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化学物質の複合影響と健康リスク評価**医歯薬出版/青木 康展/978-4-263-73220-5/9784263732205**

販売価格
33,000円(税込み)
編著
青木 康展
出版社
医歯薬出版
分野
 
保健

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書籍版 販売期間
2024/02/21~
JANコード
9784263732205
商品コード
9784263732205
発行 2024年2月
判型:B5判 176頁
ISBN 978-4-263-73220-5

編:青木 康展 / 青山 博昭

環境保健における化学物質の複合曝露と健康リスク研究についてわが国を代表する執筆陣がまとめた本邦初の必携書!

●飲料水,大気,食品といった環境媒体からの環境汚染物質による曝露は,特定の媒体から特定の化学物質のみが選択的に摂取されることはほとんどなく,多くの場合,複数の化学物質を複数の媒体から摂取している.このような曝露形態を化学物質の複合曝露と呼び,その結果,複合影響が発生すると考えられる.

●複合影響の健康リスク評価の手法は欧米を中心に研究が開始され,特にこの10年間は化学物質による健康影響を最小化することが国際的に求められ,その評価の考え方や手法の進歩と社会実装は目を見張るものがあるが,我が国ではこれらの進歩を紹介する成書はいまだに刊行されていなかった.

●本書は,化学物質の複合影響と健康リスク評価の基礎となる考え方と手法,さらに,我が国における複合影響評価手法の研究とリスク管理への適用の実際について,専門家の考え方を取りまとめられた本邦初の日本語による成書である.

【目 次】


第1章 複合曝露によるリスク評価の考え方と方法論
 第1節 混合物のリスク評価 総論
  1.混合物のリスクを評価する意義
  2.米国環境保護庁(U.S. EPA)による混合物のリスク評価のためのガイダンス
  3.WHO/IPCSによる段階的アプローチの提案
  4.ヨーロッパにおける複合曝露の評価手法の開発
  5.複合曝露のリスク評価における近年の動向

 第2節 化学物質の複合曝露評価における段階的リスク評価アプローチ(WHO/IPCSフレームワーク)
  1.はじめに
  2.フレームワーク評価の目的
  3.複合曝露評価における課題を明確化
  4.フレームワークの概要
  5.フームワークの適用事例
  6.おわりに

 第3節 混合物全体アプローチと組成物アプローチ
  1.はじめに
  2.複数の化学物質による複合曝露評価の対象範囲の設定:評価グループの設定
  3.混合物全体アプローチと組成物アプローチ
  4.混合物全体アプローチによるリスク評価
  5.組成物アプローチによるリスク評価

 第4節 毒性学的懸念の閾値(TTC:Threshold of Toxicological Concern)
  1.はじめに
  2.TTCの発展
  3.規制におけるTTCの適用
  4.TTC適用において考慮すべき事項
  5.未同定物質や複合曝露へのTTC適用
  6.おわりに

 第5節 AOPアプローチ
  1.AOP開発の背景
  2.AOPとは何か?
  3.AOP開発を促すOECDの取り組み
  4.AOPは役立つのか?
  5.OECDで承認されているAOP

第2章 複合曝露による毒性の評価手法
 第1節 遺伝子発現を指標とした毒性評価・予測
  1.複合影響とは
  2.Mountain of Happiness
  3.内分泌かく乱化学物質を例とした動物実験による複合影響
  4.今後の展開
  5.おわりに

 第2節 ヒト細胞を用いた化学物質の安全性評価
  1.動物試験と細胞試験
  2.細胞試験におけるRNAの有用性
  3.サロゲート分子としてのRNA
  4.化学物質に感受性の高いヒト細胞の開発
  5.蛍光RNAプローブを用いた化学物質の安全性評価手法の開発
  6.ナノビーズを用いた新規DNA/RNA検出法の開発
  7.細胞試験と長鎖ノンコーディングRNA

 第3節 化学物質の複合影響による細胞毒性発現:芳香族炭化水素受容体(AhR)活性化を指標として
  1.化学物質によるAhRの活性化
  2.ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬によるAhR活性化への増強作用
  3.ベンゾイミダゾール化合物によるAhR活性化の増強
  4.AhR活性化の複合影響を惹起する化合物の網羅的検索
  5.おわりに

 第4節 エクスポソーム解析
  1.化学物質と健康
  2.エクスポソームとは何か?
  3.エクスポソームのモデル実験

 第5節 化学物質のHuman Biomonitoring
  1.背景
  2.HBMとは何か
  3.諸外国におけるHBMの実例
  4.HBMの有用性と課題
  5.我が国におけるHBMの現状と課題

第3章 生活環境からの複合曝露のリスク評価・管理
 第1節 食品中化学物質による複合影響の多方面からの実験的アプローチ
  1.作用機序を考慮した複合影響
  2.ライフスタイルに起因する発がん修飾因子による複合影響
  3.ライフステージによる有機リン剤の複合曝露に対する感受性
  4.ライフステージによる農薬複合曝露の免疫毒性影響(獲得免疫抑制およびアレルギーに及ぼす影響)
  5.in vitro dataからの複合影響予測
  6.化学的解析からのフェノール性化合物の複合影響予測
  7.おわりに

 第2節 ダイオキシン類対策における毒性等価係数(TEF)および毒性等量(TEQ)を用いた環境基準
  1.毒性等量(Toxic Equivalent:TEQ)の考え方
  2.異性体混合物の複合影響としてのTEF-TEQの考え方
  3.塩素化ダイオキシン類以外またヒト以外の生物さらに環境試料に対するTEF
  4.我が国の環境行政におけるTEF-TEQの利用
  5.ダイオキシン類TEQの運用経験からの今後の複合影響評価への示唆

 第3節 水道水中に含まれる化学物質の複合曝露のリスク評価と管理
  1.水道水中の化学物質
  2.飲料水に含まれる化学物質の発生源の分類
  3.水源や飲料水に含まれる混合化学物質のヒトへの曝露
  4.フレームワークで使用される手法
  5.WHO飲料水水質ガイドラインにおける取り扱い
  6.日本における水質基準の設定
  7.水質基準等の考え方と分類方法
  8.水道における混合物の評価に向けて