認知症の人びとの看護 第4版**医歯薬出版/中島 紀惠子/978-4-263-71072-2/9784263710722**

販売価格
3,850円(税込み)
編著
中島 紀惠子
出版社
医歯薬出版
分野
 
老年看護

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書籍版 販売期間
2024/06/27~
JANコード
9784263710722
商品コード
9784263710722
発行 2024年6月
判型:B5判 240頁
ISBN 978-4-263-71072-2

蓄積されてきた認知症ケアの学識,看護現場で成果をあげてきた取り組みに触れる一冊.待望の改訂第4版

●今版では第1部「認知症を病むということ」,第2部「認知症の人をケアするということ」,第3部「認知症を支える地域包括ケア」の3つのテーマに沿って再構成し,各部に収載すべき事項をあらためて検討している.

●「認知症主要疾患と看護」「身体疾患の治療を受けている人への認知症看護」「専門職間連携」「疫学的視点と政策の変遷」に関する項目は改訂の範囲にとどまらず,新たに書き起こした.

●コラム欄もさらに充実した.「せん妄」「高齢者てんかん」など臨床での困りごとへの助けとなること,「ポリファーマシー」「不穏時/不眠時薬剤投与」など薬剤に関すること,「認知症ケア加算」「せん妄ハイリスクケア加算」「特定認定看護師」など制度に関すること,その他さまざまな情報を収載している.

●初版の発行から20年にも満たない間に,認知症の人の自立と尊厳を支えるケアは大きく変わり,昨年には認知症基本法も成立した.これまでに蓄積されてきた認知症ケアの学識,看護現場で成果をあげてきた取り組みにぜひ触れてほしい.

【目 次】
1章 認知症とともに生きるということ
 1.新しい認知症観への転換
 2.看護における認知症とは
  認知症の定義
  認知症の定義をもとに,認知症看護の焦点を確認すると……
 3.「認知症の人」とは
  「認知症の人」のとらえ方と使用する用語の重要性
  「認知症の人」の基礎的理解
 4.認知症看護の基本
  “本人視点“を日常のあたりまえに……“本人視点”のスキルを日常のなかで磨く
  ともにある……共在のケア
  本人のありのままの声を聴く……本人発信の支援をしながら
  全人的なニーズを探る……本人そして多資源のチームでともに
  本人にとっての健やかさと安全を守る
  本人が望む暮らしの継続を支える……本人起点で地域の多資源との連携協働
  小さな希望とユーモアを……あきらめずに楽しく解放される一時をつくり好転を待つ
 5.認知症看護の今日的課題
  先を見越した認知症看護の組織的な拡充
  本人の声と力や価値観に応じた看護の共創
  本人の声から進める認知症バリアフリーと,看護ならではの機能の発揮
  地域で求められる看護役割機能の強化……早期から最期まで継続的な暮らしを守るハブに
  自分ごととして,当事者性をもった認知症看護の質向上……日々のなかで

2章 認知症の病態・アセスメント・治療
 1.国際的に用いられている認知症の診断基準
  DSM-5,NIA-AA,ICD-11における認知症の診断基準
  認知症の原因となる疾患
 2.認知症の原因疾患の診断基準,病態と経過
  アルツハイマー型認知症
  血管性認知症
  レビー小体型認知症(DLB)
  前頭側頭葉変性症(FTLD)
 3.認知症の認知機能障害と行動・心理症状(BPSD)
  認知症の認知機能障害
  認知症の行動・心理症状(BPSD)
  認知症の認知機能障害の評価
  認知症のBPSDの評価
 4.薬物療法のマネジメント
  認知症の人の生活の質向上を目的とする薬物療法
  認知症の人に使用される頻度が高い薬剤
  薬物療法における注意点と看護職の役割
  薬物療法の目的・効果を多職種チームで共有する

3章 認知症の人の看護における倫理
 1.認知症の人に生じやすい二重の困難さ
  認知症の人自身のなかにあるズレ
  認知症の人と家族や周囲との関係におけるズレ
 2.認知症の人の意思表示
 3.認知症の人の意思決定支援
 4.アドボカシー
 5.認知症の人にかかわる倫理的課題
  身体拘束
  虐待
 6.認知症の人の倫理的課題への対応

4章 認知症の人とのコミュニケーション
 1.かかわりの糸口
 2.コミュニケーションの定義
 3.コミュニケーションの基本
  コミュニケーションに影響を及ぼす要因
  言語・非言語メッセージの理解
 4.認知症の人とのコミュニケーションの特徴
  アルツハイマー型認知症の進行に伴うコミュニケーションの特徴
  アルツハイマー型認知症以外のタイプごとの特徴
 5.コミュニケーション能力のアセスメント
  視力・聴力のアセスメント
  言語メッセージを中心としたコミュニケーションのアセスメント
  非言語メッセージのアセスメント
  発語発声器官のアセスメント
 6.コミュニケーションへの援助
  援助者自身の態度を振り返り,聞く力を身につける
  コミュニケーションに適した環境づくり
  コミュニケーションの可能性に働きかける

5章 認知症の人の生活環境・療養環境づくり
 1.認知症の人にとっての「環境」
  環境
  環境世界
  生活と暮らし
  生活環境と療養環境
 2.環境変化が認知症の人に及ぼす影響
  移転ストレス症候群(RSS)
  移転による環境変化がもたらす「生活の落差」
  環境変化がもたらす認知症の行動・心理症状(BPSD)
 3.生活環境・療養環境づくりのための原理・原則
  当事者本位の環境づくり
  認知症の人と社会とをつなぐ環境づくり
  理論と実践を兼ね備えた意図的な環境づくり
 4.環境づくりのための理論とモデル
  環境をデザインするための「ナッジ理論」
  環境モデル
 5.認知症の人の環境アセスメントと指針
  環境アセスメントのための枠組み
  環境支援指針
  環境づくりで考慮すべきアセスメントの視点
 6.認知症の人の生活環境・療養環境づくりの進め方
 7.認知症の人の生活環境づくりの実際
  初期診断後の環境づくり
  地域社会における環境づくり
  日常生活における環境づくり
 8.認知症の人の療養環境づくりの実際
  入院時における療養環境づくり
  転倒転落の予防に向けた療養環境づくり
  認知症の行動・心理症状(BPSD)の予防に向けた療養環境づくり
  治療・検査をふまえた療養環境づくり

6章 認知症の人のケアマネジメント
 1.ケアとケアマネジメントの今日的課題
  看護マネジメントの視点と課題
 2.認知症ケアマネジメント
  ケアマネジメントに求められる中間管理職の役割
  認知症の人のケアマネジメントの視点と方法
  多面的情報の統合評価
  生活リズム回復のためのケアマネジメント
  ケアマネジメントの成果を何から評価するか
  認知症の人の意思決定支援
 3.活動の場の違いによるケアマネジメントの諸課題
  病院におけるケアマネジメントの役割と課題
  介護保険施設におけるケアマネジメントの役割と課題
  訪問看護ステーションと看護小規模多機能型居宅介護におけるケアマネジメントの役割と課題

7章 認知症の主要疾患と身体疾患をあわせもつ人の看護
 1.認知症主要疾患とその症候群におけるマネジメントの要点
  アルツハイマー型認知症
  血管性認知症
  レビー小体型認知症
  前頭側頭葉変性症
 2.身体疾患の治療が必要な認知症の人の看護
  加齢による健康状態の変化
  薬物療法の影響
  侵襲的治療や生活様式の変容を伴う医療とその支援
 3.認知症の人にとって問題となりやすい身体疾患と看護
  慢性心不全
  糖尿病
  慢性腎臓病
  大腿骨近位部骨折
  がん
  感染症

8章 認知症の人のエンドオブライフ・ケア
 1.エンドオブライフの考え方
  有終の美を飾ることを目標とする
  認知症のエンドオブライフ・ケア
  認知症の人の意思の尊重
  終焉の時を支える社会の動き
  死は人生のプロセスのひとつ
 2.より良い旅立ちに向けてのマネジメント
  旅立ちを意識する時期
  良い旅立ちのための症状マネジメント……終末期の徴候
  エンドオブライフ・ケアにおける家族マネジメント
  エンドオブライフ・ケアにおけるスタッフ側の課題
 3.人の良き旅立ちのあり方
  当事者の状態に目を向ける
  当事者の望むありたい最期を支援する
 4.エンドオブライフ・ケアにおける基本ケア
  最期の時を心地良く過ごしてもらうために
  臨死期症状に対するケア
  最期の時を心地よくするための多職種連携・協働における看護職の役割
 5.家族のグリーフケア
  日々のケアが家族のグリーフケア
  家族に良い余韻を残す
 6.スタッフの教育
  日々のケアの意味づけ……ケアを語る
  ケアリングを基盤としたエンドオブライフ・ケア教育

9章 家族が介護するということ,支えるということ
 1.家族とは何か
 2.家族の多様化
  家族のライフ・コース
  高齢者世帯の動向と未婚率の増加
  認知症介護家族の劇的変化
 3.介護家族の“内実”を知る
  用語(介護)の由来
  介護家族の“ケア”を意味づけるもの
  介護困難の内実
 4.介護家族の支援のあり方
  認知症の診断・告知,その前後に起こりやすい家族の苦悩
  知識や情報ではない,本人・家族が求めている支援
  家族アセスメントの必要性
  パートナーシップにもとづく家族支援
  ピアグループ(peer group)とのパートナーシップ

10章 認知症支援における専門職間連携 ―地域包括ケアの目線から
 1.地域包括ケアシステム
  地域包括ケアシステムとは
  地域包括ケアの本質
 2.専門職間連携
  連携の基盤となる考え方
  チーム医療
  病院内チーム:認知症ケアチーム
  地域内チーム活動の実際:認知症初期集中支援チーム
 3.これからの専門職間連携
  専門性の高い看護師の活用
  情報共有のDX(digital transformation)

11章 認知症の疫学的視点と政策の変遷
 1.認知症の疫学的視点
  世界における認知症の疫学的動向
  日本における認知症の疫学的動向
 2.認知症政策の変遷
  世界における認知症施策
  日本における認知症施策の変遷