精神看護学 学生-患者のストーリーで綴る実習展開 第3版**医歯薬出版/田中 美惠子/978-4-263-71070-8/9784263710708**

販売価格
2,970円(税込み)
編著
田中 美惠子
出版社
医歯薬出版
分野
 
精神看護

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書籍版 販売期間
2024/02/27~
JANコード
9784263710708
商品コード
9784263710708
発行 2024年2月
判型:B5判 292頁
ISBN 978-4-263-71070-8

14の事例で精神看護学実習のリアリティが体験できる好評書の第3版.

●精神看護学の基本的な考え方や技術・技法について復習でき,実習の流れに沿って,「看護計画のための情報の整理」,「看護計画の実際」,「カンファレンスと実習の振り返り」という順序で構成.「看護計画の実際」では,各精神障害別に,それぞれの障害に関する基本的な知識と看護のポイントを押さえつつ,学生と患者とのストーリー展開を通して,看護計画の立案が学べるよう工夫した.

●実践に即した形で必要なときに必要な知識が取り出せるよう「コラム」,「復習のための資料」として随所に記載.

●第3版では,診断基準をDSM-5-TRに準拠するとともに,一部法制度を見直した.

【目 次】
第I部 総論
 第1章 本書における精神看護学のとらえ方―精神看護QOLモデル

  1.精神看護実践の目的
  2.精神看護学の知識と技術
    1)精神看護学の知識
    2)精神看護学の技術
  3.精神看護実践の特徴
    1)対人プロセスを通した生活援助
    2)精神看護実践における対象理解
    3)精神看護実践における行為と内省
  4.精神看護実践の構造
  5.精神看護実践における対象のとらえ方と看護援助の原則
    1)対象のとらえ方
    2)看護援助の原則
  6.精神看護実践における看護の役割
  7.精神看護学の実習目標

 第2章 精神看護学の技術と技法
  1.基本的技術
    1)精神状態をアセスメントする技術
     復習のための資料
      意識に関する復習
      知能に関する復習
      記憶に関する復習
      見当識に関する復習
      知覚に関する復習
      思考に関する復習
      感情に関する復習
      意欲に関する復習
      自我意識に関する復習
    2)対人関係的技術
  2.精神看護実践に共通する働きかけの技法

 第3章 セルフケアへの援助
  1.セルフケアと精神看護
  2.オレムによるセルフケアの定義
  3.アンダーウッドによるオレム看護論の修正・操作化
    1)基本的条件づけの要素
    2)普遍的セルフケア要素
  4.ケアレベル
  5.本書におけるセルフケア評価表
  6.セルフケア行動の観察ポイント
  7.セルフケアの具体的援助方法

第II部 各論 臨地実習
 第1章 実習のための心構え

  1.精神看護学実習の始まり
  2.実習の展開―患者との出会いから別れまで―
    1)初期:患者と出会い,互いに知り合う時期
    2)中期:行動を共にし,関係を深める時期
    3)後期:関係を終結していく時期
  3.学生自身の成長と自己評価
  実践に役立つ10カ条

 第2章 看護計画のための情報整理
  1.基本的データを把握しましょう!
    1)氏名(イニシャルなど)
    2)年齢
    3)性別
    4)入院形態
    5)保険と年金
    6)診断名
  2.これまでの患者さんの歩みを把握しましょう!
    1)生活歴
    2)家族歴・家族構成
    3)初発年齢
    4)現病歴・入院歴
  3.現在の患者さんの状態を把握しましょう!
    1)精神状態をアセスメントしてみましょう!
    2)身体の状態を把握しましょう!
    3)現在行われている治療はどのようなものですか?
    4)セルフケア行動を観察してみましょう!
    5)発達段階をアセスメントしてみましょう!
  4.これからの患者さんの可能性について一緒に考えましょう!
    1)患者さんが利用できるサービスやサポートにはどのようなものがありますか?
    2)患者さん本人の希望はどのようなものですか?
  5.これまでの情報をまとめて,患者さんの状態をアセスメントし,看護目標につなげていきましょう!
    1)これまでの情報をまとめて,患者さんの全体像を描き出してみましょう!
    2)患者さんの状態をアセスメントし,看護目標へつなげていきましょう!
  6.看護計画を立ててみましょう!
    1)長期目標
    2)短期目標
    3)具体策と日々の看護計画・実施・評価

 第3章 看護計画の実際
  1 統合失調症急性期の患者の看護
   1.事例紹介
   2.ここで統合失調症について復習してみましょう!
   3.看護のポイント
    1)慣れない入院に対する不安への援助
    2)低下しているセルフケアへの援助
    3)病的な体験に伴う不安への援助
    4)家族の不安に対する援助
   4.実習の展開
    初期
    中期
    後期
  2 統合失調症慢性期の患者の看護I 無為・自閉的な患者の場合
   1.事例紹介
   2.ここで統合失調症の慢性期について復習してみましょう!
   3.看護のポイント
    1)患者の意思やペースを尊重したかかわりによる自発性を高める援助
    2)慢性化やホスピタリズムによって低下しているセルフケアへの援助
    3)健康な面を引き出し自尊心を高める援助
    4)身体症状の観察による合併症の早期発見と予防
   4.実習の展開
    初期
    中期
    後期
  3 統合失調症慢性期の患者の看護II 退院をめざす患者の場合
   1.事例紹介
   2.ここで統合失調症の慢性期について復習してみましょう!
   3.看護のポイント
    1)患者が望む生活を具体的に描き出すための援助
    2)セルフケアの維持・拡大への援助
    3)病気や薬とのつきあい方を獲得するための援助
    4)家族への援助
    5)社会資源を活用することへの援助
   4.実習の展開
    初期
    中期
    後期
  4 双極症患者の看護
   1.事例紹介
   2.ここで双極症について復習してみましょう!
   3.看護のポイント
    1)刺激の少ない落ち着いた環境をつくりながら,患者が安心して入院生活が送れるような援助
    2)確実に薬物療法が行えるような援助
    3)活動性の亢進あるいは低下に伴う日常生活のセルフケア援助
    4)家族への援助
   4.実習の展開
    初期
    中期
    後期
  5 うつ病患者の看護
   1.事例紹介
   2.ここでうつ病について復習してみましょう!
   3.看護のポイント
    1)安心して休養できるような人的・物的環境の整備
    2)確実に薬物療法が行えるような援助
    3)活動性の低下に伴う日常生活のセルフケア援助
    4)自殺企図の可能性に対する十分な観察と援助
    5)家族への援助
   4.実習の展開
    初期
    中期
    後期
  6 強迫症患者の看護
   1.事例紹介
   2.ここで強迫症について復習してみましょう!
   3.看護のポイント
    1)安心できる関係を通した不安の軽減
    2)健康的な日常活動を通した自尊感情を高めるための援助
    3)強迫行為によって低下しているセルフケアへの援助
   4.実習の展開
    初期
    中期
    後期
  7 ボーダーラインパーソナリティ症患者の看護
   1.事例紹介
   2.ここでボーダーラインパーソナリティ症について復習してみましょう!
   3.看護のポイント
    1)入院に伴う見捨てられ不安や,未熟な対人関係によって引き起こされている日常生活の支障に焦点を当てたセルフケア援助
    2)自分の言動に責任をもち,自分の行動に対してコントロール感をもてるように,医療スタッフと共通した制限枠を用いながらの毎日の援助
   4.実習の展開
    初期
    中期
    後期
  8 摂食症群患者の看護
   1.事例紹介
   2.ここで摂食症群について復習してみましょう!
   3.看護のポイント
    1)全身状態のアセスメントと身体的援助
    2)不適切な対処行動の改善
    3)低い自尊心とボディイメージの変容
    4)家族内の問題解決の援助
   4.実習の展開
    初期
    中期
    後期
  9 アルコール使用症患者の看護
   1.事例紹介
   2.ここでアルコール使用症について復習してみましょう!
   3.看護のポイント
    1)全身状態のアセスメントとアルコール離脱症状への援助
    2)リハビリテーションプログラムへの導入の援助
    3)家族への援助
   4.実習の展開
    初期
    中期
    後期
  10 身体合併症を有する高齢の統合失調症患者の看護
   1.事例紹介
   2.ここで統合失調症について復習してみましょう!
   3.看護のポイント
    1)身体合併症による全身状態のアセスメント
    2)身体合併症により低下したセルフケアへの援助
    3)身体合併症による症状・検査・治療の不安を軽減し,理解を促す援助
    4)身体合併症に対する治療や対処行動をセルフケアに取り入れて実行できるような援助
   4.実習の展開
    初期
    中期
    後期
  11 外来におけるうつ病患者の看護
   1.事例紹介
   2.ここでうつ病と認知行動療法について復習してみましょう!
   3.外来看護のポイント
    1)安心して受診できるための援助
    2)症状悪化の早期発見,事故防止
    3)生活上の困りごとの把握と継続的な支援
    4)他職種や地域社会との連携
   4.実習の展開
    実習場面1
    実習場面2
    実習場面3
  12 地域で暮らす精神障害者への援助I 就労継続支援事業所
   1.事例紹介
   2.ここで精神障害について復習してみましょう!
    1)精神障害
    2)統合失調症の発病と再発のメカニズム(脆弱性ストレスモデル)
   3.看護のポイント
    1)本人の目標に対する援助
    2)日常生活と疾病管理への援助
    3)日々生じる問題に対する援助
    4)本人が利用できる社会資源の調整
   4.実習の展開
    実習場面1
    実習場面2
    実習場面3
  13 地域で暮らす精神障害者への援助II 訪問看護
   1.事例紹介
   2.ここで精神障害について復習してみましょう!
   3.訪問看護のポイント
    1)本人がいきいきと暮らすための援助
    2)症状をコントロールしながらその人らしい生活を支える援助
    3)日々生じる問題に対する援助
    4)本人が利用している支援機関との連携
   4.実習の展開
    実習場面1
    実習場面2
    実習場面3
  14 地域で暮らす精神障害者への援助III 発達障害をもつ人の理解と援助
   1.発達障害をもつ人との地域での出会い
   2.事例紹介
   3.地域活動支援センターでの実習場面
   4.ここで発達障害について復習してみましょう!
   5.援助のポイント
    1)相談しやすい関係づくりと本人なりの困難の理解
    2)安心できる関係を通した対人関係スキルの支援
    3)障害に合わせた環境調整
    4)周囲の理解の促進と情報提供

 第4章 カンファレンスと実習の振り返り
  1.カンファレンスの目的と意義
  2.カンファレンスの枠組み
    1)場所
    2)時間
    3)人数
    4)司会
  3.実習経過に沿ったカンファレンスの種類と内容
    1)実習前のカンファレンス
    2)実習中のカンファレンス
    3)実習終了時のカンファレンス
  4.カンファレンスに参加するうえでの心構え
    1)まずは相手の話をよく聴きましょう!
    2)思い切って自分の体験や考え・感じたことを話してみましょう!
    3)お互いに自分の考えや感じたことをフィードバックし合いましょう!
    4)カンファレンスは参加者みんなでつくっていくものだという意識をもちましょう!
    復習のための資料
     集団力動(集団力学)group dynamicsとは?
  5.実習の振り返り
  おわりに

 コラム
  精神看護実践のkey概念
  精神看護実践における重要な3つの要素
  二重拘束(ダブルバインド)
  ペプロウの看護の定義
  ペプロウとサリヴァン
  ペプロウによる看護の役割
  オレムのセルフケア理論
  水中毒
  偏見
  「初期の出会い」における看護師の職務(トラベルビーによる)
  人権・障害者権利条約
  守秘義務
  障害者基本法の改正
  障害者虐待防止法(障害者虐待の防止,障害者の養護者に対する支援等に関する法律)
  障害者差別解消法(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)
  セクシュアリティ
  インフォームド・コンセント
  精神保健指定医
  特定医師
  保護者制度の廃止
  退院後生活環境相談員
  書面告知
  権利擁護(アドボカシー)
  精神保健福祉士・精神科ソーシャルワーカー(PSW)
  ICD-10,ICD-11,DSM-5-TR
  ホスピタリズム
  記述精神医学
  力動精神医学(フロイトと精神分析学派)
  人間学的精神病理学
  生物・心理・社会的モデルとリハビリテーションアプローチ
  精神分析療法
  森田療法
  催眠療法
  遊戯療法
  集団精神療法
  SST(生活技能訓練)
  公認心理師,臨床心理士(CPP,CP)
  行動制限
  生活のしづらさ
  パターナリズム
  芸術療法
  患者教育
  障害受容
  心理教育
  家族教室・家族心理教育
  ケアマネジメント・ケアマネジメント従事者
  炭酸リチウム
  病識
  プライマリーナーシング・プライマリーナース
  強迫神経症
  作業療法・作業療法士(OT)
  行動化・アクティングアウト
  分離・分裂
  分離・個体化過程
  対人操作
  転移
  逆転移
  見捨てられ不安
  行動療法
  家族療法
  アルコール健康障害対策基本法
  家族力動
  集団療法
  精神障害者と身体合併症
  認知症(神経認知障害)
  自殺予防
  自殺対策基本法
  職場復帰支援(リワーク支援)
  国際生活機能分類(ICF)
  セルフヘルプグループ
  退院支援制度
  社会的入院
  精神科退院指導料・精神科退院前訪問指導料
  ピアサポート・ピアカウンセリング
  リカバリー
  発達障害者支援法
  自閉症とアスペルガー症候群
  アウトリーチ
  地域活動支援センター
  リエゾン精神看護

 付録1 身体的検査と心理テスト
  身体的検査
   脳波
   CT
   MRI
  心理テスト
   WAIS
   改訂長谷川式簡易認知機能評価スケール
   ミニメンタルステート検査
   MMPI
   ロールシャッハテスト
   TAT
   記銘力テスト

 付録2 精神科で使われる主な薬剤とその副作用
  抗精神病薬
  抗うつ薬
  気分安定薬(抗躁薬)
  抗不安薬
  睡眠薬
  抗てんかん薬
  抗パーキンソン病薬
  抗酒薬
  抗精神病薬で起きやすい副作用

 付録3 精神障害者が利用できる主な社会資源
 巻末資料
  (1)国連決議「精神疾患を有する者の保護及びメンタルヘルスケアの改善のための諸原則」(1991年)
  (2)処遇の基準 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第37条第1項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準