療養者が望む暮らしを支える地域・在宅看護過程**医歯薬出版/尾崎 章子/978-4-263-23775-5/9784263237755**
発行 2023年11月
判型:AB判 128頁
ISBN 978-4-263-23775-5
編著:尾崎 章子 / 蒔田 寛子
地域・在宅看護ならではの視点を統合したアセスメント枠組みで看護過程を展開.演習・実習に臨む学生の必携書
●「地域・在宅看護論」における看護過程の展開に焦点をあてたテキスト.演習と実習に活用できる.
●地域・在宅看護ならではの視点を統合したアセスメント枠組みを紹介.本書独自の枠組みではあるが,学習した看護理論を問わず違和感なく活用できるよう配慮した.
●得られた各情報を,療養者にとっての「自立した暮らし」「安全な暮らし」「その人らしい暮らし」の観点から再整理し,療養者が望む暮らしを実現するための支援につなげる.事例編では,5つの事例にこのアセスメント枠組みを適用し,看護過程を展開する.
●療養者本人と家族,そして支援者たちにとって,その療養生活にどのような意味があったのかを振り返る場面を設けていることも本書の特徴である.
【目 次】
第1章 地域・在宅看護とは
1 地域・在宅看護とは
2 地域・在宅看護の場
1)療養者にとっての自宅
2)地域における生活の場
3)地域における「生活」「暮らし」
3 地域・在宅看護の対象
1)在宅療養者
2)在宅療養者の家族
3)コミュニティ・地域
4 地域・在宅看護の機能と実践の原則
1.地域・在宅看護の機能
1)療養者・家族の地域での生活の自立の支援
2)療養者の健康・生活機能の回復・維持,悪化予防
3)療養者・家族の生活の質(QOL)の向上
4)終末期にある療養者・家族に対するエンドオブライフ・ケア
5)療養者・家族を取り巻く地域のケアの水準の向上
2.地域・在宅看護実践の原則
1)主体性・個別性を尊重する
2)暮らしを重視する
3)強みをいかす
4)家族を支援する
5)ケアチームメンバーとの調整・連携・協働を推進する
6)問題解決型アプローチだけでなく目標志向のアプローチを行う
7)地域ケアの仕組みづくりに参画する
第2章 地域・在宅看護における看護過程の展開
1 看護過程の基本的な考え方
1)家族=介護者かつ看護の対象
2)対象(療養者と家族)の希望を知ること
3)多職種との情報共有による対象の理解
4)柔軟な論理的思考による情報収集
5)今後を予測した支援
6)多職種連携
2 地域・在宅看護における看護過程の特徴
1)アセスメント
2)看護課題の明確化
3)計画立案
4)実施(介入)
5)評価
3 地域・在宅看護過程における情報収集とアセスメント
1.地域・在宅看護過程における情報収集
1)情報源
2)情報収集方法
2.地域・在宅看護過程におけるアセスメントの枠組み
1)アセスメントの13項目
2)生活の視点で整理する3項目
3)今後の療養生活の方向性
4 地域・在宅看護過程における目標・計画・実施(介入)・評価
1.地域・在宅看護過程における目標
1)すべての療養者に共通する目標
2)包括的目標
3)小さな目標の積み重ね
4)療養者と家族の折り合い
5)療養者・家族と訪問看護師の折り合い
2.地域・在宅看護過程における計画
1)在宅看護の計画=OTEC
2)訪問看護師のいない時間
3)地域住民などとの協働
3.地域・在宅看護過程における実施(介入)
4.地域・在宅看護過程における評価
第3章 地域・在宅看護の展開に必要な基本的知識
1 地域・在宅看護に関連する制度
1.医療保険制度
1)医療保険の種類
2)保険診療の流れ
3)医療保険の給付
2.介護保険制度
1)サービス利用の手続き
2)介護保険による給付
3)地域支援事業
3.訪問看護の制度
1)訪問看護事業所(訪問看護ステーション)
2)訪問看護のしくみ
2 協働する多職種とその役割
3 協働する関係機関・関係組織
第4章 地域・在宅看護における看護過程の実際
事例1 脳梗塞による後遺症が残り,在宅療養を開始したAさん
事例2 友人の支援を得て一人暮らしを続けるがん終末期のBさん
事例3 サービスを利用して在宅療養を継続しているCさん夫婦
事例4 人工呼吸器を使用して外出をする在宅ALS療養者のDさん
事例5 家族の生活継続も大切であり,在宅療養の継続困難が予想されるEさん