がん患者における気持ちのつらさガイドライン 2024年版**金原出版/日本サイコオンコロジー学会/978-4-307-10209-4/9784307102094**

販売価格
3,850円(税込み)
がん医療におけるこころのケアガイドラインシリーズ 4
編著
日本サイコオンコロジー学会
出版社
金原出版
分野
 
癌・腫瘍一般

数量

特集
新刊
販売期間
2024/09/27~
商品コード
9784307102094
発行 2024年9月
判型:B5判 356頁
ISBN 978-4-307-10209-4

編集:日本サイコオンコロジー学会 / 日本がんサポーティブケア学会

がん患者の精神心理的苦痛の緩和に関する、本邦初の指針

現在のがん医療では、がんの診断や治療の過程で患者に生じる精神心理的苦痛の緩和も重要な課題とされている。本ガイドラインでは、そのような「気持ちのつらさ」の緩和に関する9件の臨床疑問を設定し、推奨と解説を提示した。総論の章ではがん患者における気持ちのつらさの定義や疫学、評価法、薬物療法・非薬物療法などに関する知見を包括的に解説した。
明日からの臨床に役立つことを目指した、充実した内容の一冊。

【目 次】
I章 はじめに
 1 ガイドライン作成の経緯と目的
  1.ガイドライン作成の経緯
  2.ガイドラインの目的
 2 ガイドラインの使用上の注意
  1.使用上の注意
  2.構成とインストラクション
 3 エビデンスの確実性(質・強さ)と推奨の強さ
  1.エビデンスの確実性(質・強さ)
  2.推奨の強さ
  3.推奨の強さとエビデンスの確実性(強さ)の臨床的意味


II章 総論
 1 がん医療における「気持ちのつらさ」の位置づけ
 2 気持ちのつらさの定義と症状
  1 「がん患者における気持ちのつらさ」の定義
  2 気持ちのつらさの症状
   1.気持ちのつらさの症状の概略
   2.抑うつ・うつ病
   3.不安
   4.適応障害
   5.睡眠症状
   6.再発恐怖
   7.がん患者における精神医学的診断の留意事項
   8.アルコール、薬物の問題
   9.その他の精神障害
 3 がん医療における気持ちのつらさの疫学と重要性
   1.気持ちのつらさの頻度と影響
   2.再発恐怖の評価と影響
   3.自殺・希死念慮の頻度、リスク因子
 4 気持ちのつらさの背景
  1 気持ちのつらさに関連する要因(心理モデル)
  2 病期・各治療段階など、各場面に特有の気持ちのつらさと対応の考え方
   1.診断直後
   2.治療中
   3.再発・根治不能の告知とその後
   4.終末期
   5.遺伝子診断・遺伝カウンセリング
  3 世代や背景特有の問題と対応の考え方
   1.AYA世代
   2.高齢者
   3.家族
 5 気持ちのつらさの評価方法
   1.どういった時に気持ちのつらさの存在を考えるか
   2.スクリーニング
   3.問診法
   4.自己記入式評価尺度
   5.他の精神疾患との鑑別と必要な検査
   6.見立て(成育歴、心理社会的状況の評価など)
 6 「気持ちのつらさ」のケアの概略
 7 すべての医療者が実践すべき対応
   1.支持的なコミュニケーション
   2.包括的アセスメント
   3.気持ちのつらさに類似した医学的状況の除外
   4.家族への関わり方・連携
   5.専門家への依頼を考える時
 8 薬物療法
   1.気持ちのつらさに対する薬物療法の考え方
   2.がん患者を含む身体疾患患者の精神症状に対する薬物療法
   3.抗うつ薬
   4.抗不安薬
   5.睡眠薬
   6.その他(抗精神病薬など)
 9 非薬物療法
  A 精神療法(心理療法、サイコセラピー)
  1 がん患者の気持ちのつらさに対する精神療法
  2 具体的なアプローチ
   1.リラクセーション法
   2.支持的精神療法
   3.がん患者に対する問題解決療法
   4.精神分析的・精神力動的精神療法
   5.認知行動療法
   6.行動活性化療法
   7.アクセプタンス&コミットメント・セラピー
   8.マインドフルネス
   9.がん患者における集団精神療法
   10.ディグニティセラピー
   11.回想法・ライフレビュー
   12.CALM
   13.Meaning-centered Psychotherapy
   14.IoT を用いた精神療法
  B その他の介入
   1.協働的ケア
   2.早期からの緩和ケア
   3.家族介入
   4.がんピアサポート
 10 チーム医療
   1.多職種の連携と分担
   2.看護師の関わり
   3.心理士の関わり
   4.病院管理者の立場からみた病院組織としての関わり


III章 臨床疑問
 臨床疑問1
  閾値以上の気持ちのつらさを有する成人がん患者に対して、
  気持ちのつらさの軽減を目的として、抗不安薬を投与することは推奨されるか?
 臨床疑問2
  閾値以上の気持ちのつらさを有する成人がん患者に対して、
  気持ちのつらさの軽減を目的として、抗うつ薬を投与することは推奨されるか?
 臨床疑問3
  閾値以上の気持ちのつらさを有する成人がん患者に対して、気持ちのつらさの軽減を
  目的として、精神療法(心理療法、サイコセラピー)は推奨されるか?
 臨床疑問4
  閾値以上の気持ちのつらさを有する成人がん患者に対して、
  気持ちのつらさの軽減を目的として、協働的ケアは推奨されるか?
 臨床疑問5
  閾値以上の気持ちのつらさを有する成人がん患者に対して、気持ちのつらさの軽減を
  目的として、早期からの専門的緩和ケア(進行・再発のがんと診断された患者に対する
  早期からの専門的緩和ケアサービスによる包括的ケア)は推奨されるか?
 臨床疑問6
  閾値以上の気持ちのつらさを有する成人がん患者において、患者の気持ちのつらさの
  軽減を目的として、介護者に対する心理社会的介入は推奨されるか?
 臨床疑問7
  閾値以上の気持ちのつらさを有する成人がん患者に対して、
  気持ちのつらさの軽減を目的として、ピアサポートは推奨されるか?
 臨床疑問8
  成人がん患者に対して,再発恐怖の軽減を目的として、
  精神療法(心理療法、サイコセラピー)は推奨されるか?
 臨床疑問(背景疑問)9
  再発恐怖を有する成人がん患者に対して、
  精神療法(心理療法、サイコセラピー)以外に有効な介入方法はあるか?


IV章 ガイドライン作成過程と今後の課題
 1 本ガイドラインの作成過程
   1.概要
   2.臨床疑問の設定
   3.システマティックレビュー
   4.妥当性の検証
   5.日本サイコオンコロジー学会、日本がんサポーティブケア学会の承認
 2 今後の検討課題
   1.今回の版で対応しなかったこと
   2.総論などで取り扱うことを検討する必要があること
   3.臨床疑問や推奨について、今後さらに検討が必要なこと
   4.新たな臨床疑問に設定することが望ましいテーマ

Column
コラム1 スピリチュアルペイン
コラム2 身体的問題/精神的問題の鑑別:痛み、食欲不振、倦怠感など
コラム3 身体的苦痛への精神心理的側面による修飾・関与
コラム4 ケミカル・コーピング
コラム5 早い死を願うがん患者の評価と対応
コラム6 気持ちのつらさと発達障害
コラム7 気持ちのつらさと倫理
コラム8 運動(身体活動)の抑うつ症状に対する効果
コラム9 セルフマネージメント
コラム10 補完代替療法(CAM):ヨガ、鍼灸、その他
コラム11 医療者カンファレンス(多職種カンファレンス)の開催方法