卒後20年目 総合内科医の診断術 ver.3**中外医学社/石井 義洋/978-4-498-12008-2/9784498120082**
- 編著
- 石井 義洋(宮崎県立宮崎病院救急・総合診療センター総合診療科科長)
発行 2024年7月
判型:A5判 1,086頁
ISBN 978-4-498-12008-2
内容もボリュームも大幅にバージョンアップした総合診療新時代の進化するバイブル.
「どうしたら正しい診断にたどりつくことができるのか」.誰しもが求める総合内科診療の実践力を,明快かつ詳細にまとめて好評を得た「卒後15年目総合内科医の診断術」が,「卒後20年目?」と改訂改題し大幅リニューアルしました.この5年の間に新たに培われた著者の知識と技術をあますところなく盛り込み,内容もページも大幅に増量.さらに読み応えのある1冊になりました.初診時に診るべきことはもちろん,ピットフォールの対処法も充実.改訂ごとに進化し続ける,総合診療時代のバイブルです.
【目 次】
総合内科虎の巻 ~総合内科医の心得~
CHAPTER 1 救急外来編
CASE 1 意識障害を分析する
意識障害の考え方
意識障害のアプローチ
問診のポイント
身体所見のポイント
目は口ほどに物をいう~意識障害患者の目に注目~
意識障害のスクリーニング検査
意識障害の鑑別疾患
CASE 2 一過性意識障害を分析する~失神? けいれん?~
一過性意識障害の考え方
問診のポイント
身体所見のポイント
検査のポイント
失神とけいれんの鑑別
失神とは
けいれんとは
急性症候性発作・けいれん性失神・偽発作
てんかん
けいれんの初期対応
けいれんの初期治療
CASE 3 失神を分析する~病歴聴取が鍵~
失神の考え方
問診のポイント
身体所見のポイント
失神の鑑別疾患
失神の分類
【One Point Lesson】 意識消失の原因検索に頭部CTは必要か?
CASE 4 失神患者のdisposition~入院させる? 帰宅させる?~
救急医の臨床判断
失神の予後予測スコア
失神患者を帰宅させる前に
CASE 5 頭痛を分析する
頭痛の考え方
問診のポイント
身体所見のポイント
頭痛の鑑別疾患
CASE 6 髄膜炎~疑った時が腰椎穿刺の時~
髄膜炎とは
問診のポイント
身体所見のポイント
腰椎穿刺をするか否か
髄膜炎診療の手順
髄液所見の解釈
無菌性髄膜炎のピットフォール
各髄膜炎の特徴
細菌性髄膜炎の治療
抗菌薬の投与期間
【One Point Lesson】 腰椎穿刺前の頭部CTの適応
CASE 7 原因不明の意識障害~自己免疫性脳炎~
髄膜炎/脳炎/脳症とは
脳炎の分類
脳炎を疑った時の診断アプローチ
CASE 8 めまいを分析する
めまいの分類
めまいの分類の問題点
ERで使えるめまいの分類
めまいのアプローチ
回転性めまいの鑑別疾患
前失神の鑑別疾患
平衡障害の鑑別疾患
浮動性・分類不能型めまいの鑑別疾患
ERでの「回転性めまいと浮動性・分類不能型めまい」のアプローチ
CASE 9 複視を分析する
複視の考え方~片眼性複視と両眼性複視~
複視のアプローチ
内斜視
外斜視
上下斜視
その他(眼位のずれの方向が不規則な疾患)
【One Point Lesson】 一過性黒内障の原因は?
CASE 10 胸痛を分析する
胸痛の考え方
胸痛のアプローチ
問診のポイント
身体所見のポイント
胸部レントゲン・心電図のポイント
胸痛の鑑別疾患
CASE 11 急性冠症候群(ACS)を見逃さない
虚血性心疾患(ischemic heart disease: IHD)とは
安定狭心症(stable angina)とは
急性冠症候群(acute coronary syndrome: ACS)とは
ACSを疑う心電図変化と鑑別疾患
ACS疑い患者の診断アルゴリズム
ACSの治療方針
CASE 12 大動脈解離のピットフォール
大動脈解離とは
発生機序
問診のポイント
様々な臨床徴候
大動脈解離の診断/除外に有用な所見
大動脈解離のピットフォール
大動脈解離の分類と治療方針
偽腔の血流状態による分類
Stanford A型急性大動脈解離の治療方針
Stanford B型急性大動脈解離の治療方針
CASE 13 呼吸困難を分析する
呼吸困難の考え方
問診のポイント
身体所見のポイント
呼吸困難の鑑別疾患
CASE 14 心不全の診断~本当に心不全?~
心不全とは
心不全の原因検索
心不全の問診
心不全の身体所見
胸部レントゲン検査の有用性
胸部CT所見
心電図検査の有用性
BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)の有用性
心臓超音波検査の有用性
心不全の診断
CASE 15 ショックを分析する
ショックの考え方
ショックの病態
ショックのアプローチ
病歴から推定するショックの原因
バイタルサインによるショックの鑑別
身体所見によるショックの鑑別
検査によるショックの鑑別
原因不明のショックのアプローチ
CASE 16 敗血症の治療戦略
SIRS(全身性炎症反応症候群)
敗血症
臓器障害とSOFAスコア
quick SOFAスコア(qSOFA)
敗血症のアプローチ
初期蘇生の治療戦略~EGDTから初期治療バンドル~
血圧の目標値
蘇生の指標
輸液をどこまで入れることができるか?
輸液反応性の指標
輸液の選択
初期抗菌薬の選択
その他の注意すべき事項
CASE 17 トキシックショック症候群って?
トキシックショック症候群(toxic shock syndrome: TSS)
原因
臨床徴候
診断
治療
CASE 18 アルコール関連疾患
アルコール関連疾患
アルコール患者の救急疾患
【One Point Lesson】 飲酒量の問診
CASE 19 糖尿病患者の救急疾患
糖尿病患者の合併症
低血糖発作
高血糖の救急
正常血糖の救急疾患
糖尿病患者と感染症
【One Point Lesson】 免疫不全の分類
CASE 20 びまん性紅斑を分析する
皮疹の考え方
「皮膚が真っ赤」の中身
全身の紅斑(びまん性紅斑)の鑑別疾患
問診事項
紅斑以外の身体所見
びまん性紅斑を呈する代表的な疾患
CHAPTER 2 総合内科外来編
CASE 1 咽頭痛を分析する
咽頭痛の考え方
問診のポイント
身体所見のポイント
鑑別疾患とアプローチ
CASE 2 咽頭炎~抗菌薬は処方する?~
咽頭炎の考え方
起炎菌
A群β溶連菌性咽頭炎(GABHS)の診断
A群β溶連菌性咽頭炎の治療
CASE 3 特発性縦隔気腫と特発性食道破裂
特発性縦隔気腫
疫学
臨床徴候
画像検査
鑑別疾患
特発性縦隔気腫の治療
CASE 4 咳嗽を分析する~遷延性咳嗽のアプローチ~
咳嗽とは
問診のポイント
身体所見のポイント
咳嗽の鑑別疾患
CASE 5 腹痛を分析する
腹痛のピットフォール
問診のポイント
身体所見のポイント
救急搬送される腹痛疾患
CT検査や内視鏡検査でも原因不明の腹痛
【One Point Lesson】 原因不明の腹痛?カーネット徴候とは
CASE 6 虫垂炎を分析する
正常虫垂の位置と虫垂炎
虫垂炎の痛みのメカニズム
問診のポイント
身体所見のポイント
血液検査
診断のスコア
右下腹部痛の鑑別疾患
画像検査の有用性~悩んだらCT~
CASE 7 急性虫垂炎の治療方針~抗菌薬投与? 外科手術?~
British Medical Journalに掲載された論文
抗菌薬投与vs外科手術
【One Point Lesson】 それって本当に心因性?
CASE 8 女性の下腹部痛を分析する
下腹部痛と産婦人科疾患
女性の下腹部痛のアプローチ
問診のポイント
鑑別疾患
骨盤内炎症性疾患(PID)
【One Point Lesson】 妊娠の有無の問診のしかた
CASE 9 腰痛を分析する
腰痛の考え方
問診のポイント
身体所見のポイント
鑑別疾患
CASE 10 関節痛を分析する
関節痛の考え方
問診のポイント
身体所見のポイント
関節炎の鑑別疾患
脊椎関節炎(spondyloarthritis: SpA)
CASE 11 化膿性関節炎と結晶誘発性関節炎
化膿性関節炎
結晶誘発性関節炎
CASE 12 レイノー現象と強皮症
レイノー現象
原因
強皮症
CASE 13 リンパ節腫脹を分析する
リンパ組織と役割
リンパ管の解剖
リンパ節腫脹のアプローチ
問診のポイント
身体所見のポイント
血液検査のポイント
超音波検査の有用性
リンパ節腫脹の鑑別疾患
CASE 14 しびれを分析する
感覚障害としびれ
しびれのアプローチ
問診のポイント
身体所見のポイント
神経伝導速度検査
しびれの鑑別疾患
CASE 15 貧血を分析する
貧血を疑う病歴
貧血の診断に有用な身体所見
貧血のアプローチ
CASE 16 下腿浮腫を分析する~浮腫・低アルブミン血症・蛋白漏出性胃腸症~
下腿浮腫の考え方
問診のポイント
身体所見のポイント
下腿浮腫の鑑別疾患
片側性下腿浮腫のアプローチ
両側下腿浮腫のアプローチ
CASE 17 肝機能障害を分析する
肝機能検査とは
トランスアミナーゼ高値の鑑別疾患
トランスアミナーゼ高値の鑑別手順
問診から原因を推定する
身体所見から原因を推定する
血液検査から原因を推定する
血清学的検査・画像検査
肝障害をきたす代表疾患
CASE 18 急性腎障害を分析する
急性腎障害(AKI)のアプローチ
問診のポイント
身体所見のポイント
検査のポイント
急性腎障害の分類
CASE 19 低Na血症を分析する
低Na血症の考え方
Naの必要量
水の必要量
低Na血症で起こる反応
低Na血症のアプローチ
低Na血症の治療
CASE 20 低K血症を分析する
血清カリウム(K)の役割
低K血症とは
臨床徴候
心電図変化
低K血症の原因
低K血症の鑑別に役立つ検査
低K血症のアプローチ
低K血症の治療
【One Point Lesson】 高K血症の原因と治療
CASE 21 慢性疲労や倦怠感を分析する
疲労と倦怠感
原因
原因不明とされやすい慢性疲労(倦怠感)
【One Point Lesson】 百聞は一見に如かず~先端巨大症の身体所見~
CHAPTER 3 入院診療編
CASE 1 不明熱のアプローチ(1)~不明熱を分析する~
不明熱(fever of unknown origin: FUO)とは
不明熱の分類
問診のポイント
身体所見のポイント
不明熱の検査
不明熱の鑑別疾患
不明熱の鑑別疾患リスト
CASE 2 不明熱のアプローチ(2)~どんな検査が必要か~
不明熱の原因
不明熱のアプローチ
手がかりの有用性と限界
ステロイドの経験的使用
不明熱の予後
CASE 3 不明熱のアプローチ(3)~初期抗菌薬が効かない時はどうする?~
不明熱の診療~熱源はどこか?~
なぜ後腹膜に炎症が起きた?
骨髄炎と診断~その原因は?~
最初に選択した抗菌薬が効かない時にどうするか
カルバペネム系抗菌薬は万能な抗菌薬ではない
【One Point Lesson】 コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CNS)
CASE 4 不明熱(1)~感染性心内膜炎~
感染性心内膜炎とは
起炎菌
リスク因子
臨床徴候
検査所見
診断基準~2023 Duke-ISCVID基準~
診断のピットフォール
血液培養陰性例での治療方針
CASE 5 不明熱(2)~粟粒結核~
結核の感染と発症機序
粟粒結核とは
発症リスク因子
臨床症状
身体所見
検査所見
画像所見
診断~結核菌感染の証明~
粟粒結核のピットフォール~初期には胸部CT検査でも陰影が出現しない~
CASE 6 不明熱(3)~EBウイルスとサイトメガロウイルス~
EBウイルスとは
EBウイルス感染後の生体反応
伝染性単核症とは
臨床徴候
鑑別疾患
伝染性単核症の診断
合併症
CASE 7 不明熱(4)~薬剤熱~
薬剤熱とは
薬剤熱のメカニズム
薬剤熱を起こしやすい薬剤
薬剤熱の特徴
薬剤熱の診断
CASE 8 不明熱(5)~血管炎症候群~
血管炎とは
血管炎の臨床徴候
血管炎の分類
CASE 9 不明熱(6)~リウマチ性多発筋痛症~
リウマチ性多発筋痛症(PMR)とは
臨床徴候
血液検査
PMRの診断基準
PMRの鑑別疾患~PMRミミックズ~
PMRの治療と予後
CASE 10 不明熱(7)~成人スティル病~
成人スティル病とは
臨床徴候
検査所見
画像所見
診断
治療
予後
CASE 11 血球貪食症候群~血小板減少症の鑑別~
血球貪食症候群(HPS/HLH)とは
原因
臨床徴候
診断基準
HPS/HLH診断のポイント
CASE 12 急性胆嚢炎を分析する
急性胆嚢炎とは
胆石発作,総胆管結石症,胆嚢炎,胆管炎の痛みの特徴
診断に有用な病歴や身体所見
血液検査の有用性
画像検査の有用性
急性胆嚢炎の鑑別疾患
急性胆嚢炎の診断基準とピットフォール
急性胆嚢炎の診療指針
CASE 13 急性膵炎を分析する
急性膵炎の原因
病歴と身体所見
血液検査
画像検査
急性膵炎の診断基準
急性膵炎の重症度分類
急性膵炎の合併症
慢性膵炎の診断
CASE 14 胸水貯留の鑑別疾患~滲出性胸水と漏出性胸水~
胸水貯留の病態
胸水貯留のアプローチ
問診/身体所見のポイント
検査のポイント
胸水貯留の鑑別疾患
CASE 15 心嚢液貯留~本当に原因不明?~
心嚢液貯留の考え方
問診のポイント
身体所見/検査のポイント
心嚢液貯留の鑑別疾患
【One Point Lesson】 担癌患者の救急疾患(oncologic emergency)
CHAPTER 4 大事な検査・考え方
CASE 1 感度と特異度と尤度比
感度・特異度とは?
検査前確率とは?
検査後確率と感度・特異度の関係
尤度比とは
目の前の症例に適用する前に…
【One Point Lesson】 治療効果の判定~NNTを調べよう~
CASE 2 臨床推論(1)~レプトスピラ症~
診断と臨床推論
全体像で勝負する
症例の臨床推論
レプトスピラ症
臨床徴候
検査所見
診断
治療と予後
CASE 3 臨床推論(2)~レジオネラ肺炎の診断プロセス~
病歴聴取について
バイタルサインの解釈
身体所見について
血液検査データの解釈
胸部レントゲンについて
胸部CTについて
症例の経過
レジオネラ肺炎とは
レジオネラ肺炎を疑う徴候
レジオネラ肺炎の胸部CT画像
レジオネラ肺炎の診断予測ツール
レジオネラ肺炎の治療
CASE 4 バイタルサインを分析する~脈拍と体温が乖離する時~
脈拍数と体温が乖離する時(pulse-temperature dissociation)
CASE 5 発熱と高体温を分析する
正常体温とは
発熱とは
高体温とは
感染症と熱中症の鑑別
CASE 6 動脈血ガスを分析する
動脈血ガス検査と酸塩基平衡
動脈血ガス判読の基本ステップ
Step(1)(2)~アシデミアとアルカレミア,アシドーシスとアルカローシス~
Step(3)~アニオンギャップ(anion gap: AG)を計算する~
Step(3)~補正HCO3?を計算する~
Step(4)~代償性変化を考える~
Step(5)~酸塩基平衡障害の原因を考える~
静脈血ガスで代用は可能か?
血液検査でも酸塩基平衡の推測ができる?
CASE 7 胸部CT読影のポイント
胸部CT読影のポイント
肺のどこに病変があるか?
どんな病変があるか?
CASE 8 抗核抗体~膠原病のスクリーニング?~
抗核抗体(ANA)とは
抗核抗体を測定する時
抗核抗体のカットオフ値
抗核抗体と膠原病の診断
自己抗体の感度と特異度
CASE 9 脱水と高Na血症
体内の水分バランス
脱水症とは
脱水診断に有用な身体所見
脱水診断に有用な血液検査
脱水症の補液