ERからはじまる外傷の治療戦略**羊土社/田村 暢一朗/978-4-7581-2441-6/9784758124416**
外傷外科のエキスパートが教える 目の前の命を救うための確実な判断
発行 2025年7月
判型:A5判 288頁
ISBN 978-4-7581-2441-6
監:内野 隼材
著:田村 暢一朗 / 笹口 桂佑
重症外傷の患者がERにやってきた!今やるべきは止血?検査?目の前の患者の様子を観察しながら,リアルタイムでさまざまな情報を統合し,次の戦略をたてていく,そのために必要な考え方と知識を外傷外科のエキスパートが解説.著者が実際に経験した症例をもとにした14Caseで,実際の対応だけでなく,ケースバイケースで対応していくための土台となる基本の考え方の両方が学べます. 14のCaseパートで出てくる単語のうち,押さえておきたい77単語は,後半の用語解説パートで補足解説しているので,これから外傷を診ていく人にも安心.
【目 次】
はじめに
本書の構成
Caseパート
1.CT で止血できますか?:e FAST陽性ショック ~見える化より,生きる化
【難易度】★☆☆☆☆
【ディスカッションの深さ】★☆☆☆☆
【キーワード】小腸間膜損傷
2.CTの情報を適切な止血につなげるためには? ~CTで得られること,CT で失うこと
【難易度】★★☆☆☆
【ディスカッションの深さ】★★☆☆☆
【キーワード】脾損傷
3.小さな血腫のその奥には?:シートベルト損傷 ~大胆と繊細を使い分ける
【難易度】★★☆☆☆
【ディスカッションの深さ】★★★★☆
【キーワード】上行結腸間膜損傷/上行結腸全層損傷
4.This is trauma surgery ! 情報のない世界で一歩踏み出すために必要なこと ~内因? 外因? 不明な状況から開胸に至るプロセス
【難易度】★★☆☆☆
【ディスカッションの深さ】★★★★★
【キーワード】胸椎骨折/胸腔内穿破
5.日本では少ない鋭的損傷への対応に必要な知識 ~刺傷をみたときの5.つのポイント~ ①刺入~刺出孔,②後腹膜血腫取り扱いの違い,③手術適応,4.CT の臨床的意味の違い,5.proximal control
【難易度】★★★☆☆
【ディスカッションの深さ】★★★☆☆
【キーワード】腎損傷
6.牛に背中を突かれ,胸腔内・腹腔内ともにeFAST 陽性 ~「もー,困った」:開胸or 開腹?
【難易度】★★★☆☆
【ディスカッションの深さ】★★★☆☆
【キーワード】脾損傷/腎損傷/膵尾部損傷/横隔膜損傷
7.患者の背景によって止血方法を変えるべきか? ~外傷は患者を選ばない,医師は患者を選べない
【難易度】★★★☆☆
【ディスカッションの深さ】★★★★☆
【キーワード】脾損傷/腎損傷
8.Time is money! 損傷臓器すべてのトータルリスクを下げるために ~頭部外傷に対する手術or 脾損傷:Which is first ?
【難易度】★★★☆☆
【ディスカッションの深さ】★★★★★
【キーワード】重症頭部外傷/脾損傷
9.鈍的肺挫傷・肺気瘤で手術が必要となる稀な症例を見逃さない ~Looking for Zebra?
【難易度】★★★★☆
【ディスカッションの深さ】★★★★☆
【キーワード】骨盤骨折/肺気瘤・肺挫傷
10.鋭的胸部外傷:いつ開ける? どう開ける? 肺門部クランプという魔法の杖 ~胸腔ドレナージ→開胸へ至るプロセス
【難易度】★★★☆☆
【ディスカッションの深さ】★★★★☆
【キーワード】肺裂創/肺動脈損傷
11.止血超難関損傷:開放性骨盤骨折 ~開いてしまったパンドラの箱
【難易度】★★★★☆
【ディスカッションの深さ】★★★★★
【キーワード】骨盤骨折/尿道損傷/直腸損傷
12.経皮的大動脈内バルーン遮断(REBOA)は決定的止血ではない ~見た目の血圧上昇と止血,どちらが大事ですか?
【難易度】★★★★☆
【ディスカッションの深さ】★★★★★
【キーワード】肝損傷/下大静脈損傷/右腎損傷/右多発肋骨骨折/右大腿骨骨折
13.重症肝損傷を目の前にして,Pringle法でコントロールできる出血とできない出血を冷静に見極められるか? ~肝パッキングで終わってOK?
【難易度】★★★☆☆
【ディスカッションの深さ】★★★★☆
【キーワード】肝損傷/左肝静脈損傷/横行結腸間膜損傷
14.鋭的頸部損傷(penetrating neck injury)で特に注意すべきこと:まず気道確保! からスタート ~患者と家族に「クビ」と言われないように
【難易度】★★★☆☆
【ディスカッションの深さ】★★★☆☆
【キーワード】内頸静脈
用語解説パート
5点腹腔内パッキング
AAST Grade
Cattell-Braasch法
Clamshell開胸
crash laparotomy
Duplex法
eFAST
GCS
hybrid ER
local wound exploration
lung sliding
Mattox法
修正Mattox法
midline shift
MIST
occult pneumothorax /open book typeの骨盤骨折
PPP /Pringle法
Rb直腸
アブセラ
アルゴンビーム(アルゴンビームコアギュレーター)
遺残血胸
一時閉腹(TAC)
牛による動物外傷
開胸心臓マッサージ
外傷性窒息
外傷チーム呼び出し(Trauma code, Trauma team activation)
下肺靱帯切離
肝臓パッキング
気管支ブロッカー
気管切開術
胸腔ドレナージ
胸骨正中切開
胸部下行大動脈遮断
緊急手術に対応できる重症初療室
緊張性気胸
計画的再手術(planned reoperation)
経動脈的血管塞栓術(TAE)
経皮的大動脈内バルーン遮断(REBOA)
血栓溶解療法
後腹膜の3つのZone
骨髄輸液路
骨盤創外固定
サムスリング(pelvic binder)
死の三徴
自動縫合器
シースイントロデューサー
シートベルト痕
滲出性出血(oozing bleeding)
迅速導入気管挿管(RSI)
心タンポナーデ
心嚢開窓
セルセーバー(R) / セレスキュー(R)(ゼラチンスポンジ)
造影剤漏出像(extravasation)
タコシール(R)(absorbable fibrin sealant patch)
ダッシュボード損傷
ダメージコントロール手術
炭酸水素ナトリウム(メイロン(R))
胆汁腫(biloma)
超緊急輸血
デグロービング損傷
ドクターヘリ
乳酸アシドーシス(代謝性アシドーシス)
尿道造影
尿道損傷
肺気瘤
肺門部遮断
脾摘出後重症感染症(OPSI)
フィブリン
腹部コンパートメント症候群
腹部大動脈遮断
ブリーフィング(ブリーフィングシート)
フレイルチェスト
分離肺換気
膀胱瘻(造設術)
メラサキューム
監修者・著者プロフィール