生きられた身体のリハビリテーション**協同医書出版社/田中 彰吾/978-4-7639-1095-0/9784763910950**

販売価格
2,970円(税込み)
身体性人間科学の視点から
編著
田中 彰吾
出版社
協同医書出版社
分野
 
リハビリテーション技術

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特集
新刊
販売期間
2024/09/25~
商品コード
9784763910950
発行 2024年9月
判型:A5判 132頁
ISBN 978-4-7639-1095-0

著:田中 彰吾 / 本田 慎一郎

『豚足に憑依された腕 -高次脳機能障害の治療-』の著者、セラピストの本田慎一郎と、『生きられた〈私〉をもとめて -身体・意識・他者-』の著者、哲学者の田中彰吾による―リハビリテーションと現象学との実り豊かなコラボレーション!

本書は「レクチャー」と「対話」によって、次の2つの問いかけに応えます。
①リハビリテーションに応用できる「現象学」の方法を最も適切に、しかもわかりやすく知ることはできるのか?
②高次脳機能障害に対するリハビリテーションの臨床において、その「治療の効果」を左右するものとは何か?

高次脳機能障害のリハビリテーションの手引きと、リハビリテーションへの現象学的方法の応用についてのわかりやすい入門書を兼ねた、一石二鳥の読み応え。
臨床現場を現象学哲学が読み解く面白さとともに、リハビリテーションの臨床の核心をつくヒントにあふれた内容です。

リハビリテーションに携わる臨床家にとってはもちろんのこと、身体哲学や認知科学といった関連領域の研究者にとっても貴重で有益な考え方が満載の読み物。

【目 次】
第1部 [レクチャー]生きられた身体のリハビリテーション
  はじめにーリハビリテーション・身体性・自己
 [1]経験の流れの中にある自己ーミニマル・セルフ
     暗黙の次元に目を向ける
     ミニマル・セルフとは何か
     所有感と主体感ーリハビリテーションの文脈で考える
     させられ体験ー精神疾患に見られる主体感の障害
 [2]経験に介入する「私」ー反省的自己
     反省が始まる場面
     反省的自己の起源にある身体性
     発話を通じたリフレクション
     視覚における主我と客我
     自己意識的感情とリハビリテーション
 [3]言語とナラティブの獲得
     身体から言語へ、一次的間主観性から二次的間主観性へ
     二次的間主観性とリハビリテーション
     経験を語るということーナラティブとは何か
     反実仮想から「精神」へ
 [4]物語としての自己ーナラティブ・セルフ
     ナラティブ・セルフとは?
     物語の主人公としての「私」
     過去の出来事と現在の自己を結ぶプロット
     将来の自己像と現在を生きる動機
  おわりにーナラティブ・セルフとリハビリテーション

第2部 [対話]リハビリテーションの臨床と現象学の方法
 「身体」という入り口をどのようなものとして考えていくのか
 「間身体性」という共鳴が生み出すもの
 「ミニマル・セルフ」と「ナラティブ・セルフ」とを架け橋する対話
 「からだの状態をその人の意識に届けるための言葉」を探す
 「身体図式」は「ミニマル・セルフ」の起源
 「身体図式」とは行為の可能性の「堆積」
 「ナラティブ・セルフ」・・・これは、私が生きている世界だ
 「運動イメージは言語である」の意味すること
 「地平」・・・私の「身体」が知っている世界
 「エナクティビズム」・・・行為が生み出す世界
 「身体」と「言語」と、その「間」
 「セラピストの言語」というスキル
 「生きられた」という言葉の現象学における意味
 「他者の身体」との関わりが「私の身体」を生み出す
 「開かれた身体」ということの現象学的意味
 「経験と言葉とがイーヴンである」ということの現象学的意味
 「ただ、結び合わせよ・・・」

 [対話を終えて]
  現象学の受肉
  リハビリテーション現象学へ