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  • 循環器大規模臨床試験要約集 2018年版**メディカルレビュー社/監修:小室一成・山崎力/編集主幹:森田啓行/編集:細谷弓子・網谷英介/9784779221989**

循環器大規模臨床試験要約集 2018年版**メディカルレビュー社/監修:小室一成・山崎力/編集主幹:森田啓行/編集:細谷弓子・網谷英介/9784779221989**

販売価格
2,750円(税込み)
編著
監修:小室一成・山崎力/編集主幹:森田啓行/編集:細谷弓子・網谷英介
出版社
メディカルレビュー社
分野
 
循環器一般

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書籍版 販売期間
2019/04/01~
JANコード
9784779221989
商品コード
9784779221989
ISBN 978-4-7792-2198-9
サイズ:A4 / 88p

毎年、循環器疾患に関しては非常に多くの大規模臨床試験が行われ、「New England Journal of Medicine」誌や「Lancet」誌などの一流誌に多くの論文が掲載されるが、今回も興味深い試験の発表が多かった。そのうちの一部を紹介する。
虚血性心疾患に関する臨床試験では生体吸収性ステントに関する試験に注目が集まっている。2017年のAIDA試験では生体吸収性ステントのほうが金属性ステントより有用性が低く、ステント血栓症の発生率が高かったが、2018年のDESSOLVE・ではシロリムス溶出生分解性ステントはエベロリムス溶出ステントに対して非劣性であった。不整脈の臨床試験としては、やはり心房細動(AF)に関するものが多かった。AFと心不全は密接な関係にあることはよく知られているが、AF患者のなかに左室の収縮機能が低下する人としない人がいる理由についてはわからないことも多い。CAMERA-MRIでは、AF以外に説明のつかない左室収縮不全を有する患者を対象に、カテーテルアブレーションによる洞調律回復と薬物療法によるレートコントロールを比較したところ、左室駆出率(LVEF)はカテーテルアブレーションによる洞調律回復群のほうが有意に改善した。わが国でも2019年よりデバイスを用いた左心耳閉鎖術(LAAC)がはじまる予定であるが、PROTECT AF/PREVAILのサブ解析では、非弁膜症性AF患者の脳卒中予防について、デバイスを用いたLAACとワルファリンを比較した2試験のメタアナリシスで、脳卒中、全身性塞栓症、心血管死亡の複合発生率は同程度であった。未診断のAF患者をどのようにみつけるかは長年の大きな課題であるが、REHEARSE-AFではAFの診断のないCHADS-VAScスコア2以上の65歳超の患者において、スマートフォン/タブレットと接続した携帯型心電図モニター(iECG)を用いた週2回のモニタリングにより、1年で一般医による通常の経過観察の約4倍のAFが検出された。わが国でも心不全患者に対する植え込み型除細動器(ICD)の植え込みが増加しているが、DANISHのサブ解析では全死因死亡に対するICDの有益性は高齢になるほど低下し、有意な有益性が認められるのは70歳までであった。
重要な臨床試験を要約した本誌を日々の臨床に利活用いただければ幸いである。

(小室 一成/序文より抜粋)