陣痛 なぜ出産は痛いのか?**メディカ出版/飯田 俊彦/978-4-8404-8858-7/9784840488587**

販売価格
5,280円(税込み)
WEB動画でよくわかる 陣痛と脳機能
編著
飯田 俊彦(済生会宇都宮病院 産婦人科主任診療科長)
出版社
メディカ出版
分野
周産期医学(新生児学)

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特集
新刊
書籍版 販売期間
2025/09/22~
JANコード
9784840488587
商品コード
9784840488587
発行 2025年9月
判型:B5判 126頁
ISBN 978-4-8404-8858-7

陣痛の痛みの意味を生理学で解き明かす

「陣痛の痛みに対する一連の生体反応は、種の保存に関わる出産意欲を維持するため、削除困難な疼痛に対し快情動の報酬を以って代償しようとする生理的脳内機構」と位置づけ、陣痛における疼痛の認知とその対応、分娩進行や母性形成に深く関係するオキシトシンの働き、自然分娩においてβ-エンドルフィンが疼痛を抑制する機序、ドーパミン報酬系による安心感、満足感といった快情動など、多様な角度から陣痛を解説。

【目 次】
・はじめに
・謝辞
  
第1章 人類の進化と陣痛
 1.進化の恩恵と代償としての陣痛
  1)ヒトの出産における2つの特徴
  2)人類の骨盤の形状
  3)進化の鉄則
  4)陣痛の意義
  
第2章 陣痛に対する解釈と対応の歴史的変遷
 1.西洋における解釈と対応
  1)旧約聖書から見た陣痛
  2)宗教改革と機械論の台頭
  3)医学における価値観の変化
 2.日本における解釈と対応
  1)出産における宗教の影響
  2)戦後のGHQによる改革
  3)無痛分娩 vs. 精神予防性無痛分娩論争
  
第3章 陣痛発来機序
 1.ヒトにとって最適な在胎期間とは
  1)陣痛はいつ、どのように始まるのか
  2)さまざまな動物の在胎期間
  3)ヒトはなぜ280日なのか
 2.陣痛発来にかかわる諸因子
  はじめに
  1)陣痛発来前の静寂期
  2)陣痛準備期および陣痛活動期
  3)陣痛終了期
 3.陣痛発来機序の総括
  1)胎児脳の成熟を待った分娩時期
  2)胎児脳容量により陣痛発来を指揮する司令塔とは
  3)オキシトシンが主体の陣痛発来機序説
  
第4章 子宮平滑筋収縮のメカニズム
 1.子宮平滑筋の特性
  1)子宮平滑筋の構造
  2)刺激に対する収縮機能
 2.子宮平滑筋の収縮と弛緩
  1)子宮平滑筋の収縮機序
 3.子宮平滑筋収縮における細胞内機序
  1)Gタンパク質の役割
  
第5章 陣痛における疼痛の認知とその対応
 1.疼痛伝導系回路と疼痛抑制系回路
  はじめに
  1)疼痛伝導系回路
  2)疼痛抑制系回路
  3)内因性オピオイド
 2.脳内報酬系
  1)β-エンドルフィンが母体精神状態にもたらす影響
  
第6章 中枢神経系におけるオキシトシンの働き
 1.オキシトシンと母性的養育行動
  はじめに
  1)オキシトシンと母性スイッチ
  2)オキシトシンとアタッチメント
  3)オキシトシンと共感
  4)オキシトシンと信頼関係
 2.RAGEとオキシトシン拮抗薬
  1)血中オキシトシンが脳内に取り込まれる経路
  2)膜型RAGEを介した児の脳への移入の可能性
  3)静脈内投与における脳内移行の検討
  
第7章 無痛分娩
 1.無痛分娩の機序
  はじめに
  1)硬膜外麻酔の作用機序
  2)自然分娩との比較
 2.無痛分娩の現況
  1)さまざまな立場から見た無痛分娩
  2)日本の無痛分娩の実施率が低い理由と女性の意識の変化
 2.無痛分娩の意義
  1)無痛分娩を体験した文学史上の偉人
  2)無痛分娩と自然分娩の意義
  3)現代の出産と医療提供者に求められること
  
第8章 少子化と脳機能
 1.脳機能から考える出生率の低下
  1)わが国の出生率の低下
  2)出生率の低下の原因
  
・おわりに
・WEB動画の内容紹介
・WEB動画の視聴方法
・著者紹介