改めて症例から考える 高齢者の自動車運転**中外医学社/堀川 悦夫/978-4-498-22956-3/9784498229563**

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4,400円(税込み)
編著
堀川 悦夫
出版社
中外医学社
分野
 
老人医学

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特集
新刊
販売期間
2024/09/02~
商品コード
9784498229563
発行 2024年9月
判型:A5判 198頁
ISBN 978-4-498-22956-3

【編 著】
堀川 悦夫(福岡国際医療福祉大学 医療学部 視能訓練学科 教授)
朝田 隆(メモリークリニックお茶の水理事長・院長)

『高齢者の運転可否判断』 考えるための第一歩

高齢者の自動車運転による交通事故は大きな社会問題となっている高齢者が運転を継続するのか断念するのか,その臨床的判断は容易ではない.脳画像検査・神経心理検査・運転シミュレータ検査・実車運転評価などのエビデンスは限られているため,エキスパートたちが実際の症例にどのように対峙しているのか知ることは非常に有用である.本書では運転可否判断における基礎的知見から,臨床判断の進め方・考え方,さらには将来的な運転支援の在り方を示しており,本テーマにかかわる医療者にとっての必須の一冊となっている.

【目 次】
1.加齢とワーキングメモリ
 1)ワーキングメモリとは?
 2)空間と言語のワーキングメモリ
 3)高齢者のワーキングメモリ
 4)前頭葉とワーキングメモリ

2.高齢運転者対策の現状と課題(令和2年道路交通法改正を踏まえて)
 1)高齢運転者による交通事故の発生状況
 2)高齢運転者対策の現状
 3)高齢運転者対策の課題

3.交通事故統計データからみた高齢運転者の交通事故の実態と解釈
 1)分析方法
 2)事故内容別事故当事者率の年齢層間比較
 3)当事者別運転者死亡重傷率の年齢層間比較
 4)考察:高齢運転者の交通事故の危険性とは

4.自動車運転にかかわる高齢者の身体機能
 1)高齢者の身体機能
 2)自動車運転にかかわる運動学的要因
 3)自動車運転にかかわる身体機能

5.認知症,軽度認知機能低下と運転
 1)運転をやめるべきタイミング
 2)認知症者の運転事故の疫学
 3)運転に関与する脳領域
 4)運転技能と脳機能の関係
 5)認知症者の危険運転の予測因子
 6)運転を止めてもらう
 7)医師による運転を止めるためのアドバイス

6.自動車運転と高齢者の視機能(1)〔検査編〕
 1)高齢者の交通事故
 2)ヒトの視覚情報処理—ものが見える仕組み—
 3)運転に関連する視機能とその評価

7.自動車運転と高齢者の視機能(2)〔疾患編〕
 1)視覚障害と運転免許
 2)加齢と視野障害
 3)視野障害と自動車事故
 4)ドライビングシュミレータを用いた検討
 5)高齢ドライバーの自動車運転を考えるにあたって注意すべき点

8.薬効と運転
 1)自動車運転に影響する可能性のある薬物
 2)薬物相互作用の問題

9.医療現場における運転断念勧告とその後の経緯
 1)はじめに
 2)認知症診断直後に患者や家族に伝えるべきこと
 3)どの程度の割合で免許を自主的に返納するのか
 4)免許返納で患者本人・家族が困ること,運転に際して注意していること
 5)免許返納率は年齢と関係するのか
 6)自主返納率は認知症の程度と関連するのか
 7)実際の事例を紹介する
 8)免許を返納した人への支援

10.脳卒中後遺症患者の運転再開における神経心理学的検査の活用
 1)標準失語症検査(SLTA),WAB失語症検査日本語版
 2)BIT行動性無視検査日本版(BIT)
 3)Wechsler成人用知能検査(WAIS)
 4)脳卒中ドライバーのスクリーニング評価日本版(J-SDSA)
 5)Trail Making Test(TMT),Trail Making Test日本版(TMT-J)
 6)Rey-Osterriethの複雑図形検査(ROCFT)
 7)コース立方体組み合わせテスト(Kohs Block Design Test)
 8)レーヴン色彩マトリックス検査(RCPM)
 9)標準注意検査法(CAT)
 10)Wechsler Memory Scale-Revised(WMS-R)
 11)日本版RBMTリバーミード行動記憶検査(RBMT)
 12)Frontal Assessment Battery(FAB)
 13)日本版BADS遂行機能障害症候群の行動評価(BADS)
 14)Mini-Mental State Examination(MMSE)
 15)改訂長谷川式認知症スケール(HDS-R)
 16)Montreal Cognitive Assessment(MoCA),Japanese version of Montreal Cognitive Assessment(MoCA-J)

11.運転期間延伸の諸方策の検討—運転リハビリテーションを中心に—
 1)組織
 2)対象となる疾患
 3)主な手法や範囲
 4)支援の具体例
 5)広範な組織との連携
 6)高齢者や医療的ケアを必要とする方のための運転リハビリテーション
 7)車両改造
 8)活動の支援体制と研修制度の充実
 9)倫理綱要の策定
 10)結語

12.脳血管障害からの運転再開の判断基準
 1)脳梗塞・脳出血・くも膜下出血の運転能力を阻害するメカニズム
 2)運転を阻害する高齢者特有の問題
 3)当院における自動車運転能力評価

13.職業運転者の運転可否判断と復職支援
 1)疾病がある人の復職
 2)職業運転者の職場環境
 3)疾病患者と復職
 4)自動車運転再開に影響する要因
 5)職業運転への復帰を考えるうえで必要なこと
 6)職業運転者の復職を判断する際に行うべきこと
 7)事業所が躊躇する点

14.指定自動車教習所が高次脳機能障害者に対して実施可能な指導と評価の分析法
 1)高次脳機能障害者の運転再開を検討する上で留意すべき点
 2)高次脳機能障害者の運転再開に向けた評価の方法
 3)実車指導の方法
 4)高次脳機能障害者の運転再開に向けた評価の分析法

15.運転再開に有効な車両改造の例
 1)運転補助装置
 2)運転者の乗降支援装置および姿勢保持具
 3)車いすの搬入出装置
 4)安全運転サポート車をはじめとする運転支援システムとの併用

16.自動車運転にかかわる社会制度
 1)自家用自動車を活用した運送形態の仕組み
 2)公共交通機関と地域の移動ニーズとの乖離と自助・互助の運送形態の推進

17.脳卒中,認知症など運転可否判断が要求される疾患に関する規制と国際比較
 1)認知症および/または認知機能に影響を及ぼす何らかの器質性症候群
 2)てんかん・発作
 3)神経発達障害(注意欠如多動症,自閉スペクトラム症)
 4)脳卒中,一過性脳虚血発作(TIA),および中心静脈血栓症(網膜動脈閉塞症を含む)
 5)最低視力基準,視野,白内障,単眼視,視野障害,複視,夜盲症,色覚異常,眼瞼痙攣,眼振