症候学から見極める認知症**新興医学出版社/池田 学/978-4-88002-127-0/9784880021270**

販売価格
6,160円(税込み)
編著
池田 学(大阪大学精神医学教室 教授)
出版社
新興医学出版社
分野
 
脳神経科学・神経内科学

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販売期間
2023/12/08~
商品コード
9784880021270
発行 2023年12月
判型:B5判 224頁
ISBN 978-4-88002-127-0

いまこそ、症候学!

疾患修飾薬が承認され、認知症診療が劇的に変わろうとしている。この流れのなかで認知症の薬物療法、非薬物療法は、より早期からの介入が求められることとなった。これまで以上の精微な症候学の知識と最新バイオマーカーを組み合わせた正確な診断が求められている。バイオマーカーを適確に用いるためにも、症候学の知識は欠かすことができない。また、症候学は妄想や攻撃性といった派手な症候の裏に隠された本人の思いや苦悩を読み解く鍵となる。診断されたあとも適切なケアを継続していくうえで欠かせないものである。

【目 次】
第Ⅰ章 総論
1.認知症診療における症候学の重要性
  認知症診療における症候学の役割
  病歴
  神経症候
  神経心理症候
  認知症の行動・心理症状(BPSD)

2.神経心理学的検査と症候学
  MMSEの症候学的ポイントと有用な追加課題
  MMSEの施行順序と教示内容例

3.画像と症候学
  大脳の領域とその機能
  認知症の行動・心理症状(BPSD)と脳画像
  123I-MIBG心筋シンチグラフィ
  ドパミントランスポーターシンチグラフィ

第Ⅱ章 認知症をきたす疾患の症候学
1.アルツハイマー病の症候学

  アルツハイマー病(AD)概念の変遷と症候学
  AD診断における基本的な注意点
  ADにおける全体的行動の特徴や診察上の注意点
  要素的な認知機能障害
  行動・心理症状(BPSD)
  高齢者ADと非定型ADについて

2.血管性認知症の症候学
  血管性認知症(VaD)の基本的なタイプとそれらの症候
  血管性病変をもつ認知症患者
  脳微小出血(CMBs)と脳アミロイド血管症(CAA)

3.レビー小体型認知症の症候学
  認知機能障害
  レビー小体型認知症(DLB)の精神症状
  レビー小体型認知症(DLB)の神経症候
  Prodromal DLB

4.前頭側頭葉変性症の症候学
  行動異常型前頭側頭型認知症(bvFTD)にみられる特徴と鑑別診断
  意味性認知症(SD)にみられる特徴と鑑別診断
  進行性非流暢性失語(PNFA)にみられる特徴と鑑別診断
  治療とケア

5.大脳皮質基底核変性症と進行性核上性麻痺の症候学
  大脳皮質基底核変性症(CBD)
  進行性核上性麻痺(PSP)

6.正常圧水頭症と慢性硬膜下血腫の症候学
  特発性正常圧水頭症(iNPH)
  慢性硬膜下血腫(CSDH)

第Ⅲ章 症候学 各論
1.せん妄

  せん妄の概説
  せん妄の診察ツール
  せん妄の予防・治療

2.うつとアパシー
  認知症に合併するうつ状態と老年期うつ病
  認知症の前駆段階でみられるうつ状態
  うつ病性仮性認知症
  認知症のうつ状態
  アパシーとうつ状態
  アパシーへの対応

3.注意障害
  行動異常型前頭側頭型認知症(bvFTD)
  大脳皮質基底核症候群(CBD)
  アルツハイマー病(AD)
  レビー小体型認知症(DLB)

4.遂行機能障害
  遂行機能障害の定義
  遂行機能障害の検査法
  行動異常型前頭側頭型認知症(bvFTD)の診断における遂行機能障害について
  認知症の行動・心理症状(BPSD)の家族介護者の態度との関連

5.記憶障害
  記憶とは
  認知症における記憶障害

6.幻覚
  幻覚の定義,種類
  認知症,器質性精神障害と幻覚
  主要な認知症疾患と幻覚
  その他の高齢者疾患と幻覚
  認知症における幻覚の発症機序
  幻覚の治療

7.妄想
  妄想とは
  認知症でよくみられる妄想
  各認知症疾患でみられる妄想
  認知症における妄想の治療

8.常同・強迫行動
  前頭側頭型認知症(FTD)
  ハンチントン病(HD)
  パーキンソン病(PD)
  進行性核上性麻痺(PSP)
  自閉スペクトラム症(ASD)

9.食行動異常
  認知症患者における食行動
  食行動異常の症候学
  アルツハイマー病(AD)における食行動異常
  前頭側頭型認知症(FTD)における食行動異常
  レビー小体型認知症(DLB)における食行動異常

10.睡眠関連症状
  認知症の鑑別診断に役立つ睡眠関連症状
  認知症患者や家族のQOLに影響する睡眠関連症状
  知っておきたい一次性睡眠関連疾患の睡眠関連症状

11.失語および関連言語症状
  言語症状を診る基本ポイント―要素的言語症候と関連する症候―
  進行性失語の診断ポイント
  認知症性疾患と失語症の関係

12.失行症(行為・動作の障害)
  失行の前提要件(鑑別症候)
  古典的失行のここでの表記法
  狭義の失行とその基本的な評価法
  非失行性の行為・動作障害との鑑別
  他人の手(症候群)について

13.相貌認知障害と鏡現象
  既知の相貌認知の障害(相貌失認)
  相貌の意味記憶障害(人物特異的意味記憶障害)
  鏡現象

第Ⅳ章 症候学から生活支援へ
1.自動車運転

  増加する高齢ドライバーと交通事故との関連性
  道路交通法の変遷と把握しておくべき最新の関連法
  臨床場面における具体的対応と生活指導
  運転行動・運転能力と認知症との関連性

2.症候学から認知症の人を理解する―在宅支援を中心に―
  認知症診断と支援
  認知症の原因疾患別の対応法(環境調整)
  認知症支援における多職種連携と地域連携
  オンラインを用いた遠隔支援

COLUMN  認知症に対する薬物療法up to date
COLUMN  認知症におけるPET画像診断up to date
COLUMN  右側頭葉優位型の前頭側頭型認知症について
COLUMN  認知症と口腔機能―歯科との連携―
COLUMN  認知症と感染症(主にCOVID-に関して)
COLUMN  介護保険制度と診断後支援