石
3 尿閉
4 尿道カテーテル挿入時のガイド
5 急性陰?症(精巣捻転,精巣上体炎)
6 陰?外傷
8 女性生殖器・周産期 [付]
1 正常解剖と画像描出
2 子宮・付属器疾患
3 正常妊娠,異所性妊娠
4 周産期救急
5 産婦人科医との連携
9 深部静脈 [主]
1 正常解剖と画像描出
2 下肢深部静脈血栓症(2部位法による評価,近位下肢全体の評価)
10 皮膚軟部組織・運動器 [付]
1 骨折
2 関節液と関節穿刺
3 腱・靱帯損傷
4 皮膚軟部組織感染症,異物
11 眼球・視神経鞘
1 正常解剖と画像描出
2 評価可能な眼科疾患(眼部外傷)
3 眼外傷
4 頭蓋内圧亢進
5 施行時の注意点
12 神経ブロック・腰椎穿刺 [付]
1 神経ブロック概論
2 肩関節:腕神経叢ブロック斜角筋間アプローチ
3 前腕~手:腕神経叢ブロック腋窩アプローチ
4 手~手指:wrist block
5 股関節・大腿骨:大腿神経ブロック
6 下腿:坐骨神経ブロック膝窩アプローチ
7 多発肋骨骨折:前鋸筋膜面ブロック
8 腰椎穿刺
13 血管穿刺 [主]
1 中心静脈穿刺〔内頸静脈,鎖骨下(腋窩)静脈,大腿静脈〕
2 末梢静脈穿刺(末梢静脈挿入中心静脈カテーテル挿入,末梢静脈路確保)
3 動脈穿刺
4 REBOA,ECMO
14 小児領域 [付]
1 海外のコンセンサスと日本の現状
2 成人との相違点
3 消化器
4 泌尿器
5 皮膚軟部組織・運動器
第4章 症候別・領域横断的活用
1 FAST・EFAST [主]
1 外傷診療とPOCUS
2 FAST
3 EFAST
4 FASTの実践的活用
2 ショックと呼吸困難(ABCアプローチ) [主]
1 ABCアプローチについて
2 ショック
3 呼吸困難
3 急性腹症
1 急性腹症におけるPOCUSの役割
2 急性腹症診療におけるPOCUSの活用方法
3 妊婦の急性腹症
4 心停止 [主]
1 心停止時に超音波検査で評価すべき病態
2 心停止時の超音波プロトコル
5 新型コロナウイルス感染症
1 COVID-19肺炎における肺超音波検査
2 COVID-19肺炎管理における肺超音波検査
3 臨床での肺超音波検査の活用
4 心血管合併症評価のためのFoCUS
5 DVT超音波検査
6 感染対策を意識したPOCUS
7 超音波診断装置の感染対策
6 rapid response system
1 RRSにおけるPOCUSの活用法
7 病院前救急
1 病院前における超音波検査
2 遠隔診療
8 災害医療
1 災害医療における超音波検査の位置づけ
2 災害の種類による超音波診断装置活躍の場
3 災害の時相と活動場所からみた超音波診断装置活躍の場
4 災害医療における超音波検査のこれから
第5章 救急超音波診療と連携
1 救急外来と集中治療室の連携
1 想定される連携場面
2 救急外来,ICUにおけるPOCUS診断,診断精度
3 救急外来から,ICU,各診療科への連携
4 POCUSを用いたモニタリング
2 救急外来と手術室の連携
1 周術期超音波
2 救急医と麻酔科医,手術を行う各診療科との連携
3 救急外来で取得した超音波所見を手術室で活かすために
4 手術室は画像の目慣らしの場として活用する
5 救急外来と手術室の連携の実際
3 救急外来と超音波検査部門との連携
1 超音波検査と資格認定
2 救急外来と超音波検査部門との連携例
3 展望
4 看護師が行う救急集中治療領域の超音波検査
1 看護師が行う救急集中治療領域の超音波検査の研究成果
2 看護師がPOCUSを学び,実践していくには