感染症疫学のためのデータ分析入門 数理モデル編**金芳堂/西浦 博/978-4-7653-1997-3/9784765319973**

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5,940円(税込み)
編著
西浦 博
出版社
金芳堂
分野
公衆衛生学

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特集
新刊
書籍版 販売期間
2026/05/29~
JANコード
9784765319973
商品コード
9784765319973
発行 2026年5月
判型:A5判 311頁
ISBN 978-4-7653-1997-3

編著:西浦 博(京都大学大学院 医学研究科 健康危機管理情報解析学分野および社会健康医学系専攻 環境衛生学分野教授)

感染症疫学を理解するための数理モデル・ネットワーク分析の手引書。

本書は、好評を博した『感染症疫学のためのデータ分析入門』(2021年10月刊)の応用編として、数理モデルおよびネットワーク分析を体系的にまとめた続編です。前著で扱った基礎知識を踏まえ、「実際の観察データをどのように扱うか」という実践的な視点から、初学者にもわかりやすく解説しています。

内容は京都大学大学院医学研究科(公衆衛生修士コース)の講義「感染症数理モデル入門」に準拠しており、感染症の伝播能力の評価、閾値現象の理解、ワクチン効果の検証といった理論から、コンピュータを用いた流行モデルの数値計算や統計学的推定まで、単に読むだけではなく、章末の確認問題を解いていくことによって、着実に理解を深めることができます。

また、HPから本書に掲載されているサンプルデータおよびコードをダウンロードでき、読者が自らの手でデータを扱いながら、シミュレーションやデータ分析の実践的手法を身につけられるよう工夫されています。感染症数理モデルを体系的に学び、実務や研究への応用を目指す方にとって、必携の一冊となります。

【目 次】
Part1 感染症数理モデルの必須方法論
 chapter 1 コンパートメントモデルによる感染症流行の記述

   本章の目的
   1 感染症流行のコンパートメントモデルの考え方
   2 SIRモデルによる流行の動的な記述
   (1)SIRモデルの定式化
   (2)基本再生産数
   (3)SIRモデルの適用例
   (4)状況に合わせた拡張・その1:人口動態の導入
   (5)状況に合わせた拡張・その2:感染性の変動の導入
   まとめ
   章末確認問題
   
 chapter 2 異質性を捉えるサイエンス:次世代行列
   本章の目的
   1 基本再生産数の定義
   2 接触の異質性とWAIFW行列
   3 接触を規定するもの
   4 インフルエンザの予防接種
   5 次世代行列
   付録
   章末確認問題
   
 chapter 3 複雑ネットワーク、集団免疫と最終規模:ランダムな接触と異質な接触
   本章の目的
   1 複雑ネットワーク
   (1)グラフ理論
   (2)ネットワークの指標
   (3)ネットワークの種類
   2 集団免疫と最終規模
   (1)ランダムな接触における集団免疫と最終規模
   (2)異質な接触を加味した場合の最終規模
   (3)異質性は集団免疫と最終規模へどのように影響する
   まとめ
   
 chapter 4 モデルから次世代行列を導こう
   本章の目的
   1 モデルの次世代行列と基本再生産数R0
   (1)SEIRモデル
   (2)性感染症のモデル
   (3)地域間の移動を含むモデル
   まとめ
   付録 ベクトルと行列の計算公式
   章末確認問題
   
 chapter 5 安定性分析に入門しよう
   本章の目的
   1 平衡解と基本再生産数R0
   (1)感染症のない平衡解
   (2)エンデミックな平衡解
   2 局所安定性
   (1)感染症のない平衡解
   (2)エンデミックな平衡解
   (3)ヤコビ行列
   3 大域安定性
   (1)感染症のない平衡解
   (2)エンデミックな平衡解
   まとめ
   章末確認問題
   
Part2 流行モデルを社会実装する
 chapter 6 流行時における基本再生産数の推定

   本章の目的
   1 基本再生産数と成長率
   (1)感染症流行のタイプ
   (2)流行初期における感染者数の指数関数的増加
   (3)成長率と基本再生産数の関係
   2 基本再生産数の推定
   3 最終規模の推定
   (1)基本再生産数と最終規模の関係
   (2)次世代行列を利用した最終規模の推定
   4 オイラー=ロトカの方程式と積率母関数の導出
   (1)オイラー=ロトカの方程式の導出
   (2)基本再生産数を推定するための積率母関数
   (3)積率母関数の利用:指数分布の例
   まとめ
   
 chapter 7 発症間隔と世代時間の推定
   本章の目的
   1 はじめに
   2 発症間隔
   (1)発症間隔の特徴
   (2)発症間隔の量的推定
   (3)発症間隔の実用的な意味
   3 世代時間
   (1)世代時間の特徴
   (2)3種(内在的、後向き、前向き)の世代時間
   (3)時刻依存の世代時間に関する実践的な考え方
   (4)家庭内伝播データからの内的世代時間の推定
   まとめ
   章末確認問題
   
 chapter 8 蔓延時(エンデミック期)における基本再生産数の推定
   本章の目的
   1 エンデミック状態の感染症
   (1)エンデミック状態を想像しよう
   (2)触媒モデル(catalytic model)
   2 集団免疫に満たないワクチン接種
   3 血清疫学データに基づく基本再生産数
   4 血清疫学データを用いた感染力の推定プロセス
   (1)年齢に独立な感染力の推定
   (2)年齢に依存する感染力の推定
   5 発展編:母体由来免疫や免疫の失活を加味しよう
   (1)母体由来免疫を加味したエンデミックデータの分析
   (2)免疫失活を加味した感染力の推定
   まとめ
   章末確認問題
   
 chapter 9 小規模流行:確率過程で数理モデル化をしよう
   本章の目的
   1 感染症の伝播と確率論
   (1)なぜ感染症の流行動態は毎回違うのか?
   (2)マルコフ過程とコンパートメントモデル
   2 分岐過程と絶滅
   (1)ゴルトン・ワトソン分岐過程(Galton-Watson branching process)
   (2)感染の広がり方
   (3)絶滅確率
   3 出生死亡過程
   (1)出生過程
   (2)出生死亡過程
   (3)出生と死亡を伴うSIRモデル
   4 連鎖型二項過程
   (1)Reed-FrostとGreenwoodの流行モデル
   (2)En’koの流行モデルも検討してみよう
   (3)家庭内感染
   まとめ
   章末確認問題
   
 chapter 10 空間的な流行拡大を捉えよう
   本章の目的
   1 感染症の空間的な伝播
   (1)空間構造を持つ数理モデル
   (2)空間的カップリングモデル
   (3)移動モデル
   2 メタ個体群モデル
   3 国際的な伝播を予測する数理モデル
   1)メタ個体群モデルを用いたリアルタイム予測
   2)実効距離を用いた輸入感染症のリスク推定
   まとめ
   章末確認問題
   
 chapter 11 リアルタイムモデリング
   本章の目的
   1 リアルタイムモデリングの重要性
   2 致命割合の推定
   (1)粗計算における致命割合の問題点
   (2)時間の遅れを考慮したCFR推定モデル
   (3)個人別尤度を使ったモデル化
   3 人獣共通感染症アウトブレイクにおける基本再生産数の推定
   (1)人獣共通感染症のスピルオーバー
   (2)診断バイアスと基本再生産数の推定
   (3)継続するスピルオーバー
   4 実効再生産数のリアルタイム推定における観測打ち切り
   (1)ナウキャスティング
   (2)逆計算
   (3)現実のデータへの対応
   まとめ
   章末確認問題
   
 chapter 12 蚊媒介感染症(マラリア・デング熱)の数理モデル
   本章の目的
   1 蚊媒介感染症の特徴とそのモデル化
   (1)数理モデルの視点から見た蚊媒介感染症
   (2)蚊媒介感染症の基本モデル
   2 Ross-Macdonaldモデルの導出
   (1)モデルの基本構造
   (2)感染力のモデル化
   (3)Ross-Macdonaldモデルにおける基本再生産数
   (4)Ross-Macdonaldモデルにおける定常状態
   (5)蚊の垂直感染のモデルへの影響
   3 蚊媒介感染症における疫学指標
   (1)基本再生産数
   (2)昆虫学的接種率
   (3)媒介蚊感染能
   4 マラリア休眠体による長期潜伏の考慮
   (1)マラリア原虫の長期潜伏
   (2)二極化した潜伏期間の数理モデル上の取り扱い
   まとめ
   章末確認問題

 chapter 13 国境における検疫のモデル
   本章の目的
   1 はじめに
   2 これまでの検疫期間の決定論拠と問題点
   (1)クラシックな検疫期間の決定手法とコンセプト
   (2)クラシックな検疫期間の決定手法の問題点
   3 不顕性感染者を考慮した検疫期間の決定
   (1)感染性宿主の侵入を防止する効果
   (2)不完全な検疫と診断補助がある場合の検疫の効果
   (3)侵入者によって生じる2次感染者数の抑制効果
   4 侵入者によって引き起こされる流行に対する検疫の疫学的効果
   (1)流行の絶滅確率を利用したモデ
   (2)侵入者によって流行が引き起こされる確率の相対的減少
   5 流行観察の遅れを及ぼす検疫の効果
   6 応用方法
   まとめ
   章末確認問題
   
 chapter 14 疾患別の数理モデル(季節性インフルエンザ、結核、HIV/AIDS)
   本章の目的
   1 季節性インフルエンザの数理モデル
   2 結核の数理モデル
   (1)結核の内的動態を捉えた数理モデル
   (2)インターフェロンガンマ遊離アッセイを利用した年間感染リスクの推定
   3 HIV/AIDSの発展型逆計算モデル
   まとめ
   章末確認問題
   
章末確認問題 解答編
あとがきにかえて:もっと感染症数理モデルを学ぶ人のために
   
著者略歴