対症療法の強化書**金芳堂/家 研也/978-4-7653-2040-5/9784765320405**

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5,940円(税込み)
頻用薬の使い方と非薬物療法
編著
家 研也(聖マリアンナ医科大学川崎市立多摩病院 総合診療内科)
出版社
金芳堂
分野
治療一般

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特集
新刊
書籍版 販売期間
2025/04/10~
JANコード
9784765320405
商品コード
9784765320405
発行 2025年4月
判型:A5判 425頁
ISBN 978-4-7653-2040-5

現場で日々頑張る医療者に 対症療法の引き出しが満載!!

本書は病因に対応した根本治療のない病態に対して「患者さんに我慢をさせない」「とりあえず、漫然との対症療法を卒業する」ための知識とスキル向上に特化した、文字通り対症療法の強化本となります。

対症療法総論、風邪診療、作用機序から考える痛みへの対症療法、コモンな神経症状、メンタルヘルス不調、コモンな呼吸器・アレルギー症状、コモンな消化器系症状、泌尿器系症状、婦人科系症状、臓器を特定できない症候への対症療法など全10部で構成されており、それぞれ、エキスパートたちの実践智やプライマリ・ケア現場で役立つコンテンツが収録されています。

病因に対応した根本治療がないときでも、病態を正しく理解し、基礎的な薬理学(薬のメカニズム)を理解したうえで処方を行えるように、慢性疼痛に対する認知行動療法的アプローチの基礎など非薬物療法のエッセンス、東洋医学や漢方、リハビリ・運動療法処方など、対症療法の「引き出し」を可能な限り盛り込みました。ぜひ、「患者さんに我慢をさせない」「とりあえず、漫然との対症療法を卒業する」ための日常診療のレベルアップにご活用ください。

【目 次】
巻頭言
コラム1:「対症療法」という言葉がもつ社会的な意味
  
PART1 対症療法総論
 1.原因療法と対症療法
  はじめに
  1 対症療法の起源
  2 診断学と治療学
  3 原因療法と対症療法の関係性
 2.知っておきたい臨床薬理学の基本と薬剤効果の多因子性
  1 臨床薬理学を定義する要素
  2 疾病の進行をモデル化する
  3 対症的薬剤の効果を臨床薬理学的に表現する
  4 臨床薬理学においてプラセボ効果をどう考えるか?
  5 治療効果とプラセボ効果の比較
  6 薬剤効果の多因子性を考える
  7 Effectivenessを形作るもの
  8 対症療法におけるプラセボ効果の大きさ
 3.対症療法におけるEBMの考え方
  はじめに
  1 EBMの考え方
  2 エビデンスレベル
  3 なぜRCTが最もエビデンスレベルが高いとされるのか
  4 エビデンスレベルとエビデンスの質
  5 対症療法におけるエビデンスの考え方
  6 対症療法におけるEBMの実践
 4.ポリファーマシーに配慮した処方戦略
  はじめに
  1 対症療法とポリファーマシー
  2 対症薬と予防薬
  3 効かないならやめる/効いたらやめる
  4 やめやすい薬とやめにくい薬
  5 しまい忘れ処方とclinical inertia(臨床的惰性)
  6 具体的なアプローチ
  おわりに
 5.ジェネラリストが知っておくべき心理療法のエッセンス
  1 心理療法とは
  2 心理療法の基本的原則
  3 治療的自己(therapeutic self)
  4 患者や家族に対する心理教育
  5 支持的精神療法
  6 転移と逆転移
  7 認知療法・認知行動療法
  8 リラクセーション法(呼吸法、漸進的筋弛緩法、自律訓練法)
  おわりに
 6.医学的に説明困難な症状へのアプローチ
  1 MUS患者が受診したら
  2 どのように聞くべきか(MUSかどうか不詳な段階)
  3 必要な医学的評価を実施する
  4 医学的評価の結果を説明する
  5 継続外来におけるMUSへの対応
  おわりに
 7.MUSの対症療法
  1 MUSとは何か
  2 ある回復事例を通じて
  3 医療化せずに「つらさ」「しんどさ」に対処することは可能か
  4 卓越したジェネラリスト診療とは何か
  5 MUSの対症療法を改めて考える
 8.東洋医学的アプローチ
  はじめに
  1 総論
  2 各論
  おわりに

  コラム2:漢方薬の錠剤について
  コラム3:出したい漢方薬が近隣の薬局に在庫がないとき

 9.リハビリテーションの視点を活かした症状緩和
  1 リハビリテーションとは
  2 国際生活機能分類(International Classification of Functioning Disability and Health:ICF)
  3 リハビリテーションのアプローチ
  4 リハは根本治療? 対症療法?
  5 診察室でもできるリハとは?
  6 腰痛への介入
  おわりに
  
PART2 風邪診療における対症療法の使いどころ
 1.小児のかぜ症候群への対症療法
  1 対応の原則
  2 病歴聴取・診察
  3 治療
  4 患者説明のポイント
  おわりに
 2.成人のかぜ症候群への対症療法
  1 成人のかぜ症候群の病態および診断
  2 成人のかぜ症候群への対症療法薬
  3 その他の対症療法
  4 患者へ説明の処方
  おわりに
 3.抗アレルギー薬の使い所と使い分け
  1 抗アレルギー薬の薬理学
  2 抗アレルギー薬の使い分け
  
PART3 作用機序から考える痛みへの対症療法
 1.解熱・鎮痛薬
  1 NSAIDsとアセトアミノフェンの薬理学的特徴
  2 代表的な解熱鎮痛薬の特徴
  3 想定すべき有害事象
  4 使い分けのコツ
  5 処方開始の注意点と患者説明
  6 処方中止を検討するタイミング
 2.オピオイド鎮痛薬
  1 作用機序
  2 薬剤ごとの特徴
  3 想定すべき有害事象
  4 使い分けのコツ
  5 処方開始時の注意点と患者説明
  6 処方中止を検討するタイミング
 3.神経障害性疼痛治療薬
  1 作用機序
  2 薬剤ごとの特徴
  3 想定すべき有害事象
  4 使い分けのコツ
  5 処方開始時の注意点と患者説明内容
  6 処方中止を検討するタイミング
 4.腰痛症へのアプローチ
  1 対応の原則
  2 病歴聴取・診察
  3 治療
  4 患者説明のポイント
  おわりに
  
PART4 コモンな神経症状への対症療法
 1.慢性頭痛への対症療法
  はじめに~片頭痛の疫学
  1 片頭痛の病態
  2 片頭痛診断の流れ
  3 片頭痛の治療
  おわりに~患者への説明のポイントとフォローアップの注意点~
 2.めまいへのアプローチ
  はじめに
  1 めまいの診断
  2 疾患ごとの特異的治療
  3 めまい症に対する対症療法
  おわりに~患者への説明のポイントとフォローアップの注意点~
 3.認知症へのアプローチ
  はじめに
  1 認知症の定義
  2 代表的な認知症の分類
  3 診断と鑑別
  4 治療
  5 将来への展望
  おわりに
  
PART5 メンタルヘルス不調への対症療法
 1.不眠症
  はじめに
  1 不眠症治療の原則
  2 睡眠薬の適正処方
  3 睡眠薬の安全な減薬方法
  4 患者説明のポイント
  5 専門医へ紹介すべきタイミング
  おわりに
 2.不安・うつへの対症療法
  1 正常な反応と異なるうつと不安について
  2 プライマリ・ケアでうつ病と不安症を診療する際の留意点
  3 うつと不安に対する薬物療法
  4 薬物療法以外の治療と患者説明の留意点
  5 専門家へ紹介すべきタイミング
  
PART6 コモンな呼吸器・アレルギー症状への対症療法
 1.慢性咳へのアプローチ
  1 対応の原則
  2 病歴聴取・診察
  3 検査
  4 咳嗽治療薬
  5 原因別の治療
  6 原因不明の咳嗽、難治性の咳嗽について
  7 慢性咳嗽の診療スタンスと患者への説明
 2.慢性呼吸器疾患における喀痰治療薬の使い方
  1 対応の原則
  2 喀痰の原因診断
  3 喀痰治療の原則
  4 喀痰治療薬
  5 原因疾患別の治療法
  6 喀痰に対する診療スタンスと患者への説明
  
PART7 コモンな消化器系症状への対症療法
 1.消化性潰瘍治療薬(PCABも含めて)
  1 作用機序
  2 各薬剤の比較
  3 副作用
  4 適応病態
  5 処方開始時の注意点と患者説明内容
  6 処方中止を検討するタイミング
 2.制吐剤・消化管運動機能改善薬
  1 制吐剤・消化器運動機能改善薬の機序
  2 各種薬剤の特徴
  3 有害事象
  4 各種薬剤の適応病変
  5 末梢性ドパミンD2受容体拮抗薬の使い分け
  6 処方開始時の注意点と患者への説明内容
  7 処方中止を検討するタイミング
 3.便秘症へのアプローチ
  はじめに
  1 便秘診療の原則
  2 病歴
  3 検査
  4 治療を考えるうえで重要な病態生理
  5 治療
  6 副作用への対応
  7 患者説明のポイント
  おわりに
 4.機能性ディスペプシア
  1 対応の原則
  2 病歴聴取・診察
  3 検査
  4 治療
  5 患者説明のポイント
  おわりに
 5.過敏性腸症候群(IBS)へのアプローチ
  はじめに
  1 IBS患者の病態生理
  2 病歴・身体診察をもとにした診療の流れ
  3 検査
  4 治療
  5 患者説明のポイント
  おわりに
  
PART8 泌尿器系症状への対症療法
 1.尿失禁への対症療法
  1 尿失禁とは
  2 尿失禁の診断
  3 尿失禁の治療
  4 治療開始時の患者説明内容
  5 フォローアップの注意点
  6 専門医への紹介
  7 まとめ
 2.排尿困難への対症療法
  1 排尿困難を生じる病態
  2 排尿困難の診断
  3 排尿困難の治療
  4 治療開始時の患者説明内容
  5 フォローアップの注意点
  6 専門医への紹介
  7 まとめ
  
PART9 婦人科系症状への対症療法
 1.妊娠・授乳中のくすり
  1 妊娠編 総論
  2 妊娠編 各論 安全に使えるものだけピックアップ
  3 授乳編 総論
  4 授乳編 各論
 2.月経困難症へのアプローチ
  1 対応の原則
  2 病歴聴取・診察
  3 治療
  4 患者説明のポイント
  おわりに
 3.更年期障害
  はじめに
  1 更年期障害の診断
  2 更年期障害の薬物療法
  3 更年期障害の非薬物療法
  4 患者教育と検査・治療開始時の説明の例
  おわりに
  
PART10 臓器を特定できない症候への対症療法
 1.「あちこちが痛い」、「疲れやすい」へのアプローチ
  1 線維筋痛症と慢性疲労症候群
  2 線維筋痛症(FM)
  3 筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)
 2.新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(倦怠感)へのアプローチ
  1 当院のデータ
  2 コロナ罹患後症状の倦怠感
  3 コロナ罹患後症状の倦怠感を疑う症状
  4 対応の原則
  5 病歴聴取・診察・検査
  6 治療、患者説明内容
  7 フォローアップの具体的な方法について
  8 症例提示
  まとめ