神経システムがわかれば 脳卒中リハ戦略が決まる 第2版**医学書院/手塚 純一/ 978-4-260-05700-4/9784260057004**

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5,280円(税込み)
編著
手塚 純一
出版社
医学書院
分野
 
リハビリテーション技術

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新刊
販売期間
2024/09/20~
商品コード
9784260057004
発行 2024年9月
判型:B5判 292頁
ISBN 978-4-260-05700-4

著:手塚 純一 / 増田 司

神経システムと脳画像から臨床症状を読み解くこと、それがリハ戦略につながります

「神経システム+脳画像=リハ戦略」ではなかった?! リハで見逃してはいけないのは目の前の患者さんの臨床症状です。神経システムと脳画像所見から臨床症状を読み解くこと、それが効果的なリハ戦略につながるのです。本書によってアプローチの選択肢は確実に増えます。それは臨床現場で絶対的な武器となるでしょう。脳画像の見かたや運動療法がみてわかるWeb動画付き。

【目 次】
本書の使い方
プロローグ 脳の基本構造と機能
   1 脳の主な領域 /2 大脳皮質の外観 /3 脳の内部構造 /
   4 脳の局在機能:灰白質の構造 /5 脳のネットワーク:白質の構造
 MEMO:脳画像の基礎知識

第1章 運動野が関わる神経システム
 1.運動野が関わる神経システムの概要
 2.運動野と関連領域の構造
   1 一次運動野 /2 高次運動野:運動前野と補足運動野 /
   3 高次運動野:帯状回運動野 /4 放線冠 /5 内包
 3.運動野が関わるシステム
  A.随意運動システム:錐体路系
   1 外側皮質脊髄路 /2 前皮質脊髄路 /3 皮質核路
  B.高位運動制御システム:皮質-錐体外路系投射線維
  C.随意運動システムと高位運動制御システムの連携
 4.運動野の脳画像の見かた
   1 皮質レベル /2 半卵円中心レベル /3 ハの字レベル /
   4 モンロー孔レベル /5 中脳レベル /6 橋(脳幹)レベル
 5.症例でみるシステム障害とリハ戦略
   (症例1) 一次運動野の損傷によって低緊張と分離運動障害を呈した症例
   (症例2) 脳出血による皮質網様体路損傷で姿勢筋緊張障害を呈した症例

第2章 脳幹が関わる神経システム
 1.脳幹が関わる神経システムの概要
 2.脳幹の構造
   1 中脳:赤核 /2 中脳:上丘(視蓋) /3 橋・延髄:網様体 /
   4 橋:前庭核 /5 橋:橋核 /6 脳神経核
 3.脳幹が関わるシステム
   1 姿勢安定化システム:網様体脊髄路 /2 バランス反応システム:前庭脊髄路 /
   3 眼球-頭頸部協調システム:視蓋脊髄路 /4 随意運動サブシステム:赤核脊髄路 /
   5 皮質連合野サブシステム:皮質橋 /6 覚醒維持システム:上行性覚醒系
 4.脳幹の脳画像の見かた
   1 中脳レベル /2 ダビデの星レベル /3 橋レベル /4 延髄レベル
 5.症例でみるシステム障害とリハ戦略
   (症例1) 同側の筋緊張低下と対側の筋緊張亢進を伴うlateropulsionを呈した一例
   (症例2) 橋出血により,上小脳脚が損傷されて顕著な失調症状が出現した症例

第3章 小脳が関わる神経システム
 1.小脳が関わる神経システムの概要
 2.小脳の構造
   1 小脳の概要 /2 小脳の構造 /3 小脳の入出力
 3.小脳の機能と神経システム
   1 前庭小脳システム /2 脊髄小脳(虫部)システム:体幹の随意運動制御 /
   3 脊髄小脳(中間部)システム:四肢の随意運動制御 /
   4 大脳小脳システム:運動学習 /
   5 大脳小脳システム:認知機能・非運動機能
 4.小脳の脳画像の見かた
   1 小脳上部 /2 小脳中部 /3 小脳下部 /4 損傷部位の全体像
 5.症例でみるシステム障害とリハ戦略
   (症例1) 小脳出血により運動失調とめまいを呈した症例
   (症例2) 小脳出血により高次脳機能障害を呈した症例

第4章 視床が関わる神経システム
  1.視床が関わる神経システムの概要
  2.視床の構造
   1 視床の概要 /2 視床の亜核
  3.視床の機能と神経システム
   1 体性感覚システム(脊髄視床路) /2 小脳ネットワーク:運動ループ /
   3 小脳ネットワーク:認知ループ /4 基底核ネットワーク:筋骨格運動ループ /
   5 基底核ネットワーク:前頭前野ループ /6 基底核ネットワーク:辺縁系ループ
  4.視床に関連する脳画像の見かた
   1 感覚神経線維の通り道 /2 視床
  5.症例でみるシステム障害とリハ戦略
   (症例1) 視床梗塞により感覚障害と注意障害を呈した症例
   (症例2) 視床出血により注意・情動・遂行機能障害を呈した症例

第5章 大脳基底核が関わる神経システム:運動系ループ
  1.大脳基底核が関わる神経システムの概要
  2.大脳基底核の構造
   1 大脳基底核 /2 大脳基底核による情報の収束と統合
  3.大脳基底核が関わる神経システム:運動系ループ
   1 大脳皮質-基底核回路:運動ループ /2 眼球運動ループ
  4.大脳基底核の脳画像の見かた
   1 モンロー孔~松果体レベル /2 乳頭体レベルの前額断(冠状断)
  5.症例でみるシステム障害とリハ戦略
   (症例1) 被殻出血によって痙縮を伴う随意運動障害を呈した症例
   (症例2) 被殻出血後,一側の眼球運動障害を伴った左半側空間無視を呈した症例

第6章 前頭前野・大脳辺縁系が関わる神経システム:認知系ループ
  1.前頭前野・大脳辺縁系が関わる神経システムの概要
   1 前頭前野ループ:基底核ネットワークと小脳ネットワーク /2 辺縁系ループ
  2.前頭前野と認知関連領域の構造
   1 前頭前野 /2 尾状核 /3 視床 /4 内包前脚
  3.大脳辺縁系の構造
   1 側坐核 /2 淡蒼球内節 /3 海馬 /4 腹側被蓋野 /5 扁桃体
  4.前頭前野・大脳辺縁系が関わる神経システム
   1 前頭前野ループ:基底核ネットワークと小脳ネットワーク /2 辺縁系ループ /
   3 前頭前野ループと辺縁系ループの障害
  5.前頭前野と大脳辺縁系の脳画像の見かた
   1 皮質レベル~半卵円中心レベル /2 中脳レベル /
   3 ダビデの星レベル /4 前額断:下垂体レベル
  6.症例でみるシステム障害とリハ戦略
   (症例1) くも膜下出血後,性格が変わり“キレやすく”なった症例

第7章 頭頂連合野・視覚野が関わる神経システム
  1.頭頂連合野・視覚野が関わる神経システムの概要
  2.頭頂連合野・視覚野の構造
   1 頭頂連合野の概要 /2 頭頂連合野の皮質 /3 視覚野の概要 /
   4 視覚野の皮質 /5 頭頂連合野の連合線維
  3.頭頂連合野・視覚野の機能と神経システム
   1 後頭葉と視覚 /2 頭頂連合野と視覚野が関連する視覚情報処理システム /
   3 背背側視覚経路 /4 腹背側視覚経路 /5 頭頂葉と身体情報 /6 腹側視覚経路
  4.頭頂連合野の脳画像の見かた
   1 皮質レベル 180/2 側脳室レベル
  5.症例でみるシステム障害とリハ戦略
   (症例1) 右中大脳動脈梗塞により運動麻痺,感覚障害,半側空間無視を呈した症例
   (症例2) 左中大脳動脈梗塞により観念運動失行を呈した症例

第8章 歩行関連領域が関わる神経システム
  1.歩行関連領域が関わる神経システムの概要
  2.歩行関連領域の構造
   1 視床下部領域:視床下部歩行誘発野(SLR) /
   2 脳幹神経核:中脳歩行誘発野(MLR) /
   3 小脳(室頂核):小脳歩行誘発野(CLR) /4 脊髄運動細胞と介在ニューロン
  3.歩行関連領域の神経システム
   1 随意歩行発現システム:高次運動野-網様体投射系 /
   2 歩行生成システム:歩行誘発野-網様体脊髄路系 /
   3 歩行パターンシステム:セントラルパターンジェネレーター(CPG)
  4.歩行関連領域の脳画像の見かた
   1 視床下部歩行誘発野:SLR /2 中脳歩行誘発野:MLR(PPN & CNF) /
   3 小脳歩行誘発野:CLR
  5.症例でみるシステム障害とリハ戦略
   (症例1) 慢性硬膜下血腫によりパーキンソニズムを呈し,歩行困難となった症例

第9章 複数の神経システムにまたがる脳梗塞・脳出血
  1.複数の神経システムにまたがる脳梗塞や脳出血のパターン
  2.脳血管の構造
   1 主幹動脈 /2 穿通枝
  3.脳梗塞や脳出血のパターンと損傷を受けやすい神経システム
   1 前大脳動脈領域の梗塞・出血 /2 中大脳動脈領域の梗塞・出血 /
   3 後大脳動脈領域の梗塞・出血 /4 心原性脳塞栓による多発性脳梗塞 /
   5 視床出血による進展方向の違い /6 被殻出血による進展方向の違い
  4.複数の神経システムにまたがる脳梗塞や脳出血の脳画像の見かた
   1 前・中・後大脳動脈の支配領域
  5.症例でみるシステム障害とリハ戦略
   (症例1) 交通外傷から脂肪塞栓症による多発性脳梗塞を発症した症例
   (症例2) 多発性脳梗塞により運動麻痺,感覚障害,高次脳機能障害を呈した症例

第10章 神経システムがわかれば,神経疾患のリハ戦略も決まる
  1.パーキンソン病の概要
   1 パーキンソン病の症状 /2 パーキンソン病の治療法
  2.パーキンソン病の関連領域の構造
   1 黒質 /2 黒質緻密部(SNc) /3 黒質網様部(SNr)
  3.パーキンソン病が関わる神経システム
   1 大脳基底核回路の機能不全 /2 寡動,すくみ足 /3 筋強剛 /
   4 振戦 /5 パーキンソン病関連認知症
  4.パーキンソン病の脳画像の見かた
   1 MRI /2 核医学(RI)検査
  5.症例でみるシステム障害とリハ戦略
   (症例1) 精神症状を伴う活動性の低下を呈し,精査治療目的で入院となったPD患者

エピローグ 脳損傷後の回復理論
   1 急性期における機能回復のメカニズム~血流動態の変化~ /
   2 早期離床に関するエビデンス /
   3 発症早期の有酸素運動は脳卒中後の病変を減少させる /
   4 脳損傷後の回復理論:神経の可能性と再構成 /
   5 神経の再構成に必要なリハビリテーションの要素 /
   6 リモデリング・代替経路・機能代行 /
   7 非麻痺側への影響 /8 Diaschisis(遠隔性機能障害) /
   9 半球間抑制からの解放 /10 もう1つのリハ戦略:行動学的補償 /
   11 運動機能回復のための介入方法 /12 可塑性のメカニズムと回復プロセス

COLUMN
 リハ戦略とは?
 「錐体路障害=痙縮」ではない!
 皮質脊髄路と皮質網様体路,どちらの損傷が多いのか?
 課題難易度の設定:運動要素
 課題難易度の設定:姿勢レベル
 小脳における協調性への関与
 量的評価と質的評価
 主な中枢神経系の伝達物質
 実用性の5大要素
 サッケード(急速眼球運動)
 Kinesie paradoxale(矛盾運動)
 ワーキングメモリー
 行動制御の処理システム
 恐怖は人を萎縮させる
 情動と記憶の関係
 運動学習における3つのアルゴリズム
 やる気は運動機能の回復を促進させる?
 注意ネットワーク説に基づく半側空間無視の発現メカニズム
 歩行速度と伸張反射
 歩行における力学的エネルギーの利用
 パーキンソン病患者と小脳