行為と幻覚**金原出版/小林聡幸/9784307150651**

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5,060円(税込み)
レジリアンスを拓く統合失調症
編著
小林聡幸
出版社
金原出版
分野
 
精神医学

数量

販売期間
2011/01/01~
商品コード
9784307150651
発行 2011年1月
ISBN 978-4-307-15065-1
「統合失調症」は表面的な理解では捉えがたい疾病である。精神病理学第四世代の著者が、操作的診断基準の席巻と行き過ぎたEBMの考え方への批判から、厚みと深みのある精神病理学への高まる関心に応える。前半で「レジリアンス」概念を傍らに、大きな視点で臨床を観察し、後半では「幻覚」の病理性とその自己治癒的な側面を見据えつつ、統合失調症患者の「行為」の次元を論じた比類なき書!

はじめに1部 統合失調症のレジリアンス 第1章 レジリアンスを拓く統合失調症 1 統合失調症のあらゆる可能な回復に対する前提的問題 2 「締めくくること」と回帰性 3 主体を定立する病的体験 4 日常への狂気の繰り込み 第2章 レジリアンスの死、患者の自死 1 はじめに 2 症例 3 考察 第3章 自我境界のレジリアンス 1 「この私」 2 自我境界 3 予後不良だった症例 4 伸縮する自我境界 5 予後良好だった症例 6 レジリアントな自我境界2部 経過からみた統合失調症 第4章 身体症状の仮面をかぶった統合失調症 1 「仮面統合失調症」 2 範例的症例 3 患者側の医療へのかかり方 4 医療側の患者への関わり方 5 身体という臨床の場 第5章 精神病症状としての知覚変容発作 1 知覚変容発作の多面性 2 症例 3 知覚変容発作の〈内容〉と〈容器〉 4 精神病症状としての知覚変容発作 5 レジリアンスの側面から 6 結語 第6章 頻発性高揚-低迷病相統合失調症 1 統合失調症と躁うつ病の間 2 症例 3 症例小括 4 精神病理と薬物療法 5 高揚?低迷状態の位相 6 結語3部 幻覚論とその展開 第7章 幻覚?このハイパーリアルなもの 1 「対象なき知覚」 2 知覚としての幻覚 3 五感からあふれる幻覚 4 能動と受動 5 世界の変容としての幻覚 6 ソフトウェア化された精神は幻声を聴くか? 第8章 独語幻覚 1 独語と幻覚 2 症例 3 「独語幻覚」の症候論的検討 3-1 「独語幻覚」の小括 3-2 独語妄想との比較 3-3 従来の症候論による独語幻覚の記述 3-4 幻聴と運動幻覚との関係 4 言語と独語幻覚 4-1 内言と独語幻覚 4-2 自己中心的言語と独語幻覚 4-3 鏡像的ディスクールとしての独語幻覚 5 結語 第9章 加害的自生視覚表象 1 統合失調症の加害的体験 2 症例 3 加害的自生視覚表象と寛解過程 4 加害的自生視覚表象と「発話内の力」 第10章 急性偽記憶精神病 1 偽記憶 2 症例 3 偽りの記憶 4 急性偽記憶精神病 5 偽記憶の推移 6 自我障碍の層構造 7 結語4部 行為と記述 第11章 統合失調症と言語、そして行為へ 1 言語と精神 2 言語と思考 3 思考に先立つ言語 4 他性としての言語 5 意味論 6 統辞論 7 語用論 第12章 予定体験と自由のディスクール 1 はじめに 2 症例 3 考察 3-1 予定体験 3-2 幻覚としての予定体験 3-3 自由のディスクール 3-4 時間と自由 3-5 予定体験のディスクール 4 おわりに 第13章 統合失調症における目と行為の精神病理 1 はじめに 2 「シテンが来ない」症例 3 行為と視点 4 「目に集中しすぎて体がずれてしまった」症例 5 向性的構造と志向的構造のずれ 6 「目」と「シテン」 7 結語初出一覧文献と註あとがき索引