歯科放射線学 第7版**医歯薬出版/岡野 友宏/978-4-263-45681-1/9784263456811**
発行 2024年3月
判型:B5判 536頁
ISBN 978-4-263-45681-1
編集代表:岡野 友宏
編集委員:小林 馨 / 有地 榮一郎 / 勝又 明敏 / 林 孝文
歯学教育モデルコアカリキュラム,共用試験に完全対応した歯科放射線学テキストの決定版!
●画像診断のベースとなる典型的な写真・図を精選して多数掲載,また,急速に進行したデジタル化の流れを取り入れ,臨床応用が進んだ歯科用コーンビームCTなどの記載も充実しています.
●臨床研修医の参考書,歯科放射線認定医・専門医を目指すときの入門書としても活用できます.
【目 次】
第1章 放射線と歯科医療
1 放射線と医療
1)はじめに
2)X線の発見とX線撮影の進歩
3)X線単純撮影法とその展開
4)二次元から三次元画像,そして機能診断
5)放射線によるがんの治療
6)歯科における放射線医学の発展
7)放射線診療の専門化
2 歯科放射線学の教育ガイドライン
第2章 放射線とその性質
1 放射線の物理
1)原子の構造
2)放射線
3)放射性壊変
4)X線とその発生
2 放射線の量・単位とその測定
1)線量とその単位
2)線量の測定
3)モニタリング用の測定器
4)放射線防護に関する量
3 放射線の生物学的影響
1)放射線影響発現過程
2)細胞に対する影響
3)組織および臓器に対する放射線影響
4 人体に対する放射線影響
1)放射線影響の分類
2)組織反応(確定的影響)と確率的影響
3)低線量放射線被曝の疫学調査
4)歯科放射線のリスク
5 医療における放射線防護(岡野友宏)
1)放射線の線源別にみた被曝線量
2)医療における被曝
3)放射線防護の考え方
4)医療被曝の管理と防護
5)患者被曝低減への最近の活動
6)医療従事者の防護
7)病棟や在宅診療におけるX線撮影
第3章 X線投影画像の形成
1 X線撮影装置とX線像の形成
1)X線撮影装置
2)X線と生体との相互作用:被写体コントラストの形成
3)散乱線とその除去
4)X線の投影と画像への影響
2 デジタル撮影
1)デジタル画像の形成
2)歯科用デジタルX線画像診断システム
3)半導体X線検出器
4)イメージングプレートX線検出器
5)デジタル画像の観察
6)デジタル画像の画質とその評価
3 フィルムによる撮影
1)X線フィルム
2)蛍光増感紙
3)X線写真処理
4)写真濃度と照射線量の関係
5)X線写真処理の実際
6)X線写真の観察
第4章 X線撮影法と画像検査
1 口内法X線撮影
1)歯科口内法用X線装置
2)投影の原則
3)撮影の実際
4)咬翼法
5)咬合法
6)小児の口内法X線撮影
7)口内法X線画像:歯と周囲組織X線像の正常解剖
2 パノラマX線撮影
1)撮影の原理とX線装置
2)障害陰影
3)パノラマX線撮影の実際
4)パノラマX線画像の正常解剖
5)パノラマX線撮影のバリエーション
3 歯科用コーンビームCT
1)歯科用コーンビームCTの原理と構成
2)歯科用コーンビームCTの撮影と適応
3)ボリュームデータの取り扱い
4 顔面頭蓋部撮影
1)体位・基準線と投影法
2)顔面頭蓋部X線撮影装置と検出器
3)頭部後前方向撮影(postero-anterior projection;P-A投影法)
4)Waters撮影法(Waters' projection)
5)頭部X線規格撮影法(cephalometric radiography;cephalography)
6)顎関節の撮影
5 X線断層撮影法
1)X線断層撮影法の原理
2)トモシンセシス
6 造影検査(久富美紀)
1)造影検査とは
2)造影剤とその有害事象
3)口腔顎顔面領域における適用
7 CT(コンピュータ断層撮影)
1)CTの原理と装置
2)CT値
3)CT像の表示
4)CTでのピクセル,ボクセルと部分容積効果
5)アーチファクト
6)造影CT
7)CTの適応
8 MRI
1)MRIの原理
2)MRIの画像コントラストと画像診断
3)MRIによる検査
4)MRIの適応
5)症例
6)その他のMRI
7)MRIの展望
9 CT,MRIの顔面・頸部の正常解剖〔(間)隙を含む〕
10 超音波検査法(US)
1)周波数・音速・音響インピーダンス
2)反射・散乱・透過・減衰
3)超音波の発生と超音波診断装置
4)超音波所見とアーチファクト
5)ドプラ法(ドプラモード)
6)ハーモニックイメージング
7)エラストグラフィ
8)超音波診断の適応
11 核医学検査
1)シンチグラフィ・シングルフォトンエミッションCT<SPECT>の原理と装置
2)ポジトロンエミッション断層撮影法(PET)の原理と装置
3)口腔顎顔面領域における適応
12 interventional radiologyと内視鏡
1)歯科におけるinterventional radiology
2)歯科における内視鏡検査
13 画像検査における医療安全
1)医療安全管理と画像検査
2)画像診断装置の安全管理
3)画像の品質管理
4)X線撮影時の感染対策
14 医療情報とデジタル画像の統合
1)診療録などの電子化
2)医療情報システムと病院情報システム
3)医療情報システムの標準化
4)DICOM標準規格による画像および画像通信の標準化
5)医療情報の統合
6)遠隔画像診断
第5章 画像診断
1 診断入門
1)診療における意思決定過程
2)診断学における正確度
3)口腔疾患におけるX線検査法の選択とその基準
4)X線画像の読影
5)X線画像所見の表現
6)コンピュータ支援による画像診断
2 齲蝕
1)齲蝕とその画像検査法
2)齲蝕のX線検査と画像所見
3 歯髄・根尖病変と歯内療法
1)歯髄・根尖病変と画像検査法
2)歯髄・根尖病変の画像所見
3)歯内療法におけるX線画像の活用
4 歯周疾患
1)歯周病と画像検査法
2)歯周疾患の画像所見
5 歯の異常
1)数の異常
2)形および大きさの異常
3)形成異常
4)萌出の異常
5)歯の退行性変化
6 顎骨とその周囲の炎症
1)画像診断の役割
2)顎骨の炎症
3)顎骨の周囲軟組織の炎症
7 顎骨の嚢胞・腫瘍
1)画像検査法
2)嚢胞
3)歯原性腫瘍
4)骨・軟骨腫瘍
5)線維性骨ならびに骨軟骨腫様病変
6)巨細胞病変と骨嚢胞
7)その他の腫瘍性病変
8)その他の病変
8 口腔・頸部の軟組織疾患
1)口腔・頸部の解剖
2)画像診断法
3)嚢胞
4)良性腫瘍
5)リンパ節の疾患
9 口腔領域の悪性腫瘍
1)はじめに
2)上皮性悪性腫瘍
3)非上皮性悪性腫瘍
4)転移性腫瘍
10 唾液腺の病変
1)唾液腺の解剖
2)正常唾液腺のCTおよびMR像
3)唾液腺腫瘍
4)唾液腺の嚢胞
5)唾液腺の炎症
11 顎関節の病変
1)顎関節の解剖
2)顎関節の疾患
12 上顎洞の病変
1)上顎洞の解剖
2)上顎洞の各画像検査法のポイント
3)上顎洞の正常画像解剖
4)代表的な上顎洞疾患の画像所見
5)歯科医師として知っておくべき耳鼻科領域の内視鏡手術
6)歯科インプラント時のサイナスリフト
13 歯と顎骨の外傷
1)画像検査の選択と適応
2)歯と歯槽骨の外傷
3)顎・顔面の外傷
14 顎骨に異常をきたす主として全身に関連する疾患
1)内分泌障害・代謝障害
2)骨系統疾患・症候群
3)その他の疾患
15 歯と顎の成長とその障害
1)歯の発育年齢
2)骨の発育年齢
3)頭部X線規格撮影法による計測
4)顎骨の成長障害
16 加齢に伴う変化
1)骨と血管の変化
2)パノラマX線画像による骨粗鬆症および動脈硬化の評価法
17 摂食嚥下機能の評価と診断
1)嚥下機能の評価法
2)ビデオ嚥下造影(VF)検査の方法
3)VF画像の解釈
4)誤嚥性肺炎
18 歯科インプラントの検査
1)歯科インプラントとその適応
2)歯科インプラントにおけるX線検査法
19 胸部X線画像:全身との関わり
1)胸部正常画像
2)胸部異常像の診断
第6章 がんの放射線治療
1 腫瘍に対する放射線の作用
1)固形腫瘍の組織構造と癌幹細胞の特性
2)固形腫瘍の放射線感受性
2 放射線治療の概念と治療機器
1)放射線治療とは
2)放射線治療の目的
3)放射線治療の方法
4)有害事象の軽減と照射の精度を高める技術
5)放射線併用療法
3 頭頸部放射線治療の実際
1)頭頸部癌
2)口腔癌
3)口腔隣在組織癌
4)頸部リンパ節転移
4 放射線治療に伴う有害事象と患者の管理
1)放射線治療に伴う副作用
2)頭頸部放射線治療患者の歯科治療・口腔管理
第7章 法歯学と歯科X線画像
1)法歯学におけるX線画像の役割
2)個人識別とX線画像
3)X線画像を用いた個人識別事例
【事例1】大地震被害者の個人識別
【事例2】事件被害者の個人識別
【事例3】白骨死体の歯科的特徴の比較による個人識別
【事例4】白骨死体の特徴的な補綴装置による個人識別
【事例5】身元不明死体の解剖学的な特徴による個人識別
4)骨のX線撮影方法
付表