矯正治療の長期経過と保定管理**クインテッセンス出版/小坂 肇/978-4-7812-1158-9/9784781211589**
発行 2025年11月
判型:A4判変型 180頁
ISBN 978-4-7812-1158-9
長期症例から不正咬合の対応や矯正治療の長期安定性を学ぶ実践書!
矯正治療後最長30年にも及ぶたくさんの長期経過症例を取り上げており、保定管理や咬合の安定性、Angle classⅡ、Ⅲや過蓋咬合、開咬などの不正咬合への対応、成長予測の限界などを体系的に解説。長期経過症例を通じて、矯正治療後の安定を見据えた診断・治療計画の重要性を学べる、臨床家必携の実践的専門書である。
【目 次】
推薦のことば
本書のはじめに
著者略歴
第1章 長期経過症例を検討するにあたって
1-1:長期経過症例を検討するうえで認識しておきたい要素
1-2:「Ricketts分析」とその概要
1-3:下顎の評価方法を知る
1-4:下顎智歯が歯列に与える影響
1-5:矯正治療における顎顔面成長への対応方法
1-6:長期症例を検討していくうえでポイントとなる要素
第2章 矯正治療における機能咬合の問題
2-1:保定や咬合の安定に必要な機能咬合とは?
2-2:筆者が当時(1970年代)に機能咬合を目指した症例
2-3:大臼歯部の咬合力が下顎前歯部の不正排列に与える影響について
2-4:保定と機能咬合の問題についての総括
第3章 矯正治療後の保定と咬合の長期安定性について
3-1:“矯正治療後(保定時)に起こる問題”へと対応するために必要な視点とは?
矯正治療における保定の問題に関する歴史
3-2:矯正治療における保定の位置づけと長期経過観察の重要性
3-3:初診時診断資料の注意深い検討は,保定および保定後に結び付く
参考症例 初診時~保定後までステップで追う臼歯関係classⅡの症例
3-4:動的治療終了と保定開始についての説明と管理責任
3-5:保定中に起こる咬合変化に及ぼす要因について
3-6:咬合の長期安定性と一般的保定期間の問題
3-7:保定後の長期経過に認められる咬合の不安定性
3-8:治療前後,および長期経過における咬合推移とその対応
第4章 Angle classⅡへの対応と長期経過
4-1:Angle classⅡ症例の治療検討に際して――本当に“上顎前突”か?
第 1 症例 長期経過中,十分な下顎成長が得られなかった成長期classⅡ 1 類の過蓋咬合症例
4-2:成長予測の限界と長期観察の重要性
第 2 症例 矯正治療中に著しい下顎の後下方成長を示し,一時治療休止した成長期のclassⅡ 1 類症例
4-3:成長期における特異な成長と向き合う矯正治療の実際
第 3 症例 矯正治療後,長期経過時に下顎の著しい変則成長を示した症例
4-4:Angle classⅡ症例にみられる,予期しがたい成長に苦慮しないための考え方
第5章 Angle classⅢ下顎前突症例への対応と長期経過
5-1:下顎前突症への対応についての歴史
5-2:外科的矯正治療を希望しない骨格性 classⅢ患者に対する ,classⅢ finishによる治療の概要
第 1 症例 治療中下顎成長が認められ,抜歯空隙が残留した成長期の強い骨格性classⅢ症例
第 2 症例 著しく前方発達した下顎骨と上顎骨のlow Angle classⅢ症例
第 3 症例 下顎の晩期成長が認められたclassⅢ成人過蓋咬合症例
第 4 症例 学童期の強いclassⅢ治療完了後,思春期成長により外科的矯正に至った症例
5-3:骨格性 classⅢの下顎前突症例の問題点とその対応の一考察
第6章 叢生への対応と長期経過
6-1:叢生の治療と治療後経過の検討について
6-2:叢生をともなった 3 症例の検討
顕著な下顎の後退型 3 症例と智歯の関係について
第 1 症例 成長期非抜歯拡大治療後,成人期に著しい叢生を発現し,抜歯治療に至った症例
第 2 症例 成長期に便宜抜歯による治療後,成人期に 4 本の智歯が完全萌出し,著しい叢生を発現した症例
第 3 症例 成長期に便宜抜歯による治療後,成人期に著しい叢生を発現した,強度の矮小顎症例
6-3:保定後になぜ下顎前歯部にrelapse(後戻り)や新たな不正が起こりやすいのか?
――下顎前歯部 7 つの特性とそれによって受ける影響
第7章 過蓋咬合への対応と長期経過
7-1:過蓋咬合症例の治療検討に際して
7-2:過蓋咬合症例と咀嚼筋の関係
第 1 症例 著しい前歯舌側傾斜をともなった成人患者の過蓋咬合症例
第 2 症例 成人患者による著しく深い前歯垂直被蓋と舌側傾斜のclassⅡ 2 類過蓋咬合症例
第 3 症例 成長期の骨格性過蓋咬合で強い咀嚼筋の影響が考えられた症例
7-3:強い筋力には抗えない
第8章 開咬症例への対応と長期経過
8-1:開咬症例の治療に際して認識しておきたいこと
開咬発症因子の相互関係とその影響時期
咀嚼筋の付着と骨格的顔面形態
開咬における治療法の分布
Segmented archとelastic treatmentによる前歯挺出法
8-2:開咬症例 4 例の検証について――特異な問題を抱えた症例への対応
第 1 症例 下顎の左方偏位をともなう骨格不正と,著しい開咬状態をともなった症例
第 2 症例 臼歯部歯冠高径に問題のある著しい骨格性開咬症例
第 3 症例 強い舌の影響が考えられる前歯部開咬症例
8-3:長期安定性のために必要な治療視点と初期対応の重要性
第 4 症例 欠損歯を有し,後下方後退および右方偏位をともなう下顎の強い骨格性開咬症例
8-4:開咬症例における咀嚼筋の脆弱性を改善するには?
8-5:難しい開咬症例の長期安定性を確保するために
第9章 保定装置の役割とその必要性
9-1:保定装置の必要性――歯科矯正治療における保定装置の位置付けについて
9-2:一般的に用いられている保定装置の動向
9-3:症例に応じた保定装置の対応とその種類
9-4:Fixed retainerに関して
第 1 症例 Fixed retainerを使用した症例
第10章 保定問題の総括と今後への展望
10- 1 :保定問題の総括
Authority による保定への見解
Enlow D,およびLittle Rによる後戻り現象の見解
Proffit の見解
保定後の長期経過資料を保存する重要性
本書に掲載された,長期に検討された17症例まとめ
(治療後長期経過:最長30年,平均16年 6 か月の25症例より)
保定段階でのまとめ方に対する提案
10-2:次世代へのメッセージ
本書のおわりに